事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

fetch as googleエラーの原因と対処法:件数と時間制限があるgoogle search console

fetch as googleエラーが発生しました。しばらくしてからもう一度お試しください

Google search console の"Fetch as google"機能を使ってる方へ。

「エラーが発生しました。しばらくしてからもう一度お試しください」

この表示が出た際、以下の認識を持っておくといいと思います。

  1. 一定時間内のリクエスト数に上限があると認識すること
  2. 制限は日付が変わると解除される
  3. 制限は24時間待つことで解除される

以下では2018年10月現在の"Fetch as google"の上限数の仕様と思われる挙動と、なぜそうなっているのか、一定の分析を試みます。

「エラーが発生しました。しばらくしてからもう一度お試しください」は上限数に達している場合が多い

まず、"Fetch as google"のリクエストは

【一定時間内のリクエスト数に上限がある】

これを認識してください。

エラーが発生してリクエストができないというときのほとんどが、この一定時間あたりの上限数を超えたリクエストをしようとしている場合です。

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このURLのみをクロールする」にチェックを入れたものが12個

このURLと直接リンクをクロールする」にチェックを入れたものが3個

どうやらこの2種類のリクエストは別個に扱われているため、「このURLのみをクロールする」でエラーが出たら回避策として「このURLと直接リンクをクロールする」にチェックを入れれば3つまでリクエストできるということが分かります。

エラーの原因:リクエスト上限数が1日or24時間で設定

上図では「このURLのみをクロールする」が3時間以内に12個リクエストが有効になっていますが、これは日付を跨いでいるからです。

同じ日付中にリクエストできる上限数は11個です。

エラーが出た場合、この時間を経過してから再度リクエストすれば大丈夫です。

※同じ日付で20時間しか経過してませんでしたが再度リクエスト可能になった例を確認しました。よくわかりませんが、「一定時間のうちのリクエスト上限数がある」ということだけは確かです。

fetch as googleに件数制限がある理由

別に中の人に聞いたわけではありませんが、リソースの限界が理由でしょう。

無制限にクロールリクエストが通るとしたら、クローラ―がいろんなサイトにクロールしに行かなければならなくなりますよね。

そうすると、クロールが滞ったり、行き届かないところが出てきます。

そうなることが無いように制限を設けているのだと思います。

このような制限はBingのクロールリクエストにおいても同じですね。

Bingは1日10件、月50件の制限があります。

「一時的にアクセスできません」の場合

リクエストステータスが「一時的にアクセスできません」となる場合があります。

この場合、再度リクエストをしていけば大丈夫です。

Serch Consoleのヘルプには「サーバーからの応答に時間がかかりすぎる」「連続したリクエスト」が原因の場合があると書いてあります。

私の場合は、「ネット回線が切れてしまった」のが原因と思われます。
「サイトの表示速度」はあまり関係がある場合は少ないと思います。早いページにエラーが出て、遅いページはエラーが出ないことなどありましたし。

それ以外の場合はわかりませんが、このステータスにはそんなに神経質になる必要はないでしょう。

まとめ:上限数によるエラーの対処法は「待つ」のみ

過去記事のリライトを猛スピードでやっている、という場合でない限りあまり遭遇しない現象でしょうし、その場合は計画的にリクエストすればいいのではないでしょうか。

以上

東京都ヘイトLGBT条例の制定過程がブラックボックス:情報公開はどこへ?

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東京都ヘイトスピーチ・LGBT条例(東京都オリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指す条例(169号議案))が可決されました。

本条例が審議された日の質疑から、本条例の問題点について指摘していきます。

条例案の提示後に質疑が行われたのは【東京都議会総務委員会平成30年10月2日(火)】のみです。

 東京都のヘイトスピーチ・LGBT条例の問題点については以下で触れています。

「ヘイト」に日本人が保護対象になるか?

