山口敬之が小林よしのりに提起した名誉毀損裁判の傍聴をした人がなんか勘違いしてるので簡潔に指摘。
山口敬之と小林よしのり裁判を傍聴した人の話
元TBS記者の山口敬之が漫画家の小林よしのりに提起した民事訴訟。
これは小林が山口と伊藤詩織との間の不同意性交の争いに関連して漫画で山口の名誉を毀損したとして争われています。
伊藤詩織vs山口敬之の訴訟(1審では伊藤勝訴のため山口控訴)とは別件です。
別件の訴訟の控訴審の進行について山口vs小林訴訟における山口側代理人が裁判所に説明した際の表現で想像を膨らませるような内容があったようです(クソ記事にはリンクを貼らない)。
「事実認定のやり直し」「審理に時間をかける」という表現に飛びついて。
伊藤詩織の付帯控訴による新たな事実認定は必要
残念ながらそういった事実はありません。詩織さんが付帯控訴(身体的損害・精神的損害の追加請求)をしたので不法行為の内容に関しさらに具体的・明確に主張ということです。控訴理由書を読んだ限り山口氏は自分の代理人に対しても嘘をついているようであれではいくら優秀な弁護士がついても無理です。 https://t.co/VFLpLTqggE pic.twitter.com/GmCoi3rFrx
— 小林 章 (@Akira_5884) 2020年9月25日
伊藤詩織の付帯控訴によって身体的損害・精神的損害に関する新たな事実認定が必要になったため、その意味では「事実認定をやり直す」という表現は間違いとは言い切れません。
しかし、どうも騒いでる人たちは「山口敬之による伊藤詩織に対する不同意性交の事実に関して、伊藤側が有利になっている状態から、ゼロベースから審理する=つまり山口側にとって有利な状況になっている」みたいなイメージで語っているのです。
まぁ実際に訴訟の進行状況から裁判所の心証を弁護士が判断して、1審敗訴側にとっては有利な方向になっていると感じることもあるかもしれませんが、騒いでる人が根拠としてる内容(クソ記事にはリンクを貼らない)からはそのように断定はできません。
そもそも高裁は事実審なので争いがあれば事実認定の審理は行う
そもそも、事実関係に争いがあるなら高裁でも同じ請求原因事実について審理するのは当たり前なので新たな証人尋問請求が行われて決定されることも当然にしてあり得る話ですので(ゼロから証拠調べをすべてやるわけではないが)、この話を広げている人が(嬉しそうに)騒いでいるのは意味不明です。
妙な希望的観測に基づいて発信しているだけのように見えます。
もっとも、他の事実から「山口側有利」と言えるような訴訟進行の状況が伺えるなら別ですが、今のところそのような事情は確認できません。
以上