毎日新聞記事で印象操作 ※有料部分は見ないで論じます。
毎日新聞「中止すべきが32%で最多」
東京五輪は「中止すべき」32%で最多、「再延期すべき」17%。「予定通り開催すべき」9%、「海外からの観客は入れずに開催すべき」21%、「無観客で開催すべき」15%でした。ただ再延期の可能性はほぼゼロです。そして開催が世界を鼓舞するのも確かだと思います。難しいです。https://t.co/rIlLnj1CQu
— 小川一 (@pinpinkiri) 2021年3月13日
毎日新聞と社会調査研究センターが13日に実施した全国世論調査では、今年夏に開催が予定されている東京オリンピック・パラリンピックについても尋ねた。「中止すべきだ」との答えが32%で最も多く、「再び延期すべきだ」も17%あった。
これが毎日新聞の記事のリード文です。
「中止すべきが32%で最多」
この表現は印象操作として問題でしょう。
論理レベルが合わない回答を印象操作している
オリンピックの開催の是非についてのアンケートの回答については
- 開催すべき
- 中止すべき
- 分からない
という3つの選択肢が同じ論理レベルであり、本来はこれらの比較をするべき。
もっとも、今回の東京五輪は新型コロナウイルス感染拡大の影響で延長されたのであり、再延長についても話題にあがることから、「再延長」も含めた4択でも良い。
「再延長」の場合、それは「基本的に開催を希望する」意思があるとかが得られますから、「開催すべき」の側に振り分けられるものでしょうが「再延長してその後の感染状況等を見て判断すべき」を開催側に振り分けることにクレームが付く可能性もあるので、大枠では4択がベターだろうと思います。
ところが、毎日新聞は、「開催すべき」の中身を細分化して(それ自体は問題ない)、「予定通り開催すべきだ」「海外からの観客は入れずに開催すべきだ」「国内の観客も入れずに無観客で開催すべきだ」の3つをそれぞれ別々に報じて「中止すべき」よりも低い%だとして報じています。
本来はこれらの合計である45%が「手段の如何を問わず開催希望」として最多であり、また、再延長も含めれば62%が「基本的に開催希望」なわけです。
なぜ、論理レベルが異なる回答をそのまま比較し、母集団が論理必然的に多くなる、細分化されていない「中止すべき」の回答数が最多であると強調しているのでしょうか?
印象操作と言われても仕方がないでしょう。
グラフの作成について:必然性を求めるのは過大な要求か
グラフについてはあのようなもので良いのではないかと思います。
サムネイルに載せるものとしてはああするしかないんじゃないですかね。
「中止すべき」は細分化できませんし。
もっとも、「開催すべき」の内訳として「予定通り開催すべきだ」「海外からの観客は入れずに開催すべきだ」「国内の観客も入れずに無観客で開催すべきだ」があると見えるようにグラフを作ることは可能でしょうが、そこまで必然性を求めるのは過大な要求だろうと思います。
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