答弁を聞いている限り、どうやら日本人は保護対象にならないようです。

また、この点を補う附帯決議も提案されませんでした。

そもそも、日本人が対象になるのか?という点について質問をしたのが【総務委員会平成30年6月22日(金)】の早坂義弘委員の質疑のみです。

総務委員会平成30年6月22日(金)

○早坂委員 -省略ー
 ここで、一つ指摘しておきたいことがあります。
 都内における我ら日本人に対するヘイトスピーチも、野方図であってよいわけがありません。しかしながら、この部分は、なぜかこの条例案概要からは欠落していることを指摘しておきたいと思います。これはとても重要な部分だと私は考えます。他人にされて嫌なことは他人にしてはならない。当然のことであります。
 そこで、ヘイトスピーチに関する東京都の見解について伺います。

○仁田山人権部長 東京二〇二〇大会の開催を控え、ホストシティーとして、今後ますます多くの外国人の方が訪れることになります。このような状況の中で、東京において、お互いの個性を尊重し、認め合う共生社会を実現していくことは不可欠でございます。
 特定の民族や国籍の人々を排斥する差別的言動、いわゆるヘイトスピーチは、品格ある国際都市東京としてあってはならず、許されるものではございません。ホストシティーとして、ヘイトスピーチ解消法を具体化するため必要な取り組みを条例で示す中で、ヘイトスピーチが決して許されるものではないことを発信してまいります。

早坂委員の質疑が雑駁なのは、この時点では「条例案の概要」しか提示されておらず、条例案という形での条文が出来上がっていなかったからです。

仁田山人権部長は、「日本人は対象になるのか?」について言及していません。

10月2日の鈴木章浩(自民)委員の質問『なんで「オリンピック」と冠して人権施策のうち外国人の人権とLGBTの2項目だけなのか?』に対しては、「オリンピックは外国人が来るから」「これだけで終わるわけではなく他の人権施策も今後行っていく」と回答しています。

答弁者は10月と同じですので、 本条例が日本人を保護対象としていないことが分かります。

条例案の審議の過程が不明であり、期間が短い

本条例の制定過程は以下です。

  1. ヘイト・LGBT条例案の「概要」提示(方針のみ条文無し)
  2. 6月5日パブリックコメント募集開始
  3. 第二回定例会の質疑
  4. 6月30日パブリックコメント募集終了
  5. 9月14日条例案提示
  6. 10月2日第三回定例会総務委員会の質疑
  7. 10月3日総務委員会採決
  8. 10月5日本会議採決

これを見ると分かるように、条例案の原文が提示されてから議会で審議を行ったのは、10月2日のたった1日のみです。3日と5日は実質審議はしていません。

審議が十分でない上に、条例案の決定過程もブラックボックスです。

鈴木委員の質疑に対する答弁によれば、4番目のパブリックコメント募集終了以降、専門家や有識者を集めた審議会等(条例案の内容をどう決定するかの会議)が開かれていません。

単に、「個別に専門家やLGBT当事者の意見を伺った」とだけ答弁しています。

これは大阪市ヘイト規制条例の制定過程と比較すれば非常に閉鎖的であると分かります。

大阪市はヘイト規制条例の策定の際は専門家で構成される「検討部会」とその他有識者で構成される「審議会」で複数回議論が重ねられて条例案が議会に提出されていました。

以下の図を見れば5か月の期間、検討部会と審議会を複数回重ねて議論していたころがわかります。議事録或いは議事要旨も非公開措置が一部とられている部分以外はすべて公開されています。

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ちなみに、パブリックコメント募集中に私が東京都に電話で確認した際には「議事録を公開する予定は無い」とは聞いていました。

しかし、まさか審議会すら開かれてないとは思いませんでした。

審議が不十分な点は複数の議員から指摘がありましたが、継続審査動議も付帯決議も否決されました。

都民等に対する表現活動の「等」とは?

本条例抜粋

第十二条 知事は、次に掲げる表現活動が不当な差別的言動に該当すると認めるときは、事案の内容に即して当該表現活動に係る表現の内容の拡散を防止するために必要な措置を講ずるとともに、当該表現活動の概要等を公表するものとする。ただし、公表することにより第八条の趣旨を阻害すると認められるときその他特別の理由があると認められるときは、公表しないことができる。
一 都の区域内で行われた表現活動
二 都の区域外で行われた表現活動(都の区域内で行われたことが明らかでないものを含む。)で次のいずれかに該当するもの
ア 都民等に関する表現活動
イ アに掲げる表現活動以外のものであって、都の区域内で行われた表現活動に係る表現の内容を都の区域内に拡散するもの

条例12条1項2号アが対象にしている「都民等」に関する表現活動の「等」とは何を意味するのか?

