事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

三権分立の意味と適用場面:毎日新聞高橋記者のミスを嗤うな

f:id:Nathannate:20181102001440j:plain

毎日新聞の高橋昌紀記者が河野外相の韓国の徴用工判決に関する抗議に対して、『韓国政府に「お前の所の最高裁を何とかしろ」との要求か。三権分立の無視も甚(はなは)だしい。日本国内で同様のことをしているから、おかしいとは思わないのだろう』というツイートをしました。

これは「不適切だった」として削除されています。

ただ、夕刊フジの上記記事もちょっとどうなの?と思います。

一記者のミスをあげつらって、それで終わり?違うでしょ。

毎日記者の徴用工ツイート炎上 河野外相の抗議を「三権分立を無視」→「不適切でした」と削除 (1/2ページ) - zakzak

三権分立とは

三権分立とはその国の内部において、国の機能を司法・立法・行政の3つに分けてそれぞれが一つの国の機能を分担することです。

決して1の国を分裂させることではありません。

国が権力を分散させないと、国の権力が強大になり、制御しきれず国民の権利利益を侵害することになってしまいます。そのため、権力を3つに分散させ、お互いのチェック機能を働かせることで権力の暴走を予め防ごうとするシステムです。

その国の内部の話なので、国家vs国家の外部との関係では、三権分立であるかどうかは関係ありません。外国は相手国が三権分立していようがしていまいが、その権力の暴走によって被害を受けるわけではないからです。

韓国の判決は三権分立ではなく国家の分裂

したがって、韓国大法院の徴用工判決は、日本から見た場合には「三権分立を尊重」などする必要はまったくありません。

いわば韓国は国家が分裂したと言ってよいでしょう。

日本からすれば、「これまでの韓国政府の立場と異なるが、韓国の交渉窓口はどっちだ?意見をまとめておけよ!」という見方になります。

ある意味で韓国は交渉相手不明の無政府状態と言えるかもしれません。

そんなことも分からないこんな人たちの一例。

司法による行政への干渉の話かも

なお、韓国の行政府が主導して国全体として一つの意思を示していたものに対して、司法側である大法院が干渉したと言える話かもしれません。

したがって、「韓国国内において三権分立が守られていない」と評することは可能でしょう。

まぁ、日本側からすれば、そんなことどうでもいいですが。

夕刊フジは記者のミスをあげつらって終わりか?

さて、夕刊フジは毎日新聞の記者が何やらおかしな事を言ってツイートを削除して謝罪したことを取り上げ、ネット民の声を拾っていますが、記者のツイートのどこがどうおかしいのか?を指摘していません。

そんなことで良いのでしょうか?

高橋記者は「日本国内で同様のことをしている」という部分も甚だしい事実誤認ですが、「三権分立の無視」という部分も誤った理解を示していたということです。

その上で、本来はどういう理解をするべきなのかを、上記で説明したような内容を書かなければいけないでしょう。人を叩いて終わりで、正しい理解を広めるということは無視ですか?

評論家の屋山太郎氏も「普通の国なら『国家と国家との外交上の約束』は司法も認めるものだが、韓国は三権分立をわきまえていない。『韓国最高裁の判決は筋違いだ』と日本政府が抗議するのは当然。それを『三権分立を無視した』と言い放った毎日記者は見当違いだ」と語った。

これだけじゃ何がどう見当違いなのかわかりません。メディアの役割って何ですか?

私は高橋記者は誤りを認めて謝罪したのだから、そのような態度はむしろ肯定されるべきで、その後の発信を期待していたのですが…

高橋昌紀記者はアカウントも削除し、会社HPからも削除

f:id:Nathannate:20181102001527j:plain

毎日新聞ソーシャルメディア一覧 - 毎日新聞(2018年11月1日15時10分)

高橋記者はツイート削除にとどまらず、アカウントも削除してしまいました。

11月1日の15時10分にとられた魚拓では高橋記者のアカウントが毎日新聞のウェブで確認できていましたが、11月2日深夜0時10分現在は消去されてしまっています

つまり、毎日新聞側が彼のアカウント削除にかかわっているということです。

たった一回のミスでアカウント削除まで追い込まれるなんて、毎日新聞の社内はどうなっているのでしょうか?これでは報道の自由度が下がってしまいますね。

まとめ:他人をバカにするだけで満足しているメディアへ

今回は夕刊フジに対して指摘をしましたが、産経新聞の取材力の高さはプリンセス駅伝予選の連絡時系列のまとめなどを見ても他のメディアよりも高いので期待しているからです。

他のメディアはもっと酷いですよね。他人の言い間違いやどうでもいいミスをあげつらって有益な情報発信をしないメディアは要りません。

※追記※

その後、どのタイミングかは不明ですが高橋記者のアカウントが復活しています。ただ、発信はしていません。

※追記終わり※

以上