事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

ワンセグ携帯のNHK受信料:最高裁判所決定はなぜ契約義務を認めたか:判決文全文はありません

ワンセグNHK受信料裁判、最高裁決定

ワンセグ携帯を所持しているだけでNHK受信料が発生する契約義務があるという最高裁決定が3月12日付けでありました。

この裁判は埼玉県朝霞市の大橋議員がさいたま地裁で起こした訴訟と、東京都葛飾区の立花考志議員が東京地裁で起こした訴訟についての判断を併合したものです。

大橋議員のさいたま地裁での判断は「契約義務はない」であり、注目されました。

ただ、東京高裁でその判断が覆され、最高裁も高裁の判断を維持しました。

その違いは何だったのかを整理します。

ワンセグ携帯のNHK受信料裁判は国民側から起こした 

この訴訟は「国民側から訴訟提起をした」事案だということが大切です。

わざわざ「自分はワンセグ携帯を持っています」と申告した者の訴訟でした。

訴訟のハードルがあるという意味で、NHKが私たち一般国民に対して提訴する可能性はかなり低いので、必要以上に騒ぎ立てるのは不毛でしょう。

ワンセグ携帯受信料裁判の争点

放送法 第六節 受信料等
(受信契約及び受信料)
第六十四条 協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。第百二十六条第一項において同じ。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。

ワンセグ携帯電話の受信料裁判の争点は2つです。

  1. 放送法64条1項本文の「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者」について、ワンセグ携帯電話を所持していること(「携帯」)が「設置」にあたるか
  2. ワンセグ携帯電話は同項但書きの「放送の受信を目的としない受信設備」にあたるか

さいたま地裁は1を認めず、東京高裁は1を認め、2を認めませんでした。

さいたま地裁判決が契約義務がないとしたロジック

  1. NHK受信料は憲法84条の租税法律主義や財政法3条の趣旨が及ぶ課徴金等ないしこれに準ずるものと解される
  2. そのため、課税要件明確主義の要請が働く
  3. 放送法64条における「設置」は一定の場所に設け置くことに限らず、観念的な意味で用いられているが、放送法2条14号が「設置」と「携帯」を区別していることなどの事情がある
  4. すると、「設置」が「携帯」を含むと解する場合があるとしても、受信契約及び受信料についても同様に解釈すべきであるとは言えない

さいたま地裁の解釈のポイントは、NHK受信料はいわば「税金のようなもの」なので、「課税要件明確主義」が適用されるという前提を置いたことです。

なお、「設置」は観念的な意味でも用いられているというのは、東京高裁の「法律用語が国語的な意味と全く同じになるとはかぎらない」と同じ意味なので、「設置」文言から直ちに「携帯」という意味を排除するという解釈はさいたま地裁も行ってません。

課税要件明確主義を前提としてさいたま地裁の判断

これによって、放送法や関連法規で「設置」という文言が用いられている条文の中には「携帯」を含むと解される場合があったとしても、「課税(に準じた性格のもの)」の規定については解釈の一貫性が要求されるため、「携帯」と解釈してはいけないと判断しました。

さいたま地方裁判所平成28年8月26日判決平成27年(ワ)第1802号

そして,同一の法律において,同一の文言が使用されている場合には,同一の意味に解するのが原則であることはいうまでもないところ,課税要件明確主義の立場からは,一層,同一文言の解釈について一貫性が要求されるというべきである。

一国民としては支持したい結論ではありますが、解釈方法としてはアクロバティックな感じがします。なお、これによって「放送の受信を目的としない受信設備」にあたるかという争点は論じる必要がなくなったため判断してません。

