事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。リンク切れに備えて魚拓を活用しています。

加計学園獣医学部韓国人全員不合格は人種差別?⇒推薦入試以外で4人合格

加計学園獣医学部面接で韓国人全員不合格

岡山理科大学獣医学部(加計学園運営)の入試において韓国人受験者が全員不合格となったことが人種差別だと騒がれていますが、おかしな話です。

※岡山理科大学がHPで説明したため、メディアの印象操作・フェイクが明らかになりました。

加計学園獣医学部の韓国人全員不合格は推薦入試、日本語能力の不足

韓国人受験生を全員不合格 加計学園獣医学部に「不正入試」疑惑 | 文春オンライン

岡山理科大学の獣医学部。昨年11月16日、愛媛県今治のキャンパスで獣医学科の推薦入試が実施されたが、同学科が韓国人受験生全員の面接試験を一律0点とし、不合格にしていたことが「週刊文春」の取材で分かった。

省略

「すべて日本語で記された科目試験で満点に近い優秀な成績を収めた学生もおり、韓国人受験者全員が、日本語に不自由だという説明は不可解極まりないです」

岡山理科大学獣医学部(加計学園獣医学部)で韓国人受験生の面接試験が一律0点となって全員不合格になったのは推薦入試A方式で、「理由は日本語能力の不足」でした。

どうしてこれが「人種差別の疑惑」となるのか意味が分かりません。

この報道を真に受けて韓国メディアも報じています。

参考:日本の大学獣医学部が韓国人差別…受験生8人全員不合格-Chosun online 朝鮮日報

筆記試験は英語と数学

文春の記事の画像では韓国人受験者とされる者の科目選択が示されていて、全員が英語と数学を選択していました。

なので、2019年のものですが、推薦入試の問題文の内、獣医学部での必須科目である数学と、選択科目である英語の問題文を見てみました。

英語と数学の問題文の日本語の難易度

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https://www.ous.ac.jp/common/files//451/suiA_Q_19_1117.pdf

問題文の日本語は英語は平易な日本語です。

対して数学は専門的な内容であるため問題文は高度な印象を受けるかもしれません。

「頂点を移動する点 P」とか、「四角形 APQD は円に内接する」「△ABC の外接円の半径 R」などという言葉は、確かに日常用語と比較すると難しい言葉遣いをしています。

しかし、数学の問題文で使われる文章は受験生内では記号化してます。

受験生は同じような問題を何度も解いているのです。

そうすれば単語は自然と覚えるわけで、基本的な文法構造が理解できていれば日本語読解能力がそこまで高くなくとも問題文を理解することは十分に可能です。

こう言えるのは、私も外国語の理解をする必要がある場面を経験しているからです。

私は非医学部でしたが、卒論を書くために英語の医学論文をいくつか読んでいました。

そこで使われている単語は日常では全く利用しないものであり、単語帳があってランク付けをするのであれば間違いなく高難易度の単語が沢山あります。

しかし、分野が同じ研究であれば同じ単語が何度も出てくるので(たとえば"in vivo" や "in vitro"など)、慣れてくれば初めて読む論文であっても自然と理解できるようになります。

論文というのは文章構造も単純なので小説の原文を読むより遥かに理解が簡単です。

岡山理科大学獣医学部の数学の問題文も、「数学の問題文」として決まった単語で決まった文章構造で構成されているので、たとえ母国語でなくとも類似問題を何度も解答していれば自然と理解できていたハズです。

リーディングとスピーキングの能力の違い

さらに言えば、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの能力はある程度は相関関係はあるかもしれませんが、リーディング(筆記試験で必要な能力)ができるからといってリスニング・スピーキング(面接で必要になる能力)ができるとは限りません。
加計学園獣医学部の英語数学は解答においてライティングの能力を測るようなものではない

たとえばTOEICで900点とれていても、それだけでは日常レベルですらあまり達者にしゃべれないことがある、というのは常識だと思います。

ですから、「すべて日本語で記された科目試験で満点に近い優秀な成績を収めた学生もおり、韓国人受験者全員が、日本語に不自由だという説明は不可解極まりない」という内部告発者の主張は明らかに拙速に過ぎます。

面接のある語学試験の受験経験がある人は、みんな同じ理解になるハズです(そうでない人でも外国語を話す機会があった人の多くは自身のリーディングの能力との差を経験してるでしょ)。

韓国で説明会・「韓国人枠がある」というデマも

しかも、岡山理科大学獣医学部は韓国で入学説明会を開催するなどして韓国人留学生の獲得に意欲を示していました。

そうしたことから一時期は「韓国人留学生枠がある」などというデマも発生して、それをさらに池上彰のテレビ番組が拡散するということもありました。

TBS・池上彰「加計学園 獣医学部は韓国人留学生枠20人を作った」⇒誤報です。「留学生に税金が支払われる」⇒他大学も同じ - Togetter

わざわざ説明会を開いてるのに敢えて不合格にすることなんてありえますか?という当たり前の思考ができない人が多すぎて困ります。

推薦入試以外の形式で4人合格という事実

「試験は適正に実施」加計学園、文春報道を否定 「20年度入試で韓国人4人合格」 - 毎日新聞

加計学園は毎日新聞の取材に「入学選抜試験は一貫して適正に実施している」と不正を否定し、20年度入学者対象の複数の形式の入試で獣医学科を受験した韓国人のうち4人が合格しているほか、現在13人の韓国人が在籍していると回答した。

決定的な事実として、2020年入学の推薦入試以外の形式で、獣医学部には4人の韓国人が合格しています。これで「人種差別」があると現段階で言うのは不可能です。

まとめ:岡山理科大学獣医学部に人種差別疑惑は無い

  1. 韓国人受験生(とされる者)が面接で一律0点で不合格になったのは日本語会話能力が理由
  2. 推薦入試の話であって、それ以外の入試で実際に韓国人4人が合格している
  3. 現在の1年生・2年生にも韓国人留学生は多数在籍している
  4. そもそも岡山理科大学獣医学部は韓国で入学説明会を開催して留学生獲得に意欲を示していた
  5. 獣医学部の筆記試験で韓国人受験生が全員選択していた英語と数学は解答に日本語能力をさほど要しない
  6. 筆記試験で優秀な成績だとしても面接では異なる語学能力を発揮する必要があるので、その能力が大学の講義についていくためには低すぎた、或いは他の受験生と著しく差があったのなら0点を付けられても当然

現段階で岡山理科大学獣医学部に人種差別疑惑は起こり得ません。

常識の話。

面接で話した内容が見事な日本語であり、受け答えも見事なものだったにも関わらず0点にされていたという、ダイレクトな事実が明らかになれば別ですが。

以上