事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

玉川徹「日本はワクチン承認・接種を急いでないだけ」⇒イスラエルの緊急承認を無視:羽鳥慎一モーニングショー

番組の説明全無視で持論を展開する玉川徹

この点はイエローカードでしたね。

羽鳥慎一モーニングショー:イスラエルのワクチン接種が早い理由

羽鳥慎一モーニングショー玉川徹、新型コロナワクチンの承認・接種

ファイザー社の新型コロナワクチンの話題に関連して。

世界各国が早期にワクチン承認を出している流れで、「イスラエルはアメリカの承認を踏まえて緊急承認した」と説明。

イスラエルの保健当局のページでは11月12日にファイザー社との契約が公表され、現実に12月下旬には既に接種が開始されています(のちにアストラゼネカやモデルナのワクチンも確保したと当局のニュースリリースで確認できる。)

https://www.gov.il/en/departments/news/12112020-05

Vaccine administration will only be made possible subject to the vaccine's approval by the American Food and Drug Administration (FDA) and the Israeli Ministry of Health. The Company is expected to apply for this approval toward the end of November.

ワクチン投与のためには、アメリカFDAの承認とイスラエル保健当局の承認が必要である旨が書かれています。11月末には承認される予定とも。

明らかにイスラエル独自の治験は行っていません。

イスラエルのワクチン接種が迅速である理由についてはたとえば以下を参照

コロナウイルスとの「総力戦」 イスラエルが世界最速ペースでコロナ・ワクチン接種を実現させた理由

Why Israel is leading the world with COVID-19 vaccinations | CBC News

玉川徹「日本は急いでいないだけ」⇒治験を無視

羽鳥 日本は遅れている。なんでなんだろう。どうもこういうことらしいですと。

玉川 イギリスとかアメリカが早いだけじゃないんですね。EUも去年のうちに承認しているんですよ。だから我々先進国だって言って先進国グループはG7でいつも考えるんですけど、G7の中で接種がスタートしていないのは日本だけなんですよ。

羽鳥 じゃあワクチンに関しては世界の流れとはちょっと違う状況ですよということですね

玉川 そうです。で、じゃあその他の国が何かこう間をはしょってですね、すっとばして承認してんのかといったらそんなことはなくて、急いだんです。他の国は。で、日本は急いでないというそこだけの違いですね。

イスラエルのワクチン接種が世界的に見ても迅速なのは他国も指摘しています。

しかし、イスラエルは自国での治験を行っていません。

対して、日本は治験を行っています。

その違いが番組内で羽鳥氏によって説明されていたのに玉川徹は日本政府を批判する目的で番組の説明内容も全無視しているということが分かります。

なぜ日本はワクチン承認プロセスが遅いのか

マスメディアが「ワクチンというもの」に対する危険性を不当に煽ったから

この事は海外の研究論文でも指摘されていますが、日本メディアはそれを隠蔽しています。

あと、モーニングショーでは「国連の方」の渋谷氏がこれについてモゴモゴ言ってましたが、この点も矛盾点があったので後刻指摘。

以上

玉川徹「拡大PCR検査!」直後に日本病院会会長相澤「PCRやっても危ない」羽鳥慎一モーニングショー

羽鳥慎一モーニングショー玉川徹、拡大PCR

2021年1月7日の羽鳥慎一モーニングショーで面白い一幕が。

以下と合わせると楽しめるかもしれません。

羽鳥慎一モーニングショー玉川徹「拡大PCR検査!」

玉川 感染してる人と感染してない人の接触さえ減らせばいいんですね。だから、ずーっと僕はずーっと前から言ってますけど、感染してる人さえわかればいいでしょって話なんです。感染してる人さえわかればその人と感染してない人が接触して無ければいいんですから。だから、経済を止めない方法として拡大検査をやって、ということをずーっと僕は去年から言ってるんだけれども、そこには絶対踏み込まないんですよ。他の国はだいたいもう気づいてきてそうだってことになってるんですけれども。