控訴審の東京高裁判決は課税要件明確主義を適用せず

東京高裁は課税要件明確主義について、何も触れていません。

東京高裁「携帯ラジオからも徴収していたじゃん」

高裁はNHK受信料に「税金のような」性格を付与することは避けたのでしょう。

その上で、さいたま地裁が触れてこなかった以下の指摘をしています。

  1. 放送法の前身である無線電信法の委任を受けた放送用私設無線電話規則では無線電話機器を携帯使用する場合を含めて規定している
  2. 同規則の廃止に伴って施行された放送法では、当時既に携帯型ラジオは存在していたにもかかわらず、ラジオ放送を受信できる設備の設置者に対して受信契約を義務付けていた
  3. その後の放送法改正においてもこれが変更されたと解すべき事情が無い

こうして「設置」には「携帯」も含まれると解釈しました。

そして、「受信設備を携行すれば結果的に受信料の支払いを免れる事になるのは不公平だ」として結果の妥当性を説いています。

放送を目的とするかしないかは客観的に判断

次にワンセグ携帯は「放送の受信を目的としない受信設備」であるかを判断しました。

東京高等裁判所平成30年3月26日判決平成28年(ネ)第4426号

同条項が、受信設備設置者に対し受信契約の締結を強制する旨を定めた規定であることからすれば、その解釈は当該受信設備が設置されている目的が客観的に放送の受信を目的としているか否かによって判断すべきであって、実際、同項ただし書の「受信設備」とは、電波監視用の受信設備、電気店の店頭に陳列された受信設備、公的機関の研究開発用の受信設備、受信評価を行うなどの電波監理用の受信設備等を指すと解されていること(乙2)からしても、設置者の主観的な目的によって左右されるものではないと解すべきである。

携帯電話のワンセグ機能を使う人と使わない人が居ますが、それは「設置者の主観的な目的」によって変化するのであって、それを「放送の受信を目的としない受信設備」の判断に際して考慮してはいけないということです。

その上でワンセグ携帯電話は「放送の受信を目的としないもの」ではないとしました。

この判断から同条項の意味を叙述するとすれば「放送の受信を目的としないことが客観的に明らか」でない限り、受信契約の対象となるということでしょう。

まとめ:最高裁決定は実質判断をしてないか

ワンセグ受信料「契約義務ある」 NHKの勝訴が確定 最高裁 - 産経ニュース

報道にあらわれた内容を見ると、東京高裁の判断を是認したにとどまるようです。

何か新しい判断をしたということはなさそうなので、裁判所のHPに決定文がUPされるということは無いのではないでしょうか。

この判決の意味については以下でまとめてあります。

以上

ワンセグ携帯のNHK受信料:契約義務あるとの最高裁判決の本当の意味

NHK受信料、ワンセグ携帯、最高裁判決

ワンセグ携帯を所持しているだけでNHK受信料が発生する契約義務があるという最高裁決定が3月12日付けでありました。

この決定、実は現時点ではまったく脅威ではありません

ただ、今後の「業界の動き次第」では恐ろしいことになります。

ワンセグ携帯を所持だけで契約義務ありとの最高裁判決

ワンセグ受信料「契約義務ある」 NHKの勝訴が確定 最高裁 - 産経ニュース

テレビを視聴できるワンセグ機能付きの携帯電話を持つとNHKと受信料契約を結ばなければならないかどうかが争われた2件の訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は、契約義務はないと訴えた原告側の上告をいずれも退ける決定をした。契約義務があるとしたNHK勝訴の2審東京高裁判決が確定した。12日付。

2件の訴訟とは埼玉県朝霞市の大橋議員と東京都葛飾区の立花考志議員の別々の訴訟のことです。

これは原告が大橋議員と立花考志議員でした。

被告がNHKでした。

このことが重要です。

NHKに対する債務不存在確認訴訟だった

原告(各議員)が、被告(NHK)に対し、【受信契約締結義務不存在確認】を求めた。

これが今回の訴訟の発端です。

NHKが大橋氏や立花氏に対して「受信料を払え」とした訴訟ではないのです。

つまり、議員らが「俺らはワンセグ携帯電話を持ってるけど、NHKに金払う必要はないよね?それを判決で確定させてよ裁判所さん」という裁判でした。

ワンセグ携帯電話所持の事実はどうやって把握するのか?