まさか他の自治体の住民が「等」に含まれることもあるのか?と質問されてましたが、そうではありません。

これは個人に限らず、「法人や団体等の個人以外の主体も含む趣旨」であるという旨の答弁がありました(質問者も答弁者も明確にしていないが、そうとしか思えない)。

そうすると「構成員には東京都民は含まれないが、都内に拠点を置く外資系企業」に対する言動も、ヘイト規制の対象になるということになりそうです。

東京都はオリンピック委員会の下部組織か?

西沢けいた委員の質疑で「オリンピック憲章が変った場合には、本条例は変更されるのか?」という旨の質問がありました。

仁田山人権部長

本条例案はオリンピック憲章にうたわれる人権尊重の理念の実現を目指すものであり、憲章の改正があった場合にただちに改正が必要とは考えておりませんけれども、憲章の改正の内容によって個別具体的に判断するということになるというふうに考えております。

これはヤバいですね。

東京都はオリンピック憲章が変ったら、それと連動して条例も変える必要が出てくる可能性があると言っています。

つまり、東京都の法体系はオリンピック委員会の下位に属すると言っているに等しいです。

オリンピックが東京で開催決定される前から、東京都総務局人権部 じんけんのとびら | 東京都の人権施策に表れているように、東京都は主体的に人権施策に取り組んできました。

にもかかわらず、なぜわざわざオリンピックにかこつけて条例制定を目指すのでしょうか?

いや、百歩譲って、条例名に「オリンピック」を冠しても、条例制定の動機にオリンピックの開催があっても良いでしょう。

しかし、条例の存立基盤をオリンピック憲章と紐づけるという状況は、あまりに異常です。(しかし、この点が将来争点となることはあまり考えられないので、実際上は問題が表面化することは無いと思われますし、そうなった場合に裁判所が違った判断をする可能性はあります)

なお、川松真一朗議員をはじめ、自民党会派の議員は国会のレベルでヘイトスピーチ規制法についての法案が提出される予定があるのに、それを待たずに都の条例レベルで先に規制内容を決めるのは拙速ではないか?という指摘もしていました。

まとめ:情報公開はどこへ?

都の職員の答弁を聞いていると、「情報が降りてきていない」印象を持ちました。

小池都政は「情報公開」を謳っていたにもかかわらず、大阪市との比較でも明らかなように、ブラックボックスが多すぎて情報公開には程遠い現状であると言わざるを得ません。

豊洲移転延期問題が終息しても、まだまだ小池都政の問題は山積です。

以上

「豊洲移転問題」を振り返る:土壌Xデー、ベンゼン100倍、浜渦氏の偽証罪告発など

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http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/

築地市場の豊洲への移転が行われ、2018年10月11日に豊洲市場が開場しました。

本来であれば2016年11月に移転されていたはずのものが「延期となっていた問題」について、どういう事態があったのか、本ブログの過去記事から簡単に紹介します。

「地下水が汚染」「ベンゼンが100倍の濃度」

 地下水の水質環境は豊洲市場に影響を与えるものではないということを示しています。

こちらは法的に、地下水が環境基準に適合することが豊洲市場への移転開始の条件ではないということを示しています。

おときた駿都議による「土壌Xデー」メモの信憑性

おときた駿都議が東京ガスが提出した書類の中から「土壌Xデー」と書かれたメモを見つけたことから、「東京ガスが土壌汚染問題が噴出する前に東京都が土地を売り払う魂胆だった」「これを当時の都の役職者が意図的に行っていたため問題だ」というストーリーを作ったことです。

最終的に、この騒動は元東京都副知事であった浜渦武生氏を虚偽答弁で告訴するまでに至りました。

浜渦武生、赤星経昭の偽証罪告訴→嫌疑不十分不起訴

元東京都副知事の浜渦武生と元都政策報道室理事の赤星経昭が、東京都の「百条委員会」の証人喚問において虚偽答弁をしたとして、東京都議会が彼らを偽証罪で告発することを決議した事案です。

ここでは百条委員会とはどういうものか、という一般的な事柄についてもまとめています。

最終的に、両氏は検察が嫌疑不十分で不起訴としました。

石原慎太郎元東京都知事の百条委員会招致

石原慎太郎元都知事を証人喚問して質疑が行われましたが、共産党の都議は印象操作に走るなど、都議会にとって時間の無駄でした。有益な質疑はまったくといっていいほどありませんでした。

