事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

ニューヨークタイムズのモトコリッチ「日本Twitterで中国人は来るながトレンド」と捏造か?

ニューヨークタイムズ反日記者元子リッチの記事の捏造

ニューヨークタイムズの東京支局長のモトコリッチによる1月30日付の記事で「日本のツイッターで#中国人は来るな がトレンド」と記述されていました。

怪しいので調べてみました。

ニューヨークタイムズ元子リッチ記者の記事

As Coronavirus Spreads, So Does Anti-Chinese Sentiment - The New York Times

ニューヨークタイムズのモトコリッチ記者が書いたこの記事では「日本では、ハッシュタグ#ChineseDon'tComeToJapanがTwitterでトレンドになっています」という文言から始まり、新型コロナウイルスによって人種差別が広がっているという主旨の内容になっています。このタグは日本語に直すと「#中国人は日本に来るな」です。

原文は"In Japan, the hashtag #ChineseDon’tComeToJapan has been trending on Twitter."となっており、「ツイッタートレンド」に入っている事を指しているのか、それとも日常用語として「流行ってる」という意味で使われたのかは確定できません。

ツイッター上の「中国人は日本に来るな」ツイート

ジェームズ・コンドウという方がツイッタートレンドデータを示して(Yahooリアルタイムトレンドと思われる)、「#中国人は日本に来るな」の文言は113しかツイートされていなかったと言っています。

これに対してモトコリッチは「中国人に関する上位3つの検索結果は日本語で「#中国人死ね」「#中国人は日本に来るな」「#中国人入国禁止・中国人お断り」だったと言っています。

まるで数字がどうであれ結局主張内容は問題ないではないかというような素振りです。

ジェームズ・コンドウ氏は「日本のツイッターでは大体1万ツイートされないとトレンドに上がらないから、日本のトレンドにそのような言葉が上がったというのは不正確だ」と指摘。モトコリッチからはこれ以降の返信はありません。 

私も元子リッチが記述した"trending on Twitter"がツイッタートレンドであると仮定して、調べてみました。

ツイッタートレンドの特徴

実はツイッタートレンドというのは、そのユーザーのアカウントの環境を参照して(IPアドレスの国別、位置情報、使用言語、ツイート内容、フォロー関係等)表示されます(Torブラウザでログアウトした状態で見ると分かりやすい)

そのため、人によって表示されるトレンドが異なるということに注意です。基本的に「トレンドに上がっていた」 というのは主観的な要素が含まれるということです。
だからトレンドに上がってるから有名・流行しているとは言い切れない

その上で、私の経験上、日本のトレンドに上がるためには最低でも「1000ツイート(件)表示」されていないとダメだと思います。

この「〇〇ツイート(件)表示」は、単純にそのハッシュタグを含むツイートが為された数ではありません。トレンド欄に表示される数字です。

私が過去に検証した結果ですが、「トレンド値」のようなパラメータがあるようで、トレンド欄に「〇〇ツイート」と書かれているものよりも実際にその文言を含んだツイートがされている数は少ない場合があります。

これはリツイートやいいね、単一のユーザーによるツイートであるかどうかなどが影響するものであると私は推測しています。

過去にトレンドに上がったもので私が調べたものは200ツイート程度でもトレンドに1126ツイート表示として上がったことがありますが、これはテレビアニメなど放送時間が決まっているために、極短時間にツイートされることでトレンド値上昇にボーナスがついているものと思われます。

こうした観点を考慮しながら、検討していく必要があります。

※なお、ここで書いたことは悪用されるかもしれませんが、今はトレンドがスパムである場合に通報できるなどツイッター側の仕様も洗練されてきている上、悪用するような人間はこの程度の事は気づいているので問題ないでしょう。

ツイッタートレンドの独自の調査方法

モトコリッチが書いた記事は1月30日付になっていて、上記ツイートでも1月30日のものを指摘していることから、日本時間の1月29日~30日までのツイートを検索しました。

