事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

厚労省「生活保護は国民の権利」メンタリストDaiGo発言を受けて?⇒昨年12月も同じツイート

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ある炎上騒動と絡めて報じられていますが…

厚労省「生活保護は国民の権利」とツイート

厚労省のTwitterアカウントが「生活保護は国民の権利」とツイート。

大拡散されていますが、ある事件をきっかけにしたのではないか?と言われています。

メンタリストDaiGo発言を受けて?

YouTubeチャンネル登録者数が240万人を超えるメンタリストDaiGo氏が「ホームレスの命はどうでもいい」等の発言をしたことが炎上

その中で

僕は生活保護の人たちに、なんだろう、お金を払うために税金を納めてるんじゃないからね。 生活保護の人に食わせる金があるんだったら猫を救って欲しいと僕は思うんで。生活保護の人が生きてても僕は別に得しないけどさ、猫は生きてれば得なんで

生活保護に関してはこのような発言をしていました。

その後の発言も文脈からは生活保護受給者と無関係ではありません。

そのため、厚労省の8月13日のツイートは、メンタリストの発言を受けてのことではないか?と言われ、メディアも取り上げています

が…

昨年12月も同じツイートをしていた厚労省

こちらは昨年12月28日のツイート。文言もほぼ一緒です。

しかも、これだけではありません。

7件ツイートしていますが多いので代表的な2件をピックアップしました。

年末年始が一番困窮による死者が多い傾向にあるのでこうした必死の呼びかけをしていたのでしょう。これ以前の生活保護に関する呼びかけは一気に2016年まで遡ります。

もしかしたら、お盆の時期も同様の傾向があるのでしょうか?

メンタリストの炎上の機会を捉えたのか?

今回のツイートは、昨年12月のツイートよりも10倍以上リツイート等で拡散されています。メンタリストの炎上があったから、注目されているのでしょう。

「メンタリストの発言があったので、今回はより多くの人が認識してもらえるのでは?」と考えていたとしても不思議ではありません。

ただ、「発言を受けて初めて生活保護に対する発信を強めた」とか、「メンタリストの発言に対する怒りの意味もあるのだ」とか、そういう言説はかなり飛躍があると思います。

なお、生活保護受給世帯に関する言説にはミスリーディングなものがあるので以下検証しています。

蛇足:【外国人への生活保護支給】についての最高裁判例

最高裁平成26年7月18日判決(平成24年(行ヒ)第45号

参考:http://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/20038509.pdf

誤解がありますが外国人への生活保護支給に関する最高裁判決は、生活保護法の対象に外国人が含まれず「受給する「権利」はない」と判示しただけ。

自治体による生活保護の支給措置があったとしても、それが憲法違反だとか違法であるとしたのではありません。外国人が生活保護を求めてきても権利はないから退ける事もできるということ。

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