事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

同性パートナー宣誓者の住民票の続柄に事実婚の外観記載「夫(未届)」に関する長崎県大村市議会の質疑答弁:令和6年6月18日

あーれれー?おっかしいぞ~?

大村市議会で「同性事実婚」の住民票の続柄について

長崎県大村市において同性パートナーシップ宣誓者の住民票の続柄に異性事実婚の外観を有する「夫(未届)」という記載が為された問題について、大村市議会の村崎浩史議員が質疑を行いました。

本件の問題点については以下で整理し、本稿は質疑と答弁の書き起こしに留めます。

大村市及び園田裕史市長答弁「総務省答弁とは矛盾しない」

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村崎市議 先日発行された本市で居住されてる同性カップルに対して「夫(未届)」での住民票を交付したことについてお尋ねさせていただきます。結果的には日本で初の事例というふうになったわけでございますが、まず私がお伺いしたいのは、記者会見とかでもおっしゃってましたけれども、現在本市は、長崎県を通じて住民票制度を所管する総務省に対し、交付に至る経緯や市長会見の内容などを報告していると。で、今のところ総務省とのやり取りはメールとか電話とかで何度かされている、これは全員協議会でもおっしゃっていたかと思いますが、現時点、本日6月18日時点で総務省から何らかのご回答とかはあったのでしょうか、リアクションはございましたでしょうか。

市民環境部長 5月8日に今回本市が行った住民票の続柄記載に「夫(未届)」としたことは妥当だったのか誤りだったのかについて、長崎県を通じて総務省へ問い合わせを行い、現在その件についてメール等での聞き取りを行っている状態であり、また、回答はあっていない状況でございます。

村崎市議 ちょっと基本的なことなんですけれども、おっしゃったのは自治の裁量で、住民票については自治の裁量であるということでずっとおっしゃってたんですが、そこを総務省に妥当かどうかって聞かなければならないのでしょうか。自治の裁量であればそこは聞く必要は無いのかなと私は、全員協議会で聞くかは迷っていたんですけども、一般質問取ってたので聞かなかったのですが、自治の裁量でご判断されたということであれば、総務省にお伺い立てる必要すらなかったんじゃないのかなと思うんですがそれについていかがでしょうか。

市民環境部長 私たちといたしましては自治事務として取り扱っており、自治体の裁量の範囲内というふうには考えておりますが、多くの方々からのご質問等がありますので、確認も含めて総務省へ現在確認をしているところでございます。

村崎市議 はい。これ手順論だと思います。確認してから発行する、ですから発行した後に確認するというのであればそれもそれで一つのやり方でしょうし、同僚議員から もありましたように全員協議会で指摘もあったように、まず総務省とかとやり取りをしてから国とやりとり、協議連絡調整をしてから市として意思決定するべきではなかったかという考え方あると思いますが、本市では前者であったというふうに理解をしています。本市がこのような対応、続柄を「夫(未届)」という住民票を発行したことにおいてですね、社会保障分野における影響する分野が多いのではないかと思うのですが、厚生労働省に特に影響が及ぶんじゃないかと思うんです。厚生労働省の所管する事業において波及制度の件数であったり、代表的な制度についてご答弁頂きたいと思います。

市民環境部長 厚生労働省へお伺いしたところ、今回の事例が国の制度に及ぼす影響については、現時点で具体的に検討していないため、回答は難しい、とのことでございました。今回の事例は住民基本台帳事務処理要領の世帯主との続柄の記載方法における内縁の夫婦の考え方に準じて、「夫(未届)」と記載を致しました。さきほども申しました通り、自治事務として取り扱っており、社会保障制度など国の制度への影響とは別というふうに考えております。

村崎市議 私は健康保険の被扶養者であったり国民年金の第三号被保険者、公的年金制度の各種給付などなどに影響があるのではないかと思っていたのですが、厚労省からは具体的になかったというふうに理解いたしました。もう一点お尋ねいたしますが、平成30年6月8日衆議院法務委員会においてですね*1、このような質問がなされております。住民票の続柄の今の記載について、同性パートナーについてはどのようになっていますか、というやりとりが、衆議院法務委員会でございました。当時の小倉將信大臣政務官が答弁されているかと思いますが、その答弁内容をお答えいただけますでしょうか。 

