事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

高須院長「自白します僕が書きました」無効署名の90%が同じ筆跡、に関して

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どう反応してよいやら。

高須院長「自白します僕が書きました」

高須克弥院長は愛知県知事のリコール運動に関して「無効署名の内、90%が同じ筆跡」だったというニュースについて書いているツイートの引用リツイートで「自白します僕が書きました」と記述。

どうしてこんな嘘を言うんですかね?

10万単位なので一人では当然不可能なのは自明で、冗談で言ってるのは分かりますが、冗談になってないです。いや、こんなことを「今の状態のこの人」に言うのは無粋かもしれませんけど、率直に思います。

これは署名提出の当初から本件の問題を指摘してきた倉橋英樹氏の指摘がとても染み渡ります。

「無効署名の90%が同じ筆跡」

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愛知県知事解職請求に係る署名簿の調査の取りまとめ状況について

「無効署名の90%が同じ筆跡」というのは愛知県選挙管理委員会の公式が出している話です。

東京新聞などの一部メディアは「8割以上が不正」と書いてますが、「不正」と書くとまるで「故意に」「意図的に」「リコールを成立させようとする者が悪意で」のニュアンスが出てしまうため、少し不適切でしょう。そうであるかどうかは現時点では不明で、あくまで分かっているのは「無効」だったということです。

「同じ筆跡」といっても90%全部が1人の人間が書いたのではなくて、同じ筆跡扱いと見られるものが90%、ということでしょう。

それにしても、仮に1人1000署名分書いたとしても、約32万6000を捌くには320人が必要。1人分の署名を書くのに30秒だとしても500分=8時間20分。

とても街頭で書きこんでるとは考えられず、どこか落ち着いて作業できる場所で書いたとしか思えません。

そして、こんなことが出来るのならば、有効な署名が破棄されている可能性も考えてしまいます。

選挙人名簿に登録の無い受任者が集めた署名24%の衝撃

一番この話で問題なのは、【選挙人名簿に登録の無い受任者が集めた署名が24%】という事実ではないでしょうか。

この中で一番まともな原因は(それにしてもおかしいですが)、受任者が街頭で呼び込みをしている際に、本来その署名簿に記載するべきではない人が署名をしてしまったという、受任者によるアナウンス・説明・確認不足の問題が考えられます。

ただ、これはもはやリコール制度の構造の問題ではないかと思うのです。

リコール制度の構造の問題では?

そもそもなぜ自治体ごとに受任者を設けて、その者の名前が印字されている署名簿にはその自治体に住民登録のある署名者しか署名出来ない制度になっているのだろうか?
(まぁ今回はそれが原因ではない無効署名が大量にあるんで何とも)

そういう構造だから「選挙人名簿に登録の無い受任者が集めた署名」として扱われて無効になってしまったものが多いのだとしたら(故意であれ過失であれ)、もはや立法で解決するしかない。

民主主義の重要局面である直接請求制度が機能していないという話ですから。

そこで「マイナンバー」を利用したオンライン署名など、署名制度の問題(署名妨害や縦覧の際に個人情報がバレるという憲法上の投票の秘密の精神の観点から看過できないものがある)を解決する方法論が展開されれば良いのではないかと思うのです。

以上