事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

共産党「文書通信交通滞在費の使途は公開済み(キリッ)」⇒領収書は非公開

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国会議員に歳費とは別に毎月100万円が支給される文書通信交通滞在費。

党首討論において共産党の志位委員長が「文書通信交通滞在費の使途は公開済み」と言いましたが、果たしてこのような「公表」で良いのでしょうか?

共産党「文書通信交通滞在費の使途は公開済み(キリッ)」⇒領収書は非公開

共産党の志位委員長は、書通信交通滞在費の使途は公開済みとしながらも、領収書は非公開です。領収書の公開は2012年の党首討論で公約していたのではなかったのか?

これについては当時の動画を確認してみましょう。 

2012年:志位「文書通信交通滞在費の使途公開します」⇒領収書についてはスルー

元動画をよく聞くと…

松井「領収書を公開すべきだと思いますがいかがでしょうか?」

志位「文書通信交通滞在費、これは公開していきたいと思います」

松井代表は「領収書の公開」を求めているのに対して、志位委員長は領収書については触れずに自分で「文書通信交通滞在費」と言い換えて、それは公開していきたいと言ってます。

いや~せこいですねぇ。

これで「領収書の公表は公約ではない」と言えてしまいます。

では、実際の共産党の文通費の使途公開とはどういうものか?

共産党の文通費の「使途公開」はこれで良いのか?

共産党の文書通信交通滞在費の使途公表

日本共産党国会議員団│議員│日本共産党中央委員会

こちらには2018年度の文通費の使途が書かれています。

しかし、これはツッコみ所がいくつもあります。

  1. 共産党の表は国会議員全員のものをまとめて公表
  2. 「使途を公開」と言うが、領収書ないので本当にそうなのかが不明
  3. 前年度からの繰越金が今年度は減っているのはなぜか
  4. 2017年度以前の使途はなぜ公表してこなかったのか?

文通費は国会議員個人に対して支給されるのに、なぜ共産党全体のものを公開するのでしょうか?これでは議員個人毎のお金の使い方がチェックできません。

「使途を公開」と言っても、領収書がなければ第三者がチェックできませんし、単に「自分で言ってるだけ」になってしまいます。

領収書の公開があるからこそ使途の公表が意味を為すのではなかったのか?

その上、取引先はどこなのか?などがわからなくなっています。

そして、前年度からの繰越金が6000万円あったのに、今年度の繰越金は2700万円に減っています。なぜこのようなことになったのでしょうか?

前年度の使途が分からないと、繰越金が本当にそれだけあったのかはわかりません。

維新の文通費の使途公開と領収書

他に文通費を公表しているのは日本維新の会です。

こちらは議員毎に領収書も公開しています。

2019年|文書通信交通滞在費|日本維新の会

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このように、どこと取引があったのか、その日付も分かるようになっています。

維新の多くの議員は、このような報告の仕方をしています。

これと共産党の「使途公開」を比べると、いろいろと見えてくるものがありますね。

なお、自分の政治資金団体に文通費を寄附することについては、関連法令がバグっていることによるやむを得ない行為であるということは過去に指摘しています。

スギモト議員の文通費はどうにかならないか

とはいえ、ごく一部の議員の報告書には不十分と思われる点があります。

文通費、維新、スギモト

こちらは他の文通費としての支出が無い中で100万円中、50万円が繰越、50万円が政治資金団体に寄附されています。

文書通信交通滞在費、維新

他の月でも同様の処理をしています。

政治資金団体に寄附をした後は、その団体としての支出として政治資金報告書で法的に報告義務があり、5万円以上の支出は原則として領収書の添付義務があります。

そこで管理できれば良い、という考えでしょうが、これはどうかと思います。

なぜなら、維新は文書通信交通滞在費の金額が妥当かどうかを調査し、多額なら減額するなどの立法事実を確認するためという意図もあって、使途の公開をしているからです。

単に維新の廉潔性を証明するため、というにとどまらない目的があります。

そうであるならば、文書通信交通滞在費としての用途で使用した場合の金額を示した上で、残額分について繰越なり寄附なりをするという運用にするべきだと思います。

法令では「公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなすのため」と記述されているので、文書費・通信費・交通費・滞在費、以外の用途も、国会議員活動の範囲で認められているはずです。

