事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

オウムへの破防法適用に反対した自由法曹団が日本学術会議任命拒否に抗議

自由法曹団が日本学術会議任命拒否に抗議ですって。

自由法曹団が日本学術会議任命拒否に抗議

自由法曹団、任命拒否に抗議「明確な法律違反」 神戸で総会 - 毎日新聞

学術会議に関する決議では、菅義偉首相が推薦名簿を見た段階では6人の名前がなかったと説明したことを「責任回避とも取れる発言」と非難。その上で「仮にその通りなら、今回の任命は首相が学術会議の推薦に基づき任命したとは言えず、その意味でも明確な法律違反だ」と指摘した。(共同)

自由法曹団というのは弁護士の団体です。

そういうところが日本学術会議の6名の任命拒否に抗議した、ということなのですが、いったいどういう組織なんでしょうか?

オウム真理教への破防法適用に反対した自由法曹団

日本学術会議任命拒否に抗議の自由法曹団

オウム真理教にはなぜ破壊活動防止法が適用されなかったのか - 事実を整える

本日、公安審査委員会は、オウム真理教に対する破防法・解散指定の適用 を棄却する旨の決定を発表した。
二 自由法曹団は、今回の破防法の適用を認めるか否かは、わが国の自由と民主主義の将来に対し、きわめて重大な影響を持つものであるとの認識に立って、 反対運動を行ってきた。

自由法曹団は過去にオウム真理教への破防法適用に反対していた団体です。

破防法適用が棄却されたのは『摘発が進まなければ証拠が揃わないが、摘発が進めば適用要件の「明白な危険」が弱まる』という類の不合理な法規定(或いは解釈)だったせいです。

学術会議は適用どころか破防法の成立に反対していましたからね。

自由法曹団の弁護士:渡辺和仁・福山和人など

安倍首相の所信表明演説で改憲議論の呼びかけが憲法違反?:自由法曹団のヤベー奴 

自由法曹団の弁護士としてTwitterで目に付くのは渡辺輝人・福山和人弁護士らだと思っています。

「ナベテル」でおなじみの渡辺弁護士は常任幹事です。

過去には自衛隊に関して以下書いていました。

過去のページ―自由法曹団通信:1622号

「ありがとう自衛隊」キャンペーンについて思うこと
京都支部  渡 辺 輝 人

 私の自宅にも、先日、「ありがとう自衛隊」と大書され、櫻井よしこがにこやかにほほえむチラシが投函されていた。

中略

吉田茂が防大生に贈った言葉
 吉田茂は、一九五七年、防衛大学校の第一期卒業生に対してつぎのような言葉を語ったとされる。
 「自衛隊が国民から歓迎されチヤホヤされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡のときとか、災害派遣のときとか、国民が困窮し国家が混乱に直面しているときだけなのだ。言葉を換えれば、君たちが日陰者であるときのほうが、国民や日本は幸せなのだ。どうか、耐えてもらいたい。自衛隊の将来は君たちの双肩にかかっている。しっかり頼むよ
 語った場面については、卒業式の祝辞だとされることが多いが、実際は、吉田が卒業アルバムの制作費用を立て替えた関係で、防大生を大磯の吉田邸に呼び寄せた際の言葉だそうである。

中略

「兵隊さんよありがとう」の歌
 一方、自衛隊に「ありがとう」という日本会議のキャンペーンを聞いていて思い出したのが、以下の歌である。Wikipedhiaで調べた限りだが、一九三八年に朝日新聞「皇軍将兵に感謝の歌」懸賞に応募し、佳作をとったそうである。

中略

読めばすぐに分かるが、「兵隊さんよありがとう」は、兵隊さんがお国のために闘い、お国のために傷つき、お国のために戦死したことに対する謝意を表した言葉なのである。この歌に象徴される世論によって戦地に送り込まれ、戦死した「兵隊さん」が三〇〇万人いる。この歌は、実際には、「ありがとう」と謝意を述べながら、兵隊さんに、闘い、傷つき、戦死することを強要する残酷な歌だったのである。

 

とまぁ、「総理⇒防衛大生」の関係での言葉を、「国民⇒自衛隊」との関係に敷衍しようとし、歌の意味を独自に解釈しているわけですが、独特の感性をお持ちのようで。

「感謝」がいつの間にか「強要」になるのですから、このような人からすれば「通知」もいつの間にか「通達」になってしまうのでしょう。

過去には本ブログの記述が言葉遣いに無頓着だったため、以下のようにご教示頂いたんですけどねぇ。

自由法曹団規約「人民の権利が侵害される場合は闘う」

自由法曹団規約(1974年10月14日改正)
1条(名称)
この団体は自由法曹団と称する。

2条(目的)
団は、あらゆる悪法とたたかい、人民の権利が侵害される場合には、その信条・政派の如何にかかわらず、ひろく人民と団結して権利擁護のためにたたかう。

さて、自由法曹団規約にはこのように書かれているのですが、自衛官の入学拒否問題、その他各所での差別問題にはまったく取り組んできた形跡はありません。

そういった団体が日本学術会議関連の「大学の学問の自由」や「大学において学ぶ自由」の問題について無頓着なのは解せません。

以上