やながせ裕文都議の提言と行政が採れる選択肢

小池都知事に対して、当時の都議会議員で誰も苦言を呈さなかったわけではありません。

東京維新の会で唯一当選したやながせ裕文都議は、豊洲市場への移転を早期に実現するようにと提言していました。

2017年夏の都議会議員選挙で都議会の構成が変わる前の都議による移転提言としてはこれくらいしか見当たりません。

最後に:小池百合子都知事個人の責任は

小池都知事は現在、移転延期判断が違法であり裁量の逸脱濫用だとして築地市場の業者含む都民から住民訴訟の渦中に居ます。

この裁判の結末によっては、小池都知事個人に対して500億円以上の損害賠償額が認定され、彼女個人が債務を負うことになります。

首長の行政判断が違法となり個人が賠償請求を受けたものとしては、国立市マンション訴訟の上野元市長の事例が有名ですが、延滞金を含む総額約4500万円は市民らのカンパもあり、現在は完済しています。

さて、小池都知事にはカンパしてくれる人は現れるのでしょうか?

※追記:小池都知事本人への賠償請求を都に求める住民訴訟は棄却

移転が遅延したことによる小池都知事本人への賠償請求を都に求める住民訴訟は棄却されました。

東京地方裁判所 平成31年2月26日判決 平成29(行ウ)568

以上 

「沖縄の基地負担割合は日米共用施設含めると全基地面積の〇〇%」論は悪手である

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「沖縄の基地負担は米軍専用施設だと約70%であるが、日米共用施設を含めると全基地面積の〇〇%である」

この主張は悪手です。

どう問題なのか説明します。

沖縄県の米軍基地面積の割合の計算方法

「米軍基地の面積」を論じる際には2つの種類の基地があることを認識すべきです。

  1. 米軍専用施設(米軍が管理して専属的に使用する施設)
  2. 米軍一時使用施設(自衛隊が管理して一時的に米軍と共用する場合もある施設)

1番の米軍専用施設は、日米地位協定の第2条1-aに規定されているものです。第2条4-aと併せ読むことで、米軍が管理して専属的に使用する施設だということが分かります。

2番は、日米地位協定の第2条4-bに規定されるているものです。「日米共同利用施設」と言われることもあります。

米軍専用施設の沖縄県の基地面積割合

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平成29年の沖縄県の資料では70.4%(188,222千平方メートル)

平成30年の防衛省のホームページでは70.28%(184,961千平方メートル)

となっています。

日米共用施設も含めた沖縄県の基地面積の割合 

平成29年の沖縄県の資料では日米共用施設が0.3%であり、米軍専用施設を併せて19.2%となっています。

平成30年の防衛省のホームページでは19.1%となっています。

これをもって「実は、負担は大したことがない」と言う者は、県の面積に占める割合を考えているのでしょうか?

県面積に占める基地面積の割合

沖縄県の面積は2,281平方キロメートルです。
※平方メートルで表すと2,281,000千平方メートルになります(1㎢=1000000㎡)

日本国全体の面積は平成29年時点で377,973平方キロメートルです。

よって、日本国全体の沖縄県を除く面積は平成29年時点で375,692平方キロメートルです。

次に、沖縄県のデータをベースにすると日米共用施設も含めた沖縄県の面積に対する基地面積の割合は8.3です。

沖縄県以外の日本国にある日米共用施設も含めた基地面積は792,799千平方メートルです。

よって、沖縄県以外の日本国の面積に対する基地面積の割合は0.2%です。

沖縄が比較的負担が大きいというのは、日米共用施設を勘案しても変わりません。

小括:日米共用施設を含めた大きさに意味はあるのか?

日米共用施設を持ち出したところで、沖縄県の面積ベースの基地負担が全国と比べて重いということは明らかです。

しかも、「日米共用施設も含めると〇〇%だから~」という主張に対しては、以下のような指摘が為されるのが落ちです。

そうか。じゃあ日米共用施設も減少させましょう

日米共用施設論者は、こういう議論の土壌にわざわざ上り込んでいるということが分かるでしょうか?

そもそも「基地負担」と言われているのは、米軍という外国の軍隊が駐留しているからこそ、そのような形容がなされているハズです。自衛隊基地は「負担」ですか?