他の議員で「選挙活動費として」として政治資金団体に寄附している者が居ましたが、これももうちょっと用語を考えろよ、と思います。

まとめ

一般的な話ですが、領収書がなければ仮に反社会的勢力との取引があったとしても捕捉することができません。支払の日付もわかりません。

「使途の公表」と「領収書の公表」は一体不可分のものだと思います。

以上

韓国産業部関係者がフェイクニュース:「戦略物資会議の協議不開催は日本の担当局長が空席のため」

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朝鮮日報が韓国産業部の関係者の説明を報じたが、世耕大臣がフェイクと断じました。

朝鮮日報が韓国産業部関係者説明としてフェイクニュース:日本の担当局長が空席だったため

輸出優遇除外:日本「戦略物資会議を韓国が回避」、韓国は否定-Chosun online 朝鮮日報

(朝鮮日報日本語版) 輸出優遇除外:日本「戦略物資会議を韓国が回避」、韓国は否定(朝鮮日報日本語版) - Yahoo!ニュース

産業部の関係者は「18年6月に、韓国が日本の経済産業省に会議の開催を要請したが、当時日本側の担当局長が空席だったため開かれなかった」として「このとき日本側から、19年1、2月に会議を開催しようと提案があったが、今度は韓国側の担当局長が空席だった」と話した。

日韓で2年に1度開かれる戦略物資会議が開かれてこなかったことにつき、日本側に非があるという韓国の産業部の説明が報道されています。

しかし、これはフェイクニュースでした。

世耕経産大臣:韓国側は明白な事実誤認

日本側の担当者は在任中だったということです。

しかも、朝鮮日報の記事はネット上では日本語版が最初に報じているのが気になります。

ハングル版の朝鮮日報が後に報道

[팩트 체크] 韓日 전략물자회의 최근 2년간 안열려… 이유는 양국 담당자 번갈아 공석인 탓 - 조선닷컴 - 정치 > 외교·안보

[ファクトチェック]韓日戦略物資会議が直近の2年間不開催 理由は、両国の担当者交互空席のせい

朝鮮語の方の配信時間を見ると【2019.07.09 03:47】となっています。

しかも「ファクトチェック」という題までついています。

時系列化すると

  1. 7/8(月) 22:16:朝鮮日報日本語版で配信
  2. 7/9(火) 03:47:ハングル版の朝鮮日報が配信
  3. 7/9(火) 12:10:日本語版の朝鮮日報がyahooニュースに

この狙いは何なんでしょうか?

まとめ:デマで日本国内の世論を攻撃か

レーダー照射問題でもそうでしが、韓国は政府レベルではまともに対応する気が無く、専ら一般人を騙して韓国側の方が正しいと思い込ませるように仕向けています。

1対1ではなく、第三者に判断してもらおうとしている。

日本国内で「日本が悪いんだ」という論調を湧き起こさせようとしている。

だからこそ、日本語版の朝鮮日報で先に報じて、yahooニュースにも取り上げてもらうようにしていたと考えられる、というのが私の見立てです。

以上

靖国神社問題・有本百田橋下論争3:靖国神社の性格は変遷したのか・変遷は妥当なのか

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有本香、橋下徹、百田尚樹ら(+長島昭久)がTwitter上で繰り広げた靖国神社論争。