想像してみてください。

仮にあなたがワンセグ携帯電話を持っていたとして。

NHKはどうやってあなたが持っている携帯電話にワンセグ機能があるということを把握するのでしょうか?

NHKの側から「ワンセグ分の金払え」という場合には、NHKの側に相手がワンセグ所持をしていることの証明責任があります。(尋問でやり込められる可能性はありますが)

ワンセグ携帯電話を持っていると判別したとして、それを持っている人に対して街中で「あなたの携帯電話はワンセグ携帯なので受信料を支払う義務があります、契約しなさい!」などと迫るということは在り得るでしょうか?

既に受信料を支払ってる人だったら、どうするのでしょうか?

さすがにそういう事をするとは思えません。

そうすると、この決定はどういう意味になるでしょうか?

最高裁判決(最高裁決定)の本当の意味

これはふつうのTVの場合も同じです。

TVを持っていたとしても、その人がTVを持っているということをNHKがどうやって把握するのか?という問題があります。NHKの集金人が家の中に無断侵入するわけにはいきませんから、訪問確認等の手段を採らざるを得ません。

ホテルなど外部に予めTVの設置を明言しているような場合ならともかく、NHK側がTVの設置の有無を強引に確かめるということはしないのです(そんなことをしたら犯罪になりかねない)。

今回の最高裁決定は「自分からワンセグ携帯を持っているとNHKに申告した者」に対して行われました。

なので、わざわざそんな奇特なことをするような人間でない限り、NHKがワンセグ携帯所持の事実を把握することは難しいですから、今回の最高裁決定があったとしても、何も痛くもかゆくもないわけです。

ですから、現時点で戦々恐々とする必要はない、ということになります。
(訴訟の争い方がまずければ負けることは十分にありますが)
※もちろん視聴可能性があればNHK受信料は払わなければなりません。

わざわざNHKが個人に対して訴訟を起こしても、その人に対する嫌がらせにはなるでしょうけど、NHKにとってコストメリットはまったくありません。争いがあった場合、NHKは訴訟で勝訴判決を得なければ、契約締結はできませんからね。

今後の「業界」動きには注意すべき

ただし、NHKがワンセグ機能付き携帯電話を所持しているということを確認する手段を持ってしまったらどうでしょうか?

たとえば携帯キャリアと結託して、携帯電話の購入履歴をNHKが視れるような法改正がなされるとか、iPhoneなどのスマホも含めてワンセグ機能を強制的に付加するとか、さてはNHKのアプリをプリセットしておくとか。

そうでなくとも、ワンセグ携帯電話でNHK放送を視聴したら、どの端末か分かるような仕組みに変更されたりなど。

こういった法的・技術的仕様が変更された場合には、今回の決定は脅威となります。

ただ、そういうことをする可能性はかなり低いでしょうね。

そもそもワンセグ見てる人って居るの?

そもそもワンセグで視聴している人って、どれほど居るのでしょうか?

そういう人は普段からTVをたくさん見ているでしょうから、世帯で受信契約を締結している人は結構多いんじゃないでしょうか?

今回の決定でバンバンNHKから個人に対して請求がいったり訴訟を起こされたりするようなら、ワンセグという機能自体が広まらなくなるだけでしょう。

したがって、いずれにしても今回の決定のインパクトは限定的です。

まぁ、とりあえず「NHKは酷い!」って言ってNHK改革に持っていけばいいんじゃないでしょうか?

以上

全日本建設運輸連帯労働組合関生支部幹部を大津地検起訴はどこが報じたか

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総勢20人以上が逮捕されている連帯ユニオン関西生コン支部

オウム真理教事件に匹敵する組織犯罪のハズがメディアではほとんど報道されません。 

今回はあらためて幹部が起訴されたというニュースがありました。

これを報道したのはどこでしょうか?

