事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

安倍首相のNHKでのサンゴ移植発言:琉球新報の印象操作とフェイク

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琉球新報が安倍総理の「サンゴ移植発言」に疑義を呈する記事を1月8日に報道しました。その上で、1月9日の社説において「フェイク」と断定しました。

結論から言えば、琉球新報の記事は印象操作であり、社説はフェイクでした。

JCASTニュースが既に検証取材をしていたので、私も取材しました。

安倍首相のサンゴ移植発言は事実か

全文表示 | 「辺野古のサンゴ」は本当に移植されたのか 安倍首相発言の真偽、地元に聞いた : J-CASTニュース魚拓はこちら

沖縄防衛局の広報担当者は7日、安倍首相がウソを言っているというのは誤解があり、埋め立てしている辺野古地区については、発言の内容に間違いはないと取材に説明した。

J-CASTニュースが既に沖縄防衛局の認識を確認していました。

では、なぜ琉球新報とは認識が異なっているのでしょうか?

安倍首相のNHKでの発言

安倍総理の発言は、1月6日放送のNHK「日曜討論」でのものでした。

辺野古移設に関する安倍首相発言全文 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース魚拓はこちら

土砂を投入していくに当たって、あそこのサンゴについては移している。また絶滅危惧種が砂浜に存在していたが、これは砂をさらってしっかりと別の浜に移していくという環境の負担を抑える努力もしながら行っている。もちろん沖縄の皆さんの気持ちに寄り添っていくことも大切ですし、理解を得るようさらに努力をしていきたい。

安倍総理は「全部を移している」などとは断言していません。

「努力もしながら行っている」との発言からは現在進行形を滲ませていると言えます。

そして、重要なのが安倍総理は『どこのサンゴについて語っているか?』です。

「埋立予定地」と現在埋立をしている辺野古地区の違い

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https://www.pref.okinawa.jp/site/chijiko/kichitai/tyosa/documents/p29.pdf

全文表示 | 「辺野古のサンゴ」は本当に移植されたのか 安倍首相発言の真偽、地元に聞いた : J-CASTニュース魚拓はこちら

沖縄県の水産課は1月7日、J-CASTニュースの取材に対し、絶滅危惧種になっているオキナワハマサンゴについては移植の事実はあると答えた。

その説明によると、国の沖縄防衛局が埋め立て予定地で9群体を確認しており、県が2018年7月13日に特別採捕許可を出し、7月末ごろに近隣の同様な環境にある海に移植された。許可の条件とされた週2回のモニタリング調査も行われており、最新となる12月25日の調査では、9群体とも生息しているとする写真などでの報告が県にあった。

埋め立て予定地には、ほかに大小のサンゴ約7万4000群体があると防衛局の調査が出ているが、これらはすべて、現在埋め立てしている辺野古地区ではなく、岬の反対側の大浦湾地区にあるという。

このうち約4万群体について、県は9月3日、埋め立て承認の撤回で必要性がなくなったと国の申請を不許可にしている。これに対し、防衛局が12月6日に再申請して、19年1月7日現在も審査中だ。

その意味では、埋め立て予定地のすべてでサンゴの移植が終わったわけではない。

埋め立て予定地】には『辺野古地区』『大浦湾地区』などがあります。

上図の左側が辺野古地区です。

安倍総理が言及したのは【埋め立て予定地全体】についてです。

ここに、からくりがあったのです。

「辺野古地区2-1のサンゴは移植していない」というのは事実です。

それは【元々移植対象となるサンゴが存在していないから】です。

したがって、安倍総理の発言とは矛盾しないということです。

琉球新報は辺野古埋立区域2-1になぜか限定

辺野古埋め立て 首相が「あそこのサンゴは移植」と発言したが…実際は土砂投入海域の移植はゼロ - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース魚拓はこちら

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に伴う埋め立てに関し、安倍晋三首相は6日に放送されたNHKのテレビ番組「日曜討論」で事実を誤認して発言した。安倍首相は「土砂投入に当たって、あそこのサンゴは移植している」と述べたが、現在土砂が投入されている辺野古側の海域「埋め立て区域2―1」からサンゴは移植していない。

