事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

小泉進次郎報道の誤報:時事通信・テレ東「入閣は見送られる」NHK他「初入閣へ」

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魚拓:https://web.archive.org/save/https://twitter.com/jijicom/status/1171321957561712640

安倍内閣の閣僚人事の変更で小泉進次郎が初入閣するかが騒がれています。

報道が真逆になっているのが面白いので記録に残します。

時事通信・テレ東「小泉進次郎の初入閣は見送られる」

総務・高市、経済再生・西村氏=衛藤氏は1億総活躍-田中・菅原・武田氏が初入閣へ:時事ドットコム魚拓

一方、焦点の一つだった小泉進次郎衆院議員(38)の初入閣は見送られる。

おや、これはどういったことでしょう?

他は別の報道をしているようです。

NHK、共同、産経、FNN…他のメディアは「初入閣へ」

内閣改造 小泉進次郎氏の入閣固まる 初入閣 | NHKニュース魚拓

11日の内閣改造で、安倍総理大臣は自民党の小泉進次郎衆議院議員を入閣させる意向を固めました。小泉氏は自民党の若手のホープで当選4回での初入閣となります。

今の所、「初入閣」の報道が優勢のようです。

まだ確報を打ってないところもあるようです。

とはいえ、NHKが確報を打ってるのは大きいですね。

まとめ:小泉進次郎報道の誤報はどちらか

進次郎が入閣しようがしまいがどうでもいいですが、これだけ報道が食い違っているのも珍しいのではないでしょうか?

いずれかが誤報を打ってしまったという事になります。

時事通信の冒頭のツイートでは記事へのリンクになっていないのが気になります。

どっちが正しいのでしょ?

追記:時事通信「初入閣が内定」

実に2時間半後に結論を変えてきました。 

こちらの記事も、小泉進次郎の部分の文言を削除しました。

なお、訂正・謝罪はありません。

経産菅原、経済再生に西村氏=総務高市、厚労加藤氏で再入閣-衛藤氏は1億総活躍:時事ドットコム

※テレ東のYoutube動画も消されたようです。

以上

【デマ注意】「公示日前は選挙運動はありえず全て政治活動」というデマがある件

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「選挙の公示日以降でないと選挙運動にはならず、全て政治活動になる」

このようなデマがネット上で観測されました。

信じたら恥をかくので注意しましょう。

「公示日前は選挙運動はありえず全て政治活動」というデマ

魚拓:https://web.archive.org/save/https://twitter.com/IceAgedBeef/status/1171181716934803457

このアカウントが貼っているリンクは四万十市の選挙運動・政治活動Q&Aというページですが、選挙運動については以下のように記述されています。

Q1 選挙運動はいつからできるの?Q1 選挙運動はいつからできるの?A1  選挙運動は、公(告)示日に立候補の届出が受理された時から投票日の前日までに限りすることができます。 この期間中も、選挙運動用自動車などの連呼行為や街頭演説は午前8時から午後8時までとされています。 それ以外の期間の選挙運動は禁止されています。

公示日後に選挙運動が「できる」、「それ以前は禁止されている」、と書いてあるだけで、「公示日前は選挙運動ではない」などとは言っていません。 

「事前運動」は公示日前の「選挙運動」

「事前運動」と「選挙運動」がまったく別々のものであるかのように読み取る人が居るようですが、選挙運動の定義を見てみましょう。公職選挙法の条文には書いてませんが、判例があります。

総務省|現行の選挙運動の規制

【選挙運動とは】
 判例・実例によれば、選挙運動とは、「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされています。

判例の文言も見てみましょう。

最高裁判決 昭和38年10月22日 昭和38(あ)984

最高裁判決 昭和63年2月23日 昭和60(あ)608

選挙運動とは、特定の選挙の施行が予測せられ或は確定的となつた場合、特定の人がその選挙に立候補することが確定して居るときは固より、その立候補が予測せられるときにおいても、その選挙につきその人に当選を得しめるため投票を得若くは得しめる目的を以つて、直接または間接に必要かつ有利な周旋、勧誘若くは誘導その他諸般の行為をなすこと