関西生コン支部幹部を恐喝未遂罪で起訴

関生支部幹部を恐喝未遂罪で起訴 大津地検 - 産経ニュース

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生支部)の幹部らが、提携する協同組合の加盟企業と供給契約を結ぶよう準大手ゼネコン側を脅したとされる事件で、大津地検は12日、恐喝未遂罪で、同支部執行委員の西山直洋容疑者(51)=大阪府摂津市=を起訴したと発表した。8日付。地検は認否を明らかにしていない。

関西ローカルのネタではありますが、実はかなりおおがかりな捜査が行われています。

報じているのは産経新聞だけ?

大手紙だけですが、報じているのは産経新聞だけのようです。

ニュースサイトなどの媒体も、この記事が掲載されているのみです。

その他、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日経新聞、時事通信、共同通信などは報じていません。

関西ローカルの新聞であれば報じているかもしれませんが、少なくとも全国的な報道はなされていないようです。

全日本建設運輸連帯労働組合(連帯ユニオン)とは

要するに「労働組合」ですが

企業内の組合ではなく特定地域の労働者を対象とした「広域の労働組合」です。

ですので、「社内の圧力が効かない」という効果がありますが、これが悪用されている例が多々あり、それが今回の一連の事件の遠因にもなっています。

中には反対運動をしている者の中には、相手先企業に所属している者が居ない、ということもあったようです。

セメントの出荷を妨害するなどしたり、セメント業者でつくる協同組合へ再加入するよう強要しようとしたりしたことが各種刑罰法規に抵触しているとされています。

なお、この組織は北朝鮮との関係が色濃いことが分かっています。

これまでの報道

これまでに執行委員長の武建一が恐喝未遂罪で起訴され、威力業務妨害容疑で再逮捕されており、その他幹部等26人が恐喝未遂や威力業務妨害容疑で逮捕されていました。

過去には大手紙が複数報道していますが、単なる幹部一人が起訴された程度では報道しないようです。

辻元清美との関係は

なお、立憲民主党所属の衆議院議員の辻元清美は執行委員長の武建一と懇意であると言われています。辻元氏の所属政党の支部に大阪兵庫生コン経営者会という関西生コンの関係団体から献金があるということから、陰に陽に支援を受けているのではないかと疑惑がもたれています。

単に献金があるだけでは違法でもなんでもありませんが、捜査・裁判の進捗によってこの点が明らかになるのではないかと注目されています。

以上

朝日新聞が大阪発砲容疑者の姜真一の情報提供呼びかけも井川真一としか書かず

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https://www.asahi.com/articles/ASM3C5H2BM3CPTIL01K.html

朝日新聞が大阪の発砲事件の指名手配犯である井川真一容疑者の情報提供を求める記事を書きました。

この記事、何かがおかしいです。

朝日新聞が井川真一容疑者の情報提供を呼びかけ

大阪の発砲、34歳の男を指名手配 殺人未遂などの疑い:朝日新聞デジタル

無事だった従業員の府警への説明などによると、井川容疑者は入店直後に応対した従業員に発砲。その後男性客ともみ合いになり、さらに発砲した。従業員らが取り押さえようとしたが、北方向に逃走したという。店のテーブルには回転式拳銃のようなものが残されていた。情報提供は南署(06・6281・1234)へ

井川真一容疑者の情報提供を呼び掛けています。 

でもこれ

本名を記事中に示さないのに意味あるのでしょうか?

井川真一は通名、本名は韓国籍の姜真一

本名は韓国籍の姜真一であるという報道があります。

産經新聞に限らず、他の媒体やテレビでも報道されています。

朝日新聞は顔写真あるし他が報じてるから良いと思った?

