とんでもない発言です。
- サンデーモーニング姜尚中「多様性を最も阻害するのは国家」
- オリンピック憲章と国家と個人と多様性と商売は矛盾関係にあるのではない
- サンデーモーニング姜尚中「難民選手こそ五輪精神・オリンピックでなぜ難民にならないのか」
サンデーモーニング姜尚中「多様性を最も阻害するのは国家」
2021年8月1日のサンデーモーニングで東京大学の姜尚中教授が「多様性を最も阻害するのは国家」と発言。書き起こしました。
多様性を最も阻害するのは何かっていうと、商業主義とそれから国家なんですよね。結局、僕は国家のタガがある限り、どうしてもあるステロタイプから離れられない。例えば韓国のMBCの酷いステロタイプ的な報道の姿勢や、あるいは中国の国威発揚型。日本もこうやって熱狂してるのは結局自分の国民の代表が、ということになってると思うんですね。大切なことは今回の難民選手団ですね。これはリオ・オリンピックから始まりました。彼らには国家が無い。だから五輪旗の下にみんなが結集する。これこそが実はオリンピックの精神を一番前衛的に表していると思うんです。このことを言うとちょっと難しい感じですけれども、哲学者のカントという人は、外国人がある土地に来た場合には訪問権があると。そこを訪問する権利は、全ての人に在るんだと。だから僕はオリンピックのときにどうしてみんな難民にならないのかと。国家を忘れちゃう。だから３週間か分かりませんけども、みんなが国家を忘れて難民になっていく。難民になればいかにいわば難民の人たちの苦しみも分かるし、国家のやはりタガを一回外してみるということですね。何で国家の代表として戦っているのか、そんなことは無いわけで。オリンピック憲章にはそれに反対だと。個人の尊厳とそれに基づく平和ってことを言っているわけですから。これはもうカントが数百年前に言っていることなんです。だから僕は今回は平和…多様性と調和なんですけど、同時にそこに国家と商業主義を超えてということをですね、やはり日本だったら出して欲しかったなぁと思いますね。
オリンピック憲章と国家と個人と多様性と商売は矛盾関係にあるのではない
6 オリンピック競技大会 *6 オリンピック競技大会 *1. オリンピック競技大会は、 個人種目または団体種目での選手間の競争であり、 国家間の競争ではない。 大会には NOC が選抜し、 IOC から参加登録申請を認められた選手が集う。選手は当該 IF の技術面での指導のもとに競技する。
確かにオリンピック憲章では明確に個人種目または団体種目での選手間競争であり国家間の競争ではないと書いています。
しかし、国家という枠組みを失くして全員が「地球市民」や「難民」という一つの属性になるというのは、多様性ではなく統一性です。
２００を超える国の存在を認めず、すべてを「個人」として扱うというのは、多様性の観点からは矛盾した思想でしょう。
【国家も個人も大切にする】
断言しますが、これこそ多様性です。
「商業主義」という風に揶揄されることがあるオリンピックですが、「商売」そのものは悪ではない。商売によって一定の歪み、弊害が発生していることはあるけれども、いろんな国のいろんな特性の個人が参加できているのは、オリンピックが「商売」を意識したから。
「競技種目数の肥大化」として問題視されていますが、逆に言えばそうだからこそ参加者を排出できている国・地域がある。
同じアスリートでも、競技が変われば、これ程までに違い、
— 太田雄貴 (@yuking1125) 2021年7月31日
村そのものの雰囲気は住んでいる人によってこれほど雰囲気が異なる事を感じました。
世界選手権だと、同じ競技の人間としか合わない中、オリンピックは様々な国や競技の人と会える貴重な機会だと思った10日目の朝なのでした。
サンデーモーニング姜尚中「難民選手こそ五輪精神・オリンピックでなぜ難民にならないのか」
サンデーモーニングで姜尚中教授は、「訪問する権利」があると言いました。
そのような権利があるかはともかく（少なくとも国際法上は他国に自由に入国する権利があるとは認めれられていないし、日本国憲法上、外国人が自由に日本国に入国できる権利など存在しないというのが最高裁判例）、仮にそのような権利があったとしても、「そこに住み着く権利」などは一般的には存在しない。
姜尚中教授は「難民になれば難民の苦しみが分かる」と言うが、「その立場を経験しないと理解できない」という思想は、非常に危うい。
そういうことではなく、単に自分の心の中で自分は難民的な立場の者として思考せよ、ということなのかもしれないが、それだけでは難民の本当の苦しみを理解したことにはならない。
結局、その人が物的・心的に属する集団が何であれ、他者を理解・理解しようとする姿勢ことが大切なのであって、「自分が〇〇と同じ立場に有るとして考えろ」というのは、一つの方法論ではあるが「国家から離れた存在になれ」と強要するものではないだろう。
難民だって本当は自分の国家で暮らしたいが、それができないから仕方なく外国人として暮らしてる。基本的に避けたい立場なわけで、そのような状況に陥ることを積極推奨するなんて言語道断だと思う。
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