それに、「基地負担」は一般的に面積が多い少ないということ以上の意味合いで使われています。それについて次項で説明します。

「基地負担軽減」は「米軍基地削減+不利益除去」

 「基地負担」は面積比を指すだけにはとどまりません。

たとえば沖縄県宜野湾市長だった佐喜眞淳氏の国会質疑では以下のような意味で「基地負担」と言っています。

189 参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 7号 平成27年06月17日

○参考人(佐喜眞淳君) ー省略ー
普天間飛行場のKC130の件でございますけれども、私は着実に負担軽減に結び付いているものだと理解をしております。ただ、結び付いているというだけでございますからゼロではない。まだまだ騒音問題、特に夜間飛行の問題とか、あるいは、この地図でお分かりのように、宜野湾市というのは国道三三〇と国道五十八号線、あるいは県道三十四号線と県道八十一号線、それが宜野湾市の移動する大動脈なんですけれども、今人口が増え、那覇は通勤圏になっておりますので、渋滞が常にあるんですね、慢性的な渋滞も起こってくる。いわゆる騒音だけとか危険性だけではなくて、町づくりに対してのやはり負担も我々として感じていると。
 ですから、できるだけそのような負担、目に見えない負担というものも含めながら、危険性の除去、基地負担軽減というものを一歩一歩前に進めていただきたいというのが私どもの素直な気持ちでございます。

また、全国知事会においても、騒音被害も含めて実質的な基地負担であり、それを軽減することを政府に求めています。

平成30年防衛白書でも、ヘリコプターの飛行経路の限定・変更による危険性除去を負担軽減と表現しています。

したがって、「基地負担軽減」とは「米軍基地面積の削減+住民の被る一切の不利益を除去すること」を意味します。

「日米共用施設を含めれば〇〇%~」論は、ともすればこのような意味での基地負担を無視した主張に繋がりかねないものです。

沖縄は戦略的要衝、基地面積が大きいのは当たり前 

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防衛白書では以下のように指摘しています。

沖縄は…戦略的に重要な目標…安全保障上極めて重要な位置にある。こうした地理的特徴を有する沖縄に…米海兵隊をはじめとする米軍が駐留していることは、日米同盟の実効性をより確かなものにし、抑止力を高めるものであり、わが国の安全のみならずアジア太平洋地域の平和と安定に大きく寄与している

 一方、沖縄県内には…多くの在日米軍施設・区域が所在しており、在日米軍施設・区域(専用施設)のうち…約70.6%が沖縄に集中し、県面積の約8%、沖縄本島の面積の約15%を占めている。このため、沖縄における負担の軽減については、前述の安全保障上の観点を踏まえつつ最大限の努力をする必要がある

沖縄県の土地の面積に対する負担が大きいことは事実です。

ただ、それは【安全保障における戦略的要衝】に位置するからです。

それは『悪いこと』なのでしょうか?

「基地面積を全国で同じようにしなければならない」などという要請はあるのでしょうか?それは正当でしょうか?

「全国の他の自治体と比べて面積が大きいから不公平だ」という議論に乗っかってはならないというのが分かるでしょうか?

そこから逃げて「いや、実は数字上は土地面積の負担が軽いんだ」なんて言ってみたところで、言い訳をして沖縄を軽視していると思われるだけではないでしょうか?

防衛白書は、「沖縄県の負担の軽減については、安全保障上の観点を踏まえつつ最大限の努力をする必要がある」と言っています。つまり、基地の面積が多くても住民が被る不利益をできる限り減らしましょうということです。

このような態度が正当でしょう。

沖縄県の防衛範囲の広大さ

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なぜ沖縄県は土地に占める米軍施設の割合が大きいのか?

それは戦略的要衝であること以上に【防衛範囲が非常に広大であること】に起因します。

東西約1000キロ、南北約400キロにもなる、広大な海域を含めた沖縄の面積は、本州、四国、九州を合わせた広さの半分にもなるのです。

沖縄県のWEBサイトにあるように、沖縄の防衛範囲はとてつもなく広いというのが分かります。

しかし、それに対して土地は少ない。

どうしても土地に対する基地の割合が高くなるというのは仕方がないというのが分かるでしょう。

これを米軍専用施設ではなく、「日米共用施設も含めた」基地面積を問題視してしまうとどうなるでしょうか?

