朝日新聞官邸クラブのツイッターアカウントが正体を現しています。
事実誤認に基づく発信なのでしっかりと事実を理解しましょう。
- 朝日新聞官邸クラブ「日本人に対するヘイトスピーチは日本の法律では違法ではない」
- ヘイト規制法は「本邦外出身者」への不当な差別的言動を禁止
- ヘイト規制法・ヘイト禁止法は在日韓国・朝鮮人が念頭
- 日本人であることを理由とした排斥≒純日本人は対象外のおそれ
- 大阪市のヘイト規制条例は純日本人も対象と明言
- まとめ
朝日新聞官邸クラブ「日本人に対するヘイトスピーチは日本の法律では違法ではない」
●少女像の展示は日本人に対する一種のヘイトスピーチであり不適切では。
— 朝日新聞官邸クラブ (@asahi_kantei) September 26, 2019
→そもそも、日本人に対するヘイトスピーチは日本の法律では違法ではない。また、ヘイトスピーチの一般的な捉え方に照らしても、少女像がそれに当たるとは言えない。https://t.co/2yMsY4gt1u
まず「日本人に対するヘイトスピーチは日本の法律では違法ではない」の部分。
これは事実誤認です。
ヘイト規制法は「本邦外出身者」への不当な差別的言動を禁止
【本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律】
通称「ヘイト規制法・ヘイト禁止法」と呼ばれる法律ですが、「不当な差別的言動」の中にはいわゆる「ヘイトスピーチ」に相当する事象も含まれて居ます。
そして、ここでは「本邦外出身者」を保護対象として定義しています。
(定義)
第二条 この法律において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。
このように「日本国籍を有しているのではないこと」というような要件はありません。
- 「本邦の域外の出身者又はその子孫」に対して
- 「本邦の域外の出身であることを理由」として
ですから、例えば「にしゃんた」氏や「大坂なおみ」選手に対して(いずれも現時点で日本国籍者)、その出自を理由とした排斥言動を行えば、ヘイト規制法上の違法行為になります。
なお、定義規定のうち「専ら」という部分は「差別意識を助長・誘発の目的」にかかっており、「出身」にはかかっていません。
ヘイト規制法・ヘイト禁止法は在日韓国・朝鮮人が念頭
第190回国会 参議院 法務委員会 第8号 平成28年4月19日
○西田昌司君 まず、いわゆるこのヘイトスピーチですけれども、現在も問題となっているヘイトスピーチ自身は、いわゆる人種差別一般のように人種や人の肌とかいうのではなくて、特定の民族、まさに在日韓国・朝鮮人の方がターゲットになっているわけですよね。ですから、そういう立法事実を踏まえて、この法律に対して対象者が不必要に拡大しないように、立法事実としてそういう方々が中心となってヘイトスピーチを受けているということで、本邦外出身者ということを対象として限定しているわけでございます。
法案発議者の1人である西田昌司議員の説明では在日韓国・朝鮮人を主な対象としているということが答弁されました。
もちろん、そのような者でなければ本法の対象ではないということではありません。
あくまで「本邦外出身者」や「適法に居住している」という限定要件を加えた理由=立法事実として説明されているに過ぎません。
たとえば元在日韓国・朝鮮人で現在日本国籍を取得している方が、その出自を理由に排斥言動を受ければ当然に本法の対象になります。ならなければおかしいです。
ただ、罰則が無いというだけです。
基本的に国・地方公共団体に対して努力義務を課しているだけの理念法なので。
日本人であることを理由とした排斥≒純日本人は対象外のおそれ
ところが、残念なことに以下のような例は、本法では捕捉されない可能性が高いです。
『元在日韓国・朝鮮人が「チョッ〇リは韓国人街から出ていけ」と言われた』
「出自という属性を理由に排斥を受ける」という状況は同じなのに、「日本人であること」を理由とした排斥は本法では保護対象とはならないのか?
いわゆる「純日本人」が保護の対象外ではないか?
これがヘイト規制法の成立時からおかしいと言われてきたことです。
実際に訴訟になったことが無いのでわかりませんが、規定の文言上は外れていると理解せざるを得ないでしょう。
ただ、「附帯決議」には「本邦外出身者に対する不当な差別的言動以外のものであれば許されるというのは誤った理解である」という文言もあるので、それが純日本人に作用するのかは分かりません⇒本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案:参議院
大阪市のヘイト規制条例は純日本人も対象と明言
大阪市:「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」の運用について (…>人権>ヘイトスピーチ)
勘違いされていますが、大阪市のヘイトスピーチ規制条例は、ヘイト規制法とは異なり、日本人へのヘイトスピーチも対象となると明言しています。
しかも、ヘイト規制法とは異なり、「人種若しくは民族に係る特定の属性を有する個人又は当該個人により構成される集団」が保護対象であるという文言になっており、ヘイト規制法上の「本邦外出身者」とは異なる規定ぶりですから、純日本人も対象になるということは明らかでしょう。
まとめ
「検閲」「表現の自由」は超拡大解釈、というより、もはや「概念操作」してるレベルなのに、「ヘイト」はなぜか法律上の定義でしか語らない(しかも間違ってる)というのは、朝日らしいですよね。
— Nathan(ねーさん) (@Nathankirinoha) September 28, 2019
朝日新聞関係者がこのような理解なのは、「日本人」が気に食わないから法律の文言をきちんと読み込んでないからでしょうか?実に朝日新聞らしいと思い、そのくぉりてぃは日本一だと思います。
以上