事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します

安田純平は自作自演?「自作自演説」の名誉毀損訴訟リスク

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「安田純平氏がテロ組織に拘束されたというのは自作自演ではないか?」

このような論が一部で展開されています。

ツイッターでは予測変換で出てくるレベルです。

しかし、現時点ではそういう主張に待ったをかけたい、というのがこの記事の趣旨です。

「自作自演説」の危険

マスメディアにみられるような「英雄視」「賞賛」というのは論外です。

安田氏の発言やこれまでの経緯については非常に不可解なものがあるにもかかわらず、その点についてはまったく報道されないのも奇妙です。

ただ、現時点の断片的情報のみで自作自演説を唱えるのは無理筋であり、名誉棄損訴訟のリスクがあります。

  1. ロス疑惑の三浦和義氏や余命大量懲戒請求事件を思い出せ
  2. 安田純平氏の周囲に居る弁護士が…
  3. 現時点で指摘されている疑問点のみでは断定は危険

以下、上記の点について指摘します。

ロス疑惑の三浦和義氏による名誉棄損訴訟

三浦和義とは、いわゆる「ロス疑惑」事件において真犯人ではないか?とマスメディアによって報道された方で、報道が名誉毀損であるとして本人訴訟(弁護士を代理人に付けない) で多数のメディアから勝訴判決を勝ち取った者です。

三浦氏が獲得した損害賠償額の合計は1億数千万円以上とも言われています。

1件で100万円の賠償金を勝ち取っています。

今般の安田純平氏に対するマスメディアの過剰なまでの擁護・賞賛や疑問すら報道しないことの原因の一端は、三浦氏の事案でマスメディアが敗訴を重ねた結果、公人ではない個人の疑惑の報道について慎重になっていることもあると思われます。
(だからこそ安倍昭恵夫人や加計孝太郎氏について、大した証拠も無く「疑惑」であるとして報道するのが異常なのです)

どうも、三浦氏に対するものと同じようなテンションで安田氏に疑惑を向けているの者がネット上では散見されますが、現時点の断片的な情報に基づく「自作自演説」は、名誉棄損訴訟のリスクが高いと思われます。

なぜなら、安田氏の周囲には特徴的な弁護士が居るからです。

ヒューマンライツナウ伊藤和子氏らの影響

魚拓:http://archive.is/XXRym http://archive.is/MbRmn

ヒューマンライツナウについては杉田水脈議員がその活動について言及しています。 
(2018年3月9日のこの議事録は未だに公開されていません)

魚拓:http://archive.is/ktcVD

辛淑玉氏とも行動することがある方のようですね。

なお、辛淑玉氏は石井孝明氏を提訴していますが、代理人は神原元弁護士です。

神原弁護士は、余命大量懲戒請求の懲戒請求者に対して訴訟提起している弁護士のうちの一人です。

安田純平氏の「自作自演という疑惑」について 

【問題視】安田純平のシリア拘束に自作自演疑惑浮上 / テロリスト集団「安田純平の拘束なんて関わってないしテレビで初めて知った」 | バズプラスニュース Buzz+
魚拓:http://archive.is/NTAhA

安田氏を拘束していたヌスラ戦線が「拘束に関わっていないと言っていた」という報道がありますが、このテロ組織自体が最近、穏健派と過激派に分裂したという事実を知っていれば、安田氏のことを知らないと言う者が居たとしてもおかしなことではないということは想像できるハズです。

自作自演説」の中でも、安田氏が拘束された事実そのものを疑う者が居ますが、私が知る限り、そのような主張をする者は説得力のある事実を押さえていません。

たとえば、『安田氏が「ウマルです」と発言した際の映像の背後にある植物が「ススキ」であり、中東に生息していないものである、よって…』などという短絡的なものがありますが、簡単に否定されています。

「人質ビジネス」という想像

拘束された事実を否定まではしないものの、「人質ビジネスである!」と断定している論調も、まとめサイトや個人ブログでも見られます。

しかし、三浦和義氏の事案でマスメディアが名誉棄損訴訟で敗訴したことを考えるならば、このような断定はあまりにも危険です。

現代ではSNSによって誰もが発信者(或いはメディア)になっているのですから、自重すべきでしょう。

1件100万円の損害賠償請求で(現在は名誉毀損の損害賠償額が上昇傾向にあるのでこれ以上かも)、発信者情報開示請求をかけてまで訴訟提起するかは微妙なラインでしょうが、少なくとも実名で発信している者は言動に気を付けた方がいいと思います。

安田純平氏の発言の不可解なところ

それでも、安田氏の発言について疑問を指摘することすら許されないということではダメだと思います。

現時点で安田氏の言動で不可解な点は以下の点です。

  1. 8か月も1m×1.5mの部屋に閉じ込められていたのなら、なぜあのように「元気」で「清潔」なのか?
  2. カメラなどの機材はすべて奪われたにもかかわらず、なぜテロリストが読めない日本語で書かれたノートは持ち帰ることができたのか?

整合的に理解するとすれば、1番は「8か月」というのは思い違いか、本当であったとしても拘束の最初の方の話であり、現在はその影響は残っていないという理解が可能です。その8か月中でも、ずっとそのような環境に居たわけではなかったのではないでしょうか?(話が断片的であるせいか、話が盛られているせいかもしれません)

また、拘束の途中からテロリストと寝食を共にするような生活に移行した可能性が指摘されていますが、「ウマル」と名乗ったことから分かるように、彼らに「協力」せざるを得ない立場にあり、ある程度の自由が与えられていたのではないか?という可能性を考えることができます。

しかし、2番目の疑問については、それでも納得がいきません。

ノートにはテロリスト集団の情報が書かれている可能性がある(とテロリストは思うのが通常)はずです。それが外部に漏れてしまったら、自分たちの居場所がバレ、襲撃されてしまうおそれもあります。

そのようなノートの執筆と携帯を可能にしていた理由は何なのか?

通常は考えられない待遇のため、ぜひとも安田氏の口から説明していただきたいと思います。

※追記:安田純平氏記者会見についてのNHKまとめ

安田さんは、拘束中の生活について「荷物は奪われたが、衣類と本とノートをわたされた。日記を書いてもよい、日本語でもよいと言われた。そのノートが書き終わったら、新しいノートも持ってきてくれる。紳士的な組織であったと伝えてほしいということだった。時計などは持っていなかったが、毎日日記を書いて、日付を追っていくことができた」と述べました。

食事に一時的ではあるがスイーツを持って来たり拘束部屋にTVが常備されていた時期があるということからすると、武装組織らの目的には身代金もあるが存在の正当性を外に発信したいという目的もあった、ということなのでしょうか?

「紳士的な組織であったと伝えてほしい」ということなら、拉致監禁身代金ビジネスを止めればよく、同じじゃないか、と思ってしまいますが、そういうものなのでしょうか?

まとめ:記者会見ですべてが分かるのか?

シリアから解放の安田氏に問われる、ジャーナリストとしての“2つの姿勢” (1/5) - ITmedia ビジネスオンライン

安田氏は11月2日に記者会見を開くようです。

私は安田氏は非難こそされども賞賛されるべきではないと、このブログでも書きましたが、彼がわざわざ謝罪するべきということまでは思いません。

経験した事実を後続のジャーナリストのためにも整理してまとめて情報発信すればいいのではないでしょうか?

そうして得た利益の中から社会のためになる寄附などをしようものなら、万々歳だと思うのです。

以上