「公示日の前後」で切り分けているのではないというのが分かります。

公職選挙法では「事前運動」の文言がありますが、ここで掲げられている「事前運動」というのは選挙運動の規定が対象になっています。

公職選挙法

事前運動、教育者の地位利用、戸別訪問等の制限違反)
第二百三十九条 次の各号の一に該当する者は、一年以下の禁錮こ又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第百二十九条第百三十七条第百三十七条の二又は第百三十七条の三の規定に違反して選挙運動をした者

以下略

要するに(というか至極当然のことですが)、公示日前に行われる選挙運動を「事前運動」と呼んでいるだけであって、「事前運動であれば選挙運動ではない」などという概念関係にあるわけではないということです。

もちろん、選挙がまったく予想されない時期の活動は政治活動とされる可能性が極めて高いとは言えますが、冒頭のアカウントのような理解は完全に誤りです。

まとめ:共産党の屁理屈か

「立候補しなければ事前運動とみなされない」というのは共産党の屁理屈です。

これと同様に「立候補が受理されて公示後でなければすべて政治活動」というのはどうも、共産党が発信源の可能性、或いは共産党の発信を誤解した可能性があります。これは判例上、「立候補が予測せられるとき」も規制対象とされていることから間違いです。

実際上、該当する例があるかどうかという話と、概念上の話は別の問題です。

こういう屁理屈に振り回されないようにしましょう。

以上

「柴山昌彦文科相が政治活動と選挙運動の違いを理解していない」というデマ

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この件で「柴山昌彦文科相が政治活動と選挙運動の違いを理解していない」

というデマがあるので気を付けましょう。

ツイートの事実経過を見てないからこういうデマに引っかかるんですよ。

柴山昌彦文科相が高校生の政治話に難癖?

この記事で事実経過をまとめていますが完結に文脈を示すと以下のようになってます。

この高校教員と自称する者と高校3年生の会話があった後に以下の非公式RTをしたという経緯があります。

柴山大臣の非公式RTのうち、特に後者が高校生をも名宛人に含んでいるために、高校生の昼食の時間での政治談議を問題視しているかのような印象になっていますが、そういう趣旨ではありません。

この点については先述の記事で述べているのでここでは触れません。

これらのツイートの中で、選挙運動の話になる決定的な部分があります。

政治活動と選挙運動の違いを理解していないというデマ

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「せめて、次の選挙ではこの政策を進めている安倍政権に絶対投票しないように周囲の高校生の皆さんにご宣伝ください」

総務省|現行の選挙運動の規制

【選挙運動とは】
 判例・実例によれば、選挙運動とは、「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされています。

はい、「次の選挙」「安倍政権に投票しないように」というのは明らかに次回の国政選挙を指しており、次回の衆議院議員選挙という特定の選挙の場面を想定していますから、特定性に欠けることはありません。

現時点での選挙運動の判断をしているのではなく、「次の選挙」という未来の場面での選挙運動について言及しています。

ところで「安倍政権に投票しないように」は「落選運動」の可能性があります。

落選運動」については何ら当選目的がなく、単に特定の候補者の落選のみ
を図る行為である場合には、選挙運動には当たらないと解されている
(大判昭5.9.23刑集9・678等)とされています。

ただし、裏を返せば、それによって誰かを当選させる意図が見えた場合には選挙運動になるということです。

「落選運動だから選挙運動ではない」とはただちに言えるものではないので、柴山大臣が「選挙運動」について言及したことが間違いだとは言えません。

学校の政治的中立性からは落選運動の呼びかけもどうなのか?

更には学校という場の政治的中立性の観点からも手放しで是認できるとは思えません。

文科省からは以下の通達が出ています。

教職員等の選挙運動の禁止等について:文部科学省

公務員は、全体の奉仕者であって一部の奉仕者ではなく、その政治的中立性を確保するとともに、行政の公正な運営の確保を図る必要があることは言うまでもありません。

特に、教育公務員(校長、教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、常勤及び再任用短時間勤務講師、実習助手、寄宿舎指導員)については、教育の政治的中立性の原則に基づき、学校において特定の政党の指示又は反対のために政治的活動をすることは禁止され、さらに選挙運動等の政治的行為の制限等についても公職選挙法及び教育公務員特例法に特別の定めがなされているところです。