今回は靖国神社の「本来の性格」とそこからA級戦犯の合祀・分祀について考える際の考慮事項を提示します。

靖国神社の「本来の性格」

靖國神社の由緒|靖國神社について|靖國神社

靖國神社の御祭神
靖國神社には、戊辰戦争(戊辰の役)やその後に起こった佐賀の乱、西南戦争(西南の役)といった国内の戦いで、近代日本の出発点となった明治維新の大事業遂行のために命を落とされた方々をはじめ、明治維新のさきがけとなって斃れた坂本龍馬さかもとりょうま・吉田松陰よしだしょういん・高杉晋作たかすぎしんさく・橋本左内はしもとさない といった歴史的に著名な幕末の志士達、さらには日清戦争・日露戦争・第一次世界大戦・満洲事変・支那事変・大東亜戦争(第二次世界大戦)などの対外事変や戦争に際して、国家防衛のためにひたすら「国安かれ」の一念のもと、尊い生命を捧げられた方々の神霊みたま が祀られており、その数は246万6千余柱に及びます。
その中には軍人ばかりでなく、戦場で救護のために活躍した従軍看護婦や女学生、学徒動員中に軍需工場で亡くなられた学徒など、軍属・文官・民間の方々も数多く含まれており、その当時、日本人として戦い亡くなった台湾及び朝鮮半島出身者やシベリア抑留中に死亡した軍人・軍属、大東亜戦争終結時にいわゆる戦争犯罪人として処刑された方々なども同様に祀られています(参考資料:神道政治連盟ホームページが開きます)。
このように多くの方々の神霊が、身分・勲功・男女の区別なく、祖国に殉じられた尊い神霊(靖國の大神)として一律平等に祀られているのは、靖國神社の目的が「国家のために一命を捧げられた方々の霊を慰め、その事績を後世に伝えること」にあるからです。つまり、靖國神社に祀られている246万6千余柱の神霊は、「祖国を守るという公務に起因して亡くなられた方々の神霊」であるという一点において共通しています

靖国神社は、戊辰戦争以後の戦没者を祀る場所であるという理解が一般的でした。

しかし、現在は軍人や戦闘行為によって亡くなった方々以外の者も祀られており、それが通常であるという状態が続いてきたという経緯は知っておくべきでしょう。

とはいえ、「祖国を守るという公務に起因して亡くなられた方々の神霊」とあるように、空襲等で犠牲になった一般人は祀られていません

A級戦犯・「戦争指導者」の合祀と分祀の賛否

ここははっきりと見解が分かれました。

長島・橋下らのA級戦犯・「戦争指導者」分祀についての見解

長島・橋下両氏も分祀には賛成であり、ABCという東京裁判を前提にしたくくりではなく、独自の基準で持って誰が「戦争指導者」だったのかを判断して、それらの者を分祀するべき、という立場です。

有本・百田らのA級戦犯・「戦争指導者」分祀についての見解

これに対して、有本・百田らは分祀は否定します。

分祀をするための「戦争指導者」というカテゴリーを設けることは、彼らを「もう一度裁く」ことを意味するため反対のようです。

既にA級戦犯とされた人々が合祀がなされて数十年が経過し、その間に彼らの名誉回復もなされていますが、東京裁判の結果とは別個に彼らを「裁く」、その上で分祀をする、というのは、どうなんでしょう?

「戦争指導者」の合祀についての別の評価

戦陣訓に「生きて虜囚の辱を受けず、死して罪禍の汚名を残すこと勿れ」があります。

自爆に失敗して米軍捕虜第一号になった酒巻和男海軍少尉の家族は非国民と非難されたということがあります。

戦争指導者は、この言葉で兵士を送り出した立場です。

その戦争指導者が敵の裁判にかけられて死亡した際に「東京裁判は不当だから靖国に祀られるべきだ」と言われることに、得も言われぬ違和感を覚える者が居たというのは確かでしょう。

ただ、その立場に立つとしても、注意が必要です。

「戦争犯罪人」の「名誉回復」の事実

日本人も知らない靖国神社「A級戦犯」合祀のウソ 一色正春

いわゆる戦争犯罪人ですが、当時、大多数の日本人は彼らのことを犯罪者であると思っていませんでした。まず日本が主権を回復したサンフランシスコ平和条約発効直後の1952年5月1日、当時の木村篤太郎法務総裁により戦争犯罪人の国内法上の解釈についての変更通達が出されました

そして、戦争犯罪人として拘禁されていた間に亡くなられた方々すべてが公務死として扱われるようになったことを皮切りに、全国各地で戦争犯罪人として扱われている人たちの助命、減刑、内地送還を嘆願する署名運動が始まりました。