まず、「経済を止めない方法としての拡大検査」って、玉川氏は「ずーっと」主張してましたっけ?そこから疑問です。

直後に面白い展開が

日本病院会会長相澤「PCRやっても危ない」

f:id:Nathannate:20210107093255j:plain

羽鳥 相澤先生はどうお考えですか。

相澤 実はですね、私の病院でも12月の28日に患者さんがコロナ陽性だっていうのがわかったんです。その時点で職員全員のPCRをやりました。職員は陰性でした。ところが、この危ないからということで1月の5日にもう一度調べてみますと、その中から職員の感染者が2人見つかるという状況です。ですから、一度PCRをやったからそれで安心というわけにはいかないんです。このコロナウイルスの一番大変なことは症状が出ないんです。出ない人が移すんですだからPCRをやっても危ない。ということが前提にないと、このコロナウイルスの拡大を止めるのは非常に難しいということだけは言いたいと思います。

 

日本病院会会長相澤孝夫氏は、PCRをやっても危ない、と明確に指摘

「新型コロナの検査結果は陰性の証明にはならない」ということです。

陰性だからといって「安全」ではないし、「安心」もできるようなものではない。

これこそ昨年の2月下旬くらいには常識になっていました。

さて、これだけ真正面から言われても言葉尻を捉えて「1回なら意味無いが複数回なら…」という方向に話が持っていかれるところがモーニングショークオリティ。

「複数回検査をやれば~」論の誤謬

羽鳥 範囲、エリアや物理的な問題もあるでしょうけれども、やはり今先生がおっしゃったのは、1回でなくて複数回やらなければこれはなかなか難しいのではないかと

玉川 大事なのはやっぱり精度じゃなくて頻度だと思っていて、頻度が取れるんであればPCRじゃなくてもいいというふうな研究の結果も出てますので、とにかく頻繁に検査をするということによって経済のダメージを防ぐという手はまだ残っていると僕は思います。

頻繁に検査をすればいい、と言っていますが、検査をしたところで安心しないのですから何回検査しても同じです。むしろ検査のための制度作りや実施に際するコストや労力のために経済的に疲労し、将来的なサンクコストになるのがミエミエです

今でこそPCR検査は無料ですが(クリニックが独自にやってるものは除く)、国民全員がPCR検査を頻繁にやるとなればまず費用が掛かります。その原資は税金です。財源が無くなります。

それを避けるための簡易PCRが主張されますが、精度は下がる。お金はかかる。簡易PCR検査キットを購入するお金すら惜しい人は検査をしない。だから国民全員検査は不可能。結果、「すり抜け」は起こる。

で、大量に検査をしていても大量に感染者と死者を出してる国はいくらでもあるという厳然たる事実がこの1年で積みあがっている。

「研究の結果」が出てると言いますが、その研究が素晴らしいものなら多くの国が実践して抑え込みに成功しているはずですよね?

「論文が出た」と言ってもその内容が理解できなければ有害。ただの毒電波や印象操作みたいな「論文」が、新型コロナ禍において散々出てきたのを忘れてはいけません。

以上

上念司、DHC虎ノ門ニュース、ニュース女子から降板

上念司、DHC番組降板

上念司氏がDHC関連番組から降板するようです。

上念司、DHCの虎ノ門ニュース・ニュース女子等から降板

電話等の「ご意見」が理由とのこと。

会社の運営方針や番組編成権はDHC側にイニシアティブがあるのでもはやどうこう言うつもりは無いのですが、視聴者が大量に「意見」すれば出演者の人選も左右できてしまうようです。

DHCについての私見

DHCは社長兼会長の吉田氏の意向が強く反映される会社であるという印象なのですが、今回の判断にも影響したんでしょうか?この辺りは何も判断材料を持っていないのですが、彼の発言内容の傾向が番組編成の方針なんだろうという気がしており、そうした傾向の視聴者層が固まってきた印象があります。

なんだか某団体と似た傾向を感じます。

私は最近では竹田恒泰、有本香、上念司、ケントギルバート、北村晴男、江崎道朗らが出演する場合だけ、気になる話題を倍速で視聴、たまに発言チェックのために他の方の発言を見る場合があったのですが、今後は「チェック」目的で見ることがこれまでよりも増えるかもしれません。

「勝手に副音声」上念司チャンネル

はじまるようです。

以上

タイで闇営業疑惑のウーマンラッシュアワー村本、闇営業は無いとツイート、ネタにしていた

村本大輔ウーマンラッシュアワー闇営業

本人は否定。

ウーマンラッシュアワー村本大輔の闇営業・不法就労疑惑とする記事

SmartFLASH2021年01月05日 07:57 (配信日時 01月05日 06:00)ウーマンラッシュアワー村本、タイで闇営業「不法就労・ギャラ無申告」を直撃

――2018年にタイで開かれた独演会を覚えていますか?