高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(通知):文部科学省

第3 高等学校等の生徒の政治的活動等

他方で、1)学校は、教育基本法第14条第2項に基づき、政治的中立性を確保することが求められていること、2)高等学校等は、学校教育法(昭和22年法律第26号)第50条及び第51条並びに学習指導要領に定める目的・目標等を達成するべく生徒を教育する公的な施設であること、3)高等学校等の校長は、各学校の設置目的を達成するために必要な事項について、必要かつ合理的な範囲内で、在学する生徒を規律する包括的な権能を有するとされていることなどに鑑みると、高等学校等の生徒による政治的活動等は、無制限に認められるものではなく、必要かつ合理的な範囲内で制約を受けるものと解される。

この通達自体が憲法違反であるという主張をするのもありでしょうが、教員による政治活動のみならず、18歳の高校生を利用して学校内の生徒らに対して自己の政治的主張を浸透させようとする教員の存在を想定すれば、不合理な通達ではないと思います。

したがって、「選挙運動ではない落選運動」であったとしても、教育基本法や学校教育法の理念・趣旨に照らせば、それを学校内で行うよう要請することは慎むべきと考えるべきでしょう。

世の18歳高校生のみなさんも、政治的中立性が求められる公的施設である学校内で選挙運動ではない落選運動を展開することについて是認するべきなのか否かは考えるべきだと思います。

ここは議論が分かれると思います。

まとめ

この話は柴山大臣にツイートされた高校生側からすれば驚いただろうし、私も柴山大臣のツイートはあまりにも不親切であり不用意だと思います。

「弁護士なのに政治活動と選挙運動の区別がついてないぞ」などとツイートの文脈と事実関係を踏まえない言説がありますが、相当程度は柴山大臣の発信方法が原因でしょう。

以上

「柴山文科相が高校生の政治話に疑問」というフェイク:学校・教員の政治的中立性

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柴山昌彦文部科学大臣がツイッターで、高校生のアカウントが昼食の時間に政治の話をしたことを書いたツイートに対して「こうした行為は適切でしょうか?」と言及しました。

これがメディアに取り上げられて非難されていますが、文脈を切り取ったフェイクが横行しているので気を付けましょう。

柴山大臣の指摘は重要な問題提起を含んでいます。

柴山文科相が高校生の政治話に疑問

非公式RTで、しかも冒頭の文言をはしょっているので元のツイートを示します。

女性自身などではこのツイートだけが取り上げられていますが、実は文脈を見ると違った視点になることが分かります。

柴山文科大臣 Twitterで高校生の政治話に疑問呈し非難殺到 (女性自身[光文社女性週刊誌])

高校教員「安倍政権に絶対投票しないように周囲の高校生の皆さんにご宣伝ください」への返信

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このツイートのリプライで高校教員を自称する者と高校3年生が会話していました。

魚拓: https://web.archive.org/web/20190909045301/https://twitter.com/NI84USx7ecHjMU7/status/1170113361075265537

魚拓:

https://web.archive.org/web/20190909031535/https:/twitter.com/d_ok3a/status/1170294640374767616

つまり、「特定の政党の落選運動をしてください」という高校教員からの呼びかけに「はい。本当に」という文言を使ってる流れで「通っている高校では昼食の時間に~」と言ってるのです。

単に18歳の高校生が学校において昼食の時間に政治的な話題を話すことについて咎めているのではありません。それ自体は何ら問題ないどころか奨励すべきことでしょう。

では、なぜ柴山大臣が問題視しているのか?

