事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

防衛省の韓国レーダー照射映像公開は安倍総理の鶴の一声?時事通信の捏造?

f:id:Nathannate:20181228213440j:plain

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018122800890&g=pol

時事通信が「防衛省は映像を出すのを渋っていたが安倍総理の指示で公開した」

このような報道を行っています。

フェイクの可能性が疑われているので、記録に残します。

時事通信「安倍総理の鶴の一声で映像公開」

渋る防衛省、安倍首相が押し切る=日韓対立泥沼化も-映像公開:時事ドットコム
魚拓はこちら。

防衛省は当初、映像公開について「韓国がさらに反発するだけだ」(幹部)との見方が強く、岩屋毅防衛相も否定的だった。複数の政府関係者によると、方針転換は27日、首相の「鶴の一声」で急きょ決まった。

魚拓:http://archive.is/xlFXf

ある一部の幹部の発言を国家機関全体の方針であるとか、公的な決定であると報道する、ということは、たまにある話です。

なので、今回もそういうパターンなのでしょうか? 

安倍総理がトップダウンで指示しても問題ないが

この話、仮に「防衛省が映像公開を渋っていて安倍総理が促した」ということでも、まったく問題ないでしょう。

それどころか、GOOD JOB !!なんじゃないでしょうか。

防衛省は方針転換をしたのか?

時系列を確認します。

まず、映像は日韓防衛当局間の協議で韓国側に示されていました。

日韓防衛当局間の協議は12月27日に日韓実務者協議として実施されました。

午前11時からとなっており、その後、映像公開が検討されたのでしょう。

映像は13分なので、これを元に協議したということは少なくとも1時間、昼時なので長くても2時間でしょう。

映像公表の事実が公になるのは、12月28日午前の岩屋防衛大臣の記者会見です。

韓国艦レーダー照射、映像公表へ 防衛相「海自の行動適切」 - 共同通信 | This Kiji
魚拓はこちら

27日の午後から、映像公開するか否かを判断したということになります。 

最初に引用した時事通信の話では27日に安倍総理が指示して「方針転換」とあったので、時事通信の話が本当であれば、実に10時間程度の間の話ということになります。

また、日韓実務者協議について報道がなされたのは同日18時以降です。

 

ところで、首相動静を見ると、防衛省側の人間と会っている時間帯は以下のみです。

午後2時57分から同3次27分までとあります。

首相動静に載らない関係者の動きもありますから、これだけで断定は無理です。

ただ、もしこのタイミングで映像公開の方針が決定されていたというのなら、方針転換どころか、この一発のタイミングですべて決定されたということになります。

時事通信は18時以降に実務者協議の結果を知ったのではないのでしょうか?

それ以前に関係者の話を聞いたのでしょうか?

時事通信は27日午後から午後2時57分までの間に、岩屋大臣を含む関係者から、レーダー照射映像の公開方針について、話を聞いていたというのでしょうか?

追記1:ハンギョレは産経と毎日が報じたものを参考

日本哨戒機“動画公開”、安倍首相が直接指示 : 日本•国際 : hankyoreh japan
魚拓はこちら。

産経新聞と毎日新聞などは29日、安倍首相が27日に岩屋防衛相を首相官邸に“非公式”に呼び、広開土大王艦が北朝鮮漁船に対する救助活動を行う光景を日本の哨戒機が撮った映像を公開するよう指示したと伝えた。岩屋防衛相はこの指示に対して「韓国との関係改善を重視する観点で難色」を示したが、安倍首相が「自衛隊員の生命に関する問題を曖昧にやり過ごすことはできない」として公開を決断したと伝えられた。

ハンギョレ新聞は産経新聞と毎日新聞が報じたとしています。

私の調べ方が悪いのか、ネット上の無料記事ではそのような記事にはたどり着けませんでした。

なので紙媒体の12月29日の新聞を確認しました。

すると確かに産経新聞と毎日新聞で「安倍総理の指示で映像公開」の記述があります。

産経新聞も報じているというところが、信憑性が高そうな気がします。

ただ、ソースが時事通信と同じである可能性があります。

産経新聞が報じたのは「そうであったとしても何も問題ではない、むしろ良いことである」と考えていたからかもしれません。

さて、少なくともこの報道の件で時事通信一社を攻撃することは公平ではないということになりました。

問題は本当に防衛省の方針として公開しない方針だったものを安倍総理が「覆した」のか否か?というところです。

記事保留

この記事は将来的に時事通信の報道が正当だったのか、検証のために記録を残すために書いたので、今後の展開次第で追記したりしなかったりします。

以上

防衛省が映像公開:韓国軍レーダー照射

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防衛省:http://www.mod.go.jp/j/press/news/2018/12/28z.html

