「選挙の公示日以降でないと選挙運動にはならず、全て政治活動になる」
このようなデマがネット上で観測されました。
信じたら恥をかくので注意しましょう。
「公示日前は選挙運動はありえず全て政治活動」というデマ
https://t.co/BzrGJxJBhV
— 氷河期を生きる (@IceAgedBeef) September 9, 2019
で、「選挙運動」は選挙が公示されて立候補が受理されて初めて「選挙運動」になるのです。
なので、次回衆院選の公示も行われてないのに「選挙運動でないとは言えない」というのは間違いですね。100%選挙運動ではない。
間違うのはそう恥ずかしいことではないですが。
魚拓:https://web.archive.org/save/https://twitter.com/IceAgedBeef/status/1171181716934803457
このアカウントが貼っているリンクは四万十市の選挙運動・政治活動Q&Aというページですが、選挙運動については以下のように記述されています。
Q1 選挙運動はいつからできるの?Q1 選挙運動はいつからできるの?A1 選挙運動は、公(告)示日に立候補の届出が受理された時から投票日の前日までに限りすることができます。 この期間中も、選挙運動用自動車などの連呼行為や街頭演説は午前8時から午後8時までとされています。 それ以外の期間の選挙運動は禁止されています。
公示日後に選挙運動が「できる」、「それ以前は禁止されている」、と書いてあるだけで、「公示日前は選挙運動ではない」などとは言っていません。
「事前運動」は公示日前の「選挙運動」
「事前運動」と「選挙運動」がまったく別々のものであるかのように読み取る人が居るようですが、選挙運動の定義を見てみましょう。公職選挙法の条文には書いてませんが、判例があります。
【選挙運動とは】
判例・実例によれば、選挙運動とは、「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされています。
判例の文言も見てみましょう。
選挙運動とは、特定の選挙の施行が予測せられ或は確定的となつた場合、特定の人がその選挙に立候補することが確定して居るときは固より、その立候補が予測せられるときにおいても、その選挙につきその人に当選を得しめるため投票を得若くは得しめる目的を以つて、直接または間接に必要かつ有利な周旋、勧誘若くは誘導その他諸般の行為をなすこと
「公示日の前後」で切り分けているのではないというのが分かります。
公職選挙法では「事前運動」の文言がありますが、ここで掲げられている「事前運動」というのは選挙運動の規定が対象になっています。
公職選挙法
(事前運動、教育者の地位利用、戸別訪問等の制限違反)
第二百三十九条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の禁錮こ又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第百二十九条、第百三十七条、第百三十七条の二又は第百三十七条の三の規定に違反して選挙運動をした者以下略
要するに(というか至極当然のことですが)、公示日前に行われる選挙運動を「事前運動」と呼んでいるだけであって、「事前運動であれば選挙運動ではない」などという概念関係にあるわけではないということです。
もちろん、選挙がまったく予想されない時期の活動は政治活動とされる可能性が極めて高いとは言えますが、冒頭のアカウントのような理解は完全に誤りです。
まとめ:共産党の屁理屈か
わかるわー、この理屈!
— 松崎いたる・板橋区 (@itallmatuzaki) June 30, 2019
選挙に立候補してはじめて、事前運動が違反になるのだから、選挙前にタスキをしていても、選挙にでなければ何の罪にもならない。
警察が動けないのは当然。
問題なのは共産党が事前運動禁止のルールを空文化しようとしていること。
これは市民世論で追及しないと。 https://t.co/yVIhUgjlzE
「立候補しなければ事前運動とみなされない」というのは共産党の屁理屈です。
これと同様に「立候補が受理されて公示後でなければすべて政治活動」というのはどうも、共産党が発信源の可能性、或いは共産党の発信を誤解した可能性があります。これは判例上、「立候補が予測せられるとき」も規制対象とされていることから間違いです。
実際上、該当する例があるかどうかという話と、概念上の話は別の問題です。
こういう屁理屈に振り回されないようにしましょう。
以上