それは【学校という場の政治的中立性】を確保する必要があるからです。

選挙権のある18歳高校生に関する文科省通達「学外で」なら容認

教職員等の選挙運動の禁止等について:文部科学省

元々学校の政治的中立性は「教員」の選挙運動の禁止等が専ら問題になっており、通達で禁止・制限されてきました。

「未成年」は選挙運動そのものが禁止されています。

公職選挙法
(年齢満十八年未満の者の選挙運動の禁止)

第百三十七条の二 年齢満十八年未満の者は、選挙運動をすることができない。
2 何人も、年齢満十八年未満の者を使用して選挙運動をすることができない。ただし、選挙運動のための労務に使用する場合は、この限りでない。

そして、18歳選挙権が認められたタイミングで以下のような通達がありました。

高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について(通知):文部科学省

第3 高等学校等の生徒の政治的活動等

省略

他方で、1)学校は、教育基本法第14条第2項に基づき、政治的中立性を確保することが求められていること、2)高等学校等は、学校教育法(昭和22年法律第26号)第50条及び第51条並びに学習指導要領に定める目的・目標等を達成するべく生徒を教育する公的な施設であること、3)高等学校等の校長は、各学校の設置目的を達成するために必要な事項について、必要かつ合理的な範囲内で、在学する生徒を規律する包括的な権能を有するとされていることなどに鑑みると、高等学校等の生徒による政治的活動等は、無制限に認められるものではなく、必要かつ合理的な範囲内で制約を受けるものと解される。

 

以下省略

こうして、放課後や休日等であっても、18歳高校生が学内で選挙運動や政治活動をすることは禁止ないし制限されることが明示されました。

18歳高校生を利用した選挙運動の呼びかけに呼応した問題

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さて、改めてこのやりとりの問題点を指摘します。

「安倍政権に絶対投票しないように宣伝する」というのは政治活動ないし落選運動たる選挙運動となる可能性があります。

それを教員(を名乗る者)が選挙権のある高校生に呼びかけ、高校生の側が呼応したようにも見える(本人は「受験勉強への~に対するものだったと指摘」)、という状況です。

これが一般的に認められたらどうなるでしょうか?

仮に教員が(学校外・休日等に)密かに18歳高校生に対して自身の政治的信条を教授し、その高校生が学校内において選挙運動をするよう促したとします。

すると、政治的中立性が保たれるべき学校において、17歳以下の選挙運動が禁止されている者に対してまで影響力を行使することになり、高校生を介して教員が自身の政治的信条を伝播させることが可能になる。

これは、学校・教員に政治的中立性を求める法の潜脱となると言えるでしょう。

教員に限らず、【18歳高校生を利用した政治活動・選挙運動をどう予防するか】という観点からは看過できない事案です。

再掲

柴山大臣は「@」を高校生だけでなく高校教員にもつけていますから、両名とのやりとりの関係でどう考えるかを両名に問いかけていると考えられます。

高校教員「生徒・保護者を洗脳します!」

実際に、この教員を名乗る者は「洗脳していきます!」と高らかに宣言しています。

魚拓:https://web.archive.org/web/20190909023522/https:/twitter.com/NI84USx7ecHjMU7/status/1170312476245680128

柴山大臣のこちらのツイートが、メディア等ではまったく無視されており、単に「高校生の政治話を弾圧した!」という論調なのは、本当にレベルが低いと思います。

柴山文科相は不親切かつ不用意

柴山大臣の高校生に対するツイートは上記の高校生視点からは、他愛もない昼休みの政治的な議論について咎められたように感じたとしてもやむを得ないでしょう。

柴山大臣は、ここで指摘したような文科省の通達の問題意識を提示することなく高校生に対してツイートしたんですから、かなり不親切だと思います。

内容的にもアドバンストなものであり、一般人が直ぐに理解できる訳がない。

しかもツイッターの機能ではなく、いわゆる「非公式リツイート」をしているものですから、第三者が文脈を追えなくなり、誤解されやすい状況を自ら作っていると言えます。

発信の仕方はもう少し考えて頂きたいものです。

以上

旭日旗:朝鮮日報電子版(日本語版)「戦犯旗という語の論文は0、2012年頃からメディアに登場」

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朝鮮日報が旭日旗に関して「戦犯旗」という語は使われていなかったと書いていた記事がありましたので魚拓を紹介します。

朝鮮日報電子版(日本語版)「戦犯旗という語の論文は0、2012年頃からメディアに登場」

歴史浅い「アンチ旭日旗」キャンペーン 韓国紙すら「なぜ今になって」 きっかけは韓国サッカー選手の言い訳? (1/3ページ) - zakzak 2018.10.19