 埋め立て海域全体では約7万4千群体の移植が必要だが、7日までに移植が終わっているのは別海域のオキナワハマサンゴ9群体のみにとどまっている。

 沖縄防衛局は、土砂投入の海域付近にあった準絶滅危惧のヒメサンゴ1群体を当初移植する方針だった。県から移植に必要な特別採捕許可が得られなかったことから、特別な装置を用いてサンゴを囲み、移植を回避するよう工法を変更した経緯がある。

 首相の発言について玉城デニー知事は7日、ツイッターに「安倍総理…。それは誰からのレクチャーでしょうか。現実はそうなっておりません。だから私たちは問題を提起しているのです」と投稿した。

 サンゴの生態に詳しい東京経済大学の大久保奈弥准教授は「発言は事実と異なる。サンゴを移植しても生き残るのはわずかで、そもそも環境保全策にはならない」と指摘した。

 沖縄防衛局は、サンゴの移植は1メートル以上の大きさを対象とし、1メートルより小さいサンゴは移植していない。

 これまでに移植したオキナワハマサンゴ9群体はいずれも「埋め立て区域2―1」ではない場所に位置していた。

琉球新報の記事では「埋め立て区域2-1」の話であると曲解しています。

ただ、この記事の中に嘘は含まれていません。

しかし、事実を用いながらも「安倍総理が事実と異なる発言をした」と印象操作をしているということは明らかでしょう。

大久保教授の発言は移植の事実ではなく、どうも別の内容の質問に対するもののように感じます。大久保教授に対してどのような質問がなされたのか?は不明です。

<社説>首相サンゴ移植発言 フェイク発信許されない - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース魚拓はこちら

NHK解説副委員長の質問に対して首相は、土砂を投入している区域のサンゴは移植しており、砂浜に生息する絶滅危惧種を砂ごと移す努力もしていると述べた。これらは事実ではない。

社説では安倍総理の発言を勝手に「土砂を投入している区域」に限定しています。

その上で「事実ではない」と断定しています。

これこそフェイクでしょう。

沖縄県水産課に取材した結果

私自身も沖縄県水産課に取材しました。

  1. 移植対象となるサンゴは、0.2ha以上密集しているものについては10センチ以上のものを対象とする
  2. 密集していなくとも1メートル以上のものは移植対象とする
  3. 上記に当たらなくとも絶滅危惧種のオキナワハマサンゴは9群体移植した

なお、オキナワハマサンゴ9群体のうち、1群体は辺野古地区に存在していたが、それは現在周囲を囲って埋め立てをしている場所の外側に在ったものであるとのことでした。

辺野古2-1の地区は沖縄防衛局が調査した結果、移植対象となるサンゴは存在していなかったと判断されたようです。

NHKの放送では土砂を投入している映像に触れて安倍総理が「あそこのサンゴ」と言っていますが、元々移設対象となるサンゴが存在していない以上、「あそこのサンゴ」は埋め立て区域全体を指していると考えるのが筋でしょう。

工事の規模も現在進行形の区域は予定している場所の極々一部であって、総理大臣がいちいち具体的な区域を指定していると考えるのは異常です。

まとめ:安倍総理のサンゴ移植発言は正しい

  1. 辺野古埋め立て予定地全体の話で言えば、サンゴ移植の事実はあった
  2. 現在進行中の埋め立ては「辺野古2-1」で、琉球新報はそこに限定して言及している
  3. 辺野古2-1には移設対象となるサンゴは存在していない
  4. そのため、辺野古2-1においては「サンゴは移設していない」は当たり前
  5. したがって、安倍総理の発言は事実と異ならない
  6. 琉球新報の1月8日の記事は事実を報じているが、印象操作
  7. 琉球新報の1月9日の社説は安倍総理の発言を「フェイク」と断定しているので、そちらがフェイクである。

騙されないようにしましょう。

以上

韓国のムンジェイン大統領は【大法院による三権分立違反】を正すべき

ムンジェインの国際法違反

韓国のムンジェイン(文在寅)大統領が2019年1月10日の記者会見において、朝鮮人戦時労働者問題の韓国大法院判決に基づく日本企業資産の差押えについて「三権分立だから政府は口出しできない」と言い放ちました。

