事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

在特会、日本第一党が公安や警察庁の調査対象団体になっているという事実

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在特会、日本第一党が公安や警察庁の調査対象団体になっているという事実について整理しました。

公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」に活動が報告

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内外情勢の回顧と展望(平成26年1月)の公表について | 公安調査庁

公安調査庁が発行している「内外情勢の回顧と展望」に在特会の活動が報告されるようになったのは平成26年からです。

「在特会」という名称は出てきませんが、明らかにそれと分かる内容です。

同時に「カウンター側」も調査対象になっており、要するに公安の調査対象になっているという点で日本共産党や「しばき隊」と同じ扱いだということです。

日本第一党も公安の調査対象

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平成28年に桜井誠氏が日本第一党という政党を作り、東京都知事選挙に出馬した際も、公安調査庁は調査結果を報告しています。

在特会は桜井氏が日本第一党での活動に軸足を移したことから、その後は活動が下火になっているようです。ネット上でも日本第一党名義での活動が多くなっています。

警察庁「治安の回顧と展望」には「在特会」が明記

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刊行物|警察庁Webサイト

警察庁「治安の回顧と展望」には「在日特権を許さない市民の会」が明記されてます。

やはり平成26年から言及されているのがわかります。

在日特権を許さない市民の会、関連団体、高田誠(桜井誠)、構成員らの主な犯罪・違法行為

在日特権を許さない市民の会の構成員の主な違法行為・犯罪行為について代表的なものを紹介します。

京都朝鮮学校公園専用抗議事件で「資金」・ヘイト規制法の立法事実を提供する形

京都地裁 平成25年10月7日判決言渡し 平成22年(ワ)第2655号

京都朝鮮学校襲撃事件は、在特会がその存在を社会的に認知されるようになった事件であり、また、その目的も「京都朝鮮学校が京都市の公園を不法占拠している状態が是正されない状況を打破する」というもので、正当性がありました。

ところが、抗議の際の言動が差別的・ヘイトスピーチに渡るものが含まれていたため、在特会とその構成員が損害賠償請求訴訟を起こされ敗訴し、トータルで約1200万円の賠償が命じられました。

これは朝鮮学校側に「資金」を提供する形になった挙げく、ヘイト規制法・条例の「立法事実(正確にはその一部である「事件」)」をプレゼントした格好になった点で非難されるべきものです。

在特会と共闘していた主権回復の会の西村修平氏は本件の方法を反省し、今後の活動方針について在特会側と折り合いがつかなくなったため絶縁していますが、まさにこの認識で活動を行っていれば、完ぺきだったのに、と思うのです。

主権回復を目指す会» ブログアーカイブ » 陳 述 書(大意)

なお、本件で桜井誠氏が差別的発言を行ったとする言説がありますが、当該発言時、桜井氏はその場におらず、裁判でも別人のものと認定されています。ただ、在特会は権利能力なき社団であると認定され、賠償責任者として在特会も含まれています。権利能力なき社団の財産は総有関係なので、代表だった桜井誠の財産でもあるから、桜井氏にも当該発言の賠償責任があるという点では変わりありません。

如何に本件が立法事実化されたのかは以下で紹介しています。

西村斉らによる「似非同和」によるロート製薬強要事件

「在日特権を許さない市民の会」と「チーム関西」の元幹部ら4名が、ロート製薬株式会社による韓国人女優キム・テヒのCM起用に抗議するとして2012年(平成24年)3月2日に同社本社を訪れ、従業員を脅迫して竹島の領有権問題およびキム・テヒ起用の是非に関する同社の見解を回答するよう求めたことにより、強要罪に問われた事件。

在特会で関西支部会計・京都支部長を歴任した西村斉は「なんで俺こういうしゃべり方やねん。親譲りやねん。ということは俺の親否定してるのか。な、俺の家同和やから俺のとこ馬鹿にしてるのか…同和教育いるんちゃうか。ここも同和教育の担当おるやろ。そんな発言したらあかんで、あんた。差別だよそれ、差別。謝りなさい、今。俺の門地に対しての差別、謝りなさい」などと朝田理論を述べ、さらに威圧する姿勢を見せました。

なお、西村氏が被差別部落出身者ではないことが後に明らかになりました。 

「似非同和」行為を働くなど、もはや関西生コンなどと同レベルの行為です。 

桂田智司らによる朝鮮総連銃撃事件

【独自入手】朝鮮総連銃撃事件 ノーカット“2分12秒”の映像が語る発砲の瞬間

在特会等のメンバーらで構成された「チーム関西」の桂田智司氏が元暴力団組員川村能教氏とともに(朝鮮総連)中央本部の門扉に拳銃を発砲したとして銃刀法違反などの罪に問われた事件。

もはややってることが暴力団じみています。

在特会・日本第一党は破防法上の調査対象団体とは別かもしれない

ちなみに公安の調査対象になっているからといって、破壊活動防止法上の調査対象団体であるかは別問題です。

破壊活動防止法上の「暴力主義的破壊活動」を行った事実がなくても、「我が国の公共の安全に影響を及ぼし得る国内外の諸動向について情報を収集・分析」していることが公安の資料で示唆されています。

実際、在特会・日本第一党の構成員が「暴力主義的破壊活動」を行ったと言えるような事実はこれまで確認できていません。

この点で言えば、日本共産党とは異なると言えます。

 

まとめ:行政や司法の「朝鮮特権の是認」が生み出した

京都朝鮮学校公園不法占有抗議事件は、京都市が長年の間朝鮮学校の不法占拠を放置し、市民からの抗議があってから朝鮮学校側に都市公園法に違反するとして設備を撤去するよう指導したが、その後も朝鮮学校の排他的利用が続くなど、実効的な対応を行っていなかったという怠慢から、市民の側から在特会に依頼があって発生しました。

行政や司法による「朝鮮特権の是認」がなければ、起こり得なかった事態です。

その結果、市民が「被害」を受けていた現実状態を動かしたという1点が、在特会時代の桜井誠の功績と言えます。事実、この事件をきっかけにネットに限らず現実世界の言論にも変化が出てきたと思います。

しかし、違法行為があったために朝鮮学校側に「資金」を提供する形になった挙げく、ヘイト規制法・条例の「立法事実(正確にはその一部である「事件」)」をプレゼントした格好となり、その後の行動もヘイト規制条例の立法事実として利用されただけです。

右派らは、西村氏のような反省をして活動を洗練させなければ、その過激な言動を捉えられて、朝鮮側に有利な材料にされるだけでしょう。

以上