事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

「アベノマスク不良品は12枚」福島みずほ質疑で判明、毎日新聞「カビノマスク」はどこに行ったのか?

毎日新聞カビノマスク関係者提供

https://mainichi.jp/articles/20200421/k00/00m/040/185000c

全戸配布用のアベノマスクの不良品は現時点で判明しているもので「12枚」ということが分かりました。

5月14日の厚生労働委員会の福島みずほ議員の質疑から抜粋します。

毎日新聞「カビノマスク」報道

虫混入、カビ付着…全戸配布用の布マスクでも不良品 政府、公表せず - 毎日新聞

この記事では、全戸配布用の布マスクで不良品があり、画像には大きくカビが生えているものが映し出されており、ショッキングなものであったため話題になりました。

なお、この記事にあるカビが生えたマスクの画像のキャプション=画像下にある説明書きの部分には、当初は「関係者提供」というものがありませんでしたが、2日後に追加されているという謎の現象が起きています。

「関係者提供」と書かれる前の時期の魚拓URL:https://web.archive.org/save/https://mainichi.jp/articles/20200421/k00/00m/040/185000c

なお、このマスクは配布前のものなのか配布後のものなのか不明ですが、おそらく配布前の検品で見つかったものである可能性があります。記事内ではそこが判然としません。

ここで対象にしている「アベノマスク」は一般家庭に全戸配布される用ですよと

ここで対象にしているマスクは一般家庭に全戸配布されるものです。

それ以外の例えば妊婦用マスクについては47万枚が配布されましたが4万7000程度のマスクに不良品があったということが分かっています。これは5月14日の厚生労働委員会での福島みずほ議員の質疑でも確認されました。

妊婦用マスクについては以下のようです

  • 4月中旬から47万枚⇒黄ばみ・汚れ・異物混入(髪の毛)・ほつれなどがあり回収して検品。「黄ばみ」んついては記事本来の色が残っていただけで衛生的には問題が無い。
  • 5月中旬から174万枚⇒今後配布予定
  • 委託した検品業者における検品に加え国においても検品する

5月14日の福島みずほ議員による全戸配布用マスクの質疑

これまで配布した中で送付先から指摘があって返送があったものについて、国の方で異物混入など不良品と認めたものについては5月12日時点で12枚】と回答しています。(参議院インターネット動画1時間18分頃)

「配布済みであり」「送付先から返送があったもの」という限定がありますが、「12枚」というのは驚きです。質疑をしていた福島議員も動揺していました。

4月30日の時事通信では「布マスクに不良品が3万枚超」と報じていますが、これは妊婦用マスクと混同した書き方になっているので注意です。カビが生えているというのは全戸用であり、妊婦用ではありません。
参考:不良品3万枚超に 政府配布の布マスク:時事ドットコム

アベノマスク8億円検品、穴だらけ 不良発覚後の契約、消えた瑕疵担保責任… - 毎日新聞

政府はこれまで、全戸向けの半分にあたる6500万枚と妊婦・介護施設など向け2000万枚の計8500万枚を8億円かけて、検品している。

省略

厚生労働省のマスクチームに配られた資料によると、4月16日までに全戸向けにパッキング作業をした200万枚のうち、カビ、虫の混入などの問題事例が約200件あったことが報告されていた。18日には厚労省が、妊婦向けマスクに不良品が相次いでいることを発表した。不良品を出した興和と伊藤忠商事は23日、全戸向けと妊婦用の未配布分の全回収を発表した。

配布前」の検品においては4月中旬までの数字として「200枚」という数字がありました。

しかし、配布に問題が見つかったものとして報道された例はしりません。

  1. 現地メーカー
  2. 伊藤忠などの商社
  3. 国や自治体
  4. 一般家庭

この流通過程の中で3のタイミングで全回収がなされたのであって、4の段階での「被害」は「12枚」ということでしょう。

検品によって弾いたものか?あれだけカビが生えていれば他のマスクも指摘があるのでは?