これは二重に間違っています。

三権分立を尊重するなら司法による行政判断への介入をムンジェイン大統領は正すべきです。 

三権分立の前に国際法=条約を守れ

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文在寅氏「日本が政治争点化」と批判、徴用工判決で - 産経ニュース

文氏は根本的な原因は「韓国政府がつくったものではなく、不幸な歴史のためにつくられた問題だ」との認識を示した。「三権分立の下、政府が司法府の判決を尊重しなければならないのは日本も同じだ」と主張。不満があっても日韓がどう解決するか知恵を集めるべきだと強調する一方、「問題を政治的攻防の材料にし、未来志向的関係まで壊そうとするのは望ましくない」と重ねて日本側の対応を批判した。

三権分立は国内統治の手法に過ぎないので、外国に対する言い訳には使えません。

優劣の問題と捉えることもできますが、本質的には「適用場面ではない」という理解が正確です。

それ以前に、韓国は条約法に関するウィーン条約(Vienna Convention on the Law of Treaties)に反しています。

PART III OBSERVANCE, APPLICATION AND INTERPRETATION OF TREATIES SECTION 1: OBSERVANCE OF TREATIES

Article 26 Pacta aunt servanda
Every treaty in force is binding upon the parties to it and must be
per formed by them in good faith.

第三部 条約の遵守、適用及び解釈
   第一節 条約の遵守
第二十六条(「合意は守られなければならない」) 効力を有するすべての条約は、当事国を拘束し、当事国は、これらの条約を誠実に履行しなければならない。

日韓請求権協定では韓国政府・韓国国民が日本側に対して請求をして救済を受けることが放棄されました。韓国人の救済は、韓国政府が行うこととなっていました。

この合意は守らなければなりません。

この当たり前のことを韓国は履行していないことになります。

条約法条約の第二条1項には、『この条約の適用上、 (a)「条約」とは、国の間において文書の形式により締結され、国際法によつて規律される国際的な合意(単一の文書によるものであるか関連する二以上の文書によるものであるかを問わず、また、名称のいかんを問わない。)をいう。』とあるように、「協定」という用語が使われているからといって日韓請求権協定が「条約ではない」などとは解されない。

条約=日韓請求権協定>>韓国大法院判決

Article 27 Internal law and observance of treaties
A party may not invoke the provisions of its internal law as justification
for its failure to perform a treaty.This rule is without prejudice to article 46.

第二十七条(国内法と条約の遵守) 当事国は、条約の不履行を正当化する根拠として自国の国内法を援用することができない。この規則は、第四十六条の規定の適用を妨げるものではない。

ムンジェインは「大法院の判決があるからそれを尊重しないといけない」としていますが、それは国内法を条約不履行の理由としており、条約法に関するウィーン条約27条に反しています。

条約は国内法に優先するという、全世界各国が当たり前に承認している事柄を無視していることになります。

なお、46条但書には例外となる場合がありますが、今回の事案では絶対に当てはまりません。

司法が行政判断に介入している

韓国の大法院判決は【司法が行政に介入している】事案です。

行政が司法に介入ではありません、逆です。
そうであるかは今のところ不明ですから、形式的な判断としてはそうなるのです。

日韓請求権協定という条約を韓国の行政府が日本政府と合意したものを、司法判断が覆しているのですから。

したがって、三権分立が大法院という司法によって侵されているのです。

行政判断の領域を犯された行政府=大統領府は、それを是正しなければなりません。

三権分立を尊重すべきことを掲げるのであれば、行政府側の大統領が大法院の判決を「三権分立の侵害である」として正すべきなのです。

とはいえ、裁判所の判断をやり直させる、などはできませんから、司法判断を実質的に無効化する何らかの法律・政令・省令を発付するという手段が考えられます。

たとえば、「日本企業が大法院判決によって負った義務を韓国政府が債務引受する」という法律を施行すればよい。

行政(大統領府)が司法に介入?