10月6日付の朝鮮日報電子版(日本語版)の記事「なぜ今になって韓国は旭日旗に怒っているのか」によると、韓国国会図書館の資料で「戦犯旗」に言及した論文は0件で、メディアに「戦犯旗」との言葉が登場し始めたのは2012(平成24)年ごろ。記事タイトルが示すように「なぜ今になって」という感覚は韓国メディアにもあるようだ。

韓国紙の朝鮮日報が、「戦犯旗」という言葉や「旭日旗問題」として騒がれ出したのは2012年頃から、ということを指摘しているという内容です。

朝鮮日報電子版は1週間経ったら閲覧できなくなるのですが、魚拓を見つけましたので紹介します。

旭日旗に関する朝鮮日報の記事

なぜ今になって韓国は旭日旗に怒っているのか-Chosun online 朝鮮日報page1

なぜ今になって韓国は旭日旗に怒っているのか-Chosun online 朝鮮日報page2

なぜ今になって韓国は旭日旗に怒っているのか-Chosun online 朝鮮日報page3

この記事は2018年の大韓民国海軍観艦式にかんして、韓国政府が日本側に対して海上自衛隊の(自衛艦旗)である旭日旗を掲揚して入港することを禁止する声明を出し、日本側が拒否して不参加を表明したことから書かれています。

記名はクォン・スンジュン記者

「戦犯旗」という言葉が最初に出てきた時期

なぜ今になって韓国は旭日旗に怒っているのか-Chosun online 朝鮮日報page1

1)戦犯旗とは何か
 戦犯旗とは通称、侵略戦争を起こした犯罪者を意味する「戦犯」と、「旗」の字を合わせた単語だ。国立国語院によると、戦犯旗は韓国の標準国語大辞典に正式登録された単語ではない。ここ10年の間に韓国国内で作り出された新造語とみられる。また、法的・学術的に通用する概念でもない。国会図書館の所蔵資料中、戦犯旗に言及した韓国の学術論文は「0件」だ。戦犯旗という単語がメディアに登場し始めたのは2012年ごろ。それ以前は、韓国国内はもちろん戦犯国だった日本のメディアでも、戦犯旗という言葉が使われたケースはない。ヒトを指す「戦犯」という単語に、モノである「旗」を意味する言葉をくっつけるのは、語法の上では正しくないという指摘もある。

  • 国語大辞典に正式登録された単語ではない
  • 戦犯旗に言及した韓国の学術論文は「0件」
  • 戦犯旗という単語がメディアに登場し始めたのは2012年ごろ

軍旗掲揚は国際法上の義務、過去の韓国での観艦式では旭日旗を掲げた

なぜ今になって韓国は旭日旗に怒っているのか-Chosun online 朝鮮日報page2

軍艦の軍旗掲揚は国際法に基づく義務的な措置だ。国連海洋法条約は、軍艦が航行する間、国籍を識別できる旗を掲揚することを義務として定めている。韓国海軍もまた、それに従って海軍旗を掲揚する。観艦式のような各国海軍の艦艇が集まる行事でも、軍旗の掲揚は慣行だった。今回に先立ち、1988年と2008年に韓国で行われた観艦式において、海上自衛隊の艦船は旭日旗を掲げて参加した。

韓国側は国際法上の義務に反する要請を日本に対して行ったということですね。

しかも、過去2度の韓国での観艦式では旭日旗掲揚について何ら問題視していなかったということが分かります。

国際法とは、「公海に関する条約第8条」並びに「国連海洋法条約第29条」であり、国籍を示す外部標識を掲示する必要があると規定されています。

軍艦機を掲揚しなければ、その船舶は「軍艦」とはみなされなくなります。

公海に関する条約

国連海洋法条約

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※クリックで拡大

旭日旗問題を捏造し出した韓国

なぜ今になって韓国は旭日旗に怒っているのか-Chosun online 朝鮮日報page3

2000年代以降、日本の右傾化がはっきりする流れに合わせ、韓国では旭日旗に対する反感が徐々に増幅されているのが実情だ。少女時代やBIGBANGなど韓国のアイドル歌手が、旭日旗を連想させるイメージの入った服を着たりソーシャルメディアにアップしたりして世論の集中砲火を浴び、公に謝罪するという事件がしばしば起きている

