国民民主党の津村啓介議員が女性天皇容認論を中間報告しました。
党内の皇位検討委員会での報告の前後にツイッターで述べているのですが、散逸しています。そのため、報道特注でまとめて詳しく述べているのでそちらを参照します。
最初に津村・国民民主党案の概要を整理します。
国民民主党の津村啓介議員の女性天皇・愛子天皇容認論
党皇位検討委員会が女性天皇を認める皇室典範改正案概要を玉木代表に中間報告 - 国民民主党
中間報告の発表時に配られたのは、この一枚だけのようです。
なぜ、それぞれの改変をするのかということは、津村議員のツイッターでは語られていますが、他は報道特注で話している以外は記述はありません。
表向き、党としての報告となっていますが、津村議員の考えそのままになっています。
男系継承を維持し、女性天皇を容認、女系天皇は判断保留
津村・国民民主の案は、男系継承は(当面は)維持するとしています。
そして、現行皇室典範とは異なり女性天皇を認める立場です。
女系天皇については判断保留としており、当面は認めないという考えのようですが、「今後の議論の対象」としています。
皇位継承順位1位を愛子内親王に、悠仁親王殿下は3位に
現行の皇室の構成と皇位継承順位は上図の通りです。
これに対して、津村案では以下のようになります。
お願いです。
— 津村啓介 (@Tsumura_Keisuke) June 15, 2019
私たちが発表した国民民主党の皇室典範改正案の概要を、ぜひご自分の目で確かめて下さい。
改正案を読めば、新たな皇位継承順位が①愛子さま、②秋篠宮さま、③悠仁さま、④眞子さま、⑤佳子さま、⑥常陸宮さまであると分かります。
皇位継承について今回決めたのは、それだけです。 https://t.co/c5VpWKmSLj
なぜ「今」皇統・皇室の議論するのか?
新天皇が践祚し、これから即位の儀式や例大祭も控え、新時代を寿ぐべきときに、なぜ次代の話をするのか?という疑問があるでしょう。
これは法的側面と状況論から導かれます。
ここから報道特注で触れられるところになります。
形式論:皇室典範特例法の附帯決議
天皇の譲位(退位)を可能にする皇室典範特例法の可決の際に附帯決議がありました。
この附帯決議の中に天皇の御代替わり後に速やかに女性宮家「等」の議論を始めること、と規定されているのです。
衆議院 ○附帯決議(平成二九年六月一日)
参議院 ○附帯決議(平成二九年六月七日)
一 政府は、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることはできない重要な課題であることに鑑み、本法施行後速やかに、皇族方の御事情等を踏まえ、全体として整合性が取れるよう検討を行い、その結果を、速やかに国会に報告すること。
二 一の報告を受けた場合においては、国会は、安定的な皇位継承を確保するための方策について、「立法府の総意」が取りまとめられるよう検討を行うものとすること。
三 政府は、本法施行に伴い元号を改める場合においては、改元に伴って国民生活に支障が生ずることがないようにするとともに、本法施行に関連するその他の各般の措置の実施に当たっては、広く国民の理解が得られるものとなるよう、万全の配慮を行うこと。
右決議する。
附帯決議には法的拘束力はありませんが、政治的な妥協の産物であり、政府が尊重するべきであるとして事実上の拘束力を持つものとして扱われてきたという慣行があります。
ですから、このタイミングで議論をしているというのは、それに従っているから、という言い訳が立ちます。
安倍内閣としては10月の即位の儀式が滞りなく執り行われるまでは、議論をしない方針ですが、自民党内では既に議論は始めています。
⇒自民「国益護る会」、男系継承維持へ年内提言 初会合 - 産経ニュース
立憲民主党も「論点整理」という形でペーパーを出しています。
立憲民主党の女系天皇容認の論点整理は平成17年の有識者会議報告書の焼き直し
実質論:皇族方(女性皇族)の減少
女性皇族が婚姻すると、皇室から離れて皇族ではなくなります。
それが現行の皇室典範の規定による決まりです。
そうすると、将来的に皇族の数が少なくなり、公務を担う皇族が居なくなります。
また、悠仁親王殿下の相談相手となるべき皇族が居なくなるということになり、更にはそのお子様の生育環境にとってもあまり良いとは言えない状況になってしまうおそれがあるのです。
ですから、安定的な皇位継承を確保するための諸課題、女性宮家の創設等について検討しようという話なのです。
女性宮家の創設「等」ですから、議論対象は女性宮家に限らないということです。
悠仁親王殿下よりも先に愛子天皇を推進する理由
報道特注の動画では、足立議員がツッコみを入れています。
立法事実はあるのか?
皇位継承順位を変更し、愛子内親王殿下を天皇にするということは、悠仁親王殿下がお生まれになる前は一定の立法事実があったかもしれないが、現在は悠仁殿下がおられる。
にもかかわらず敢えて女性天皇として愛子内親王殿下を推進する理由は何か?
足立議員が動画の終盤で質問をしています。
直系主義を重視する理由
津村議員は直系主義を重視するという立場であるということはツイッターの発信から分かります。
この点は次回の報道特注で話しています。
まとめ
- 国民民主党の皇統論はイコール津村議員の考え
- 津村案では女性天皇容認・皇位継承順位を変更して愛子内親王殿下が1位に
- 現段階で敢えて議論をするのは、附帯決議に天皇の御代替わり後速やかに検討を行うこととされているから
- 悠仁親王殿下よりも先に愛子天皇を推進する理由については次回以降
第二弾⇒国民民主党の津村啓介議員の女性天皇・愛子天皇容認論その2
第三弾⇒報道特注:国民民主党の津村啓介議員の女性天皇・愛子天皇容認論その3
以上