事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

韓国国防部が支離滅裂な見解を発表:レーダー照射事件

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1月22日、韓国国防部が支離滅裂な見解を発表していました。

あまりにも意味不明過ぎてもう「哀れ」です。

日本では報道されない内容もあるので、主張とそれに対する考え方を整理します。

日本の哨戒機低空脅威飛行に関連する国防総省の立場:일본 초계기 저공위협비행 관련 국방부 입장

언론보도 바로보기:日本の哨戒機低空脅威飛行に関連する国防総省の立場との声明。
魚拓はこちら

こちらでレーダー照射事件についての日本側の見解に反論しているので紹介します。

訳が所々不適切かもしれませんが大枠は外してないはずです。

「実務協議による問題解決とかけ離れた」のはどちらか?

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ビデオ実務会議を開催した翌日韓国側の反対にもかかわらず、動画を公開するなど、実務協議を通じた問題解決の努力とはかけ離れた行動を見せながら

これは防衛省の指摘と矛盾します。

 

韓国海軍駆逐艦による自衛隊機への火器管制レーダー照射に関する防衛省の最終見解について 

防衛省は、本年1 月14 日の実務者協議において、相互主義に基づき、解析結果のもととなる探知したレーダー波のデータやレーダー波を音に変換したデータなど事実確認に資する証拠と、韓国駆逐艦の火器管制レーダーの性能や同レーダーの使用記録などを、情報管理を徹底した上で突き合わせ、共同で検証していくことを提案しましたが、受け入れられませんでした。
なお、昨年 12 月 27 日の実務者協議でも、同趣旨の提案をしています。また、本年1 月14 日の実務者協議では、事実確認に資する証拠の一つとして、探知したレーダー波を音に変換したデータを持参し、その場で韓国側に聴取してもらうことを提案しましたが、韓国側はその提案も拒否しました。

しかも韓国側は、レーダー電波情報の「公開」を要求していることから、韓国側が「実務協議を通じた問題解決の努力」をしていないことは明らかです。

「150mは必ず避けるべき低高度」という非常識

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最低安全高度150mについて、国際民間航空条約は軍用機には適用されないことを日本側が最終的に認めたが、民間航空機においても150mは人や建物がない場合でも、安全のために遵守しなければなら最低高度である。すなわち、150mは日本側が言うような「十分な高度」ではなくて、必ず避けるべき」低高度」というのは常識である。

まず、日本の防衛省が国際民間航空条約(ICAO)の150mという基準を持ち出したのは海洋法条約で認められている航行の自由に「配慮」しているというだけであって、それが軍用機に適用されるという国際的な規定があるわけではありません。

軍用機は基本的に無制限です。(もちろん平時の航行の自由の侵害をしない限度で)

安全保障上様々な飛行をする場合が考えられるからです。

民間機は「人を目的地に運ぶ」のが主たる目的なので(空撮など例外はあるだろうが)そもそも低空飛行をする必要がありません。地上物との接触の危険が生じる低空飛行をする必要が無いことが、高度規制が設けられている要因の一つになっています。

軍用機であるP1哨戒機に「150mは必ず避けるべき低高度というのは常識である」などという主張は、国際的に甚だ非常識です。

韓国哨戒機は距離5500m~9000m離れて飛行?

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ちなみに、我々の哨戒機は疑わしい船舶の監視などの特殊作戦以外には、高度約300メートル、距離約5,500〜9,000メートルを離隔して飛行し、探知機の性能などを考慮すると、この程度の距離でも十分相手艦艇を識別することができている。ところが哨戒機が高度150mと距離500mまで接近して低空威嚇飛行をしたということは、友好国艦艇を疑しい船舶とみなして実施する偵察行為としか理解できない。

「高度約300m、距離約5,500〜9,000mを離隔して飛行」

これを本気で言っているとは俄かには信じがたいのですが、韓国国防部の公式HPに掲載されている内容です。

レーダー電探だけで相手艦船の国籍やその他の細かい情報を得ることは不可能なので、目視による確認ができれば行うのが当たり前なのですが、韓国の軍隊はそういう運用をしていないとでも言うのでしょうか?それでは安全保障の任務を実行できてないでしょう。

流石にそんなことは無いハズなので、これは日本だけに向けて「この距離以内に来るな」という無理難題を吹っかけているだけでしょう。

「脅威を受けた者が脅威と感じれば、それは脅威である」

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問題は「威嚇飛行」である。当時、我々の艦艇の乗組員は、哨戒機の低空飛行を明らかに脅威として認識したこと。友好国艦艇が救助活動中の場合は助けてくれるのが常識なのに、緊迫した救助活動を進行中の私たちの乗組員が騒音と振動を感じるほど艦艇横を向く進路飛行と近距離横断飛行のよう飛行をした。

 「威嚇飛行」の根拠として、「乗組員が脅威と感じた」「騒音と振動を感じた」ということを持ち出していますが、こんな感覚的なことを言われても、という感じです。

防衛省の最終見解でも、「防衛省は、実務者協議において、更なる客観的根拠の提示を求めましたが、韓国側からは、そのようなものは示されず、逆に「脅威を受けた者が、脅威と感じれば、それは脅威である」などの全く客観性に欠ける回答を繰り返してい
ます。」と指摘されています。

艦艇横を向く進路飛行と近距離横断飛行の事実も、日本防衛省の映像からは否定され、韓国側がそれを肯定する証拠は一切出していません。

「救助活動中は助けてくれるはず」⇒なぜSOS無し?

友好国艦艇が救助活動中の場合は助けてくれるのが常識なのに

ならばなぜSOSを日本側に出さなかったのでしょうか?