毎日新聞が報じた「カビノマスク」は「配布前の検品によって弾いたものではないか?」という推測がなされていました。

なぜなら、あれだけカビが生えていれば他のマスクも同様の状態になっていると考えられ、配布していたのであれば指摘が多数から寄せられるハズだからです。

今回の政府の5月12日時点で「12枚」という答弁や、毎日新聞の記事の写真に「関係者提供」と追加されたことからは、そういう実態であったものと推測されます(配布先の一般家庭からの提供であれば「関係者」などと書くことは無いだろう)。

もちろん、妊婦用マスクについては10%もの不良品(黄ばみは元の生地の色であり衛生的には何ら問題が無いが)があったことを政府は認めているわけで、そこは改善すべきだと思います。

以上

社会調査研究センターの世論調査のアンケート結果でメディア批判があるも取り上げられず

社会調査研究センターの平田崇浩

毎日新聞と協力()して世論調査を実施している【社会調査研究センター】のアンケート結果でメディア批判があるも取り上げられていませんのでここで代表例を紹介します。

毎日新聞の世論調査で安倍内閣支持率27%の数字を提出した社会調査研究センター

内閣支持率27%に急落 黒川氏「懲戒免職にすべきだ」52% 毎日新聞世論調査 - 毎日新聞

毎日新聞と社会調査研究センターは23日、全国世論調査を実施した。安倍内閣の支持率は27%で、今月6日に行った前回調査の40%から急落した。不支持率は64%(前回45%)に跳ね上がった。社会調査研究センターとの共同調査は3回目で、最初の4月8日に44%あった支持率が1カ月半で17ポイント落ち込んだ。調査方法が異なるため単純に比較できないが、毎日新聞が従来行っていた電話世論調査では森友・加計問題で政権批判が高まった2017年7月に26%まで下落したことがある。

毎日新聞の世論調査で安倍内閣支持率27%の数字を提出した社会調査研究センターですが、同じ調査で自由記述のアンケートも取っていたものの、そちらはなぜか報じられることがありません。

社会調査研究センターの自由記述アンケート結果でメディア批判

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2020/5/23 世論調査結果(自由記入項目)魚拓

丁寧にも社会調査研究センターは、5月23日に実施した世論調査において付随していた自由記述アンケートの結果についても公表しています。

その中でマスメディアに対する不信感が表れている記述もありました。

代表的なものを以下に挙げます。

  • 黒川検事長の問題でメディア側に問題がないかのようなアンケートを作るメディアを信用しないこと。情報リテラシー(20代男性)
  • 手洗いうがい、外出を控える、人との距離をとる、テレビやネットの情報を鵜呑みにしすぎない(30代女性)
  • 毎日新聞社は反日で世論を誘導している、恥な新聞社だと思います。 速やかに廃刊して本国へお帰り下さい。二度と連絡しないで下さい。(20代女性)
  • マスコミ、ワイドショーに惑わされないようにする(40代男性)
  • 自粛もほどほどに、メリハリをつけた生活。毎日新聞、朝日新聞は捏造報道が多く、謝罪もしないので読まないし、勧めない。(50代男性)
  • マスメディアに必要以上に触れない。(20代女性)
  • マスコミのフェイクニュースに騙されないよう、多方面から情報を得て生活するようにしておる!(40代男性)
  • 新型コロナ感染予防をしながらできる限り普通の生活を送ること。過度に不安過ぎないよう心がけること。科学的にエビデンスのある情報を調べ、マスコミの報道を鵜呑みにしないこと。(40代男性)
  • コロナの問題を全て現政権である自民党の問題にするメディアの偏った報道に違和感がある。信用できるメディアが少ない情報をどこから得るかを慎重に考えている。今回のコロナの問題でよりそれが明確となった。(30代男性)

こういうアンケート結果はまったく報道されませんねぇ(そりゃそうか)

毎日新聞の内閣支持率記事を書いた平田崇浩が調査研究部長

なお、毎日新聞の内閣支持率27%という記事を書いたのは「平田崇浩」氏であることが記事内に明記されていますが、彼は社会調査研究センターの調査研究部長でもあります。

会社概要|調査・データ収集・解析|さいたま市の社会調査研究センター魚拓

また、毎日の記事にもあるように「調査方法が従来と異なる」ために支持率の数字が変化した可能性もあり、この点は現時点では不明としか言いようがありません。

以上

柴咲コウ、政治ツイートに関連し「誹謗中傷には法的措置」の違和感

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柴咲コウが政治ツイートに関連したツイートをし、「誹謗中傷には法的措置」と表明しました。しかし、なんだか発信内容に違和感があります。

