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マスク転売ヤー懲役・罰金政令が公布:抱き合わせなどの抜け道があるが

マスク転売ヤーに対して懲役・罰金を科す政令が公布されましたが、抜け道が多いな、という印象です。

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マスク転売ヤー懲役・罰金政令が公布

マスク転売ヤー懲役・罰金政令が公布

マスク転売ヤーに対して懲役・罰金を科す政令【国民生活安定緊急措置法施行令の一部を改正する政令】が公布されました。インターネット版官報(30日間有効)で見れます。

事前に報道されていた通り、一般消費者向けに購入価格を超える価格による販売が禁止されています。

罰則は1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれらの併科です。法人に対する両罰規定もあります。

国民生活安定緊急措置法の罰則上限より軽い

これは国民生活安定緊急措置法の罰則上限より軽いです。

国民生活安定緊急措置法

第三十七条 第二十六条第一項の規定に基づく政令には、その政令若しくはこれに基づく命令の規定又はこれらに基づく処分に違反した者を五年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する旨の規定及び法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して当該違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する旨の規定を設けることができる。

今回のマスク転売に対する量刑は、いわゆるチケット不正転売禁止法【特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律】と同じですが、医療用マスクも転売している者が居ることを考えると、社会情勢に合わせて罰則を設けたのだから、平時に存在する刑罰法規とのバランスなどあまり考える必要は無いと思うのですが。

抜け道を考えてみる

さて、この政令の抜け道を考えたら以下を思いついてしまいました。

  1. 抱き合わせ販売で価格を高くする
  2. 購入価格を偽る

抱き合わせ

抱き合わせで価値を高くさせて販売する場合、マスクの価値上昇に対する寄与度がどれくらいなのかが不明なので、法律を適用できない可能性があります。

なお、ある商品を購入した際に「おまけ」的にマスクをつけるのは違法ではないですが、それによる出品者の評価向上を狙った転売ヤーの在庫処分行為が行われるのではないか、と予想しています。相手の履歴をチェックしましょう。

購入価格を偽る

購入価格を偽るとは、購入価格が高かったという事を偽装して、真実の仕入れ値よりも高く販売することで利益を得る行為です。

国民生活安定緊急措置法では政府が物資の標準価格を決めることができます。

しかし、今回はその措置は取られていません

したがって、小売価格以上での販売が必ずしも違法になりません。(標準価格が設定されていてもそうだが、その幅が広い)

そうすると、たとえばフリマサービス、オークションなどで高値で購入したマスクを、その価格以下で転売する行為は違法では無いということになります(その人の社会的評価が低下する可能性があるだけ)。

別のフリマサービス、オークションサービス間での購入履歴のトレースはできないはずですし、小売店で購入したものであるということを(サービス運営側や捜査機関が)証明することは困難であることが多いでしょうからね。

よって、別サービスで高値で購入したとして、当該サービス上での販売価格を小売価格よりも高く設定して販売することは理論上は可能のように思われます。

これどうするんですかね。やはり標準価格というか、上限価格を決めないと完全に転売ヤーを刺せないと思います。

抱き合わせ出品を禁止するメルカリ、オークションを禁止するヤフオク

メルカリ、衛生マスク出品を一律禁止。抱き合わせ出品も削除 - Impress Watch

やはり、こういうことを予測していたのか、メルカリは衛生マスクの抱き合わせ出品を禁止する運営方針のようです。

ヤフオクも衛生マスクのオークション出品を禁止しました。

まとめ:本気でやるなら抜け道も塞がないとダメ

政府は本気でマスク転売を刺すなら抜け道も塞がないとダメだと思います。

ここで書いたようなことは誰でも思いつくものなので書きましたが、政府側にも意見メールを送りました。

以上