韓国軍による火器管制レーダー照射事件について。

防衛省が映像公開しました。

防衛省による火器管制レーダー照射事案の映像

防衛省・自衛隊:韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について

回線に負荷がかかって見れなくなる場合に備えて、参考資料もここにUPします。

韓国海軍艦艇による火器管制レーダー照射事案について参考資料.pdf - Google ドライブ

照射したのはSTIRで間違いなさそう

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防衛省:http://www.mod.go.jp/j/press/news/2018/12/28z.html

これを見ると、「火器管制レーダー特有の電波」が照射されていたことがわかります。

動画内で「FC系」と言っているものですね。

STIR180とMW08のうち、前者だということ。

レーダーの照射幅が狭く、強力な電波になっているということが想像できますね。

なお、27日の日韓の防衛当局の協議では、韓国側は「これは証拠にはならない」と言っていたようですが、それも無理ですね。

音声だけでなく、当然にしてレーダー波長も記録として残っているでしょう。

まとめ:韓国軍の嘘がバレバレ

韓国側は以下のように主張していました。

  1. 火器管制レーダー(STIR-180)の照射はしていない、照射したのはMW08だ(射撃統制関連機能はあるが、メインではない)。
  2. レーダー(MW08)照射は北朝鮮船舶の捜索のためであって、意図的ではない
  3. P1哨戒機の方が低空飛行で韓国艦船上を飛行したので威嚇的だ
  4. P1から無線通信があったというが「コリア コースト」とだけだった。
  5. 無線通信は感度が弱くとても聞き取れるものではなかった

これらの内、1~4番はいずれも嘘であったということが映像から分かるでしょう。
※改めて映像を見返してみると、Youtubeの映像を見ている一般人としては北朝鮮船舶の捜索が終了しているということは判別がつきませんが、そうなのでしょう。

動画中に海域の天気が字幕で書いてあったのは「無線通信が聞こえづらかった」という韓国側の主張が成り立たないということを示すものでしょう。

無線通信については、もしあのような通信を行っていたのに韓国軍側が聞き取れていないということであれば、海軍として致命的でしょう。

さて、今度はどういう言い訳をするでしょうか。

以上

防衛省「韓国軍は捜索中ではなく救助後」P1レーダー照射の嘘まとめ

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防衛省:http://www.mod.go.jp/j/press/news/2018/12/21g.html

防衛省が新たな情報として、韓国軍がレーダー照射をした際に北朝鮮船も映っている映像を出しました。

それによりまた韓国側の嘘が浮き彫りになりました。

これまでの嘘のまとめと併せて紹介します。

韓国軍がレーダー照射をしたのは救助後

韓国説明に矛盾、「照射」は捜索中でなく救助後 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

政府関係者によると、20日に日本海でレーダー照射を受けた際に撮影された映像には、韓国海軍駆逐艦の近くに北朝鮮籍とみられる漁船が映っており、すでに救助後とみられるという。韓国側は、駆逐艦は遭難船舶の捜索をしていたと説明しており、韓国側の説明は矛盾することになる。

韓国側は北朝鮮の遭難船を捜索していたとしていますが、北朝鮮船舶は既に韓国艦の近くにあったということですね。

「北朝鮮船舶は2隻以上あったので、未だ捜索中だった」

この可能性もないのでしょう。それを潰したからこその公表でしょう。

P1哨戒機へのレーダー照射に関する嘘一覧

これまでの防衛省の発表と韓国側の主張を照らし合わせると、韓国側は少なくとも以下の嘘を言っていることになります。

  1. 火器管制レーダー(STIR-180)の照射はしていない、照射したのはMW08だ(射撃統制関連機能はあるが、メインではない)。
  2. レーダー(MW08)照射は北朝鮮船舶の捜索のためであって、意図的ではない
  3. P1哨戒機の方が低空飛行で韓国艦船上を飛行したので威嚇的だ
  4. P1から無線通信があったというが「コリア コースト」とだけだった。
  5. 無線通信は感度が弱くとても聞き取れるものではなかった

今回の防衛省の公表は、2番目の「捜索のため」が嘘であると指摘するものです。

防衛省側はおそらく以下の記録を持っていると思われます。

  1. 音声記録
  2. 映像記録
  3. レーダー記録
  4. P1の位置情報記録

また、これらをすべて公開しても、何も困らないのでしょう。

予想される韓国側の反応と新たな嘘

  1. 映像は捏造である
  2. 映像からは分からない、証拠にならない
  3. 日本は徴用工と慰安婦に謝罪しろ!

