事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します

加計学園に記者会見を開くよう愛媛県議会が審議なく議決していた件について

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2018年10月7日、加計学園の加計孝太郎理事長が獣医学部認可申請にあたって渡辺常務が愛媛県に誤解を招く表現(安倍総理が積極的に推し進めていると誤認させる表現を用いたこと)をしたことについて、改めて記者会見をしました。
加計理事長「学園幹部の勇み足」 記者会見一問一答(1/2ページ) - 産経WEST

この会見がなぜ行われたのか、その要素の一つであるのは愛媛県議会の決議であるということですが、少し不可解な状況があったので確認していきます。

愛媛県議会平成30年 第357回定例会第6号 7月11日

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【愛媛県議会平成30年 第357回定例会(6月定例会)(第6号 7月11日)】

こちらで「加計学園に記者会見をするよう要請する」決議案(4号議案)が可決されました。

愛媛県庁/学校法人加計学園のコンプライアンスとガバナンスの確立等を求める決議魚拓:http://archive.is/RJNsX

愛媛県庁/提出議案【議員提出の部】魚拓:

議案が求めたのは以下の点です。

1 対外的な説明責任をしっかりと果たし、学園のコンプライアンスとガバナンスを確立すること。
2 学生や教職員が地域との交流を積極的に進め、地域の活性化に貢献すること。
 以上、決議する。

なぜ加計学園はこのタイミングで記者会見をしたのか

加計学園は6月にも記者会見をしていますが、今回記者会見をしたのはこの決議の影響があったと言われています。

ただし、加計学園側は「6月の記者会見時にも必要であれば再度の記者会見をする可能性はある」と言っていました。

今回、10月に会見が開かれたのは、西日本豪雨や台風被害に関する情報が落ち着いたタイミングであるということを明言しています。

メディアからは「遅すぎる」「時間が経っており誠意がない」

などといわれていますが、加計学園が6月に記者会見を開いたときに何と言っていたでしょうか?

「W杯の日に会見をするなんて!」「大阪地震の翌日に会見をするなんて!」

こういう論調だったんですよ。たった4ヶ月前の話ですよ。

愛媛県議会が議案を可決したのは7月11日ですが、その頃といえば西日本豪雨で関西が第二の打撃を受けていた時期ですよ。その頃の記事

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世耕大臣vsエアコンデマおばさん:安倍首相の被災地視察と学校クーラー設置の関係 - 事実を整える

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7月中に記者会見が開かれていたら、「西日本豪雨で被害が終息していないのに!」「国会会期最終日が近くて法案の議決に注目が集まっているときに!」って言われていたでしょうね。

8月中だったら「お盆で休んでいるときに!」

9月中だったら「台風21号、北海道地震の被害が収束していないのに!」

マスメディアは絶対にこんなことを言っていたでしょう。

愛媛県議会は審議無く全会一致で可決

7月11日に行われた議会では、まったく審議をせずに「学校法人加計学園のコンプライアンスとガバナンスの確立等を求める決議(議案4号)」を可決しています。

関連する議事録の部分は以下です。

次に、議発第1号議案平成30年7月豪雨による災害に関する意見書ないし議発第4号議案を一括議題とし、以上の議案をいずれも原案のとおり可決決定することに賛成の議員は、起立を願います。
  〔賛成者起立〕
○(鈴木俊広議長) 全員起立。着席を願います。
 全員起立と認めます。
 よって以上の議案は、いずれも原案のとおり可決決定いたしました。

はい。これだけです。

全会一致です。

誰一人として、あの怪文書に過ぎない「愛媛県文書」の信憑性をチェックしていないということになります。

この文書は行政文書でも公文書でもありません。

しかも、【誰が作成したのかもわからない】というもので、私文書としても内容の真実性に疑義があります。

さらに、内容が真実であったとしても、それは『加計氏は安倍総理に獣医学部新設計画を説明し、安倍総理が「いいね」と返事をしただけであり、「安倍総理が不正に関与した証拠」ではない』、そんな程度の代物に過ぎません。

これは愛媛県議会議員の怠慢なのか、政治的な判断なのでしょうか。

愛媛県は加計学園への補助金をどうしようとしているか

平成30年 第357回定例会(第3号 6月29日)で言及されています。

○(西本牧史企画振興部長) 獣医学部新設に関する御質問のうち、今治市に対する助成についてお答えをいたします。
 首相との面談が虚偽であったとする加計学園からの報告につきましては、県に誤った情報を与えるという重大な問題であると受けとめておりますが、国家戦略特区の認定については、民間有識者が参画する会議で審議された後、実施主体が公募で選ばれるなど、法律や制度にのっとり手続が進められるとともに、獣医学部の設置については、文部科学大臣の諮問機関である大学設置・学校法人審議会による厳正な審査を経て認可されたものであります。
 また、先日改めて県が文部科学省へ確認したところ、今回の虚偽報告は学部の認可の判断に影響しないとの回答を受けているところでございます。
 県から今治市へ交付した約14億円の補助金については、国が認可に影響はないとしていることに加えまして、整備事業費を厳正に精査し、補助対象経費を絞り込んだほか、補助目的である校舎建設や備品購入など大学開設に必要となる施設、設備等が順次整備され、事業自体が適正に実施されていることを十分確認して支出しておりまして、県としては、助成は妥当であったと判断をしております。

これが県としての回答です。

実は、中村知事の発言を良く聞くと、加計学園に対しては「説得力のある説明を求める」以上のものは言及していないように見えます。

では、中村知事の加計学園に対するスタンスはどう受け止めればいいのでしょうか?

愛媛県知事選挙が11月に控えている

愛媛県知事の任期は平成30年11月30日まで、つまり選挙を控えているんですよね。

選挙までに「左側」からの攻撃を受けたくない中村知事としては、加計学園を「攻撃」しておく必要があるんだろうと推測します。

以上