韓国の大法院長官の任命をムンジェイン大統領が恣意的に行っているという指摘があります。

現在の大法院長官は大法院判事の経験がないまま長官になるという異例の人事でした。

しかも、大法院の元幹部が徴用工判決を先送りし、それが違法だとして逮捕されるなど、政治による介入が疑われる事案が発生しています。

これらのことがあるから「今回の大法院の判決はムンジェインが介入して出させたものでは?」と言われることがあります。

ただ、これらが行政による司法への介入であると断定するだけの材料は今のところありませんから、表向きは「司法による行政への介入」であると扱うべきだろうと思います。

まとめ:三権分立を尊重するのであれば大法院による介入を正せ、それが法の支配である

一国の国内の統治体制の構造に過ぎない「三権分立」よりも、「合意は守りましょう」という当たり前すぎる国際法を守らなければいけないのは明らかです。

国際的な法の支配を守るのか、それとも韓国という一国内でしか通用しない三権分立(=二国間合意をした行政判断に司法判断が反すること)に拘泥するのか。

日韓請求権協定に基づく協議を通して見届けましょう。

以上

韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領:三権分立をはき違え

 

三権分立の概念と意味とは

文在寅氏「日本が政治争点化」と批判、徴用工判決で - 産経ニュース

ムンジェイン(文在寅)大統領が朝鮮人戦時労働者問題の韓国大法院判決に基づく日本企業資産の差押えについて「三権分立だから政府は口出しできない」と言い放ちました。

これはトンデモ論なのですが、三権分立をちゃんと理解してないと分かりません。

三権分立は【その国の内部での話】であるということに気づきましょう。

三権分立の意味とは

三権分立とは「その国の内部において」、国の機能を司法・立法・行政の3つに分けてそれぞれが一つの国の機能を分担するという、国家統治の手法の一つです。

決して1つの国の主権を分裂させることではありません。

国が権力を分散させないと、国家権力が強大になり、制御しきれずに国民の権利利益を侵害することになってしまいます。また、権力の腐敗を止める仕組みが脆弱になります。

そのため、権力を3つに分散させ、お互いのチェック機能を働かせることで権力の暴走を予め防ごうとするシステムです。

国家vs国家の外部との関係では、三権分立であるかどうかは関係ありません。

その国の内部の統治機構をどう構成するかの話ですからね。

外国は相手国が三権分立していようがしていまいが、その権力の暴走によって被害を受けるわけではありません。相手国が暴走してようがしていまいが、常に被害を受ける可能性はあるわけですが、自国自身の手によってそれを防止するために軍事力等を組織することができるからです。

我が日本国は韓国の三権分立は無関係

したがって、韓国大法院の徴用工判決は、日本から見た場合には「三権分立を尊重」などする必要はまったくありません。

日本からすれば、「これまでの韓国政府の立場と異なるが、韓国の交渉窓口はどっちだ?意見をまとめておけよ!」という見方になります。

モンテスキューもびっくりの文在寅(ムンジェイン)

文在寅氏「日本が政治争点化」と批判、徴用工判決で - 産経ニュース

文氏は根本的な原因は「韓国政府がつくったものではなく、不幸な歴史のためにつくられた問題だ」との認識を示した。「三権分立の下、政府が司法府の判決を尊重しなければならないのは日本も同じだ」と主張。不満があっても日韓がどう解決するか知恵を集めるべきだと強調する一方、「問題を政治的攻防の材料にし、未来志向的関係まで壊そうとするのは望ましくない」と重ねて日本側の対応を批判した。

あのう…日本の裁判所では朝鮮人戦時労働者(いわゆる元徴用工)に対して司法上の救済は受けられないという判決が出てるんですが。 

どうして日本国が韓国の裁判所の司法判断に服さなければならないのでしょうか?

