進次郎構文の元ネタの真実。
- 進次郎構文の元ネタとは何か?どういう意味か?
- 今のままではいけないと思います だからこそ日本は今のままではいけないと思っている
- 小括:切り取られた発言は今のままではいけないと思います
- テレ朝による映像を使った前科
- TBSによる石原慎太郎都知事の捏造テロップ事件と類似
- まとめ:それでも存在する小泉進次郎構文
進次郎構文の元ネタとは何か?どういう意味か?
「ネットミーム化した進次郎構文」とは、同じ結論となるはず・同じ意味であるはずの2つの言動を、別々の結果・意味内容であるかのように堂々と発言する様、といった感じの理解ができるものですが、定義はありません。
「元ネタ」として特定の発言があるわけではなく、大臣就任以前から同様の発言が繰り返されてきたことによって定式化されたものです。
有名どころとしては「毎日でも食べたいということは毎日でも食べているというわけではないです」や「政治に無関心であることは、政治に無関心のままでいられると思います」がありますが、典型例で最も持ち出されることが多いのは次項のセリフです。
今のままではいけないと思います だからこそ日本は今のままではいけないと思っている
「今のままではいけないと思います。だからこそ日本は今のままではいけないと思っている」
このフレーズが「進次郎構文」の典型例として扱われているのが現状です。
しかし、これはテレ朝≒ANNによる「切り取り」です。
当時の映像。テロップの最後、「と」が抜けてるのがお分かりですね。 pic.twitter.com/5lm69vX5zc
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2021年5月2日
動画の最後、小泉大臣の口がまだ動いているのに、ナレーションが挟まっているのが分かります。以下はその後の報道時の映像。
当時の映像ではないですが、出回ってるテロップはANNのもので、後にANNが放送したものを。 pic.twitter.com/otUGUF2fFD
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2021年4月30日
URL:https://www.youtube.com/watch?v=dt3rjZFiKqI
後にUPされた動画は「ポエム大臣”と揶揄も 進次郎氏への期待に異変」というタイトルの2020/01/03にUPされたものです。わざわざ「同じ文言を繰り返しているだけ」とでも言いたげに黄色い文字で強調しています。
「進次郎構文」の典型例:消された、非公開になったテレ朝≒ANNの動画
「進次郎構文」の典型例とされている2019年9月中旬の最初の動画は以下です。
ANNのYoutube動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=LP6xQpHFfH8
この動画はなぜか現在は非公開です。
また、記事と一緒に動画が埋め込まれていましたが、それも削除されました。
温暖化に16歳少女「絶滅の始まりに」国連で涙の訴え[2019/09/24 11:52]
URL:https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000165112.html
テレ朝newsの記事本文の上部に動画埋め込みが為されていた痕跡があります。
では、省略されてしまった小泉大臣の発言は実際はどういうものだったのか?
この部分の動画は残念ながら残っていませんでした。
また、記者の質問がどういうものだったのか?についても不明のままです。
しかし、証言者が居ました。
ある日の夕方、なにげなく見ていたニュースで小泉大臣「今のままではいけないと思います。だからこそ日本は今のままではいけないと思っている //」まだ口は動いているのにそこで音声は切られ映像も終わり。これじゃ日本語として意味分からない。その続きが気になり他のチャンネルをチェックしたところ
— さら (@dBQx6Ic76tULnjX) 2020年9月10日
、//の後に「という事をもっと(世界に)発信していくべきだ」と続いていた。それなら意味が分かるわと納得。ところがもう次の日からどの局も//で切った映像しか流さず、ネットでは進次郎構文だなんだと喜んで馬鹿にする民達で溢れた。(それは今でも続いている)
— さら (@dBQx6Ic76tULnjX) 2020年9月10日
さらに、他のメディアの報道からこれを推定可能な事実があります。
日本は今のままでいいとは思っていないことを発信するべきとの趣旨
ワイドスクランブルの画面の写真を撮ったアカウントがありましたが(現在はアカウント削除)、その説明書きには「今のままでいいなんて決して思っていないということをもっと言っていかなければならない」と書かれています。
要するに「(気候変動に関する取り組みについて)日本は今のままでいいとは思っていないことを世界に発信していくべき」との趣旨だったということです。
これなら意味が通ります。
1週間前の大臣就任時の記者会見で既にこの考えが示されています。
環境省_小泉大臣就任記者会見録(令和元年9月11日(水)22:03 ~ 23:07 於:環境省第1会議室)
これは他の報道からも傍証があります。
日本が世界に向けてアピール・発信していくべきという趣旨
進次郎 ニューヨークへ ~担当記者同行記 後編~ | 特集記事 | NHK政治マガジン(魚拓)
記者:日本に足りないと感じたことは何?