柴咲コウ「誹謗中傷には法的措置」

画像が2つ添付されており、「事実とは異なる投稿、捏造、誹謗中傷、脅迫行為、ミスリード…は法的措置も検討しています」と書いています。

これはネット上で柴咲氏の出自や国籍等について根拠の無いウワサが立っているのを私も把握していますし、訴訟を起こされても仕方がないと思います。

さて、このツイートは別の点で違和感があります。

柴咲コウのツイート画像内の文章がなんだか変

画像の1枚目の冒頭が「今回のことに限らず」だったので、その前のツイートが別途なされているのではないか?と思った人も多いハズです。私も探しましたよええ。

何だか自分で作って校正したものとは思えないのですよね。

で、文章の最後が「高尚な社会をこれからも期待します」というセレブリティ感溢れる締め方になっていて、うん、まぁ、頑張って発信を積み重ねていてブラッシュアップしましょう!という感じです。。。

種苗法改正反対派による捏造について

柴咲コウ氏は無関係ですが、種苗法改正反対派が彼女のツイートに乗っかる形で発信をして見事にコケていました。

登録品種に限って自家採取を原則禁止にする種苗法改正に反対する者で最も声が大きく色んな媒体に寄稿しているのが元農水大臣の山田正彦氏ですが、ハーバービジネスオンライン上の記事で、有限会社横田農場の横田修一氏の発言が捏造されていることが指摘され削除されました。

種苗法改正反対派の動きはこんな感じです。

別に反対論があってもいいですけど、嘘や捏造はダメですよ。

あとは共産党が熱心に反対の論陣を組んでいます。

以上

「中国人入店禁止」箱根の駄菓子屋ハウスベイダ―、誹謗中傷どころか脅迫されていた

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「中国人入店禁止」をした箱根の駄菓子屋ですが、誹謗中傷どころか脅迫されていたことが分かりました。こんな事はどのメディアも報じていなかったと思います。

箱根の駄菓子屋ハウスベイダ―、脅迫されていた

【日本復喝!】中国語マナー貼り紙でバッシングされ…箱根の駄菓子店主が激白! 「今からそっちに行くからな」片言の日本語で脅迫続き (1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

店主によると、ウイルス感染を防ぐ理由で貼り紙を出した後、それを撮影した中国人観光客がネットに載せ、中国国内で炎上したという。店のホームページには、日本語で「人種差別だ」「殺すぞ」「中国人をなめるな、死ね」といった書き込みが殺到した

携帯電話にも無言電話や、片言の日本語で「中国人全員に謝れ」「今からそっちに行くからな」と脅迫が続いたという。

箱根の駄菓子屋「ハウスベイダ―」が新型コロナウイルス感染拡大を受けて中国人の入店を禁止する張り紙をしたことについて、こんなことがあったようです。

これは誹謗中傷どころか脅迫ですよね。

これは1月下旬の話ですが、まったく話題になりませんでした。

むしろこの店舗を「差別的」と非難する論調がメディアではほとんどでした。

ヘイト・差別的だとした日本のメディア

【日本復喝!】中国語マナー貼り紙でバッシングされ…箱根の駄菓子店主が激白! 「今からそっちに行くからな」片言の日本語で脅迫続き (2/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト

日本のメディアで、真っ先に報じたのは朝日新聞だ。1月21日付電子版で、「新型肺炎を理由に『中国人は入店禁止』箱根の駄菓子店」との見出しで報じた。

 これに民放テレビのワイドショーが飛びついた。司会者に話を振られた男性コメンテーターが「これは明らかなヘイトです」と、店主のことを厳しく非難した。

ヘイト・差別的だとした日本のメディアですが、その後は「中国からの入国禁止をするのが遅かった」と言うコメンテーターを平気で使うなど、二枚舌にも程がありました。

私は各種判例から「生活空間に近接している場合には業態も考慮して違法ではない場合もあり得る」と考えていました。

外国人の利用禁止は違法か適法か

1月の近い時期に、中国人の団体客の立入禁止(「参拝禁止」ではない)を表明した対馬の和多都美神社や、中国人は雇わないと表明したために解雇された東大准教授の事例、新型コロナウイルス関係で同様の立入禁止方針を打ち出した札幌のラーメン屋の事案などがありました。

細かい話は上記でまとめていますが、5月になって振り返ってみると、結論から言えば合法になり得ると思います。

  1. 当時(1月末)は未だ日本は中国の地域からの入国禁止をしてなかったが、既にアメリカ等各国が中国からの入国禁止・大使館員も全員引き上げをしていた、また少数の国は中国発行のパスポートを有する者の入国を禁止していた
  2. 新型コロナウイルスの病状として高齢者の致命率が10%を超えているという事が報道されていた
  3. 2月~3月の日本国内の流行は中国由来であるということは判明していた、また、中国人団体客と接触のある者の感染が報告されていた
  4. 「新型コロナウイルスは無症状者からも感染する」ということがこの時点でも言われており、実際に4月末には厚労省が濃厚接触者の調査を感染2日前の接触者も対象にすると変更した
  5. 1月末当時、日本政府は国内感染期ではなく水際対策で海外からの流入を防ぐフェーズと認識していた