日本弁護士連合会も「戦犯の赦免勧告に関する意見書」を政府に提出するなど、運動は盛り上がりを見せ、それに呼応して国会でも次々と社会党や共産党を含む全会一致で戦犯受刑者の釈放に関する決議などがなされ、1953年には遺族援護法が改正され拘禁中に亡くなられた方々の遺族に弔慰金と年金が支給されるようになりました

 つまり、彼らの死は戦死であると国権の最高機関である国会が正式に認めたのです。署名は最終的に当時の全人口8千万人の半数である4千万人に達し、これに後押しされた日本政府はサンフランシスコ平和条約第11条にもとづき関係11カ国に働きかけ、その結果、1958年には戦争犯罪人として勾留されていた、すべての方々が赦免されたのです。

戦争指導者の合祀・分祀の妥当性の話とオーバーラップするところですが、戦争犯罪人とされたABC級戦犯の方がたについては、全国で助命・減刑等の嘆願が行われ、最終的に東京裁判の結果が無かったことになりました。

もちろん、東京裁判の結果と離れた合祀・分祀の妥当性の話からは切り離して考えることができますから、そこは別に論じればいいと思いますが、国民的な運動によって(少なくとも東京裁判の影響を取り除くという限りにおいて)名誉回復がなされたという事実は重いでしょう。

靖国神社の性格の変遷は許容されるのか

靖国神社の本来の性格が、A級戦犯の合祀で変わってしまったと言えるのか?

そう言えたとしても、靖国神社の在り方の変遷が間違っていると言えるのか?

大東亜戦争は、これまで日本国民が経験してこなかったレベルでの「総力戦」でした。

一般国民であっても赤紙受けて召集され、中には作戦行動として特攻した者も居る。

銃後として軍需工場で働くのみならず、郵便配達や電車運転も行っていました。

自警団も結成され、防空壕が作られ、兄弟は疎開した。

空襲や原爆投下によって大量の一般人が犠牲になった。

全国民が戦争遂行の影響を受けていた。

そのような戦争における犠牲者について、「軍人じゃないから」「戦闘行為で死亡したわけじゃないから」という理屈で、公務に起因して亡くなられた方々の慰霊をしないというのはどうなのか。

この部分を語る必要があると思います。

まとめ

A級戦犯の分祀の妥当性を考える際には、靖国神社の性格の変遷についてどう考えるのか?という視点が必要不可欠だと思います。 

「元々の姿に戻す」ということが常に正しいのか?変化を受け入れて前に進むことが果たして正しいのか?

あまり整理された記述ではないと思いますが、考慮するべき事項について提示したつもりです。

以上

靖国神社問題における有本橋下百田論争2:昭和天皇はなぜ靖国神社に参拝しなくなったのか

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有本香、橋下徹、百田尚樹ら(+長島昭久)がTwitter上で繰り広げた靖国神社論争。

前エントリでは橋下はA級戦犯合祀を問題視するために、昭和天皇が靖国参拝をしなくなった理由=昭和天皇の意思を重視し、それを推し量るには富田メモに触れざるを得ない、対して有本・百田は英霊のために静かな祈りの環境を作ることが大切であり、昭和天皇が親拝されないのは国内での政治問題が原因だとしていることを指摘しました。

今回は昭和天皇が親拝しなくなった理由と富田メモに関する基本的視点を整理します。

昭和天皇の意思を重視する見解の危うさ

最初に、昭和天皇の意思を重視することそのものの危うさを指摘します。

昭和天皇の意思」を問題にすると、「天皇の意思を勝手に特定して自分の見解の補強に使っているだけだろう」と言われる危険性があります。

これに対して、時系列から昭和天皇が御親拝を停止したきっかけを探ることは、ダイレクトに「お気持」を特定することとは一線を画しているので、橋下氏もその限りでの言及にとどめ、富田メモの解釈内容に触れなかったのかもしれません。

「大御心」と天皇個人の意思の違い

ここで、「大御心」に誤解があると「昭和天皇の意思を無視することは何事か!」ということになってしまうと思います。

大御心とは天皇個人の意思ではなく、歴代天皇を含めた皇族らが歴史的に積み重ねてきた意思の総体と言えます。

天照大神が天野岩屋戸にお隠れになったとき、みんなで連携して騙してでも外に引っ張り出してきたという神話がある通り、特定の1人の意思を絶対視するのではなかったのが日本の統治の在り方でした。