調査方法はログアウト状態からツイッター検索窓で検索しました。

文脈上、ハッシュタグを肯定する趣旨ではない者も含まれるかもしれませんし、新型コロナウイルスの影響がないものも含まれる可能性はありますが、ここではトレンドに上がるかどうかの話ですのでそういったツイートでも当該ハッシュタグを使用していた場合はカウントします。

調査した日は2月5日の18時以降です。

「#中国人〇ね」或いは「#中国人は〇ね」

結果:1件

「#中国人は〇ね」は0件でした。

「#中国人は日本に来るな」

結果:98件(29日42件、30日56件)

リツイートが3桁になっているものはなく、最も多いもので30程でした。

「#中国人国禁止・#中国人お断り」

結果:#中国人入国禁止は113件(29日58件、30日53件) #中国人お断りは47件

こちらもリツイートが3桁になっているものはありませんでした。

113件というのはジェームズ・コンドウ氏と同じ結果です。

考察:モトコリッチ記者の捏造か工作後のアカウント・ツイート削除か

「#中国人は〇ね」「#中国人〇ね」は極端に数が少ないですが、その文言が過激なので、通報により削除された可能性があります。モトコリッチもNYTの記事では別の文言を挙げているため、考察からは捨象します。

同じ人間が何度も何度もツイートしているとは言えませんでした。

上記検索結果に時間の偏り(29日と30日の境目の時刻に集中してツイートされたなど)は存在しないので、短時間に瞬間的にツイートされたことによる「トレンド値」の上昇は無いと言えるでしょう。

上記結果は日本のツイッタートレンド上位になるためには明らかに不十分な結果です。

したがって、考えられるのは3つ

  1. 真実としてはトレンドに上がっていたが、現時点ではアカウント・ツイートが削除されているため少なくなった
  2. モトコリッチ氏が持っている何らかのアカウントの環境が「#中国人入国禁止」を呟くようなアカウントに近しい状況だったため、彼女の環境ではトレンド入りしていた
  3. モトコリッチ記者の思い込みであり不正確

モトコリッチの記事は不正確

上記1番は5日間の間に大量のアカウント・ツイートが削除されたということになってしまいます。最近仕様変更などで「凍結祭り」が起こったということは聞きません。よって、工作によって意図的に当該ハッシュタグを含むツイートが為された場合にしか成り立ちません。

今の所20くらいリプライが付いていますが、誰も見たことがあるという人は現れません。少なくとも私やそのフォロワーからはトレンドに上がっていたことを見た者は存在しないのですから、可能性としては著しく低いと言えるでしょう。

2番はその可能性を完全に否定できませんが彼女の思想とは真逆と思われる立場の発言がトレンドに上がるような環境であったなら、それはサブアカウントにおいて意図的に作られた環境でしかないということになります。

これらの結果からは番のモトコリッチ記者の思い込みで不正確だった可能性が最も高いでしょう。

他方、"trending on Twitter" が単なる日常用語の表現として「流行っている」という意味であるならば、それはモトコリッチ記者の主観的な評価に過ぎず、事実問題ではなく評価の妥当性の話になります。

しかし、ツイッターにおいて"Trending"と言うことはTwitterサービス上の「トレンド」にランクインしたことを意図していると客観的には理解するのではないでしょうか?そうでなくとも、問題のハッシュタグを含むツイートがどれも100以上リツイートされていない上に、モトコリッチ記者のアカウントからの見え方が、「日本(のツイッター)で流行っている」と言えるものだったのかというと、それもおかしな話だと思います。

政治系に浸かっている私のアカウントの環境からですら、ほとんど見ることがなかったのですから。

まとめ:なぜツイッター上の現象が都合よく利用されるのか

ツイッター上のツイートについて言及するものでマスメディアに登場する数値は、なにやらおかしなものが多い気がします。

過去にもMBS映像'バッシングで取材者である斉加尚代を名指しするツイート5000件存在したという内容が放送されましたが、検索結果は単純数だけで637でした。

なぜツイッター上の現象が都合よく利用されるのでしょうか。

以上