2009年のWBCの日韓戦は全部で5回(トータルで見ると日本の3勝2敗)ありましたが、その中でも旭日旗は振られていました。下は決勝戦の画像です。

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「旭日旗様」のデザインは韓国自身も度々使用してきました。

2010年のG20サミットのデザインがコレ。

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2011年サッカーアジアカップでの奇誠庸(キソンヨン)選手の嘘が発端

歴史浅い「アンチ旭日旗」キャンペーン 韓国紙すら「なぜ今になって」 きっかけは韓国サッカー選手の言い訳? (1/3ページ) - zakzak 2018.10.19

報道がぐっと増えるのはここ5年ほどだ。23年1月、サッカー日韓戦で韓国選手がカメラに向かいサルのまねをして批判され、「観客席の旭日旗を見て腹が立った」などと釈明したことがきっかけだ。25年にも日韓戦での旭日旗掲揚が騒動になった。韓国で与党議員が旭日旗禁止法案を国会に提案し、政治問題化する動きが出たのも同じ25年だった。

2012年頃から「戦犯旗」という言葉が韓国メディアに登場したというのは時期的にも合っていますから、奇誠庸(キソンヨン)選手の差別的パフォーマンスを覆い隠すための嘘が世界中に振り撒かれているということです。

当時の日本政府とJFAの怠慢が尾を引いていると言えます。

以上

NHK上田良一会長「受信料は負担金。放送の対価ではない」は裁判例に反しているのか

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NHKの上田良一会長は「受信料は負担金。放送の対価ではない」と発言しました。

これは誤解を与える表現であり、不必要なものだと思います。

この点について裁判例でどのように判示されたのかを紹介します。

NHK「受信料は負担金。放送の対価ではない」

「受信料は負担金。放送の対価ではない」上田NHK会長、N国党主張に初見解 - 毎日新聞

NHKの上田良一会長は5日の記者会見で、今年7月の参院選で「NHKから国民を守る党」が議席を獲得したことについて「民意の一つとして受け止める」とした上で、「受信料は、公共放送の事業を維持運営するための負担金であり、放送の対価ではない」と受信料制度に対する理解を求めた。

「受信料は負担金」

「放送の対価ではない」

前者は裁判例でも指摘するものがありますが、後者は裁判例の中で意味合いが異なっているようです。

NHK受信料の法的性質に関する裁判例

 

東京地方裁判所 平成29年3月29日 平成24(ワ)21480

放送法は,放送の二元体制の下,原告について,公共の福祉のために,あまねく日本全国において受信できるように豊かで,かつ,良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに,放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い,あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的として設立された公共放送事業者であると位置付け,その業務において,国や他者からの独立性及び中立性を確保するため,原告に対して,営利目的の業務及び広告の放送を禁止する一方,それに代わる財政的基盤を確保する手法として,放送受信契約の締結とそれに基づく放送受信料の徴収を定めているものであり,放送受信料の性質は,原告による放送の対価というよりも,むしろ,公共放送事業者である原告に対して納めるべき特殊な負担金であるというべきである。

 

受信料は負担金」であるということは東京地裁の裁判例でも言及されています。

この東京地裁では「放送の対価」を否定していますが、他の高裁レベルではむしろ「放送の対価である」と認定しています。これはどういうことでしょうか?

「放送の対価」「視聴可能性の対価」「受信することの対価」

放送との対価性が無い」というNHKの主張がことごとく裁判所によってはねのけられている例があります。

東京高等裁判所 平成24年2月29日 平成23年(ツ)第221号  

受信料債権は、現行法上、私人間の契約に基づく債権と構成されておりー中略ー受信料とは文字どおり受信(視聴可能性)の対価であり、受信と受信料に対価性があることは明白である。

 

「受信の対価」「視聴可能性の対価」「対価性がある」と指摘しています。

同様の判示は札幌高裁でも存在します。

札幌高裁平成24年(ツ)4

上記所論は,受信料は,契約という法技術を用いているものの,その実質は法律によって上告人に徴収権が付与された対価性のない特殊な負担金であるとするものである。しかしながら,少なくとも上告人との間で放送受信契約が締結された以上,受信料は,実際に受信契約者が提供するテレビ番組の放送を視聴するか否かにかかわらず,放送受信契約に基づいて発生するものであって,テレビ放送を受信することの対価であることは明らかであるしたがって,受信料とテレビ放送を受信することとの間に対価関係があるから,上告人の上記主張は理由がない。