日本全国で感染が拡大した後には特定の国籍者を限定して入店拒否する合理性はなくなったと言えますが、当時の情報と感染状況からすれば、無症状の者であっても入店を拒否することは、【居住空間と一体になっている店舗で生存に必須ではないサービスを提供している所に限って】は適法だと思います。

こうした考慮もなく雑に「差別的だ」「ヘイトだ」などと店舗に対して言うこと自体が誹謗中傷だと思います。

「ヘイト」を日本人バッシングに利用するメディア

チャイニーズや朝鮮半島系の人間にとって都合が悪い言説は「ヘイト」というレッテルを貼られる傾向にあります。

そういう言論空間にマスメディアが支配されているというのが、「箱根の駄菓子屋」ハウスベイダーをめぐる事案でも浮き彫りになったと言えるでしょう。

以上

 

山田正彦が種苗法改正に関して横田修一氏発言を真逆に捏造してハーバービジネスが記事を削除

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https://www.facebook.com/shuichi.yokota.9/posts/2909297419125672

ハーバービジネスオンラインに掲載されていた元農水大臣の山田正彦氏の記事で、有限会社横田農場の横田修一氏の種苗法に関する発言が真逆のものに捏造されていたため削除されました。

山田正彦は前科があるので彼については「またか」以外に感想はありません。

元農水大臣の山田正彦氏の種苗法改正関連の記事で捏造

このリンク先の記事は、現在は消されています。

ユーザーから指摘を受けて、ハーバー・ビジネス・オンラインも対応したようです。 

有限会社横田農場の横田修一氏の発言が真逆に捏造された

有限会社横田農場の横田修一氏のヒアリング時の発言

https://www.maff.go.jp/j/kanbo/tizai/brand/kentoukai/attach/pdf/5siryou-9.pdf

横田 修一 - 普段、Facebookでは難しい話はしないのですが、今回はそうもいかないので投稿します。... | Facebook http://archive.is/MZ3ZJ

そこで私は、私が行っている自家採種(自家増殖)について説明し、今後、種苗法が改正すれば「許諾をきちっと受けて増殖していくということが当然必要」と発言させていただき、今後は許諾に基づいて増殖を行いたいとお話しさせていただきました。

ところが、大変不本意なことに、元農水大臣の山田正彦氏は、私が全く逆のことを言っているかのように吹聴されているようです。

有限会社横田農場の横田修一氏のフェイスブックでこのような指摘がありました。

同じ内容が横田農場のHPにもUPされています。

お知らせ|おいしくて安全なお米の生産直売 横田農場

これは【第5回 優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会】の議事録からも確認できます。

私も、ですからこういうものは正直不勉強だったところもあって、今後こういう形で制度が変わっていくことであれば、当然僕らは、今は許諾を受けない形での増殖になっていますけれども、恐らく許諾をきちっと受けて増殖していくということが当然必要になってくるだろうなというふうに思います。

これは、登録品種を原則として自家採取禁止に変更する種苗法改正の内容に基本的には賛成をする趣旨の発言です。

ハーバービジネスオンライン上の山田正彦氏の発言

ハーバービジネスオンライン上で山田正彦氏の発言とされた部分はこちらです。

ハーバービジネスオンラインの山田元彦の捏造

山田:いま述べたように、今後農家は「企業の小作人」になりかねませんが、それ以外の農家は廃業を余儀なくされるでしょう。種苗法改正は農家に「隷属か、さもなくば廃業か」という踏み絵を突きつけているのです。

 まず種苗法改正によって生産コストが上がります。これまで自分たちで採ったり増やしたりしていたタネや苗を購入するようになれば、追加コストがかかるからです。生産コストが上がれば、経営が立ちいかなくなる農家が続出します。たとえば、コメの専業農家である茨城県の横田農場は8品種のコメの種子6700キロを自家採種していますが、これらをすべて購入しなければならなくなると、350~490万円の負担増になります。同社は農水省の検討会で「これでは経営がたちいかなくなる」と訴えていました。

さきほどの農水省の検討会議事録からは、横田氏は「(種苗法改正によって)登録品種について許諾を受けて増殖する必要がある」という趣旨の発言をしていたものが、ハーバービジネスオンラインの山田正彦氏の発言とされている部分では「(種苗法改正によって)全てのコメの種子を購入しなければならなくなり、これでは経営がたちいかなくなる(だから反対である)」と訴えていたということに捏造されていたことが分かります。

要するに、種苗法改正に反対する者が、改正に基本的に賛成する発言を、反対する発言をしたと事実を改変して記事化した、ということです。

謝罪と訂正記事は書かないのか?