これらのうち、2番目の反応をするのではないでしょうか?

さて、今後、新たな嘘が出されるのでしょうか?

国民が視れるようになる映像

韓国艦レーダー照射、映像公表へ 防衛相「海自の行動適切」 - 共同通信 | This Kiji

映像は既に韓国側に一部を提示したもので、数分程度になるとしている。国民が理解しやすいように字幕を付ける作業が終わり次第公表する。

字幕を付ける作業が終わり次第、ということは、もうすぐ見れますね。

国民への公表と前後するかもしれませんが、英語、韓国語バージョンも作成するのでしょう。 

以上

【百田尚樹】日本国紀の副読本の内容:「隠しテーマ」より重要なもの

 

「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史 (産経セレクト S 13)が発売されました。

百田尚樹著の日本国紀の執筆に至った経緯や構成の意図を解説しながら、昨今の歴史学界・歴史教育の実態について警鐘を鳴らす本と言えます。

日本国紀の「隠しテーマ」についても明言されています。

しかし、それよりも大切なことがここには書かれていると思うのです。

日本国紀の副読本の内容

上記記事でも指摘していましたが、副読本を読むと以下の目的があったと思います。

  1. 日本通史をとにかく読ませる
  2. 日本が好きになる通史本を読ませたい
  3. 隠しテーマを伝える
  4. 歴史学界・歴史教科書の問題点を浮き彫りにする

副読本は、これらのうち4番目に力点を置いた書籍だと思います。

日本国紀の執筆構成

歴史本というと、具体的な記述がとかく焦点があてられ議論されます。

しかし、日本国紀の「価値」はそういうものにとどまりません。

歴史本というものの全体の構成について、重要な指摘があります。

それは百田尚樹という一人の視点で貫かれた通史本であるということです。

これは当たり前かといえば、そうではありません。

実は『一人の歴史学者が書いた日本通史の歴史本』は存在しません。

学者が書くと10人20人の手によって作られる。バラバラに書かれるから一貫したものが作られない、という旨の指摘が副読本で為されています。

『一つの視点に貫かれて解釈されたまとまった通史本でなければ、「私たちの歴史」という物語を紡ぐことはできない』

このような問題意識が日本国紀執筆の根底にあったことが明かされています。

だからこそ作家の百田氏が書くべきだと考えたという有本氏の言があります。

一つの視点に貫かれた「物語」

「10人20人の手によって作られる」

これは法学に例えるならば、民法の総則・物権・債権・担保物権・親族・相続が別の者によって書かれてるということでしょう。体系的な理解など遠い話になります。

これに対しては「この話は憲法・刑法・民法・民刑訴訟法・会社法・行政法を一人の人間が書くという類のもの。そういうわけにはいかないだろう。だから歴史本も複数の学者による分担とならざるを得ない」という指摘があり得ます。

しかし、実は法学の領域であっても、民法と民事訴訟法とで一貫した体系による理解が必要であるにもかかわらず、学者が専門領域を別にしているため、民事紛争についての体系的な理解を伝えることができる学者は限られている、という問題があります。

広く見渡した視点で書かれた書籍や言論は希少であり、且つ、そのようなものが必要である場面は確実に存在します。

日本国紀は、そのような領域を埋めるものなのでしょう。

歴史学界・歴史教科書への問題提起

副読本では、歴史教育に関する問題点をより詳細に記述しています。

歴史学界隈がなぜか朝鮮関係については「配慮」しているという周辺事情から、具体的に山川出版の教科書や学び舎の歴史本を実際に図示し、その記述の妥当性・正当性を批評しているものもあります。