安全保障上、危険性を増大させるということがわかるでしょう。

「日米共用施設も含めれば面積は〇〇%だ」論は、このような意味で害悪なのです。

「日米共用施設の基地面積は〇〇%」論は悪手:防衛白書の態度が正当

再掲 防衛白書

 一方、沖縄県内には…多くの在日米軍施設・区域が所在しており、在日米軍施設・区域(専用施設)のうち…約70.6%が沖縄に集中し、県面積の約8%、沖縄本島の面積の約15%を占めている。このため、沖縄における負担の軽減については、前述の安全保障上の観点を踏まえつつ最大限の努力をする必要がある

防衛白書は日米共用施設の基地面積を問題視するのではなく、「米軍専用施設」を問題視しています。

考えてみれば当然のことで、日米共用施設は自衛隊施設ですから、「我々日本国の本来の防衛基地」です。これも含めて削減するのは外国勢力の思うつぼでしょう。

米軍という、外国の軍隊が駐留しているという現状は、将来的に解消されるべきであるというのは、各所で一致した見解です。

よって、実は、米軍専用施設の基地面積の割合が高いことを問題視して、それを解消する努力をすることは、日本国が真に独立することに寄与します。

問題視することの裏にある底意が、まったく別のところにある者も居ますが、それはそのような動機が悪いのであって、米軍基地面積を削減し、住民の不利益を除去することは、全国民が一致して取り組むべき課題であるという認識を持つことが重要です。

以上

加計学園に記者会見を開くよう愛媛県議会が審議なく議決していた件について

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2018年10月7日、加計学園の加計孝太郎理事長が獣医学部認可申請にあたって渡辺常務が愛媛県に誤解を招く表現(安倍総理が積極的に推し進めていると誤認させる表現を用いたこと)をしたことについて、改めて記者会見をしました。
加計理事長「学園幹部の勇み足」 記者会見一問一答(1/2ページ) - 産経WEST

この会見がなぜ行われたのか、その要素の一つであるのは愛媛県議会の決議であるということですが、少し不可解な状況があったので確認していきます。

愛媛県議会平成30年 第357回定例会第6号 7月11日

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【愛媛県議会平成30年 第357回定例会(6月定例会)(第6号 7月11日)】

こちらで「加計学園に記者会見をするよう要請する」決議案(4号議案)が可決されました。

愛媛県庁/学校法人加計学園のコンプライアンスとガバナンスの確立等を求める決議魚拓:http://archive.is/RJNsX

愛媛県庁/提出議案【議員提出の部】魚拓:

議案が求めたのは以下の点です。

1 対外的な説明責任をしっかりと果たし、学園のコンプライアンスとガバナンスを確立すること。
2 学生や教職員が地域との交流を積極的に進め、地域の活性化に貢献すること。
 以上、決議する。

なぜ加計学園はこのタイミングで記者会見をしたのか

加計学園は6月にも記者会見をしていますが、今回記者会見をしたのはこの決議の影響があったと言われています。

ただし、加計学園側は「6月の記者会見時にも必要であれば再度の記者会見をする可能性はある」と言っていました。

今回、10月に会見が開かれたのは、西日本豪雨や台風被害に関する情報が落ち着いたタイミングであるということを明言しています。

メディアからは「遅すぎる」「時間が経っており誠意がない」

などといわれていますが、加計学園が6月に記者会見を開いたときに何と言っていたでしょうか?

「W杯の日に会見をするなんて!」「大阪地震の翌日に会見をするなんて!」

こういう論調だったんですよ。たった4ヶ月前の話ですよ。

愛媛県議会が議案を可決したのは7月11日ですが、その頃といえば西日本豪雨で関西が第二の打撃を受けていた時期ですよ。その頃の記事

世耕大臣vsエアコンデマおばさん(バスタブデマおばさん):自衛隊の仮設風呂設置について - 事実を整える

世耕大臣vsエアコンデマおばさん:安倍首相の被災地視察と学校クーラー設置の関係 - 事実を整える

山本太郎参議院議員がIR法案採決で委員長に暴行:公務執行妨害罪等の成否 - 事実を整える

7月中に記者会見が開かれていたら、「西日本豪雨で被害が終息していないのに!」「国会会期最終日が近くて法案の議決に注目が集まっているときに!」って言われていたでしょうね。

