許し難い行為
- Colabo弁護団の衆議院議員会館での暇空茜提訴記者会見
- 議員・秘書が参加しない会議は衆議院議員会館運営規則違反
- 常態化したルール違反と私人への提訴記者会見に使うという悪質性
- 紹介議員名簿の開示請求は「議員の活動に支障を及ぼすから非開示」
- 衆議院議員会館での名誉毀損による損害賠償請求は司法審査の対象か
Colabo弁護団の衆議院議員会館での暇空茜提訴記者会見
もはや懐かしさすら感じる2022年11月29日、仁藤夢乃氏が代表を務める一般社団法人Colaboの弁護団(当時は中川卓・堀新・神原元・太田啓子・角田由紀子、永田亮、各弁護士)が、暇空茜(水原清晃)への提訴記者会見を行いました。
本件については【私人への提訴会見を議員会館でやった】ことが問題視され、且つ、議員や議員秘書が参加していないように見えることから、議員会館のルールに違反しているのではないか?と言われていました。
そこに、Colaboが2023年1月15日にUPした記者会見の書き起こしにおいて、出席者や出席報道機関が明記されたことから、議員・議員秘書が出席していない(というColabo側の公式説明)ということが明らかになりました。
あれ?Colabo記者会見って議員会館でやったよね?
— 暇空茜 (@himasoraakane) 2023年1月23日
出席者に議員いないって確定したよ?違法では?https://t.co/TnYGqZOHyX pic.twitter.com/zYQhSJ0k4w
議員・秘書が参加しない会議は衆議院議員会館運営規則違反
衆議院議員会館運営規則
(会議室等の使用)
第10条会議室等の使用は、会派に直接関係のある会合で議員が主催する会合及び行事等に限る。ただし、議員が紹介した議員秘書のみの会合にはこれを使用させることができる。なお、集会、請願、要請、陳情等には使用できない。
衆議院会館会議室使用要領
2、会議室の使用
会議室は、議員同士による会合及び議員とその議員が指定した会議出席者との会合に使用できる。
衆議院議員会館運営規則では、会議室等の利用には「会派に直接関係のある会合で議員が主催する会合及び行事等に限る」「議員が紹介した議員秘書のみの会合も可能」とあります。
さらに衆議院会館会議室使用要領では「会議室は、議員同士による会合及び議員とその議員が指定した会議出席者との会合に使用できる」とあります。
Colabo弁護団提訴記者会見は「議員も秘書も参加していない」会議室の利用です。
したがって、この規則に明示的に違反しています。
常態化したルール違反と私人への提訴記者会見に使うという悪質性
もっとも、議員も秘書も参加しないルール違反は、常態化しているようです。
あ、曲解というのは、「議員の紹介があれば出席していなくてもセーフ」という考え方が界隈にまかり通っている、ということです。
— よもやま(改) (@kokkai_kengaku) 2023年1月23日
自分も、MSさんのおっしゃる通りで、「議員出席していればルール違反ではないのですから、申請した議員=出席議員が名乗り出ればいいのでは?」と、思っております。
そうした使い方が常態化しているのは事実ですが、ルールに反しています。 https://t.co/twDKZ3IOKJ
— 田中けい🇺🇦🇯🇵 (@TANAKA_Kei) 2023年1月23日
「議員の紹介があれば出席していなくてもセーフ」というのは、警備上の問題もありそうですが、罷り通っているようです。
それでも、百歩譲って内容が国政に関するものであれば、公益的な内容であれば悪質さは薄まるとは思います。
しかし、本件は「いち私人たる個人への提訴記者会見に利用した」という悪質な事案です。このような使い方は、議員会館の設置の趣旨に反した行いでしょう。
しかも、この記者会見では暇空氏への名誉毀損が行われました。
紹介議員名簿の開示請求は「議員の活動に支障を及ぼすから非開示」
過日の議員会館で提訴記者会見やられた僕が、それをやった議員を知りたいっていったら、「議員の活動に支障を及ぼすから非開示」ってなめてんのかっておもいますね
— 暇空茜 (@himasoraakane) 2023年1月6日
僕に支障を及ぼすために組まれた”非難攻撃”なんだが? pic.twitter.com/N1Hux9TlBe
紹介議員名簿の開示請求は「議員の活動に支障を及ぼすから非開示」という判断が為されています。
なお、借りたのは第二議員会館の第一面談室で、その日は一議員で丸一日抑えてます。 pic.twitter.com/S4MyNAcrEL
— 田中けい🇺🇦🇯🇵 (@TANAKA_Kei) 2023年1月6日
どうやら永田町・霞が関関係者の中ではある程度は当たりが付いているようですが、確証が持てないために表では話されていないようです。
これは問題視される前に議員ルートで把握できた可能性がありますが、たとえば過去には杉田水脈議員が山田宏議員に調べてもらった結果、辻元清美議員の名義で会議室が利用されていたことを突き止めた例があるようです。
衆議院議員会館での名誉毀損による損害賠償請求は司法審査の対象か
衆議院議員会館での名誉毀損による損害賠償請求は司法審査の対象か。
国会や地方議会での名誉毀損(人格権の一種)による国賠請求は司法審査の対象なので、そこから考えると対象になってもいい気がします。
憲法訴訟になったら、議員の活動に支障を及ぼすおそれがあるかどうかは議院が判断するなどという判決が出そうですが、議院の自主性vs国民の知る権利という面白い訴訟にはなりそうです。 https://t.co/EJLgeqLA1P
— 石埼学 (@ishizakipampam) 2023年1月6日
参照:地方議会での名誉毀損と司法審査:行橋市の小坪慎也議員に関する徳永議員による爆破予告犯「ヘイト議員」便乗動議提出・決議について - 事実を整える
憲法上の権利侵害で行くと、仮に司法権の対象となった場合
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) 2023年1月6日
◆国「請求を認諾する」⇒金払って終了、どの議員の権限かは教えない
とかいう展開になりそう。
この攻防の中で誰の名義で会議室を押さえたのかが分かるのかもしれません。
一般論だが議員の活動とは言いがたい目的で議員会館の会議室を利用した議員は議院による懲罰(憲法58条2項)の対象となりうるのではないか。
— 石埼学 (@ishizakipampam) 2023年1月6日
ほか、議会での自律的権能として懲罰の対象とされるのかどうかは気になります。
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