例えば、学び舎の「朝鮮人戦時徴用」の記述では『自由意志での個別渡航、国家総動員法に基づく「募集」「官斡旋」「徴用」』をまったく区別せず、一緒くたにして十万人以上の朝鮮人が強制動員された旨の記述が紹介されています。

国家総動員法に基づく「徴用」は敗戦の約1年前の1944年9月に行われたに過ぎないのであって、その総数はかなり限られます。にもかかわらず、すべてを同視するのは「水増し」以外の何物でもありません。

権威のある書籍においても、このような記述が散見されるのです。

記載された評価に疑義がある歴史教科書

私自身も歴史教科書の記述に疑問がある場面は多数あります。

たとえば平成29年3月7日検定の山川出版「詳説日本史B」について。

関東大震災の朝鮮人不法殺害についての記述

①「日本人の植民地支配に対する抵抗運動への恐怖心と、民族的な差別意識があったとみられる」

震災時のものは疑問がありますが、震災前後には社会主義者らと連帯した朝鮮人らによるテロが実際に発生していました。これは「植民地支配に対する抵抗運動」などというものではありません。

また、「民族的な差別意識」も、なぜそのように断定できるのか、納得のいく説明をしている記述に触れたことがありません。なんでも「差別意識」を原因にしようとする思考放棄を学者らが無批判に追認しています。

それは震災前の義和団事件等のテロの存在を無視していることが原因と思われます(もちろんその事実から震災時の正当防衛でない不法殺害を正当化することはできないが)。

②「市民・警察・軍がともに例外的とは言い切れない規模で武力や暴力を行使した」

警察と軍による殺害は例外的と評価する以外にはあり得ません。

報告書(1923 関東大震災第2編) : 防災情報のページ - 内閣府

こちらの報告書で殺傷事件について説明されています。 

基本的に軍と警察は朝鮮人を保護する目的で一時収監していました。

その中で混乱が起きたために鎮静化した結果、殺傷に至ったに留まります。

このような記述もまた「一緒くたにする」ものであり恣意的なものでしょう。 

隠しテーマより重要なもの

これは私は重要だとは思いません。

日韓関係を今後どうしていくべきかを示唆することが隠しテーマの一つとして挙げられていますが、それはもう、分かりきったことでしょう。 

実際にも副読本ではそんなに紙面を割いているわけではありません。

それよりも重要な「歴史界隈の諸問題」

これが副読本を読むことで把握できるというのが、本書の価値だと思います。

有本氏が本書で「私たち民衆の反乱だ」と言っているように、オーソライズされた権威側から押し付けられる自虐的な歴史を跳ね除けようとする動きの一環として捉えるべきでしょう。

以上

【Metoo】広河隆一とヒューマンライツナウ:後援会案内を削除

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https://web.archive.org/web/20160405034036/http://hrn.or.jp/activity/1707/

「人権派」装い性欲むき出し…広河隆一氏「性暴力」謝罪 - zakzak

「人権派」と言われていた広河氏から性暴力を受けたとする女性の告発が相次いだ結果、広河氏が謝罪した、という話です。
実際は「人権派」と言うのは甚だ不適当ですが

広河氏にはそんなに興味はないのですが、彼を度々イベントに招いていたヒューマンライツナウという団体の周辺で面白い動きがあったので紹介します。 

広河隆一:人権派フォトジャーナリスト

広河隆一は「チェルノブイリや福島の原発取材などで、人権派フォトジャーナリストとして知られる」と言われます。

写真誌「DAYS JAPAN」を発行するデイズジャパンの代表取締役でしたが、12月25日付で解任されました。

さて、広河とヒューマンライツナウの関係はどういうものだったでしょうか?

ヒューマンライツナウの伊藤和子は広河関連を削除

伊藤和子弁護士は、ヒューマンライツナウの事務局長です。

伊藤氏はこの指摘を受けて、ヒューマンライツナウ内に関連する説明を公開しました。

広河氏の報道に関する説明はまぁあっても無くても別にどうでもいいと思っていたのですが、最後の一節が気になるので引用します。 

【お知らせ】広河隆一氏に関する報道について | ヒューマンライツ・ナウ

※ なお、ヒューマンライツ・ナウ関係者は被害者の一部の方から事前に、告発に関わる相談を受けていました。

性被害の告発は、報道直後に二次被害が発生することが多々あり、告発をされた当事者に社会的名声がある場合、その業績を強調して匿名で名乗り出た被害者の信ぴょう性を疑問視したり、被害者を傷つけることがあります。

そうした材料を提供するのは適切ではないと判断し、同氏に関する記載を非表示にする扱いを取りました。

今後の取り扱いについては団体内で協議のうえ決定いたします。

告発された当事者=広河氏に社会的名声があるため、その業績を強調して匿名の被害者の信憑性を疑問視する動きがあるから、という理屈を取っています。

いやいやいや、それは成り立ちませんよ… 

匿名の被害者の信憑性を疑問視する傾向?

