事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

レジ袋有料化でスーパーバッグが早期退職募集:小泉進次郎の責任を問うが世耕弘成・原田義昭を無視するネット民

スーパーバッグ

歪んだ言論空間

レジ袋大手スーパーバッグが有料義務化の影響で早期退職募集

希望退職者募集に関するお知らせ 

レジ袋大手「スーパーバッグ株式会社」が有料義務化の影響で早期退職募集です。

希望退職者募集の理由として「レジ袋有料義務化や新型コロナウイルス感染拡大による影響」を挙げており、約40名ほど募集しています。

これに対してネットでは小泉進次郎を批判する声が上がりました。

小泉進次郎「有料化を決めたのは前の大臣、私は具体化をした」

レジ袋大手のリストラ報道に同情の声…小泉進次郎氏は「有料化は自分ではない」「SNSは陰湿」と責任転嫁 | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌]

実は、今回のリストラが報道される直前の1月9日、小泉氏は日刊スポーツの大リーグ・秋山翔吾との対談記事で、“責任転嫁” ともとれる発言で物議を醸している。

 小泉氏はレジ袋の有料化について、「有料化したのが僕だと思っている方が多いですけど、決めたのは僕の前の大臣なんです。私は具体化をしたんですね」と語り、批判の声があふれるSNSについて「本当に陰湿で容赦ない」などと切り捨てたのだ。

1月9日の秋山翔吾選手と小泉進次郎の対談記事とは、【SNSと向き合う】レッズ秋山「年々鋭利に」小泉進次郎氏「ゼロは無理」 - MLB : 日刊スポーツです。

-1人歩きするコメントは、もう仕方ないという捉え方?

進 それを全否定するエネルギーを使うより、次に向けたエネルギーをどう使うかって考えた方が、自分の中では前向きなエネルギーの使い方になるなって思うんですよね。その典型的な例っていうのは、例えばレジ袋の有料化。有料化したのが僕だと思っている方が多いですけど、決めたのは僕の前の大臣なんです。私は具体化をしたんですね。それはほとんど知られてないでしょうだけどそれを「あれは私じゃないんです」「私の前任者が決めたことをやってるんです」って言ったところで、それはプラスなエネルギーの使い方じゃないなと。だったら逆に、「こういうことって世の中のことを考えたら必要じゃないですか」っていう方向に話をしっかりしようって思います。もちろん、違うものは違うって言わなきゃいけない。フェイクニュースのようなもの、流してはいけないこともある。国民誰もがメディアみたいなものだから、そこは自分で自分を守る術っていうのを見つけていかないと、大変だなって思います。

この言い方はおかしい。

当時の現職大臣として政策を実施・強化していく立場だった者が、批判されたら前の大臣を持ち出すのかと。そこまで言うなら原田義昭の名前を出すか、安倍・菅総理の方針でもあったから逆らえなかったと言えばよい。

もっとも、レジ袋有料化を決めた者たちとそのソースについては、小泉議員が言うようにほとんど知られていない。知っていたとしても進次郎の名前を出して叩いた方がインプレッションが稼げるために無視している者が多い。

小泉進次郎の責任を追及するが世耕弘成・原田義昭を無視するネット民

「レジ袋の有料化」と私の決意 原田義昭2019年11月03日 12:53

 なお、敢えて言うなら、「レジ袋有料化」は、この私が大臣主導で決定したものです。世界中では何カ国もすでに実行していること、さらにわが国では富山県が先行実施していることを学習した上で、私は、6月3日に記者会見を開いてその方針(「富山県方式」に準拠する旨)を明らかにしたものです。大臣というのは非常に強い権限を持っており、政治的責任を取る覚悟さえあれば、ほぼ何でも決断できる強い立場にあります。強い決意で臨んだこと、それ故にその後もしっかりフォローする責任を持つことを感じたものです。

令和元年(2019年6月3日)の環境大臣臨時会見においてレジ袋有料化報告がなされました。その趣旨・目的については以下の原田義昭ブログで書かれている。

「レジ袋の有料化」、7月1日から施行 – 原田よしあき | 衆議院議員原田義昭 福岡県第5区(筑紫野市・春日市・大野城市・太宰府市・朝倉市) 公式ホームページ

昨年6月4日、私は環境大臣として「レジ袋有料化」の方針を発表した。長年に亘る社会的懸案であったのだが、有料化することで、国民全てにプラスチック使用の抑制とその意識付けになることを狙ったもの。これをどう具体化するかには、消費者対策、業界対策など多くの技術的課題が残された。以降、環境省と経済産業省との検討が進められた。

「国民を啓蒙してやる」のが目的だったということはここで初めて語られています。

「意識を変えるため…」というのは、小泉では無く原田が最初に言ったことです。

なお、この原田ブログの記事は原田義昭公式サイトのドメインがchikushino.jimdo.comに変更され「レジ袋の有料化」と私の決意 - 衆議院議員 原田義昭オフィシャルサイトります。(当初エントリで「削除」と書いたのを訂正。サイトマップで過去記事閲覧可能)

レジ袋有料化は経済産業省が所管なので世耕弘成経産大臣(当時)も関係しています。

プラスチック循環戦略やG20大阪ブルーオーシャンビジョンで外堀も埋められました。

日本学術会議も海洋プラスチック削減の文脈で提言をし、レジ袋有料化の際には会長が自らの成果であるかのように論じていました。

容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律

レジ袋有料化は容器包装リサイクル法の省令改正によって行われています。

正式名称は【容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律】

来年7月から全国一律でプラスチック製買物袋の有料化がスタートします (METI/経済産業省)

省令の正式名称は【小売業に属する事業を行う者の容器包装の使用の合理化による容器包装廃棄物の排出の抑制の促進に関する判断の基準となるべき事項を定める省令の一部を改正する省令】

令和2年(2020年)7月1日から施行されました。

法律⇒国会で審議

政令⇒閣議決定(国会議員メインで構成される内閣で審議)

省令⇒霞が関官庁で審議

こういう議論が隠れがちな次元の所で決定が為されたというわけです。

これは「プラスチック削減義務化」に関しても同様でした。

そして「プラスチック有料化」へ:本当は【削減義務化】で有償化は選択肢の一つ

2022年4月からプラスチック製品12品目の削減義務化となる法律が施行されます。

この法律の検討時期や成立・公布時期は小泉進次郎議員が環境大臣であった頃であり、自身も積極的に発言していましたから、この点については責任は逃れられません。

小泉議員の発言により「プラスチック有料化」というナラティブが先走り、国会でもパブリックコメントでも苦言を呈されていましたが、正確には「削減義務化」が正しい。

有償化=有料化は選択肢の一つとして事業者に求められる対応に記述されています。

特定プラスチック使用製品提供事業者の特定プラスチック使用製品の使用の合理化によるプラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制に関する判断の基準となるべき事項等を定める省令

第二条 特定プラスチック使用製品提供事業者は、次に掲げる取り組みその他の特定プラスチック使用製品の使用の合理化のための取組を行うことにより、プラスチック使用製品廃棄物の排出の抑制をするものとする。
一 商品の販売又は役務の提供に際しては、消費者にその提供する特定プラスチック仕様製品を有償で提供すること、…

現段階では「案」なのですが、もはや既定路線のものとして国会でもメディアでも言及されています。

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