現時点で謝罪と訂正記事はありません。

種苗法改正反対派はなぜ嘘と捏造と事実誤認が多いのか?

※ハーバービジネスオンラインが事実誤認があったとして謝罪文を掲載しました。しかし、山田正彦は新たに印象操作を開始しています。

種苗法改正に反対する者からは、嘘と捏造と事実誤認が非常に多いです。

私が取り上げただけでも上記記事で指摘したようなものがあります。

以上

『「賭け麻雀は賭博罪」安倍政権が閣議決定していた』記事の不毛さ

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「賭け麻雀は賭博罪」安倍政権が閣議決定していた』

という事を記事にしている所がありますが、この意味を勘違いしてる所があるので整理します。

「賭け麻雀は賭博罪」安倍政権が閣議決定していた

平成十八年十二月八日提出 質問第二二五号 外務省職員による賭博に関する質問主意書提出者 鈴木宗男

三 賭博の定義如何。
四 賭け麻雀は賭博に該当するか。
五 賭けルーレットは賭博に該当するか。

 関係する部分とその答弁部分を引用します。

答弁第二二五号 内閣衆質一六五第二二五号 平成十八年十二月十九日

三について
 刑法(明治四十年法律第四十五号)において、「賭博」とは、偶然の事実によって財物の得喪を争うことをいう。
四及び五について
 一時の娯楽に供する物を賭けた場合を除き、財物を賭けて麻雀又はいわゆるルーレット・ゲームを行い、その得喪を争うときは、刑法の賭博罪が成立し得るものと考えられる。

上記部分をもって「第一次安倍政権時にマージャンは賭博罪だと閣議決定していた!」「過去に内閣が答弁してるのに答弁を法務省に丸投げして逃げている!」という記事があり、まぁ情弱を煽動するのに熱心ですねと。

質問主意書と答弁書の閣議決定の性質

質問主意書:国会キーワード:参議院

上記リンクでは質問主意書という国会法上認められた制度の説明が為されています。

  • 国会の本会議や委員会で行われる質疑は議題の制約を受けるところ、質問主意書はそれに拘束されずタイムリーな話題についても問いかけることが可能
  • 質疑時間は会派の人数等によって分配されるため少数会派が不利だが質問主意書はそうした制約が無い
  • 答弁書は、各府省等で案文を作成し、内閣法制局の審査を経て閣議決定された後、議長に提出される

質問主意書と答弁書の閣議決定の性質は、こういうものなのです。

したがって、たとえ所管が各省庁のものであったとしても内閣の名前で閣議決定するものですが、実際の調査は各省庁で行われるものも含む場合もあるということです。

この話をするのは法務省が最も適しているというのは論を待たないわけです。

刑法上の解釈をそのまま言っているだけ

『「賭博」とは、偶然の事実によって財物の得喪を争うことをいう』

一時の娯楽に供する物を賭けた場合を除き、財物を賭けて麻雀又はいわゆるルーレット・ゲームを行い、その得喪を争うときは、刑法の賭博罪が成立し得るものと考えられる。』

これは刑法185条本文と但書の説明をしているに過ぎません。

刑法(賭博)
第百八十五条  賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭かけたにとどまるときは、この限りでない。

「賭け麻雀は即賭博罪」と言っているわけでは無い

通常の国語の読解力を有していれば、「賭け麻雀は即賭博罪」と言っているわけでは無いということくらいは分かると思います。

賭け麻雀をしていても、「賭ける物」がその場で費消するような飲食物であれば賭博罪には当たりません。金銭を賭けた場合はたとえ少額でも「一時の娯楽に供する物」には当たらないと言うのが判例ですが。

そして過去の答弁書でも「成立し得る」としか言っていないわけです。

正直、この質問主意書と答弁書の閣議決定を持ち出して政権を論難しているのは頭がおかしいとしか言えません。もっとまじめに政権批判しろよ、と思います。

以上