望月衣塑子記者がまた事実と異なる内容をツイートしました。
#共同通信 #角南圭祐 記者の特ダネ#慰安婦「兵70人に1人」と記述 外務省文書
— 望月衣塑子 (@ISOKO_MOCHIZUKI) 2019年12月7日
内閣官房が2017、18年度新たに23件公文書収集。在中国日本領事館の報告書には「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」の記述。専門家「軍と外務省が国家ぐるみで慰安婦送り込んでいた」https://t.co/n0ektY0hnC
また、前提となる共同通信の慰安婦に関する記事の性質についても整理します。
- 共同通信「軍関与を補強」望月衣塑子「角南記者の特ダネ」
- 今田真人「初出は週刊金曜日」2017年11月24日号
- 週刊金曜日2017年11月24日号掲載の在青島総領事の文書
- 「醜業」とは「売春業」のことであり「性奴隷」の意味ではない
- 軍当局の了解があるかの如き言辞を弄する者も
- 三一書房「角南記者にも献本している」と証言
- 新たな事実ではないものを殊更に報じる共同通信
- 河野談話における「日本軍の関与」と慰安婦問題
共同通信「軍関与を補強」望月衣塑子「角南記者の特ダネ」
旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡り、関連する公文書の収集を続ける内閣官房が2017、18年度、新たに計23件を集めたことが6日、分かった。うち、在中国の日本領事館の報告書には「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」「軍用車に便乗南下したる特殊婦女」などの記述があった。「酌婦・特殊婦女」は別の報告書内で「娼妓と同様」「醜業を強いられ」と説明され、慰安婦を指している。専門家は「軍と外務省が国家ぐるみで慰安婦を送り込んでいたことがはっきり分かる」と指摘する。
この記事に対して東京新聞の望月衣塑子記者が「共同通信の角南記者の特ダネ」というツイートをしました。
それに対して、今田真人氏から突っ込みが入りました。
今田真人「初出は週刊金曜日」2017年11月24日号
これは外務省の外交史料館で私が発見した資料である。「週刊金曜日」2017年11月24日号で初めて紹介。拙著『極秘公文書と慰安婦強制連行』(2018年、三一書房)のP86などでも詳しく紹介している。共同通信の努力は評価するが、なぜ私に取材しないのだろう。
— 今田真人(経済ジャーナリスト・脱原発) (@masatoimada2) 2019年12月7日
今田真人氏によれば、今回内閣府が入手したと報じられた文書のうち、「在青島日本領事館」の文書は、週刊金曜日や彼の著作「極秘公文書と慰安婦強制連行 外交史料館等からの発見資料 [ 今田 真人 ]」で既に紹介している文書であるという指摘があります。
つまり、「共同通信の特ダネ」などというものではないということです。
週刊金曜日2017年11月24日号掲載の在青島総領事の文書
週刊金曜日2017年11月24日号の該当ページです。
「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」について確かに載っています。
ここで紹介されている文書は「昭和13年・社会問題諮問委員会関係一件」とされ、「兵員70名に対し1名」の部分は週刊金曜日では昭和13年6月29日付の在青島総領事の文書とされています。
国立公文書館 アジア歴史資料センターの【社会問題諮問委員会関係一件 第二巻/分割3】のPDF115頁に掲載されています。
「醜業」とは「売春業」のことであり「性奴隷」の意味ではない
しかも、週刊金曜日の記事内では以下書かれています
1938年当時、日本政府は内地から中国へ連行する「慰安婦」女性について、21歳以上で、かつ「事実上醜業(売春業)を営む者」などの制限を課していた(38年2月23日、内務省警保局長発の通牒=97年の政府公表資料)
「慰安婦」にされた日本内地女性の家族にとってこの連行は誘拐であり、女性本人にとっては詐欺被害であった。38年7月1日付の在南京総領事の文書にこうある。
「内地親元より捜査願、または本人あるいは親元より、かかる醜業、不承諾による帰郷取り計らい願など殺到の状況」
「醜業」とは「売春業」のことであり、決して「性奴隷」の意味ではありません。
※記事中の()内は今田氏が記述か。警保局の原文には「醜業」のみ。
また、外務省内でも日本列島(内地)出身の女性も騙されて誘拐されていることが社会問題であるという認識であったことが分かります。
昭和13年2月23日の内務省警保局長発の通牒は、国立公文書館 アジア歴史資料センターの【社会問題諮問委員会関係一件 第二巻/分割3】で閲覧可能です。
軍当局の了解があるかの如き言辞を弄する者も
昭和13年2月23日の内務省警保局長の文書について。
ここでは「恰も軍当局の了解があるかの如き言辞を弄する者も最近各地に頻出しつつある」とされ、その文脈で「醜業」を目的とする女性の渡航制限をせよと書かれています。
よって、日本軍が組織的に強制連行をしたことの証拠などではなく、むしろそれを否定する間接事実を指している資料なのです。
三一書房「角南記者にも献本している」と証言
角南圭祐記者にも刊行時に『極秘公文書と慰安婦強制連行 − 外交史料館等からの発見資料』を献本してますね。
— 三一書房 San-Ichi Shobo (@31shobo) 2019年12月8日
今田真人氏の著書『極秘公文書と慰安婦強制連行』の出版社である三一書房から、角南記者に献本しているという指摘がありました。
よって、角南記者がこの資料は少なくとも今田真人氏が既に発見しているものであるということを知らないはずがなく、望月記者の「共同通信角南記者の特ダネ」というのは事実に反することになります。
そもそも、この資料は国立公文書館でネット上で公開されているものであり、アップロードの時期如何では「今田氏が最初の発見者」と言うのもおかしな話になる可能性があります。
新たな事実ではないものを殊更に報じる共同通信
共同通信が報じているのは「内閣官房が2017、2018年に入手した」ことです。
在青島日本領事館の文書が新たに見つかったとは書いていません。
なぜ、わざわざ報じるのか不思議で仕方がありません。
ネット上では「新事実が見つかった」と反応している人が多数発生しており、そういう者が出てくるように狙っているのでしょう。
ニュースではないものをニュース性のあるものとして報じたり、過去に報道した記事のタイムスタンプを更新してさも最近の事実であるかのようにして記事をSNS等に拡散するということを共同通信が行っていることが不破雷蔵氏から指摘がありましたが、もはや常態化してるのでしょう。
タイムフェイク記事を連発する共同通信 - 【ネタ倉庫】ライトニング・ストレージ
河野談話における「日本軍の関与」と慰安婦問題
河野談話における「日本軍の関与」とは、日本軍が慰安所を運営していた事実、その中で業者や親に騙され、意思に反して連れてこられた女性らが稼働していた事実を指し、これまで日本政府は否定したこともありません。慰安所が軍隊によって設置されていたというのは世界各国で行われていたことであり、それ自体を非難対象にするのは無意味です。
他方、朝日新聞の誤報によって韓国が騒ぎ立てている「慰安婦問題」とは、「①日本軍が組織的に②女性を強制連行して③性奴隷にした」というものであり、河野談話はこれを認めたものではありません。
特に日本軍が組織的に強制連行をしたということは、朝鮮人女性の証言のみであり、何らの文書も示されていません。しかも朝鮮人女性の証言はコロコロ変わっているので、とても信ぴょう性がありません。
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