事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します

朝日新聞の英文媒体「The Asahi Shimbun」が朝鮮統治の捏造を拡散か?

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朝日新聞が韓国軍によるレーダー照射の英文報道にかこつけて朝鮮統治についての捏造を英語圏に拡散しているのではないか。

そう思わざるを得ない記事を見かけたので少し考察していきます。

韓国レーダー照射報道にかこつけて朝鮮統治の捏造を拡散

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http://www.asahi.com/ajw/articles/AJ201812220011.html

この記事の最下部には日韓関係についてこう書いてあります。魚拓はこちら

Relations between Japan and South Korea have cooled over a bitter history that includes Japan's 1910-45 colonisation of the Korean peninsula, the forced mobilisation of labour at Japanese companies and the use of comfort women, Japan's euphemism for girls and women forced to work in its wartime brothels.

日韓関係は苦い歴史のために冷え切っている。それは日本の1910年ー1945年の朝鮮半島の植民地時代、日本企業における強制動員された労働者、そして慰安婦(日本の婉曲表現で、戦時中に売春宿で強制的に働かせられた少女淑女を指す)の使役を含む歴史だ。

まるで日本側にのみ非があるかのような書きぶりですね。

植民地化"colonisation"と強制労働"forced to work"

"colonisation"をどうみるべきでしょうか。

日本語の「植民地」という語は、日本人がブラジルに移住した際にも用いられていたことから当初は「支配する」のような意味は、少なくとも主とした用語法ではありませんでした。

英語の"colonesation"も語源としては「宗主国が支配する」という意味のみで使われていたわけではなさそうです。

しかし、現代では「近代以降、西洋列強が行った支配・搾取の体制」を想起させるようになってしまっています。そのような用語法で用いられることが多い言葉を適用するのは不適切だと思います。

「日本の朝鮮統治」「朝鮮併合時代」="Annexation"とするべきではないでしょうか?

次に、"forced to work"という言葉は総理大臣として安倍晋三氏が発言した内容であり、外務省見解でもあります。

岸田外務大臣臨時会見記録
(平成27年7月5日(日曜日)22時49分 於:大臣接見室前)

なお,我が国代表の発言における「forced to work」との表現等は,「強制労働」を意味するものではありません。

しかし、これは国際法上の「強制労働」の定義には当てはまらないという説明であって、国内向けはともかく、英語圏の人間は「日常的な日本語で言う強制労働が朝鮮人に対して一律に実施されていた」と考えるでしょう。

一部の実態はともかく、一律に朝鮮半島の人間が強制労働させられていたという事実はありません。

使用する言葉が意味的に完全に間違いであると言い切れなくとも、事実と異なる状況を想起させる用語法は不適切です。

朝日新聞ではなくロイター通信の記事だが

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画像を再掲します。記事の表題の下には"REUTERS"の文字があります。

そう、ロイター通信社の記事をそのままあげているだけの記事です。

Japan accuses South Korea of 'extremely dangerous' radar lock on plane | Reuters
魚拓はこちら

「だから朝日の主張ではないので批判は的外れ」

このような声が天から聞こえてきそうですが、だがちょっと待ってほしい。

確かにロイター通信が配信した記事ではあります。

しかし、この件は日本国内において岩屋防衛相が韓国に対して、海自の哨戒機に対するレーダー照射について遺憾の意を示した事についてですから、日本語での記事も存在しています。

韓国側「追跡目的ではない、説明を予定」 レーダー照射:朝日新聞デジタル
韓国駆逐艦が海自機にレーダー照射 日本政府が抗議:朝日新聞デジタル

これらは「古城博隆」名義で書かれています。

なぜ、この記事の英訳を"The Asahi Shimbun"に載せないのでしょうか?

自国の事件について海外メディアの記事を掲載

岩屋防衛大臣による抗議の報道は朝日新聞デジタルでは12月21日の19時28分でした。

これに対してロイターは19時34分。

なぜ"The Asahi Shimbun"は後者だけ載せているのでしょうか?

通信社の記事は通常、自社が取って来れない領域のニュースを扱っている場合に掲載します。地方新聞が共同通信や時事通信の全国版の記事を掲載するのもそれが理由です。

朝日新聞とロイターやAP通信との契約内容がどうなっているのかは知りません。

しかし、自国の領域の事柄で、自社が取材して記事も書いているものについて、それを取り上げずに他社の記事を掲載するというのはその必然性がよくわかりません。

「ロイターが書いた記事だから朝日には責任は無いよ」

このような意図で、都合のいい記事を見つけたから使ったようにしか見えません。

それとも速報性が求められているので手っ取り早く英文記事を使っただけでしょうか?

しかし、"The Asahi Shimbun"をワザワザ読む読者は日本の報道機関がどのように報じているのかを知りたい英語話者であるはずです。

敢えて通信社の記事を掲載したのは【その記事に書いてある分析・評価・印象を英語圏に拡散したい】という意図があると考えざるを得ません。

"The Asahi Shimbun"は「朝日新聞の英語版」ではない

メタタグ騒動」でも触れましたが、"The Asahi Shimbun"は「朝日新聞デジタルの英語訳をしたもの」ではありません。

朝日新聞デジタルのURLは"www.asahi.com"ですが、The Asahi ShimbunのURLは"www.asahi.com/ajw"です。

記事の配信者・執筆者名を見れば分かりますが、朝日新聞デジタルに掲載されていない記事ばかりが載っています。

そして、ロイター通信とAP通信の記事が多く掲載されています。

産経新聞の英語版サイトであるJAPAN Forwardと比べるとその違いが分かります。

JAPAN Forwardは産経新聞デジタルの元記事へのリンクが貼ってあります。

もちろん、それだけではなく英語版オリジナルの記事もありますが、基本は産経デジタルの記事で構成されています。

デジタルコンテンツの構成そのものは企業の戦略によるものであり、何か正解があるという話ではありません。

ただ、"The Asahi Shimbun"というコンテンツがそのようなものであるという認識は知っておいて損は無いでしょう。

なお、これも見過ごされていますが、日本語の記事であっても、デジタル版の記事には紙媒体では存在していないものもあります。その逆もしかりです。

まとめ:朝日は英文媒体でも他者を利用するのか?

  • 他人に自社が求める結論を言わせて責任回避する
  • 決して直接は言及せず、読者が誤解するよう紙面構成で誘導する

これらは朝日新聞がよく使う手法です。

そのクオリティが非常に高いペーパーであると言えるでしょう。

この傾向が普段から夥しい数みられるため、今回もそのようなものではないか?

そう考えてしまっても無理はないでしょう。

 

 以上