三権分立どころか、裁判所の管轄権の話からして文在寅の主張は破たんしています。
モンテスキューもびっくりの三権分立の理解ですね。

文在寅は弁護士資格を持っているようですが、本物でしょうか?と疑いたくなってしまいます。

それから朝鮮人戦時労働者に補償するのは韓国政府だと言ったのは韓国自身なので、ボールは韓国側にあります。擦り付けはご勘弁願いたいです。

そもそも「合意は守りましょう」という条約法に関するウィーン条約26条に違反してますし、条約の不履行の理由を国内法のせいにできない(上記条約27条)ことも書いてますから、国際法違反です。
46条但書にも該当し得ません。

三権分立だろうが日韓請求権協定違反は許されない

司法判断が出たからといって、韓国の行政側が何もできないということはありません。

たとえば『徴用工訴訟の大法院判決によって債務を負った日本企業の義務は韓国政府が債務引受けする』効果をもたらす法律を議決して成立させることがあり得ます。

まぁ、政治的なハードルはかなり高いでしょうが、日本側としては関係ありません。

日韓請求権協定を遵守しなければ、「司法」が国際司法裁判所に移るだけです。

協定に基づく協議と仲裁、そして国際司法裁判所

  1. 外交ルートの協議
  2. 仲裁委員の選定・第三国の仲裁委員を締約国が合意選定or第三国の政府が指名
  3. 仲裁判断
  4. 国際司法裁判所での審理

日韓請求権協定上は、以上のような手続を踏んで、はじめて国際司法裁判所(ICJ)が出てきます。

ムンジェイン大統領は「司法を重視する」と言うのであれば、仲裁委員会や国際司法裁判所の判断を仰いだら良いのでは?

詳しくは以下参照。

西松建設の判決を持ち出して徴用工に救済をというデマ

蛇足ですが

 「西松建設の徴用工訴訟で最高裁が任意の救済を促したから韓国に対してもそうしろ」

このような主張がありますが、これは成り立ちません。

事案の異なるものを一緒くたにして混ぜてしまおうという誤魔化しに過ぎません。

西松建設特有の特殊事情と、中国人に対するものであるという点が無視されています。

詳しくは以下参照。

まとめ:基本的にどうしようもない韓国の大統領

ムンジェイン大統領は完全に三権分立をはき違えています。

政治的にもおかしな話ですし、法曹資格者がこういう話をすることに韓国の有資格者は怒り心頭でしょう。

国家レベルで未来志向の関係を構築するためには、相手国がこういう大統領ではダメだろうと思います。

以上

韓国レーダー照射論破集2:北朝鮮船と韓国艦船は何やってたの?

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韓国によるレーダー照射事件についての論破集です。

まじめに相手をしてはいけません。第三者に働きかけましょう。

韓国の言いがかりに対して反応するだけではなく、こちらからの仕掛けについて書いていきます。

北朝鮮遭難船に対して韓国艦船が2隻:何をやってたの?

日本が外部に対して主張するべきはこれですね。何してたのか?

当然韓国は「遭難船に対する人道的な救助活動」と言うでしょう。

それに対しては

  • SOS無しでどうやって遭難船に気付いたのか?
  • なんで大型艦艇2隻も居たのか?
  • なぜ日本側に急難要請をしなかったのか?

こうした疑問を韓国相手に言うことは当然「外向け」にも発信したら良いのでは?

実際、海上保安庁は北朝鮮遭難船(と目される)船からSOS信号を受けてないようです。

自民党の会合での「国連安全保障理事会に諮るべき」の意見に、韓国国防省は困惑|グローバルニュースアジア -Global News Asia-魚拓はこちら

いわゆる瀬取り説はありえないと思われるが

私は「いわゆる瀬取り説」はありえないと思っています。

陸続きの南北が、わざわざ日本の能登半島沖の領海に近いEEZで石油の受け渡しをする合理性は無いですからね。

小さいオンボロな漁船で給油したとして、北朝鮮に安全に帰れる保証もないです。

それに、韓国の大型艦艇2隻を使ってまでやるのは、割に合わないでしょう。

もっとも、読売新聞はNBCを引用して瀬取りがありうるかのような態度ですが…

北の「瀬取り」巧妙手法、制裁監視網かいくぐる : 北朝鮮 : 読売詳報_緊急特集グループ : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

NBCニュースによると、米軍は今年9月以降、日本などと連携し、艦艇や航空機による瀬取りの監視を強化してきた。これに対し北朝鮮は、朝鮮半島から遠く離れた海域や、他国の領海内での密輸取引を行うことで監視を逃れているという。発見されにくい小型船舶の利用も増やしているとされる。

このニュースは「他国の領海内」というのがどこかを指してません。

韓国の領海や、中国の海域、ロシア海域だとしたらあり得る話ですよね?

