事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

NHK「世界のいま」黒人侮蔑動画がアメリカ政府に抗議され削除

NHK「世界のいま」黒人侮蔑動画がアメリカに抗議され削除

NHK「世界のいま」がネット上でUPした黒人侮蔑動画がアメリカ政府に抗議され削除されました。

アメリカ政府に抗議され削除

https://www.nhk.or.jp/program/sekaima/sekainoima_doganitsuite.pdf魚拓

「これでわかった!世界のいま」のツイッターに掲載した CG アニメーションにつきまして、多くのご批判・ご意見をいただいております。
掲載したアニメーションは、6月7日放送の「拡大する抗議デモ アメリカでいま何が」の中で放映したものです。
番組では、デモの発端が、黒人男性が警察官に押さえつけられて死亡した事件であることを紹介したうえで、今回の事件に様々な人たちが怒りを募らせている背景やトランプ政権の対応とそれに対する批判、アメリカ社会の分断の現状などを 26 分間にわたってお伝えしました。
CG アニメーションは、番組の中で、アメリカの黒人の人たちが置かれている厳しい状況をわかりやすくお伝えしようと、格差のデータや指標とともに約1分20 秒間にまとめたものです。
しかし、視聴者からこのアニメーションについて、問題の実態を正確に表していないなどというご批判をいただき、掲載を取りやめました。
掲載にあたっての配慮が欠け、不快な思いをされた方にお詫びいたします。NHK では、人権を尊重し、取材や制作のあらゆる過程で細心の注意を払うよう取り組んでまいります。

アメリカ政府に抗議され削除したNHKの謝罪文ですが、「問題の実態を正確に表していない」という点が最も重要です。

さらにそれ以外の問題もあります。

NHK「世界のいま」における黒人差別問題に関する動画の問題点

NHK「世界のいま」黒人侮蔑動画がアメリカに抗議され削除

この動画では、火が燃えていたり何かが壊されている画が表示され、「俺たちが怒るその背景には」という導入の後に、「白人と黒人の貧富の格差が7倍」「新型コロナ禍によって失業か労働時間を削られた黒人の割合が45%である」旨が語られています。

この動画はいくつもの問題があると言えます。

1:黒人が暴動を是としている前提の動画

この動画は最初の何かが燃えたり壊れている絵が提示され、その理由としていろいろ語られているという構成になっています。

つまり、【黒人たちは何かを破壊したりすることについて肯定的である】という前提になっているのです。暴動を肯定しています。

しかし、アメリカにおける一連の「デモ」(暴動とは分けて論じる)の発端となった、警官に殺害されたジョージフロイド氏の弟など多数の黒人らが動画化しているように、暴動について否定的な見解を述べています。

NHKの「世界のいま」動画は、こうした立場に反する「黒人の立場」を所与のものとして論じています。

2:「背景にある問題」は雇用や貧富の格差?

詐欺容疑で拘束中だったジョージフロイド氏が警官による違法な拘束で死亡したことが今回のデモの発端なわけですが、「アメリカにおける(ここが重要)」黒人差別の背景にある問題は、雇用や貧富の格差であるとまとめてしまって良いものではありません。

このまとめ方は、雇用や貧富の格差が解消すればアメリカの差別は無くなるという主張に聞こえますが、決してそのような生易しいものではありません。

奴隷制度を是認していたアメリカ南部が南北戦争で負けて統一されてからも、移住者にアジア人やイスラム系人が増えてきてからも、ずっと黒人差別は苛烈に続いてきたという歴史があるなかで、直近の一部の状況だけを切り取って強調することはアメリカにおける黒人差別問題の無理解に繋がるでしょう。

3:描かれている黒人が侮辱的

冒頭のスーツに帽子をかぶっているが、肩から先は破けてノースリーブになっており、足元はサンダル(わらじ?)になっているギターの語り手の風貌など。

描かれている黒人が粗野で異形なのが分かるでしょうか?

誰かモデルとなる人物がいるかはわかりませんが、ジョセフ・M・ヤング 駐日米国臨時代理大使が「使われたアニメは侮辱的で無神経です」とツイートしているのは、こうしたヴィジュアル表現をも指していると理解する他ありません。

まとめ:NHK「世界のいま」動画は中国共産党の工作?

共同通信の「欧米が失望」という捏造報道や、それを中国共産党のプロパガンダ紙を拡散している毎日新聞が英語で拡散するなど、どうも日本-欧州-アメリカを離間させる効果を持つような事象が多発しています。

そもそもアメリカにおけるアンティファの暴動もそうですし、日本の大阪におけるBLMデモで「警察署を解体しろ!」という主張がなされるなど、およそ黒人差別とは無関係な運動に変質してしまっている状況で、誰が得をするのか?

そう考えると、第一義的にはマスメディアによるこのような行為は中国共産党による工作を考えるべきでしょう。

NHK「世界のいま」は、作成過程を国会で明らかにしても良いくらいの問題だと思います。 

 

以上