事実を整える

Nathan(ねーさん) ほぼオープンソースをベースに法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

5億円申告漏れ報道に前澤友作氏「リークは犯罪みたいですよ!」

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前澤友作氏の資産管理会社「グーニーズ」に5億円の申告漏れがあったとする報道について違和感があったので整理します。

前澤友作氏の資産会社が申告漏れがあったとする読売の記事

前沢友作氏の資産会社、5億円申告漏れ…社有機の私的利用で(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース(魚拓)

前沢氏はこの間、同社所有のプライベートジェット(PJ)を頻繁に私的利用しており、同国税局は、前沢氏は利用料として約5億円を負担すべきで、同社はその分を法人所得に計上する必要があると判断したとみられる。

 同社は既に修正申告したが、赤字分と相殺され、法人税の追徴課税は発生しなかった。

国税と課税対象の認識が異なっていたために「申告漏れ」と分類されたものの、修正申告、つまり納税はきちんとされているわけです。

これを報じる意味がよくわかりません。

私人である前澤氏の納税状況について、何で情報が漏れたのでしょうか?

ZOZO創設者前澤氏「リークは犯罪みたいですよ!」

さすがはZOZO創設者の前澤氏です。

国家公務員法100条を引用して「リークは犯罪みたいですよ!」 と指摘。

私も、これは犯罪ではないかと思います。

過去に捜査情報のリークについて調べたことがあるのですが、今回のは必要性が全く見いだせないからです。

リークは常に犯罪になるわけでは無い

マスコミへのリークが問題視されたのは大阪地検の事案が思い出されます。

最高裁昭和四八年(あ)第二七一六号同五二年一二 月一九日第二小法廷決定

国家公務員法109条12号、100条1項にいう秘密とは、非公知の事実で あって、実質的にもそれを秘密として保護するに値するものをいい、その判定は、司法判断に服する。 

また、地方公務員法34条にいう「秘密」について解説したものでは『「秘密」とは、一般的に了知せしめることが一定の利益の侵害になると客観的に考えられるものをいい、本条第1項の「職務上知り得た秘密」とは、職務執行上知り得た秘密を、第2項の「職務上の秘密」とは、職員の職務上の所管に属する秘密を指す。(昭和30年2月18日行政実例)』 と書かれています。

さて、「捜査情報」は「公的な話題」であるために、警察による記者発表などの形式で特定媒体への「ひいき」とならなければ、国家公務員法上の非難されるべき犯罪であるとは思わない、というのが私の考え方です。

千葉市の熊谷市長も、特定記者・媒体に限定した情報提供をリークと捉え、以下発言しています。

納税済み情報のリークは国家公務員法100条違反だと思う 

申告漏れ情報が報道されることは政治家の場合には理解できます。政治資金規正法で金の流れが厳しくチェックされているからであり、公人だからです。

しかし、前澤氏の場合は以下の事情があります。

  1. 私人
  2. プライベートジェットの利用料金という特殊な課税対象の話であり、他の国民がその情報を得ても何の利益にもならない
  3. 指摘されて速やかに修正申告して納税済み
  4. 課徴金の支払いが命じられたわけでもない

こういう事案で果たして外部に漏洩して報道させる意味=公益はあるのでしょうか?

「申告漏れ」があったという情報は客観的に知られたくないと思うものであり、実質的に保護するべきものではないでしょうか?

この辺りがどのように整理されているのかは気になるところです。

以上