顔写真があるから良いのでは?という意見もあると思います。

しかし、こういう写真は普段の生活上の見た目とは結構異なる場合も多々あります。

私も運転免許証の写真は別人のようになっていますし、写真の写り方によってかなり変わるでしょう。

また、他の媒体が報じてるから良いのでは?とも一瞬思うのですが、それって朝日新聞の存在意義がなくなるという話なので、どうなの?と思います。

まとめ:重大事件を本名で報道しない謎

この事件は拳銃を発砲して殺害しようとし、現在逃亡しているという重大事件です。

にもかかわらず通名報道で済ませ、本名報道をしないというのは、本当に情報収集をする気があるのか非常に疑わしいと言わざるを得ません。

こういう報道姿勢は正しいのでしょうか?

以上

立憲民主党の川内博史「鉄は1トン1万円なのにオスプレイは200億」がツッコみ所満載な件

立憲民主党川内博史の評価評判

立憲民主党 川内博史衆院議員が「鉄は1トン1万円だから重さ15トンだと15万円。他方で15トンのオスプレイはどうして200億円になるのか」と発言したことが調べれば調べるほどツッコみどころ満載すぎて、おもわず更に調べてしまいました。

評判の立憲民主党・川内博史衆院議員の演説

 

立憲民主党 川内博史衆院議員 2019年3月2日 動画3分40秒から

オスプレイってあれ重さ15トンなんですけど。鉄1トンはオーストラリアで買うと1万円です。それが15トンですから本当は15万円ですよ。いろいろ加工して人手がかかってるからいくらかは付加価値はつくかも知れないけど15トンは15万円なんです。それがなんで200億にもなるの~と

全部みなさんに請求書が回るんです。この国のあらゆる財やサービスはすべて皆様がお金を出している。最終的にみなさんの懐に請求書が回るんです。だから政治や行政というものを私たちが正しいものにしていかなければならない。まぁ統計を偽装するようになったらおしまいです。

この発言が総ツッコみを受けているところです。

コストや加工費をなぜか度外視

「いくらかは付加価値はつくかもしれないけど」

という前置きはありますが、結局のところ原材料費から製品価格が決定される途中について全く触れていないので、加工費等を無視していることになっています。

これに対してなんと川内議員がツイッターで釈明をしました

魚拓:http://archive.is/BHIxz

付加価値の中身を考えてもらうという問題提起でした、だから間違ってません

要するにこう言ってるわけですが、それにしても奇妙です。

本当に付加価値の中身を考えていただくということでしたら、聴衆に考える材料を提供しているハズです。しかし、何も言及していません。

本当に川内氏の言うような意図なら15万円⇒200億円の途中にあるべき付加価値の中身について触れるハズですが、それがまったくありません。

なので、オスプレイは必要ないという結論を言いたかったがためだったのがヤバいと思いつつ認めるわけにはいかないのでいい加減な言い訳をしているのではないか?と疑惑をもたれてしまうのです。

なんだか「倉敷の友達からききました」「皮肉として書きました」を思い出します。

鉄のレートは1トン1万円?

鉄鋼市場価格|鋼材・鉄鋼製品・鉄スクラップ価格表|日刊産業新聞

2019/03/08調べ (円/トン)

鉄スクラップ
H2 東京24500 大阪21500
鋼ダライ粉 東京21700 大阪19000

鉄スクラップの半額以下の鉄って、本当にオーストラリアで買えるのでしょうか?

まぁ、オーストラリアの市場価格が調べられなかったので、もしかしたらそうなのかもしれませんが、スクラップよりも安いというのはちょっと…

とまぁ戯言はさておき「鉄の塊」というのは当然にして疑問が呈されるべきでしょう。

オスプレイの機体は主にアルミ製?

「オスプレイみたいな飛行物体が鉄でできているわけはなく、より軽量なアルミ合金でできているのではないか?」

こう指摘する声があったのですが、そうでもないみたいです。

カーボン(Graphite-Epoxy)が主な素材

魚拓はこちら

上記サイトの図を見ると、Graphite-Epoxyが機体(12500ポンド)の59%、金属が20%、ファイバーグラスが11%、その他が10%となっています。

さらに、別のソースからも指摘がありました。

Air Force Magazine

The Osprey is also the first major military aircraft design whose airframe will be made up almost entirely of composites. Slightly more than 6,000 pounds of the aircraft's almost 13,200-pound structure will be made of a graphite-epoxy laminate. 