「OK、OK……正直、覚えてない。吉本に聞いてください」

――これは “闇営業” だったという証言があります。

「(店などに)行ったときに『しゃべらせてよ』となることはある。でも、チケット代もドリンク代も、俺じゃなくて店に入るようにしてる。(タイの件も)それだと思う」

――ビザなしの不法就労では。

「不法就労はしてないね。俺の芸人生命に関わるし、ちゃんと調べてください!」

ウーマンラッシュアワー村本大輔の闇営業・不法就労疑惑とする記事ですが、本人は否定しています。記事では他の証言などから当該事実があったとするかのような内容になっていますが、事実は果たして。

特に不法就労の話は慎重に扱うべきだろうと思います。

ウーマン村本「ここ数年闇営業も反社会的勢力とのつながりも無い」

ウーマンラッシュアワーの村本氏は「ここ数年闇営業も反社会的勢力とのつながりも無い」 とツイートしていました。

闇営業や反社との繋がりは事務所と芸人の話であって第三者が咎めるのはおかしい、という主張をしていました。闇営業は同感ですが、「反社とのつながり」はその内容次第だと思うのですが…(本人不知のまま関与していたという場合にネタにされることが多いが、積極加担しているような場合に問題)。

しかし…

これは「それ以外のおまつり好きの野次馬」と何が違うのでしょうか?

以上

新潮『保健所長会が厚労省に「2類指定を外して」』とタイトル詐欺⇒実際は「柔軟な対応」「指定感染症解除の条件提示」を要請

新潮の記事によって保健所長会の要望が誤解されています。

新潮『保健所長会が厚労省に「2類指定を外して」』

保健所が厚労省に「2類指定を外して」 体制の見直しで医療逼迫は一気に解消へ 週刊新潮 2020年12月24日号掲載

 12月8日、全国保健所長会が厚労大臣宛てに「緊急提言」を送っている。新型コロナウイルスは現在指定感染症(2類相当以上)の扱いだが、これを緩めてほしいというものだ。メディアは保健所の逼迫を受けて「医療崩壊だ」「外出するな」と叫ぶが、本当に必要なことは指定感染症2類扱いの見直しではないのか。

週刊新潮に掲載された記事内容を転載したデイリー新潮の記事タイトルでは『保健所長会が厚労省に「2類指定を外して」』となっていますが、これはタイトル詐欺です。

新潮のタイトル詐欺:実際は「柔軟な対応が可能なように」「指定感染症解除の条件提示」を要請

保健所長会の提言

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000704454.pdf90頁~

保健所は国に対して「地域ごとに感染症法上の運用をより柔軟に対応すること」「指定感染症の指定解除の条件や時期の展望を示すこと」などを提言しています。

国への要望
・現在の「全国的に流行期である保健所の感染症対策」を早急に示すこと
・迅速なワクチン接種体制の構築を進めること
・指定感染症としての対応を検証すること
現時点で、判明している「新型コロナウイルス感染症」の概要について、我が国の情報を整理し、国外の対応策も参考にした上で、改めて本疾病についての疾病概念の認識を国民及び保健医療関係者に示すこと。
流行の終息が見えない中で、指定感染症の指定解除の条件や時期について展望がないことは、保健所職員や医療従事者の健康障害や意欲の限界を生じ、感染拡大地域のみならず、全ての地域の保健所における業務遂行が不可能となる事態も危惧される。

決して「2類指定を外せ」などという雑なことは言っていません。

過去の全国保健所長会|活動|宣言・要望書等を見てもそんなことは言っていない。

したがって、新潮が『保健所が厚労省に「2類指定を外して」』とタイトルに書いたのは、好意的に見ても【タイトル詐欺】なわけです。 

感染症法上の指定感染症の仕組み

新型コロナウイルスは感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)上、「指定感染症」に指定されています。