8月中だったら「お盆で休んでいるときに!」

9月中だったら「台風21号、北海道地震の被害が収束していないのに!」

マスメディアは絶対にこんなことを言っていたでしょう。

愛媛県議会は審議無く全会一致で可決

7月11日に行われた議会では、まったく審議をせずに「学校法人加計学園のコンプライアンスとガバナンスの確立等を求める決議(議案4号)」を可決しています。

関連する議事録の部分は以下です。

次に、議発第1号議案平成30年7月豪雨による災害に関する意見書ないし議発第4号議案を一括議題とし、以上の議案をいずれも原案のとおり可決決定することに賛成の議員は、起立を願います。
  〔賛成者起立〕
○(鈴木俊広議長) 全員起立。着席を願います。
 全員起立と認めます。
 よって以上の議案は、いずれも原案のとおり可決決定いたしました。

はい。これだけです。

全会一致です。

誰一人として、あの怪文書に過ぎない「愛媛県文書」の信憑性をチェックしていないということになります。

この文書は行政文書でも公文書でもありません。

しかも、【誰が作成したのかもわからない】というもので、私文書としても内容の真実性に疑義があります。

さらに、内容が真実であったとしても、それは『加計氏は安倍総理に獣医学部新設計画を説明し、安倍総理が「いいね」と返事をしただけであり、「安倍総理が不正に関与した証拠」ではない』、そんな程度の代物に過ぎません。

これは愛媛県議会議員の怠慢なのか、政治的な判断なのでしょうか。

愛媛県は加計学園への補助金をどうしようとしているか

平成30年 第357回定例会(第3号 6月29日)で言及されています。

○(西本牧史企画振興部長) 獣医学部新設に関する御質問のうち、今治市に対する助成についてお答えをいたします。
 首相との面談が虚偽であったとする加計学園からの報告につきましては、県に誤った情報を与えるという重大な問題であると受けとめておりますが、国家戦略特区の認定については、民間有識者が参画する会議で審議された後、実施主体が公募で選ばれるなど、法律や制度にのっとり手続が進められるとともに、獣医学部の設置については、文部科学大臣の諮問機関である大学設置・学校法人審議会による厳正な審査を経て認可されたものであります。
 また、先日改めて県が文部科学省へ確認したところ、今回の虚偽報告は学部の認可の判断に影響しないとの回答を受けているところでございます。
 県から今治市へ交付した約14億円の補助金については、国が認可に影響はないとしていることに加えまして、整備事業費を厳正に精査し、補助対象経費を絞り込んだほか、補助目的である校舎建設や備品購入など大学開設に必要となる施設、設備等が順次整備され、事業自体が適正に実施されていることを十分確認して支出しておりまして、県としては、助成は妥当であったと判断をしております。

これが県としての回答です。

実は、中村知事の発言を良く聞くと、加計学園に対しては「説得力のある説明を求める」以上のものは言及していないように見えます。

では、中村知事の加計学園に対するスタンスはどう受け止めればいいのでしょうか?

愛媛県知事選挙が11月に控えている

愛媛県知事の任期は平成30年11月30日まで、つまり選挙を控えているんですよね。

選挙までに「左側」からの攻撃を受けたくない中村知事としては、加計学園を「攻撃」しておく必要があるんだろうと推測します。

以上

東トルキスタン:世界が認めたウイグル民族らの中国共産党による強制収容・虐殺

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東トルキスタンの民族(日本で認識されている代表的な民族がウイグル人)が支那共産党政府によって強制収容・虐殺・洗脳・民族浄化されている事実について、ホワイトハウスに10万人の署名が集まり有効に提出されました。

日本では「ウイグル人問題」として認識が広まっていますが、ここで改めてどういう問題なのか、世界はどのように認識しているのかを整理します。

国連がウイグル民族の強制収容を非難

魚拓:http://archive.is/MgPu0

中国政府が新疆ウイグル自治区でウイグル人を約100万人、テロ取り締まりを「口実」に拘束していると、国連は懸念を強めている。

国連人種差別撤廃委員会は8月末、最大100万人のウイグル人住民が刑事手続きのないまま、「再教育」を目的とした強制収容所に入れられているという指摘を報告した。

2018年の8月末ですね。

産経新聞も報じています。「中国、ウイグル族100万人を強制収容」国連会合で米人権活動家ら指摘 - 産経ニュース

この報告の元となった報告書はまだ見つけていませんが【日本ウイグル協会】に本件に関するレポートが公開されています。

日本ウイグル協会:中国のウイグル人への弾圧状況についてレポート

東トルキスタン:ウイグル虐殺強制収容


レポートのPDFはこちらからもダウンロードできます。

レポートの内容は支那共産党の行為に関する以下のような内容です。

  1. 強制収容所運用の実態(拷問、洗脳、疫病蔓延、人体実験)
  2. ウイグル人の臓器空輸、DNA情報の詐取
    ※臓器空輸の点は疑義が示されているが果たして
  3. ウイグル人の監視(監視カメラ、GPS設置、政治的信頼度点数表)
  4. ウイグル言語の破壊(ウイグル語教育全面禁止、中国語教育の強制)
  5. ウイグル文化・宗教の破壊(民族衣装の切り裂き、民族教育の否定、支那人との強制結婚)