There will only be about 1,000 pounds of metal in the airframe, and most of that comes in the form of perforated copper that will be laminated to the outer skin panels for lightning protection.

オスプレイは、その機体がほぼ完全に複合材料で構成される最初の主要な軍用機でもあります。機体部分の13,200ポンドの構造のうちの6,000ポンド以上が、グラファイト - エポキシラミネートでできています。

機体には約1,000ポンドの金属しかないでしょう、そしてそのほとんどは雷防護のために外皮パネルに積層される穴のあいた銅でできています

上記2つのサイトの数値にずれがありますが、いずれにしても「鉄の塊」というのはまったくあてはまらないということがわかります。

流石にこれだけ素材が進化してる現代において「比喩表現でした」は通用しないでしょう。しかも本人が「原材料としての鉄」をわざわざ引き合いに出しているのですから、なおさらです。

そもそも200億円というのも間違い

ぼったくりではない日本向けオスプレイの価格(JSF) - 個人 - Yahoo!ニュース

Japan - V-22B Block C Osprey Aircraft | Defense Security Cooperation Agency

内容はオスプレイ17機とエンジン40基、赤外線前方監視装置40基、ミサイル警報システム40基など機体数を上回る予備部品とアメリカでの訓練費用なども含んだ総額の諸経費で、約30億ドルが提案されています。今現在の為替レートは1ドル120円なので約3600億円になります。

ただし、単純に30億ドル(3600億円)を機体数17で割ると1機あたり1.76億ドル(211億円)になりますが、これは前述の通り諸経費込みの価格なので機体単価ではありません。機体単品での価格は1機100億円前後で、諸経費がそれと同じくらいに掛かるという事です。

200億円というのは日本政府がオスプレイ17機を購入した際の総額30億ドルを17で割っただけの数字だったようです。

機体単価だけみると1機約100億円とのことで、この点も川内氏の発言は前提が誤っていたということになります。

民主党政権が購入を提案した点の評価は?

オスプレイ、自衛隊に導入検討へ 防衛省、調査費を計上 :日本経済新聞

オスプレイの導入を巡っては、野田政権時に玄葉光一郎前外相の提案を受け、森本敏前防衛相が導入の可否を検討するよう指示していた。安倍政権でも日米同盟を強化するとの観点から調査費計上の方針は引き継ぐとみられる。

川内博史議員は民主党公認で出馬して2009年には小選挙区で当選しています。

まさか自分の所属していた党が購入する方針だったことをお忘れなのでしょうか?

まとめ:立憲民主党の川内博史議員の演説の正しさは…

立憲民主党 川内博史衆院議員 2019年3月2日 再掲

全部みなさんに請求書が回るんです。この国のあらゆる財やサービスはすべて皆様がお金を出している。最終的にみなさんの懐に請求書が回るんです。だから政治や行政というものを私たちが正しいものにしていかなければならない。まぁ統計を偽装するようになったらおしまいです