17条の憲法には「夫れ事は独断すべからず。必ず衆と論うべし。」つまり、重要な事は合議で決めよとあったし、神話の高天原における意思決定も同様でした。

よって、昭和天皇個人の意思を絶対視することは必要ではありませんから、それと反した行為・結果になったとしても単にそれだけで責められるべきことではないのです。

詳しくは以下を参照。

昭和天皇はなぜ親拝をしなくなったのか

それでも、昭和天皇がなぜ靖国神社に親拝されなくなったのかを考えることは、その後の政策内容の決定や実行順序に影響を与えるので検討します。

大きく3つの説に分けられると思います。

A級戦犯の合祀が原因とする説

安倍総理の靖国参拝について考える 長島昭久

ちなみに、「昭和殉難者」合祀の事実が明らかとなった1979年以降(厳密には、75年の終戦30周年の御親拝を最後に)天皇陛下の靖国参拝は途絶えたまま今日に至っています。外国からの批判に反発する前に、私たちはこの厳然たる事実の背後に昭和天皇、そして今上天皇のお気持ちがいずこに在るのかを静かに推し量るべきではないでしょうか。

A級戦犯の合祀がすべての問題の引き金になった、という説。

A級戦犯の合祀は、1978年(昭和53年)10月17日に「昭和殉難者」(国家の犠牲者)として靖国神社に合祀されたことを指します。この事実が、1979年(昭和54年)4月19日朝日新聞によって報道されたことによって、国民の広く知るところとなりました。

長島氏は外国の意思は無視して天皇陛下の気持ちに焦点を当てていますが、橋下氏は外国勢力の思惑に対する考慮を加味した天皇の意思を問題にしています。

中韓が騒いで政治問題化したからとする説

事実、いわゆる「靖国問題」と言われているものは、朝日新聞が中曽根総理大臣の参拝を非難したことを受けてチャイナ共産党が文句をつけてきたことから始まっています。

ただ、それと昭和天皇の御親拝は無関係であると考えるのが筋です。

もっとも、次に示すように、百田氏は朝日新聞のせいで中韓が騒いだから政治問題化したのか、国内において政治問題化した、と捉えているのかは判然としません。百田氏は国内でのメディアの喧噪と朝日新聞の御注進報道、そして中韓の難癖は、一連のものとして捉えているのかもしれません。

国内の政治問題:三木首相の「私人か公人か」が発端であるとする説

私人か公人か」というのは、当時の総理大臣だった三木武夫が昭和50年8月15日に、総理としては初めて終戦の日に参拝した際に、朝日新聞記者が『「私人」としての参拝か、「公人」としての参拝か』と質問した際に「私人」と返答したことを指します。

天皇は公人であることは明らかなので、この発言によって天皇が親拝できなくなった、という説があるということです。

さて、国内の政治問題として捉えたとしても、さらに別の角度から靖国問題が発生したとする説があります。

内閣法制局説:憲法20条3項の政教分離規定の問題とされたことが原因とする説 

76回 参議院 内閣委員会 4号 昭和50年11月20日

○矢田部理君 私が伺っているのは、時間がないから端的に答えてください。
 天皇が公式行事として靖国神社を参拝すれば憲法二十条の第三項に抵触することになると考えているのか。イエスかノーかだけ答えてください。
○政府委員(吉國一郎君) 先ほど申し上げましたように、第二十条第三項に直ちに違反するというところまでは徹底して考えることはできないと思います。ただ、第二十条第三項の重大な問題になるという考え方でございます。

昭和50年11月20日は昭和天皇が靖国神社に親拝なさる前日でした。

国会において野党議員が天皇の靖国参拝は政教分離の観点から問題があるのではないか、という質疑をし、内閣法制局長官の吉國一郎が「第二十条第三項の重大な問題になる」と答えていました。

翌日の11月21日には昭和天皇は靖国に参拝されています
※追記:これが現在までの天皇による直近の御親拝

これはスケジュールが決まっていたので前日の答弁の影響が無かったと考えられますが、11月20日の内閣法制局長官の答弁によって、憲法上の疑義が生じてしまったために、昭和天皇が親拝されなくなったのではないか、というのが内閣法制局説です。