レーダー照射がされた場所は日本側のEEZです。沿岸国に救助を求めることが最も効率的であるはずなのですが。

SOSを出さなくとも、P1哨戒機に対して無線交信で「救助活動中である」と伝えなかったのはどうしてでしょうか?

韓国の声明は、韓国がおよそ不合理な行動をしていたということを示してるだけです。

レーダー照射をしていない再現実験???

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我々は日本側の主張を真剣に検討して細かい検証作業まで進行した。当日と同じ条件で実施した2回の再現実験、乗組員のインタビュー、システムに保存された資料の分析などを通じて、当日、私たちの艦艇から追跡レーダー(STIR)が照射されていなかった明らかな科学的結論に達した。

この件は韓国メディアも報じています。

[정치][자막뉴스] 일본 측 '레이더' 주장 반박하는 실험 공개

軍は、同じ場所で、天候や波の高さなど、複数の条件を合わせ、北朝鮮漁船救助作業に出た海洋警察のサンボンギョ(三峰号)も再び動員しました。広開土大王艦とサンボンギョは救助作業時と同じようレーダーを作動し、起動もそのまま再現しました。海軍哨戒機P-3Cを浮かべるなど、2回の模擬実験の結果射撃統制レーダーは全く捕捉されなかったと明らかにした。

しかし韓国メディアの表現では「사격통제레이더」=射撃統制レーダーとなっているのに対し、韓国国防部は「추적레이더」 =追跡レーダーとなっています。

これらは別のものを指しているのではないか?という疑問があります。

いずれの意味なのか、韓国メディアが間違えたのかは別にして、この「再現実験」については各所から突っ込みの嵐です。

そうです。火器管制レーダー(FCレーダー)を照射したなら韓国海軍のP3Cが探知していないというのはおかしいですし、照射していなかったならそもそも捕捉できないので、「再現実験」になる訳がないのです。

そのような性質のものを「再現実験をして証明した!」と言うのは、明らかに政府レベルに対するものではなく、国内の頭の弱い人か、世界の一般人向けのものでしょう(流石に韓国国民はバカにされ過ぎだと思います)。

レーダー周波数は公開できないから実務協議で交換できないから日本はレーダー波形を公開しろ

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艦艇の追跡レーダー周波数の仕様については、非常に高いレベルの軍事機密事項として、これを公開する場合には、機密が露出して、私たちの艦艇の武器体系すべてを変更する必要があるという問題に直面することは日本側もよく知っているものである。実務会議で、これらの絶対的な非対称性を持つ情報を交換しようという主張を曲げない日本側の意図が分からない。

この一節を取っただけでも意味不明なのが分かるでしょうか?

韓国は「公開」すると機密が露出すると言ってます。

「じゃあ実務協議で秘匿をかけて交換しましょう」

日本側は12月27日の実務者会議からそう主張しているのですが、韓国側は拒否。

暗に「日本が秘匿を破って公開する」という前提であるとしか思えません。

にも関わらず、韓国は日本に対して「探知したレーダー波形を「公開」しろ」と言っているのです。

レーダー波形を公開すれば、同じSTIR180を装備している多数の国にとっても不利益になるのであり、レーダー製造会社の怒りを買うことになります。そのような行為を韓国は求めているということで、他国も韓国側の要求は「ふざけるな」と思っているでしょう。

もはや話が通じる相手と思う方が無理があります。

「相手が怯えてないから脅迫ではない」という謎理論

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通常、航空機が追跡レーダー照射を受けた場合、速度を最大に加速して回避飛行をするのが一般的であるのに対し、P1哨戒機は加速もせず、むしろ1次照射を受けたと主張した時点以降、私たちの艦艇の方向に旋回する異常な起動を行った。

これは「私が包丁を突きつけたと言うが、仮にそうだとしても相手が怯えていなかったから脅迫ではない」と言っているようなものです。

「全速力で逃げなかったのだからレーダー照射の事実は無い」論は成り立ちません。

しかも、P1は「離隔」動作を行っており、一応は「逃げる」行為をしています。

無線交信については開き直り

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通信関連、日本側が主張した3種類の無線呼び出しの中でただ1種類だけやっと聞くことができたのは事実であり、残りの2回の呼び出しは、最初から録音さえされていないことを確認した。これにより、韓国側は、残りの二つの呼び出しが実際送出されたかを確認することができる記録の記録などを日本側に要請したが、何の答えがない。 

受信が可能であったVHF 156.8MHzへの通信呼び出しもノイズ過多、受信感度不良、一側のパイロットの不正確な英語の発音で通信で「Korea South」と言及したことを「Korea Coast」(海警呼び出し)と通信の監視員が誤って聞こえたと日本側に説明したものである。

録音されていない原因を「日本側が送出していなかったこと」にしています。

無線交信において送出記録を残すということって、一般的なのでしょうか?

日本の映像で「KOREAN SOUTH NAVAL SHIP, HULL NUMBER 971, THIS IS JAPAN
NAVY.」と言っていることを明らかにしたのに、未だに『「Korea Coast」と言っていた』という嘘をついてます。

まとめ:報道には現れない韓国の異常性

「国際社会の和合には役に立たない不適切な世論戦をこれ以上しないことをもう一度厳重に促す」

これは韓国の見解の締めの一節ですが、日本が映像公開したことがダメージになっているということがありありと感じられます。

むしろ韓国自身が政府相手には通用しない「世論戦」を行っているとしか思えません。

ここで取り上げた内容はあまり報道で取り上げられることはありません。

たぶん、あまりにもばかばかし過ぎて報道してないのでは?とも思います。たしかに報道する価値があるのか疑問です。

それでも韓国側がどういう主張をしているのか、一度しっかり理解しようと試みた次第です。疲れました。

以上