事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

「検察庁法改正は三権分立の破壊」論者との面白いやりとり

 「検察庁法改正は三権分立の破壊」論者との面白いやりとりがあったので載せます。

「検察庁法改正は三権分立の破壊」論者との面白いやりとり

こんなツイートをしていました。

「検察庁法改正は三権分立の破壊」論者は、行政組織である検察について「司法権側でもある」としていることから内閣による人事介入(現在でも検察庁法15条で1級検事は内閣が任命しているが)は司法権の侵害・司法権への干渉であり、三権分立の破壊であると言っていました。

しかし、それって「司法権に対する牽制」じゃないの?それを言うなら最高裁判所長官の指名なども司法権への干渉じゃないの?と書いてます。

するとこういう反応がありました。

魚拓 https://idtwi.com/81066683

 

魚拓

この人はそもそも日本国憲法6条2項が「天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する」としていることそれ自体を「セキュリティホール」と言ってるわけです。

この時点で、「これは面白い展開になりそうですね()」と思う人は多いと思います。

憲法改正はしないんだろうか?

行政権からの司法権への牽制は何がある?

当然こういう疑問が出てきます。

三権分立の根幹は「権力を分散してお互いを監視することで暴走を防ぐ」です。

世の中の三権分立の機能についての説明を見てみると、「行政権からの司法権への牽制」の話として最高裁判所長官の指名やその他裁判官の任命が記述されています。

というか、それ以外って何があるの?

で、それに対する返答がこれ

魚拓

雲行きが怪しくなってきました。

そもそも三権分立など存在せず「三権分立の破壊」など不存在では?

魚拓

ちょっと面白いことを言い始めましたねぇ。。。

魚拓

「憲法に書いてない基準を設けないと司法権に干渉しまくりです」なんてこれまでまったく書いてないのですが、まぁ、そういう考えなんでしょう。

「司法権に干渉しまくり」が「牽制」機能を超えて問題だという主張がまったくないのでよくわかりませんでしたが、この論だと結局は行政権から司法権に対する関係で三権分立の機能がそもそも存在していないので【国家公務員法改正に伴う検察庁法改正による三権分立の「破壊」】など不存在と理解せざるを得ません。

指名・任用について憲法には無い基準を設けて透明性を図るべきだという論は理解できるのですが、それって三権分立と関係ありますかね?

三権分立の話とするのは筋悪では?

この話はここでまとめているのですが、結局のところ、「検察は司法権側でもある!だから検察官人事に対して行政側の内閣による介入というのは三権分立破壊だ!」と息巻いてる者に対しては、「それって最高裁判所長官の指名や最高裁裁判官の任命を内閣が行うことでの司法権への牽制と何が違うの?」としか思わないわけです。

今般の改正に反対しても、内閣が検事総長や検事長らを任命する検察庁法15条はそのままですが、彼らはそれをも改正しろと言わないんですよね。ま、それを言い出したら行政機関内部の話なのに三権分立の話をすることになって自滅するんですが。

検察人事への介入の度合いを強めることの問題は三権分立との関係ではなく、検察の独立性それ自体や刑事司法の公正性の観点から論じた方が、変なノイズが無くていいんじゃないかと思うのです。

以上