小括

昭和50年の昭和天皇の靖国神社御親拝は、時系列としては三木総理の「私人」発言より3か月弱先の話ですから、もしも「私人」発言が昭和天皇の親拝停止の原因だとしたら、スケジュール変更できたはずです。

また、三木総理は私人としての参拝であると言っただけで、公人としての参拝がダメであるという見解は、少なくとも当時の政府内からは示されていません。後に中曽根総理が公人として、と明言して参拝しています。

昭和天皇は2~6年毎に靖国神社に親拝されていましたが、中韓が騒いだのは昭和60年の中曽根総理の参拝時ですから、それが原因とするのは無理があります。

A級戦犯合祀を原因とすることを軽々に否定はできませんが、それは別稿に譲るとして、私は、内閣法制局説が妥当と考えます。同様の見解は倉山満氏などが主張しています。

富田メモとは

富田メモとは、2006年(平成18年)7月20日の日本経済新聞朝刊により、その存在が報道された元宮内庁長官・富田朝彦がつけていたとされるメモです。

靖国問題に関してはA級戦犯合祀について憤りを感じていたという記述の主体が昭和天皇であるか否かが問題になりました。

日本経済新聞社は社外有識者を中心に構成する「富田メモ研究委員会」を設置し、2007年4月30日(紙面では5月1日と2日の朝刊)において「最終報告」を掲載。

委員会は昭和天皇の発言であるという認識を示しました。

しかし、未だに解釈に疑義が呈されている、という状況です。

富田メモと昭和天皇の意思に関する有本・百田らの見解

有本・百田らは「昭和天皇の意思絶対」ではないので、そもそも富田メモが昭和天皇の意思を表しているのか?という点については論じる意義が無い、と考えているようです。

基本的にそういう見解であって、さらには百田氏(有本氏も同様と思われる)は富田メモは昭和天皇の意思を表しているとはいえないと評価しています。

これに対して、橋下氏の場合には昭和天皇の意思を重視する見解でした。

しかし、富田メモについては解釈の違いがあることは認めているにとどめて、それ以上踏み込んだ説明はしませんでした。

橋下氏の見解は昭和天皇の参拝が「ゴール」であり、その障害としてA級戦犯合祀を問題視しているのですから、富田メモについて深く触れるべきではないかと思われます。

ただ、それは先述の通り、「昭和天皇の意思」にダイレクトにアプローチすることになりますから、避けたのかもしれません。

まとめ:昭和天皇が靖国神社に参拝しなくなった理由は

昭和天皇が靖国神社に参拝しなくなったのは、内閣法制局が憲法上の疑義があると答弁したから、という可能性を考えなくてはならないでしょう。

また、以下の見解の場合には富田メモの検討は必須です。

  1. 昭和天皇の意思を重視する
  2. 昭和天皇が靖国神社に親拝しなくなったはA級戦犯の合祀である

別稿において富田メモの評価について、誤解があるので整理していきたいと思います。

以上

韓国青瓦台の請願サイトに東京五輪ボイコットが提出:請願に署名する方法

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韓国青瓦台の請願サイトに東京五輪ボイコットが提出されました。

請願内容の確認と、署名する際の注意点を整理します。

韓国青瓦台の請願サイトに東京五輪ボイコットが提出

2020年の東京オリンピックボイコットを請願します※リンク先はハングル語

今、日本では2020年に東京オリンピックを通し、日本の失われた地位を取り戻すために努力しています。

しかし、多くの非公式資料によると、東京の地域も放射線レベルが高いのみならず、福島産の農水産物が日本観光ホテルなど低価格で供給されていることは明白な事実である

したがって、これを理由に東京オリンピックをボイコットすることを発表することによって、他の国の関心を誘導すれば、かなりの効果があると判断されます。

また、私たちの若い選手たちをそのような危険な場所に送り出すことはできません。

放射能汚染を理由にしようと企んでいるようです。

まぁ、そんな虚偽を信じるほど世界はバカではないので、「韓国が来ない」という結果だけ賛同したいです。

東京オリンピックボイコット署名に同意する方法

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ページの下部にコメントを書き込む欄があります。

こちらをクリックすると、SNS認証のページに飛びます。

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どうやら青瓦台の請願サイトのログインはSNSで管理しているようです。