川内議員はべつに偽装する目的だったのではない。これだけは言いたい。

あと、オスプレイの重さはちゃんと15トンでしたのでその点はご安心ください。 

以上

朝鮮総聯(朝鮮総連)の破産申立てについての質問主意書と答弁書

朝鮮総聯に対する鵜破産申立て、質問主意書と答弁書

加藤健さんや長尾敬議員らが目指している【朝鮮総聯の破産手続き】について。

内閣から答弁書が出たようですので確認していきます。

朝鮮総聯(朝鮮総連)の破産申立てに関する質問 

平成三十一年二月二十一日提出 質問第五五号 朝鮮総連への破産申立てに関する質問主意書 松原 仁

松原仁さんは靖国神社のパール判事の記念碑に献花するなど、良心的な方です。

この質問では「朝鮮総聯が破産法の破産申立ての対象になり得るか」を確認してました

それに対して内閣から答弁書が3月5日に出ていました。

朝鮮総聯の破産手続きについての答弁書

内閣衆質一九八第五五号 平成三十一年三月五日 衆議院議員松原仁君提出朝鮮総連への破産申立てに関する質問に対する答弁書 

ざっくりこの回答内容をまとめると以下です。

  1. 一般的に権利能力無き社団に対しても破産開始決定は可能
  2. 個人以外への免責はない
  3. 一般的に債権者の同意があれば破産廃止決定が可能
  4. 一般的に債務者の役員や従業人に至るまで破産法上の説明義務が課せられ得る

個別具体的な事案についての回答は控えられました。

要するに朝鮮総聯に破産手続きができる可能性があることが確認できました。

これは破産法の条文から当然のことしか言っていませんが、可能性が断たれるのではなく可能性として残っているということが重要なのでしょう。

破産手続の誤解:免責を与えるために行うものではない

よく破産手続の誤解として「免責が必ず与えられる」という思い込みがあります。

だから朝鮮総聯の件でも「わざわざ免責するのか!けしからん!」という受け止めをする方がいらっしゃるようです。それは誤解です。

免責は個人にしか適用されません。

朝鮮総聯は「権利能力無き社団」ですから、個人ではありません。

よって、免責はありません。
※追記:個人と異なり法人や団体は破産すると存在が消滅するため免責制度を設ける必要が無い。有限責任である権利能力無き社団も同様。破産者の財産の換価処分を超えた債務は消滅する。

権利能力無き社団とは、法人格を持たないけど団体としてのまとまりがあると認められている法的な主体です。たとえば私が「ツイッターブロガーの会」みたいなのをSNS上で宣言してハッシュタグで活動していたとしても、それだけでは「ツイッターブロガーの会」が訴訟等の当事者とはなりませんが、朝鮮総聯は訴訟等の当事者になる事が出来ます。

破産手続は、債権者に朝鮮総聯の1000億円近い債務を配当させることを目指しているのです。

破産廃止決定が可能性としてあることの意味

破産廃止とは破産手続きの終了の効果があります。

なぜこれに意味があるのか?破産手続を終わらせるのは朝鮮総聯に利益では?

そうです。朝鮮総聯に利益です。

だからこそ、取引材料に使えると加藤さんらは考えています。

朝鮮総聯の構成員に破産法上の説明義務が課せられ得る

これが結構強力な効果を持ちます。

(破産者等の説明義務)
第四十条 次に掲げる者は、破産管財人若しくは第百四十四条第二項に規定する債権者委員会の請求又は債権者集会の決議に基づく請求があったときは、破産に関し必要な説明をしなければならない。ただし、第五号に掲げる者については、裁判所の許可がある場合に限る。
一 破産者
二 破産者の代理人
三 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役及び清算人
四 前号に掲げる者に準ずる者
五 破産者の従業者(第二号に掲げる者を除く。)
2 前項の規定は、同項各号(第一号を除く。)に掲げる者であった者について準用する。

 (説明及び検査の拒絶等の罪)
第二百六十八条 第四十条第一項 ー中略ー の規定に違反して、説明を拒み、又は虚偽の説明をした者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

帳簿に何か怪しいことがあっても秘匿は許されないということですね。 

口頭説明に限らず、必要書類の提出義務もあるとされています。

朝鮮総聯の幹部連中が下手をすればお縄になる一歩手前になる状態に引きずり出すことができるわけです。

朝鮮総聯の借金と返済未納の顛末について

加藤権さんが指摘する朝鮮総聯にかんする経緯や破産手続の効果については、新潮45に書かれています。導入部分は上記デイリー新潮の記事に書かれています。

以上