「小型船舶」というのは、もっと高度な乗り物でしょう。 

こうした「いわゆる瀬取り説」はありえないという立場であっても、韓国艦艇2隻がなぜ日本近海に居たのか?北朝鮮船舶の救助について説明しろ、と言うことは、何らおかしなものではありません。

なお、坂東さんのように「いわゆる瀬取り」でも救助活動でもなかった可能性を主張している方も居ます。 

相手を論破せず、第三者に訴えろ

メンタリストダイゴ氏の分析はバカにしてはいけません。

  • 政治に関心がある人間は少なく、一般人は直ぐに忘れる
  • 100%悪い奴はそのままだと良くて0だが反論すると+になる可能性がある
  • 興味が無い第三者が騒動の当事者を見ると「どっちもどっち」になりやすい
  • よって、問題が長期化するほど悪いやつが有利
  • 相手を論破するのではなく、その周囲を味方につけろ

「相手ではなくその周囲に働きかける」という視点が重要です。

この視点が日本に欠如している旨の指摘をしているのはダイゴ氏だけではありません。

ツイッターでも、デマを拡散する者に対してエビデンスを示しても更生しませんよね。

それと同じで、争っている相手であって、聞く耳を持たない者に直接対峙するのは正しい方が損をします。

相手に直接働きかけるのではなく、第三者に響くように発信するべきですね。

まとめ:「論破」するな。

論破集を作っておきながら結論は「論破するな」です(笑)

ここで、第三国の人に働きかける者が居ると思います。

ただ、外国語が不得手な日本人が喚いているように見えるのは逆効果です。

日本人は1対1を重視しすぎます。

「第三者に訴えて自分が有利になる」

この視点がなくて日本は戦前に苦労しました。いや、今も苦労しています。

似たような話は日本国紀にもあります。歴史の教訓から学ばないといけませんね。 

以上

朝鮮人戦時労働者(徴用工)差押え後の協議要請は請求権協定通り

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政府、徴用工訴訟差し押さえ決定で韓国に協議要請 - 産経ニュース

政府は新日鉄住金への差押え通知が確認され次第、日韓請求権協定に基づく初の協議を韓国政府に要請する方針のようです。

この件で「韓国と協議なんて無駄だからやめろ」という声があるのですが…

それは法治国家としてのあるべき態度に反します。

なぜなら、協議するべきということが日韓請求権協定に規定されているんですよね。

財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定

日韓請求権協定全文

日韓請求権協定(財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定)該当部分はこちら

第三条

1 この協定の解釈及び実施に関する両締約国間の紛争は、まず、外交上の経路を通じて解決するものとする。

このように、日韓請求権協定に「紛争が起きたら協議する」と決められています。

なので、「韓国と協議なんてするな!」という勇ましい主張は協定違反です

同様の事は高橋洋一氏も指摘しています。

日韓請求権協定に基づく協議の手続

日韓請求権協定では最初に外交ルートでの協議が前提です。

それが破綻した場合、締約国は1名ずつ仲裁委員を選定するべきことになっています。

そして、最終的に第三国の仲裁委員が決定され、仲裁委員会が構成されます。

  1. 外交ルートの協議
    ⇒破綻なら2へ
  2. 仲裁委員の選定
    ⇒紛争仲裁要請の公文受領から30日以内
  3. 第三国の仲裁委員を締約国が合意選定or第三国の政府が指名
    ⇒上記の後の30日以内
  4. 仲裁判断:両政府は仲裁判断に服することに
    ⇒服さなかった場合には5へ
  5. 国際司法裁判所での審理
    ⇒相手国の同意が必要