とにかく詳細に凄まじい内容が書かれています。

欧州議会でも中国のウイグル人らの大量強制収容が言及

魚拓:https://web.archive.org/web/20181010003400/https://eeas.europa.eu/headquarters/headquarters-homepage_en/51670/Speech%20on%20behalf%20of%20the%20High%20Representative/Vice-President%20Federica%20Mogherini%20at%20the%20European%20Parliament%20urgency%20debate%20on%20%22Mass%20arbitrary%20detention%20of%20Uyghurs%20and%20Kazakhs%20in%20the%20Xinjiang%20Uyghur%20Autonomous%20Region%22

演説動画:EC Audiovisual Service - Video

本件を世界ウイグル会議のアカウントが引用しています。

非難している内容は限定的ですが、概要は以下のようなものです。

「チャイナはウイグル人や他の少数民族を政治的「再教育キャンプ」と称して大量に拘禁している」

こちらはニュースにもなっています。

欧州議会、ウイグル人とカザフ人に対する大規模拘束を批判する緊急決議案を可決|ニフティニュース

魚拓:http://archive.is/zDUYW

同時期にペンス副大統領もハドソン研究所でのスピーチで言及しています。

ペンス副大統領による中国共産党のウイグル人強制収容

上記は支那共産党政府による工作に関する部分についてだけ雑駁な和訳をしています。

元記事:Events - Vice President Mike Pence's Remarks on the Administration's Policy Towards China - October - 2018 - Hudson Institute魚拓:http://archive.is/CW0qx

トゥールムハメット氏のウイグルに関する状況説明

2018年9月14日のDHCテレビ虎ノ門ニュースにおいて、トゥールムハメット氏が登場してウイグルの状況を語っています。

東トルキスタンに関するホワイトハウスへの署名

f:id:Nathannate:20181009104142j:plain

https://petitions.whitehouse.gov/petition/condemn-chinas-concentration-camps-and-prevent-21st-century-holocaust-east-turkistan-0

署名ページ魚拓:http://archive.is/jZJ98

 署名の英文和訳は以下です。

市民権および政治的権利に関する国際規約に基づき保証されている東トルキスタン(いわゆる「新疆」[新界])のウイグル、カザフ、キルギス、ウズベク、タタールの民族の権利が侵害されています。国連人種差別撤廃委員会は、支那(中国)が反テロリズムや政治再教育のためと称する強制収容所に300万人以上の人々を不当に拘留しているという証拠があることを確認しました。

我々はあなたがたがそのような抑圧を非難し、グローバルマグニツキー法の定めるところにより貿易上の制裁措置を発動し、DNAシークエンスや監視技術、残虐行為を犯すために使用される兵器その他の武器の輸出を禁止するよう要請します。また、東トルキスタンが他国に占領された地であるという認識のもと、国連に対して圧力をかけ、ジェノサイド条約の適用があることを確認することを要請します。

国連・EU・ペンス副大統領も強制収容所が存在していることは指摘しています。

これをアメリカ議会でも事実認定すれば、条約によって中国に対して更に規制をかけることが可能になるということです。

まとめ:現代の「大量虐殺」

ジャパニズム36に、ラビア・カーディル世界ウイグル会議総裁との会話を寄稿! : 仙台にパンダはいらない!:仙台にパンダはいらない仙台市民と宮城県民の会

日本ウイグル協会がまとめたレポートに記載されている内容の全てが公的機関で事実として扱われているかは未だ未確定です。

しかし、少なくとも100万人の強制収容の事実については世界中で認定されており、失踪者が大多数居ると言うことは相当数の者が死亡していると言え、これは虐殺と言ってもよいでしょう。

しかし、このような事実は本来、大々的に報道されるべき内容であるにもかかわらず、断片的な情報のみ報道されるだけです。「人権派」弁護士らも口を閉ざしています。

 

以上