指定感染症は「第三章から第七章まで、第十章、第十二章及び第十三章の規定の全部又は一部を準用する」とされています。厳密ではないですが、ざっくり言えば「新感染症」と「結核」に関する規定以外は「準用できる」のです。

当然、その中には5類感染症に関する規定も含まれています。

指定感染症はその中からカスタマイズして準用できるのであって、現在は1類感染症だけが使える規定も準用しているものの、おおむね2類感染症の場合に使える規定が準用されていることから「指定感染症の2類相当」と、比喩的に言われています。決して2類感染症に指定されているわけではありません。

ただし、実際の運用は、2類感染症の場合と比べて「緩やかな」扱いになっている面が多いです。

詳しくは以下

現在の新型コロナウイルスの法律上の扱い|Nathan(ねーさん)|note

「新型コロナを2類から5類へ」「指定感染症を外せ」「季節性インフルと同等の扱いに」という陰謀論|Nathan(ねーさん)|note

「5類感染症指定」をすればどうなるか

そんな中で「季節性インフルエンザ」と同じ「5類感染症指定」をすればどうなるか。

保健所が厚労省に「2類指定を外して」 体制の見直しで医療逼迫は一気に解消へ 週刊新潮 2020年12月24日号掲載

東京大学名誉教授で食の安全・安心財団理事長の唐木英明氏が指摘する。

「感染者数がピークでも1日2千~3千人で済んでいる日本は、5万~20万人の欧米から見れば感染対策に成功している。欧米の状況と比較するのは重要で、多くの政治判断は相対的な基準を拠り所に行われるからです。たとえば10万人当たりの感染者数をくらべれば、2類扱いを維持すべきかどうかは明らか。2類扱いだから医療が逼迫し、指定病院は一般患者が遠のいて赤字になり、医療関係者や保健所はオーバーワークを強いられ、その家族まで風評被害を受ける。インフル同様5類にすれば受け入れ可能な病院も増えるのに、それができないのは、新型コロナは“死ぬ病気だ”という意識を国民に植えつけた専門家、テレビ、新聞のせいです」

新潮記事でこう言っている人が引用されているわけですが、「インフル同様5類にすれば受け入れ可能な病院も増えるのに」という点はかなり疑問な将来予測です。

保健所長会の提言・要望にも、「受け入れ可能な病院の拡大」は盛り込まれてません。

高山医師のFacebook上での以下の指摘が非常に具体的でコンパクト。

高山義浩 2020年12月23日 13:08

なお、いま5類相当に落としたら・・・ こうなります。
1)入院医療費の自己負担が発生するため、高齢者など重症化リスクの高い人も自宅療養を選択する。そもそも受診しない人も増え、早期治療が行われなくなる。自宅での急変、重症化が多発して、さらに医療がひっ迫する。
2)当然ながら、ホテル療養も有料となる。すなわち終了となり、自宅療養が不安な人の受け皿が失われる。入院による見守りを希望する人、軽度の体調変化を感じた人が救急外来に殺到し、さらに医療がひっ迫する。
3)コロナを特別扱いする法的根拠が失われる。保健所の疫学調査は行われなくなり、PCR検査は自己負担となり、全数サーベイランスも終了する(先進国初!)。よって、日本だけ何が起きてるか分からなくなり、社会不安は確実に増大する。
4)当然ながら、ワクチンもインフルエンザと同様のスキームになり、せいぜい定期接種に位置付けられる程度となる。市町村ごとに対象者や負担割合がバラバラになる。もちろん、日本だけ感染拡大が続く(いずれ終わるが、経済は周回遅れに)。
ま、だから2類相当のままで延長するんですけど・・・

新たな立法をしない限り(かなり大掛かりな変更が必要)、現行法上はこうなります。

「新型コロナの類型を設けろ」という立法論をするなら理解できるのですが…

Facebook上の内容は沖縄での実態も含めて非常に具体的に記述されています。

新潮の記事は指定感染症の仕組みを理解していない者による発言を取り上げていて、この点で誤謬拡散だと思います。編集部が法令の仕組みを理解していないのは仕方がないのですが、せめてタイトル詐欺はやめれ。

以上