今年最大の「#Metoo事件」と言えば、財務省事務次官とメンバーの件でしょう。
そういえば財務事務次官の件はどうなったんでしょう?

さて、とてつもない社会的名声である山口メンバーの件は、被害者の発言に疑問が呈されたでしょうか?そんなことはまったくありません。

他方、財務省事務次官の方は「告発した匿名の女性記者」の主張に信憑性があるのか疑問視されました。

しかし、それは音声データが加工されていたり、女性側が「セクハラと感じたか」否か、という主観的な話題であったためです。

つまり当事者の主張の信憑性そのものがダイレクトに評価されたからです。

 

『告発した者と告発された者との社会的名声の差』が原因で信憑性が疑問視される傾向があるというのはかなり怪しいでしょう。

仮にそうだったとしても、広河隆一の「業績」なるものは調べればたくさん出てくるのですから、ヒューマンライツナウという、あまり人が見ないようなサイトの記述が残っていたからといって、被害者に悪影響が発生する因果関係はないでしょう。

では、なぜあのような文面を書いたのか?

まぁ、単純に考えれば、広河隆一が関係している活動が批判的な視点から分析されて、無用な注目を集めることで、関連活動が胡散臭いと思われるのを避けるためでしょうね。

広河隆一の「人権活動」

【イベント】11/11開催◆広河隆一(フォトジャーナリスト)・高遠菜穂子(イラク支援ボランティア):福島第一原子力発電所事故がもたらした人権侵害~今、求められていることは何か◆ | ヒューマンライツ・ナウ

現在は削除されているページの魚拓。

福島第一原子力発電所事故がもたらした深刻かつ広範な
放射能汚染により、人々の最低限の権利が危機に晒されています。

チェルリブイリ原発事故に比べても日本政府の対応は遅れており、

チェルノブイリ原発事故で「移住ゾーン」「避難の権利ゾーン」と指定されたのと

同程度の汚染地域で今も子どもたちが生活をしています。

チェルノブイリと福島を同視して、さも人権を大事にしているフリをしてますね。

「福島が危険である」という風評被害を拡散している活動をしていますね。

広河が発行人のDAYS JAPANもこのありさま。

事故前に廃棄している車を被災者が乗り捨てたものであるとして、「原発事故で人が住めなくなった村」と印象操作しています。

 魚拓:http://archive.is/rGonz

しかし、実際は人が行きかう場所に近い場所であるということが判明。

広河隆一個人の「犯行」とは言いませんが、そのような情報発信源の代表者だったので同じことでしょう。

ヒューマンライツナウと国連女性の地位委員会

また、広河隆一氏が関係するイベントには「国連女性の地位委員会」もあります。

【イベント】3/7ニューヨーク国連本部「国連女性の地位委員会」に参加し、福島の女性や子どもを取り巻く状況をアピール!3/8~広河隆一氏・森住卓氏による写真展も開催! | ヒューマンライツ・ナウ

「ヒューマンライツナウ」と 「国連女性の地位委員会」

これでピンと来た人も居るのではないでしょうか?

平成30年3月9日内閣委員会

◎杉田委員 もう一つなんですけれども、実は毎年3月ニューヨークの国連でですね、女性の地位向上委員会というのが開催されます。今年も開催されます。

私は2016年の女性の地位向上委員会、これのパラレルイベントでスピーチをしてきたことがあるんけれども、これ女性の地位向上委員会というのがニューヨークの国連で行われている間にですね、全世界から400前後くらいのNGOが集まってパラレルイベントを開くんですよ。

それでそこのところにいろんな方々が参加ができると、そういうシステムになっているんですが、実はこれ、2015年の女性の地位向上委員会のパラレルイベントでこのようなイベントが開催されています。

