本件についての説明。
卓球伊藤美誠の韓国戦のライトは日テレスッキリのクルー
伊藤美誠に“妨害”ライト、韓国メディア犯人説が流布するも、ようやくわかった真相
8/5(木) 5:59配信「いえいえ、あれは『スッキリ!』のクルーなんですよ」
と小声で打ち明けるのは、日本テレビの関係者である。
「ネットで出回っているNHK中継の画像を見ましたが、右端に森圭介アナ(42)が映っていますし、他にも知った顔が映っています。もちろん彼らに伊藤選手を妨害する意図なんてないでしょう。ライトが点いているカメラの後ろにいるのは以前スポーツ局にいた局員ですが、ほかのクルーは基本的に情報番組の人間。スポーツ取材の勝手がわからず、ライトを点けてしまっただけなのではと思います」
ついウッカリという訳である。とはいえ、
「どうやら、この件でネトウヨ的な人たちが盛り上がっているのは、『スッキリ』の人間も知っているよう。でもこれ幸いとばかりに『自分たちとバレてないからいいや』という態度。そのせいで“韓国犯人説”がどんどん拡大してしまっています。私はたまたま気づきましたが、あくまで一番組のクルーなので、日本テレビが会社として把握しているのかは分かりません」
では当の日本テレビは、なんと答えるか。
「当該クルーが日本テレビの取材班だったことは事実で、関係者の指摘を受けて対応しました。日本テレビは今後もルールに則って取材を進めてまいります」
デイリー新潮取材班
2021年8月5日 掲載
東京オリンピック卓球女子シングルスの日本の伊藤美誠vs韓国の田志希(チョンジヒ)戦において、メディアのカメラのライトがプレーに影響するとして伊藤美誠選手がレフェリーに申し出た件について。
当該メディアは「日テレスッキリのクルー」であると日テレが認めたということをデイリー新潮が報じています。
デイリー新潮に日テレの回答が掲載され報じられるまでの経緯
- ネットで「韓国メディアによる妨害」説が流布:試合当日の7月28日
- 夕刊フジが記事化:7月29日
- 弊ブログでも取り上げる:7月29日
- Twitter上でハングルアカウントが「アクレディテーションカードの所属表記がオレンジ色だからOBSの人間であり、日本人だ。カメラマンは茶色いベストを着てるため違う」という論(ロジックにおいて誤り)を展開:8月2日
- それを韓国メディア「ノーカットニュース」がそのまま取り上げる:8月3日
- それを東スポがそのまま紹介する:8月3日
- デイリー新潮で記事化:8月5日
これを見て分かる通り、伊藤美誠選手とチョンジヒ選手の試合で「ライト事件」が発生してから今日まで【8日間】も経っています。
弊ブログで韓国メディア犯人説を書いた意図
弊ブログで韓国メディア説を書いた意図は2つあります
- 「妨害説」の浸透に留保を付けさせるため
- 当該メディア側からの事実公表をせざるを得ない状況を作るため
試合後、すぐに「韓国メディアによる伊藤選手への妨害行為だ!」という声がネット上では広まっていました。私はカメラの位置関係等からむしろチョンジヒ選手にも影響した可能性があると判断し、妨害の故意は無いだろうという主張を書きました。
韓国メディアクルーのカメラライトが注意:東京五輪卓球の伊藤美誠vs田志希(チョンジヒ)戦で妨害行為? - 事実を整える
ただ、「どこのメディアか不明」という性質の内容ではネット上では拡散されにくいので、韓国メディア説のストーリーに寄せつつも妨害説についての留保が付けられるようにしました。
「韓国メディアか否か」については推認の根拠となる事実を述べたものの、断定可能な情報は揃っていませんでした。
同時に、本件は騒がれなければそのまま有耶無耶にされると感じました。
ライトをつけていたクルーの態度からは、ほとんど問題性を認識していない態度のように見受けられましたから。
実際、8日間も経ってからデイリー新潮がメディア関係者からこっそり聞いた話を受けて日テレに取材してようやく表に出てきたわけです。この関係者はネット上に流布されている画像の人物の顔を見て判断しています。
また、8月2日にはハングルアカウントがアクレディテーションカード等に関する誤った説明から日本メディアの行為であるとし、それを韓国メディアがその主張をそのまま掲載したことについては、そのロジックの限りにおいて誤りを指摘しました。
韓国メディア「伊藤美誠戦ライト韓国は冤罪、OBSだ日の丸だ」の論理破綻とRHBsのアクレディテーションカード - 事実を整える
その他:想定される問いへの回答
Q:妨害の故意が無ければ悪質なミスではないため、わざわざどこが「犯人」かを明らかにする必要は無かったのでは?
A:卓球競技の円滑な進行を妨げる行為であり、メディアによるものであるから、将来の類似事案を防ぐために一定程度は必要(個人の特定までは不要)と考えます。
Q:意図はどうあれ「韓国メディア説」を広めたことで新たに無用の混乱を生じさせたのではないか。
A:韓国メディア説に乗っかることでそれが事実と異なった場合の悪影響は自覚しつつ記事を構成しました。具体的に不利益を被った方が出たのかは分かりませんが、正確な事実関係の把握をしたい方にとってはノイズにもなったのは確かだと思います。たとえば「他人に韓国メディア説を説いて恥をかいてしまった」などのお怒りは、ごもっともだと思います。
Q:そもそも韓国メディア説を推認する事情として挙げた要素は弱すぎるのではないか?
A:日本人選手vs韓国人選手の試合のため、それを撮影するのは日本メディアか韓国メディアかの2択がまず有力な選択肢に入ります。その中でいずれかの判定をするのであればということで書きました。
Q:韓国メディア説ではなく真偽不明とするべきではなかったか
A:当時の事情における静的な事案整理としてはそのようにするべきであるということは理解しております。既に説明しているように、動的な事実解明の効果を期待して書いた記事でした。
Q:韓国メディア説の記事について何らかの対応(削除・訂正・謝罪)はしないのか。
A:当該記事に本記事へのリンクを貼るとともに、混乱を与えてしまった方へのお詫びを掲載します。また、検証用として挙げた画像や動画は無用となったため削除或いはぼかし加工のものに差し替えをします。
以上