アカウント情報の取得をされるのが嫌だという人は、やらない方がいいでしょう。

認証されると元のページに戻りますので、コメントを書いて右側の同意ボタンを押せば署名完了です。

まぁ日本からのIPだということはバレると思うのでどれだけ有効なのか不明ですが。

コメントには「放射能汚染については事実に反するが韓国が来ないのは賛成である」というような文言を付けるといいでしょう。タイトルにあるように、目的は東京五輪ボイコットですから。

以上

ムンジェイン大統領、半導体製造品目の輸出規制強化の撤回要求「誠意ある協議を求める」⇒協議無視してきたのは韓国でした

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韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領が日本に輸出規制強化の撤回を要求しました。

実にふざけた対応です。

西村官房副長官や世耕経産大臣の経緯説明をまとめます。

韓国大統領ムンジェイン輸出規制強化の撤回要求

韓国大統領が輸出規制強化の撤回要求(共同通信) - Yahoo!ニュース

韓国の文在寅大統領は8日、日本政府の輸出規制強化について「日本側の措置撤回と両国間の誠意ある協議を求める」と述べた。

どの口が言ってるんだか。

誠意ある協議を無視してきたのは韓国の方ですね。

西村官房副長官「3年間意思疎通や意見交換が不十分」

西村副長官「3年以上、意思疎通なし」韓国への輸出規制 - 産経ニュース

西村康稔官房副長官は8日の記者会見で、日本が韓国向け半導体材料の輸出管理を強化したことに関し「少なくとも3年以上の間、十分な意思疎通、意見交換が行われていないことが背景にある」と述べた。

3年間というとムンジェイン政権ができる前からですね。

世耕大臣がより詳しい経緯をツイートしています。

世耕経済産業大臣も経緯を説明

韓国で不適切な事案があったので日本から協議を要請したにもかかわらず、韓国側が無視してきた状態だということです。

むしろ、よく3年間も優遇措置を続けてきたなと思いますが、産経の報道を見ると、一度政府に申請すれば原則3年間は個別の輸出ごとの申請が不要になる枠組みだったらしいです。

見直しの時期になったので、優遇を止めるというのは当然ですね。

「優遇措置」ではなく「規制強化」「制限措置」という表記なのは

産経など他のメディアもなぜか「規制強化」としています。

韓国・文在寅大統領、日本の輸出規制強化撤回を要求 「企業に実害なら対応」 - 産経ニュース

日本輸出規制に言及した文大統領「韓国企業の被害時、対応不可避」 | Joongang Ilbo | 中央日報

文, 일본 경제보복에 경고 "한국 기업 피해시 대응 불가피" - 중앙일보

中央日報の日本語版は「輸出規制」、韓国語版は「報復」「規制」「制限措置」

輸出優遇除外:文大統領「被害出たら対応避けられず」…日本に撤回要求-Chosun online 朝鮮日報魚拓

"日, 한국 몰아붙이면 OLED 못 구하게 될 수도" - 조선닷컴 - 국제 > 국제 일반魚拓

朝鮮日報の日本語版は「優遇除外」と報道していますが、韓国語版はどうやら「規制強化」としています。

半導体製造品目の輸出管理体制見直しは「優遇停止」

半導体製造品目の輸出管理体制見直しは「新たに規制を設ける」のではなく、これまで韓国を一般的な国よりも優遇していた(手続を簡略化していた)ものを停止することです。

ホワイト国指定も優遇を止めることにすぎません。

これまではベースとして規制がある中での「規制緩和状態」だったと言え、その限りで「規制強化」であるとも言えますが、実態としては単に優遇措置を停止するものである、という認識が大事だと思います。

まとめ

商売でも友人との付き合いもそうですが、「なぁなぁ」では良い関係は築けません。

日本政府の対応は、当然のことです。

以上