事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

安倍政権時に消費者契約法改正で霊感商法が「不当勧誘行為」と明示されカルト宗教被害救済

霊感商法と安倍政権

あれ?「安倍政権は統一教会と癒着」してたんじゃないの?()

追記:議論経過の詳細版⇒霊感商法が不当勧誘行為として取消し対象となる2018年改正消費者契約法の議論経過まとめ 

安倍政権時に消費者契約で霊感商法が不当勧誘行為に

消費者契約法

(消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示の取消し)
第四条 消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次の各号に掲げる行為をしたことにより当該各号に定める誤認をし、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

六 当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。

安倍政権時に消費者契約で霊感商法が不当勧誘行為になっていました。

平成30年閣法の消費者契約法の一部を改正する法律案

平成30年法律第54号として「閣法」である【消費者契約法の一部を改正する法律案】が提出され、霊感商法が取り消し得る不当勧誘行為として新設されました。

消費者庁 消費者契約法の一部を改正する法律(平成30年法律第54号)

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/consumer_contract_act/amendment/2018/pdf/consumer_system_cms101_200826_01.pdf

第196回国会 議案の一覧

閣法 第196回国会 31 消費者契約法の一部を改正する法律案

議案審議経過情報

消費者契約法の一部を改正する法律案

政府側も霊感商法が対象となることを国会答弁で言及

第196回国会 衆議院 本会議 第25号 平成30年5月11日

○国務大臣(福井照君) 

「社会生活上の経験が乏しいことから」という要件が必要である理由と、削除した場合の弊害についてお尋ねがございました。
 本要件は、取消権の適用される範囲について、消費者に類型的に困惑をもたらす不当性の高い事業者の行為を特定し、明確化するためのものでございます。仮に本要件を置かなければ、本来法が想定していない場合についてまで取消しが主張されてしまうおそれがございます。
 また、本要件を設けたとしても、消費者委員会において検討されていた具体的な被害事例は、高齢者の被害事例も含めて、基本的に救済されるものと考えられます。
 「社会生活上の経験が乏しいことから」という要件は、消費者保護に逆行し、悪徳事業者を利する結果とならないかというお尋ねでございました。
 例えば、霊感商法等の悪徳事業者による消費者被害については、勧誘の態様に特殊性があり、通常の社会生活上の経験を積んできた消費者であっても、一般的には本要件に該当するものと考えております。

政府側も霊感商法が対象となることを国会答弁で言及しています。

が、この要件の設定の仕方では不十分だと思われたのか、修正案が提出されます。

自由民主党の永岡桂子議員らが霊感商法を明示する衆院修正案を提出

第196回国会 衆議院 消費者問題に関する特別委員会 第8号 平成30年5月23日

○櫻田委員長 この際、本案に対し、永岡桂子君外六名から、自由民主党、立憲民主党・市民クラブ、国民民主党・無所属クラブ、公明党、無所属の会、日本共産党及び日本維新の会の七派共同提案による修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。永岡桂子君。
    —————————————
 消費者契約法の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    —————————————

 

○永岡委員 ただいま議題となりました消費者契約法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 本修正案は、事業者による消費者契約の勧誘に際し、消費者が困惑し、それによって意思表示をした場合には、その意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の類型として、次に掲げる行為を追加するものであります。
 一、当該消費者が、加齢又は心身の故障によりその判断力が著しく低下していることから、生計、健康その他の事項に関しその現在の生活の維持に過大な不安を抱いていることを知りながら、その不安をあおり、裏づけとなる合理的な根拠がある場合その他の正当な理由がある場合でないのに、当該消費者契約を締結しなければその現在の生活の維持が困難となる旨を告げること。
 二、当該消費者に対し、霊感その他の合理的に実証することが困難な特別な能力による知見として、そのままでは当該消費者に重大な不利益を与える事態が生ずる旨を示してその不安をあおり、当該消費者契約を締結することにより確実にその重大な不利益を回避することができる旨を告げること。
 以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

自由民主党の永岡桂子議員らが霊感商法を明示する衆院修正案を提出していました。

「安倍政権は統一教会と癒着、支配されていた」ならこれはおかしいでしょう。

このことは7会派による共同での修正案提出があったことから、全政党が知っていることです。

有田芳生「政治の力」はどこへ?カルト規制を国会で取り上げる

有田芳生氏の言う「政治の力」とは、いったいどこへ行ったのでしょうか?

もしも自民党・政権与党が統一教会に支配されているなら、こんなピンポイントな文言を使ったカルト宗教被害からの救済を立法化できていないでしょう。

被害救済を超えたカルト団体自体への規制の必要性については別問題。

他にも、統一教会の名称変更のタイミングが安倍政権時だからという話がありますが、これももともとは文化庁が名称変更申請が無かったことにしていたと考えられるところ、それを(ある意味で)正常化したためであることや、名称変更を認めたとしても統一教会との同一性が隠蔽されるような変更内容ではないこと、韓国では1997年に名称変更されておりむしろ名称変更をすることが実態把握に資することなどが指摘できます。

「今般の事件」で本当に論じなきゃいけないのは【捜査機関(警察)による警備・捜査能力の向上と法的正当性の付与】です。それがあれば詐欺商法や拉致・テロも防げたものは多い。

司法をスケープゴートにしたり、特定の宗教団体という極一部の問題に飛びつくのもほどほどにすべきでしょう。

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