以上のような手続を踏んで、はじめて国際司法裁判所(ICJ)が出てきます。

国際司法裁判所で審理が行われるためには2パターンあります。

  1. 相手国の同意を得た上でICJに付託する
  2. 一方の国が単独提訴した上で相手国の同意を得る

このように「法的な手続」はきちんと踏まないと法治国家ではありません。

韓国は選択条項受託宣言をしていない

国際司法裁判規程 第三十六条

1 裁判所の管轄は、当事者が裁判所に付託するすべての事件及び国際連合憲章又は現行諸条約に特に規定するすべての事項に及ぶ。
2 この規程の当事国である国は、次の事項に関するすべての法律的紛争についての裁判所の管轄を同一の義務を受諾する他の国に対する関係において当然に且つ特別の合意なしに義務的であると認めることを、いつでも宣言することができる。
ー以下省略ー

日本は国際司法裁判規定36条2項に規定されている選択条項受託宣言をしています。

そうすると、受託宣言国同士の紛争の場合には、同意無しで提訴が可能です。

しかし、韓国はこの条項を受託していません。

よって、先述の通り同意が必要になるということです。

韓国側の行動の予想

外交ルートの協議は破たんするでしょう。

仲裁委員の選定も、韓国は先延ばしして決めないでしょう。

第三国の仲裁委員の選定合意や、第三国が仲裁委員を決めるにしてもその第三国をどこにするかは両者の「合意による」こととなっています。

韓国は中国を、日本はアメリカを主張するのではないでしょうか?

そう考えると、とても合意できるとは思えません。

アメリカが第三国になれば韓国側にとって分が悪いですから、何時まで経っても第三国の仲裁委員が決まらず、仲裁委員会が開催される可能性は低いんじゃないでしょうか?

そして、国際司法裁判所への提訴も、韓国側が同意するとは思えません。

すべて、先送りにしそうな気がします。

ただ、日本が単独提訴した場合、韓国側は応訴に同意しないことについての合理的な理由をICJに説明する義務が発生します。

この段階で、韓国の異常性が国際司法上も明らかになる。

大きな流れとしては、このようなイメージを政府は持っているはずです。

そして、上記の手続を踏んでいる間に日本が韓国に対して何らかの制裁を決してしないという訳ではありません。制裁を課すことと日韓請求権協定に基づく協議は同時進行で行っても協定に反しません

まとめ:いわゆる徴用工訴訟における韓国側の異常性

  1. 日韓請求権協定の解釈論ではなく両国が「最終的に解決した」という認識があったという事実が重要
  2. 個人請求権は残っているが、裁判上救済されない権利であるという立場は、日本政府は一貫している。立場が変遷しているという主張はデマ
  3. 韓国&日本の一部弁護士連中は「企業の任意の補償」を促しているが、それを行う道理は無い

日韓請求権協定についての理解は上記がすべてです。

参考記事として以下を挙げておきます。

以上

早野龍五名誉教授:被ばく線量3分の1過小評価論文は訂正後で年間1mSV以下

 

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東京大学名誉教授の早野龍五氏が伊達市民の外部被ばく線量に関する論文について。

70年間の生涯被ばく線量】が誤って3分の1になっていたため訂正しました。

訂正後は生涯被ばく線量の中央値が50~60ミリシーベルト(mSv)になるとのことです。

これは1年間の被ばく線量だと1ミリシーベルト(mSv)以下になります。
※追加被ばく線量なので、自然被ばくは含まない。

1年間で100mSv以下の場合に発がん率に有意な差があるという研究はありません。

さて、この報道について、勘違いをさせようと印象操作する向きがあります。

東京大学名誉教授の早野龍五名誉教授のツイッター

魚拓:http://archive.is/7jOy2

2019年1月8日の13時05分のツイートです。

早野教授の元の論文はこちら、疑義を呈した黒川氏の指摘はこちらです。

ここでは【70年間の累積線量計算】とあります。

添付資料に説明がありますが2018年11月28日に論文誌に訂正申入れ済みです。

さて、これはどのように報じられたでしょうか?