上告人(NHK)は「受信料は対価性が無い」と主張したのに対して、札幌高裁は「テレビ放送を受信することの対価であることは明らかである。」と明言しています。

これは、各裁判中において「対価性」の意味内容が異なっているということでしょう。

使用する言葉についても「放送の対価」「視聴可能性の対価」「受信することの対価」と異なっている点には注意が必要だと思います。
「放送」と「受信」や「視聴」の間には実際上も場面の違いがある

「特殊な負担金」と「対価性」の概念関係

NHKは繰り返し「受信料は特殊な負担金である」だから、「受信料は放送の対価ではない」と主張しています。

その狙いは、受信設備≒テレビを設置しさえすれば実際に視聴していなくとも、受信契約義務が発生する或いは受信料債権が発生する、という主張の根拠とするためです。

そのため、負担金であることと放送の対価であることは矛盾関係として捉えているのです。

もういちと東京地裁の判示を見てみましょう。

東京地方裁判所 平成29年3月29日 平成24(ワ)21480

(3) 受信設備設置者が放送法64条1項に基づいて放送受信契約締結義務を負うかどうかについて

上記の指摘したところによれば,放送法は,放送の二元体制の下,原告について,公共の福祉のために,あまねく日本全国において受信できるように豊かで,かつ,良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに,放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い,あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的として設立された公共放送事業者であると位置付け,その業務において,国や他者からの独立性及び中立性を確保するため,原告に対して,営利目的の業務及び広告の放送を禁止する一方,それに代わる財政的基盤を確保する手法として,放送受信契約の締結とそれに基づく放送受信料の徴収を定めているものであり,放送受信料の性質は,原告による放送の対価というよりも,むしろ,公共放送事業者である原告に対して納めるべき特殊な負担金であるというべきである。そして,そのような放送法上の原告の位置付けや放送受信料の性質に照らせば,放送受信設備を設置した者から公平かつ安定的に放送受信料を徴収することが強く要請されるものというべきであり,放送法64条1項本文は,原告の放送を受信することのできる受信設備を設置した者に公平に放送受信料の支払義務を発生させるための法技術として,そのような放送受信設備を設置した以上,原告の放送を視聴したか否かにかかわらず,原告との間で放送受信契約を締結しなければならないと規定し,受信設備設置者に対し,放送受信契約の締結を強制したものであると解するのが相当である。

これは【「放送受信設備を設置した者」に受信契約締結義務が発生するかどうか】ということが争点となっている判示でした。

これに対して、先述の東京高裁は【受信設備を設置したと言えるか否か】が争点になっており、札幌高裁は【受信料債権が定期給付金債権であるか否か・短期消滅時効が適用されるか】が争点となった裁判なのです。

それぞれにおいて「対価がある」と表現される内容は、争点と関連して理解されるものなので、上記裁判例同士が相互排他的な関係には立たないと言えるでしょう。

なお、札幌高裁で争点となった点は、最高裁判決 平成26年9月5日 平成25(受)2024において決着がついています(東京高裁の上告審)。

NHKに関係する最高裁の判例はいくつか出ていますが、そこでは「対価性」と「特殊な負担金」は言及されていません。おそらくその点は争われていなかったからでしょう。

NHKは裁判例に反しているとまでは言えないが

「放送の対価」であることを否定しても、東京地裁が判示しているため、間違いとまでは言えません。

しかし、殊更に「放送の対価ではない」と言うことに意味は無いですし、実際上、受信料は「視聴可能性の対価」「受信することの対価」であるという高裁判例があるのですから、素朴な日常用語としては「放送の対価である」という理解をする方が素直だし、混乱が起きないと思います(「対価性が無い」は完全に間違いと言ってよいでしょう)。

NHKの訴訟上の主張に合わせた用語の意味に引き付けられるよりも、一般的な用語の理解に合わせて言葉が使われるべきではないでしょうか。

以上