ロイター通信が「老夫婦が平和的なデモ隊へ銃口向け威嚇」とする報道をしていますが、私的コミュニティへの侵入だった事実が覆い隠されています。
ロイター「老夫婦が平和的なデモ隊へ銃口向け威嚇」
動画:米セントルイスの平和的デモに「武装夫婦」、銃口向け参加者威嚇 pic.twitter.com/wFqVPGtCyM
— ロイター (@ReutersJapan) 2020年6月30日
字幕では「米セントルイスで28日、市長に対する抗議のデモ行進が行われていた際、白人の夫婦がデモ隊に銃を向けて威嚇する騒ぎがあった SNSに投稿された動画には、武装した夫婦が平和的なデモ隊に対し、自宅から離れるよう求め、デモ隊が驚いている様子が写っている 夫婦はデモ隊が自宅の門を破壊し、身の危険を感じたと主張 夫婦は2人とも人身事故専門の弁護士だという」と説明書きがあります。
「平和的な抗議者」を強調するロイター
A couple was seen barefoot and brandishing firearms on protesters as they entered their neighborhood during a protest against St. Louis Mayor Lyda Krewson https://t.co/bYl06iRUhY pic.twitter.com/mVd16tGSyT
— Reuters (@Reuters) 2020年6月29日
In a video posted to social media, peaceful protesters in St. Louis calling for police reforms walked past a couple brandishing firearms as they were ordered to stay away from the couple’s home https://t.co/bYl06iAiTo pic.twitter.com/wOZ1Wr3yac
— Reuters (@Reuters) 2020年6月29日
英語のアカウントでは「セントルイス市長リダ・クルーソンに対する抗議中に近所に入った抗議者たちに、カップルが裸足で銃器を振り回して現れた」「ソーシャルメディアに投稿されたビデオでは、警察の改革を要求するセントルイスの平和的な抗議者たちは、カップルの家から離れるように命じられたため、銃を振り回しているカップルの前を通り過ぎました。」という内容のツイートをしています。
ロイターの記事では老夫婦による私有地の主張は載せているものの、ツイートからの印象は異なります。
「平和的な」デモ隊が私有地に侵入する動画
In this livestream footage you can clearly see the STL black lives matter mob entered through the gate to a private community. This was not a public sidewalk. https://t.co/NeKHgTBWEu pic.twitter.com/UdYq3pGtlb
— Cassandra Fairbanks (@CassandraRules) 2020年6月29日
正確には門と壁に囲まれた高級住宅地で中の道路は共有私道。
— 石◯健太郎 (@marudosurdo) 2020年7月1日
(牧場並みの広大な敷地は「住宅地全体」で彼らの個人所有ではない)
彼らの家は壊された門のすぐ脇で、壊す際の音などが聞こえやすかったと思われ…完全個人所有の敷地なら撃ってたはず。
フェイクに対応するならファクトでお願いします。 pic.twitter.com/G5AuIkRzrZ
どうやら門の中は完全に一個人が所有している土地というわけではなく、ゲーテッドコミュニティ(ゲート(門)の中に作られ、周囲を塀で囲み進入を制限した居住地区)として共有私道であるとの指摘もあります。
参考:動画:白人夫婦が自宅前通るデモ隊を銃で威嚇、トランプ氏が動画リツイートで物議 写真1枚 国際ニュース:AFPBB News
デモの許可は取っていたのか、歩道の権利関係はどうなっているのか?門は普段は通用口として利用されておらず壊されたのか?など、不明な点が多いために確定的な判断はしかねますが、少なくともロイターの報じ方だとデモ側がイノセンスである、という先入観を持ってしまうものであると言えます。
以上