慰安婦問題の真実と正義、第二次大戦時の日本軍性奴隷」というこれも皆さんおてもとの資料に配りしておるんですが、このイベントが開かれております。 

このイベントなんですが、パネリストには先ほど言いましたWAMの代表でありますワタナベミナさんという方が来ていらっしゃいます。

それから共催しているのもWAMとかピースボートとかが共催団体としてあがっておるんですけれども、このイベントを主催したのはヒューマンライツナウという団体です。
このヒューマンライツナウの事務局長の伊藤和子さんという方がコーディネーターを務めていらっしゃいます。

広河氏が2015年に関係していたかは知りませんが、ヒューマンライツナウの活動がどういうものか、その一端でしかありませんが、分かると思います。

なお、この日の内閣委員会の議事録は、未だにUPされていません。

まとめ

  1. ヒューマンライツナウと広河隆一は懇意だったらしい
  2. ヒューマンライツ上の広河関連の記述は削除された
  3. 削除の理由は「広河の業績を強調して被害者の信憑性が貶められる」というもの
  4. しかし、そのような傾向があるという主張には疑問がある
  5. 広河隆一が代表を務めていたDAYS JAPANには「人権擁護」に名を借りた捏造で福島disを行っていた経歴がある
  6. ヒューマンライツナウは国連の女性の地位向上委員会のパラレルイベント「慰安婦問題の真実と正義、第二次大戦時の日本軍性奴隷」を主催している。

「人権派」なんてこんなものですよ。

以上

NHKニュースウォッチ9が伊藤詩織の主張を肯定する放送倫理違反

f:id:Nathannate:20181227115626j:plain

魚拓:http://archive.is/3w05o

2018年12月26日のNHKニュースウォッチ9で、伊藤詩織の活動を肯定する視点での番組が放送され、それをツイッター公式アカウントが#Metoo運動と関連付けていることが分かりました。

これは放送法ないし放送倫理違反ではないでしょうか?

NHKニュースウォッチ9の伊藤詩織に関する放送内容

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放送の趣旨は『実名で「性被害に遭った」と訴えた伊藤詩織氏が、日本における#Metoo運動の火付け役となり、性被害に遭った女性達が勇気づけられ、伊藤氏もまた性被害者を支援する活動を行っている。』というものです。

一見すると、何ら問題は無いように見えます。

しかし、この放送には重大な事実が省かれています。

「訴えた性被害は不起訴になっている。」ということを。

伊藤詩織が訴えた山口敬之による性被害は不起訴

暴行被害訴える28歳女性が手記出版 詩織さん、姓も公表 - 産経ニュース

詩織さんは2015年、元TBS記者の男性から性的暴行を受けたとして準強姦容疑で警視庁に被害届を提出。しかし東京地検は昨年7月に嫌疑不十分で不起訴とした。詩織さんはこの処分を不服として検察審査会に審査を申し立てたが、今年9月21日付で「不起訴相当」との議決を受けた。同月28日には男性に損害賠償を求める訴訟を起こしている。

「元TBS記者の男性」とは山口敬之を指します。

NHKのニュースウォッチ9では山口氏の名まえは出てきませんでしたが、彼女が出版した手記には彼の名まえが書かれていますから、彼女が訴えた被害事実は彼に関するものであると公には認識されてることでしょう(それとも、複数の被害に遭っているとでも言うのでしょうか?)

山口氏は「性交渉はあったが準強姦ではなく合意の上だった」と犯罪事実を否定。

検察は嫌疑不十分で不起訴とし、検察審査会も不起訴相当の議決をしています。

ネット上では「起訴猶予による不起訴だ」というデマも一部あるので注意しましょう。

さて、このような状況の問題について、NHKの放送内容は正当なのでしょうか?

放送法と放送倫理

放送法

第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

放送法4条4号の「意見が対立している問題」の話になると思われます。

これは放送倫理・番組向上機構(BPO)においても規定があります。

放送倫理基本綱領:魚拓

(一部抜粋)

放送は、意見の分かれている問題については、できる限り多くの角度から論点を明らかにし、公正を保持し なければならない。 放送は、適正な言葉と映像を用いると同時に、品位ある表現を心掛けるようつとめる。また、万一、誤った表現があった場合、過ちをあらためることを恐れてはならない。

ニュースウォッチ9は「多くの角度から論点を明らかに」 しているでしょうか?