小泉環境相:まず一つは、発信が下手。もっとアピールすればいいのに、それを全然やっていないね。この世界は少なくとも英語は絶対話せないとだめだと思う。国連の場で通訳を使っている人はいないでしょ。日本の政治家が行って、そこで通訳がいるという時点で勝負にならないと思う。それに加えてきょうは中国の要人とも少しお話をしましたけれども、相手は中国語、私は英語、そして中国語の通訳が中国人が言っていることを私に英語で返す。この状況ですよ。だから考えさせられますね。もっと兵力を増やさなければと。
「きょうスピーチの場には立てなかったとしても、発信できる場はいくらでもある。それを最大限生かそうという思いがあったので、いろんな機会を通じて、私はできることを私なりに全力を尽くした」
「若い世代に対する責任を、私も含めて、みんなが重く受け止めたと思う。日本は今のままではいけない。今のままでいいなんて、決して思っていない。日本の存在感を発揮するということが大事だ」
日本の取り組みが今のままではダメだということを感じ取ったようで、そのことをしきりに強調していた。
ただ、実際に今後どうしていくのかについては相変わらず言及がない。
具体的な政策をどう打ち出すか、あるいは自分はどうしていきたいか、については依然としてはっきりと口に出さないのであった。
NHKの取材でも、進次郎が「日本は世界に発信していくべきだ」という目的意識をもって気候変動行動サミットに参加したということ、「日本は今のままでいいとは思っていないということを発信して存在感を示すべき」という趣旨の発言をしていたことがわかります。
小括:切り取られた発言は今のままではいけないと思います
このように、「進次郎構文」の典型例とされているものは、テレ朝による発言の切り取りによって作り出されたテロップによって認識が拡散されたということです。
2019年9月の気候変動行動サミットでは、他に「セクシー発言」(これも曲解された)や「6秒沈黙」「まだ大臣になったばかり」「毎日でもステーキが食べたいということは毎日でもステーキを食べているということではない」といった迷シーンが沢山あったため、この点はスルーしていましたが、やはり悪影響があるなと思ったためにまとめました。
この状況を放置していたら、メディアによる同種の行為を助長するからです。
(切り取られた発言をベースに「進次郎構文」と騒がれている)今のままではいけないと思います。だからこそ、今のままではいけないと思っているということを記事化して発信していかなければならないと思います。
テレ朝による映像を使った前科
テレ朝の映像を使った前科として、松野文科大臣が厩戸皇子(うまやどのみこ)と発言した動画を添付しているにもかかわらず、記事本文では「厩戸王」(うまやどのおう)という表記にしていたというものがあります。
こちらは映像の方には手を加えないで、記事本文を意図的に細工したものです。
TBSによる石原慎太郎都知事の捏造テロップ事件と類似
2003年(平成15年)11月2日に放映されたTBSの報道・情報番組『サンデーモーニング』で、石原慎太郎東京都知事の韓国併合に関する発言を正反対の意味に改変された上で報道された事件。
こちらは意味が真逆になるように捏造された事件で、最も悪質なものです。
進次郎の場合は発言が途中のものまでを正確にテキストに起こされてテロップ化されたが、そのままでは意味が通らない発言と認識されてしまった、というものです。
まとめ:それでも存在する小泉進次郎構文
まとめると…
- 「進次郎構文」の典型例とされているものはテレ朝の切り取り
- しかし、それ以前もその後も「進次郎構文」発言は繰り返されている
「政治に無関心であることは、政治に無関心のままでいられると思います。」
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2021年5月2日
「だけど、政治に無関係でいられる人はいません。」
2019年4月統一地方選の茅ヶ崎での応援演説https://t.co/rveyf2KbU6 pic.twitter.com/9ysa8pBDjQ
それでも「進次郎構文」は存在すると言ってよいでしょう。
それは、文章に直すと不要に思われる同義の言葉を繰り返すという行為ですが、その後の発言を聞くと理解できるというものです。
この話法はメディアによる切り取りにとっては非常に好都合だと思いますから、今後も幾度となく繰り返されると思われます。
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