事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

伊是名夏子「子供食堂利用してます」への批判について

これまたどうしたものか。

伊是名夏子「子供食堂利用してます」

伊是名夏子 氏が「子供食堂利用してます」とする2018年のツイートが「発掘」され、2021年5月18日あたりから批判が集まっているようですが、少しばかり誤解も混じっていたので整理します。 

伊是名夏子への非難について:子供食堂の目的・機能

伊是名夏子と子供食堂の目的

増加している“子ども食堂”とは?その目的や課題を知ろう

子ども食堂の目的としては、「地域交流の拠点」と「子どもの貧困対策」の二つがあります。地域住民のコミュニティとして幅広い年齢層の人を受け入れながら、経済的理由や家庭の事情によって、栄養のある食事をとることができない子どもたちを支援する、という社会的な役割を担っているのです。

子供食堂と連携した地域における食育の推進:農林水産省

-食育の推進という観点から見た子供食堂の意義について-
子供食堂の活動は様々ですが、親子で参加する場合も含め、

(a)子供にとっての貴重な共食の機会の確保

(b)地域コミュニティの中での子供の居場所を提供

等の積極的な意義が認められます。

子供食堂の目的・機能の中核が「食事の安価或いは無償の提供」にあることは間違いないですが、それだけを意識して運営されているわけではありません。

子どもが家庭や学校以外の幅広い年代の人々と関りを持てるようにする 「地域交流の拠点」という機能も備えていることが多いです。

伊是名氏のツイートで引用されている記事にも、「実際には、こども食堂のほとんどは、地域の交流拠点、共生拠点を目指して運営されているのに、それが伝わっていなかった。」という記述がある通りなんだろうと思います。

子ども以外の利用者が増えることと地域コミュニティの醸成

増加している“子ども食堂”とは?その目的や課題を知ろう

子ども食堂の開催事例
全国でさまざまな団体が運営している子ども食堂の実例を見てみましょう。

高円寺 こども食堂
高円寺 こども食堂は、2015年より運営されているこども食堂の先駆けの1つです。
こちらでは、食事の提供とあわせて、小学生~高校生を対象とした無料学習塾も実施しています。最近では、子どもだけでなく、高齢者の利用も増えているということです。幅広い年齢層の人が参加できるコミュニティとして、地域に根差した活動を継続しています。

市内一覧 - kawasaki-kodomoshokudo-nw ページ!

子ども食堂に子ども以外の利用者が増えることは、それだけで何か悪いことと捉えられるものではありません。

川崎市の子供食堂の一覧を見ても、子どものみを対象にしていると明言している所以外は大人料金が設定されているので、総じて大人の利用者を念頭に置いているのが分かります。大人が500円の値段の所もあります。

食事は子どもらには原価割れした値段で提供しているので、子ども以外の方がそれなりの対価を支払って食事をすることは一定の運営の補助にもなると思われますから、必ずしも「貧困者の大人が利用すべき」とは考えられていないようです。

子ども食堂の仕組みへのフリーライドは許されない

もっとも、この仕組みにフリーライドするような利用方法は避けられるべきで、それは常識のある使い方が求められていると言えます。

伊是名氏のツイートの中には

なにより夕飯の準備、片付け、しなくていいから幸せ

という文言があるせいで、仕組みにフリーライドしていると受け取る者も出ていると思われ、そこは批判されても仕方がないと思います。

子ども食堂の存在や存在意義について知られること自体は良いことなので、発信の仕方を工夫して頂き、利用の仕方を思い直して頂きたいと思います。

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