#Metoo運動=犯罪事実の存在を前提

NHKは日本における#Metoo運動のさきがけとして伊藤氏を紹介しています。

#Metoo運動」とは何でしょうか?

定義は在りませんが、概ね「性被害に遭った(と主張する)者が、パワハラ等の社会的圧力によって被害を公表できなかったところ、勇気を出して公表し、その姿を見た他の性被害に遭った女性も性被害を公にして社会全体に問題提起をし、過去・現在・未来の被害救済をする」というものです。

「社会全体に問題提起」というものの中味も、「ある特定の業界において性被害が蔓延していること」であったり「性犯罪にまつわる司法制度の欠陥」を訴えるものまで多種多様です。

伊藤氏の著作においては、後者の「性犯罪にまつわる司法制度の欠陥」を訴えているようです。

しかし、"Metoo運動"は「犯罪事実が存在していることを前提にしている」ということが分かります。

伊藤氏の場合、少なくとも刑事司法上は「犯罪事実は認められない」と判断されています。

このような状況でNHKが#Metoo運動の一環であるとして取り上げることは、放送法上・放送倫理上、正当なのでしょうか?

「司法制度の欠陥?」に触れないNHK

もちろん、「司法制度の欠陥?」ということを問題提起するのであれば、評価は少し違ったでしょう。

現在の具体的な司法制度が絶対的に正しいものであって、それに反する報道・主張は一切許されないとするならば、それは表現の自由にとって極めて危険な状況と言っていいでしょう。

しかし、NHKがニュースウォッチ9で行ったことはそのような問題提起ではなく、単に伊藤氏個人の活動の根拠となっている犯罪事実が存在しているという前提で、専ら彼女の活動をいわば「宣伝」するだけの内容です。

彼女の活動を無条件に「応援」する放送は、「意見の分かれている問題について」「できる限り多くの角度から論点を明らかにし、公正を保持」しているのでしょうか?

無罪推定原則(推定無罪原則)の観点から

司法制度そのものを題材にしない以上、「性犯罪者」とされた山口氏(放送では元の所属含め、氏名も全く出ていないが)の扱い方が問題になります。

刑事司法上は無罪推定原則、民間報道上は推定無罪原則と呼ばれる規範があります。

それは大要「有罪判決が出るまで被告人或いは容疑者は無罪であるものと扱われる」というものです。

「嫌疑不十分という不起訴理由は嫌疑がまったく晴れたわけではないから、疑いをかけても良い」という考えを持つ者が居たとすれば、それは無罪推定・推定無罪原則に反しています。

そもそも性交渉の任意性が問題となる事件は「嫌疑なし」という場合はかなり限定されます。

現在、日産のカルロス・ゴーン容疑者について連日報道が賑わっており、放送の中では「ゴーンはけしからん」と断定する話も為されています。しかし、流動的な状況のため、そのような主張は「犯罪事実があったと仮定した話」であるとして受け取るのが通常です。

しかし、山口氏の場合は既に刑事司法的には決着がついた話ですから、「仮定の話」としては受け取りません(民事が残っているが「性被害」という言葉をNHKが使っていることから、民事を念頭に置いたものとは決して言えない)。

単なる民間放送でもこのような扱いは問題であるのに、ましてや公共放送としてのNHKの放送であるというのは、大変に問題があると思います。

まとめ:名誉毀損等にはあたらなそうだが

  1. NHKは不起訴処分の事実を省いている
  2. 「#Metoo運動」として犯罪事実が存在している前提で放送している
  3. 司法制度の問題ではなく、伊藤詩織の個人的活動を宣伝するだけになっている
  4. よって、「意見の分かれている問題について、できる限り多くの角度から論点を明らかにし」ていない
  5. また、推定無罪の原則に反している

放送の趣旨や山口氏の情報が一切出ていないことからは、これが山口氏に対する名誉毀損等にあたるかはかなり怪しいと思います。

しかし、このような放送が続くとすると、刑事司法としては不起訴処分となった元容疑者が、未来永劫、放送によって間接的に貶められるということになります。

また、それを狙った美人局も横行しそうです。

NHKが当該事案については不起訴処分になっていることを指摘し、司法制度を問題視するのであればともかく、それをしていないNHKの放送は、放送法ないし放送倫理に反しています。

以上