NHKのWEB記事は正しい理解が可能

被ばく量を過小評価 論文修正へ|NHK 福島県のニュース

平均的な一生涯の被ばく量を18ミリシーベルト以下としていましたが、別の研究者から疑義が寄せられたため調べたところ、計算プログラムのミスが見つかり、実際はその3倍程度の50から60ミリシーベルトだったということです。
このため、早野名誉教授らは、去年11月学術誌に論文の修正を申し入れ、手続きを進めているということです。
また、この論文をめぐっては、およそ5万9000人分のデータのうち、およそ半数が住民の同意を得ないまま使われていたということで、住民が東京大学に研究倫理違反の申し立てを行っています。
早野名誉教授は「重大な誤りだが、計算プログラムの書き間違えによるもので、意図的ではない。被ばく量が3倍になっても1年の平均では1ミリシーベルトを超えないレベルに収まると考えている。住民の同意を得ていないデータが含まれていることは知らなかったが、データを使ったことは事実で申し訳なく思う」と話しています。

  1. 平均的な生涯の被曝線量が実際は50~60mSvである
  2. 3倍になっても1年の平均では1mSvを超えないレベル
  3. およそ半数の住民の同意を得ないままデータが使われていた

「3倍にしても年間1mSvを超えないレベル」

この結果が重要です。

論文の該当部分は以下です。

Abstract
ー省略ー
As a result, we found that the external exposure contribution to the mean additional lifetime dose of residents living in Date City is not expected to exceed 18 mSv. 

結果として、伊達市に居住する者の平均追加生涯線量に対する外部被ばくの寄与が18 mSvを超えるとは予想されない、ということがわかった。

今回の問題で重大なのは、むしろ「同意の無いデータ使用」の方です。

早野教授自身も言及しているように、論文全体の成立自体に影響を与えかねません。

さて、他の報道ではどうなっているでしょうか?

共同通信を読んで一般人はどう思うか?

福島、被ばく線量分析論文に誤り 3分の1に評価、修正求める - 共同通信 | This Kiji魚拓はこちら

東京電力福島第1原発事故後、福島県伊達市の住民の個人被ばく線量を分析した論文を巡り、著者の早野龍五東京大名誉教授(原子物理学)は8日、「累積線量を3分の1に評価する重大な誤りがあった」として、掲載した英専門誌に修正を求めたと明らかにした。論文に使用したデータのうち約2万7千人分は本人の同意が得られていなかったことが判明しており「報道で初めて知った。市民の皆様に迷惑を掛けた」とした。

 「累積線量」となっています。

私たちが「被ばく線量」と聞いて報道で目にするのは「年間被ばく線量」がほとんど。

「累積」は「1年間」と思ってしまう人も居るんじゃないでしょうか?

そのような状態で、他のメディアやTV・ラジオの音声で「3倍」「50~60ミリシーベルト」という言葉を聞いた場合、印象はかなり異なるものになるでしょう。

共同通信が意図的かは知りませんが、実際に今回の件で「やっぱり福島は危険だ」と思わせるような印象操作をしている者が居ます。

木野龍逸による印象操作

原発事故の取材をしているフリーランスのジャーナリスト木野龍逸。

『論文の誤りを訂正すると、生涯線量が200ミリシーベルト前後になる人たちがかなりいることを示してる』

生涯線量が200mSvなら、一年間だと70分の1なので約3mSvに過ぎません。

これは全身MRIを1回でも取れば被ばくする量より小さいものに過ぎません。

また、平均が生涯線量50~60であるデータの分布において200ミリシーベルト前後の人たちが「かなりいる」という表現は不適切に過ぎるでしょう。

そして、そのようなことは論文の誤りを指摘した黒川氏も言ってません。

早野教授は「被ばく量が3倍になっても1年の平均では1ミリシーベルトを超えないレベルに収まる」と言っています。

一読して、元の論文を3倍にしたものから木野氏が主張するような結論が導き出せるものであるとも思えません (3倍にしたものをさらに3倍にしているような気がしますが)。

まとめ:3分の1過小評価訂正報道は風評被害に配慮せよ

この記事の冒頭で示したような報道をしないところがなぜあるのでしょうか?

紙幅の関係などというものは影響しないはずです。

放射線被ばくの問題は、頭の中で計算できない人を対象に、福島県を貶める印象操作が蔓延っています。

報道の仕方、発信の仕方をかんがえて頂きたいものです。

以上