市民環境部長 法務委員会の議事録によりますと、総務大臣政務官は「同性パートナーにつきましては、戸籍制度では同性結婚は認められておりませんで、親族関係があると言えないため、世帯主との続き柄につきましては同居人と記載することとしております」と答弁されております。

村崎市議 私も一所懸命調べたのですがこの後具体的な平成30年以降ですね法務委員会等々ですね短い時間調べたんですが、いろんな言葉で調べて検索したんですが中々なかったんですほかにこれ以上踏み込んだ議論がですね。この小倉総務大臣政務官のご答弁でいうと、続柄につきましては「同居人と記載することとしております」ということと、今回の本市の対応について、整合性についてご説明いただきたいと思いますが。

市民環境部長 今回の続柄の記載につきましては、繰り返しになりますがあくまで自治事務として自治体の裁量の範囲内と考えております。総務大臣政務官の答弁は、国の立場の答弁なので、必ずしも整合性が採られなければならないものではないと考えております。また、総務大臣政務官の答弁はパートナーシップ宣誓をされた方ではなく、同性パートナーについての答弁であると理解をしております。そうした点からも必ずしも整合性が図れるものではないと認識しております。また先ほど申しました通り、総務省の見解を尋ねているところでございます。

村崎市議 時間も過ぎてきていまけど市長、非常に判断の難しいところでございますがまず市長として賛否あると思いますが大村市の方針として意思決定をされた、これは大村市としてこうだとお決めになられたという決断したということについては私は一定の敬意を表します。で、大切なことは結局今回大村市の「夫(未届)」というふうにしたけれども、市長は事実婚と認めていないと、事実婚と国のいわゆる事実婚とは認めていないとおっしゃっているんですが、これに関して本会議での答弁がまだ一度もないので、市長のご答弁としてお答えいただけないでしょうか。

市長 今回の事例は事実婚と認めたわけでは無くて、大村市においてパートナーシップ宣誓制度を受領されている方が、住民票の記載で同居される方を「夫(未届)」と記載をしてほしいと要望がありましたので、現場の担当課の職員がそのことができるかできないかを現場で判断をして、住基法の記載例に基づく内縁の夫婦というところと同等ではなくて、ここに準じた形で記載ができると判断をして記載をしたもので、記載自体は自治事務の範囲内ということですので、法律を越権をしていないという認識ですし、そこについては最終判断として間違っていないものとして認識しています。

村崎市議 時間がありませんので私から一言。橋本岳元厚生労働副大臣もブログの中で*2本市の対応について言及されておられます。その中で、橋本岳衆議院議員が仰るのは、たとえば今回のケース、大村市パートナーシップ宣誓制度による「パートナー」という記載を検討してもよかったのではないかと。市長はそういう事務要領に準じる形で「夫(未届)」準じたわけですけれども、本市のパートナーという記載でもよかったんじゃないかと。社会保障を結局受けられない状態になっているわけですから、そういう市独自の判断があってもよかったんじゃないかという一定の解釈というか、市の言い分を聞いていただいている考え方を橋本先生は示されております。これについて市長はどうお考えでしょうか。

市長 議員がおっしゃった通りだと思います。住基法の記載要領の記載例の在り方がもう時代錯誤だというふうに認識をしておりますので、そこの部分も含めて総務省に回答を求めたいと思っています。

村崎市議 質疑を終わります。ありがとうございました。

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この答弁は、他の自治体での答弁と齟齬が生じるものとなっており、今後の是正に向けて非常に重要なものになります。

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*1:総務大臣政務官の答弁⇒第196回国会衆議院法務委員会第19号平成30年6月8日

*2:橋本岳議員のブログ⇒住民票と同性パートナーシップを巡るエトセトラ: 橋本岳(はしもとがく)ブログ