事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

表現の不自由展再開へ:韓国メディアが速報の意味

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あいちトリエンナーレの表現の不自由展が再開へ向かうとの報道がありました。

その際に韓国メディアのKBSが速報を打ちました。

その事の意味は何なんでしょうか。

表現の不自由展再開へ

「表現の不自由展」再開へ 時期は10月6~8日で協議 [「表現の不自由展」中止]:朝日新聞デジタル

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で、中止になった企画展「表現の不自由展・その後」の実行委員会が展示再開を求めた仮処分の審尋が30日、名古屋地裁であり、展示を再開する方向で、芸術祭実行委員会側と和解した。企画展実行委の代理人・中谷雄二弁護士が明らかにした。

「和解」と言いますが、実質的に不自由展側の意向の通りでしょう。

彼らは「展示している状態」が目的なのだから。

韓国メディアが速報を打つ

魚拓はこちら

表現の不自由展再開への動きは、なぜか韓国メディアが速報を打っています。

他の韓国メディアもハングル版で報じています。

소녀상 선보였다 중단된 日 ‘표현의 부자유전’, 내달 전시재개 합의 - 중앙일보

少女像を展示→中止の日本「表現の不自由展」、来月展示再開で合意
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.09.30 17:12

中央日報の報道順はハングル版⇒日本語版という順番であり、韓国側での注目度の方が高いことが伺えます。

朝鮮日報に至っては日本語版では未だに(9月30日18時時点)記事化されていないのにハングル版では記事化されています⇒소녀상 선보였던 日 '표현의 부자유전' 10월 재개 - 조선닷컴 - 국제 > 일본魚拓

そもそもの発端はKBSの報道

トリエンナーレの表現の不自由展で昭和天皇の肖像が焼却される映像や捏造慰安婦像=少女像が展示されているということを最初に報じたのは韓国KBSです。

来場者に対してSNSでの拡散は禁止するというルールを設けていたにもかかわらず、韓国メディアに対してはこのような規制は働かせなかったのでしょうか?

韓国メディアは最初からこの事件を注視してきたということです。

この点については不思議な事に、検証委員会でも触れられていません。

公的機関主催の場での捏造慰安婦像=少女像展示が目的

彼らは「日本の公的機関が主催している場で少女像を展示してやったwww

という目的で展示をしようとしているのでしょう。

そのことは当初から指摘していましたが、韓国メディアの異常なまでの素早い動きを見ると改めてそのような目的であると疑わざるを得ません。

仮に、展示しただけでは公的機関の意思として「少女像が表す日本軍の蛮行」を認めたことにはならないとしても、外からの見え方は明らかにそうなるわけです。

「日本の公的機関が少女像の展示を認めた!日本が過ちと向き合っている!」

このような声が韓国国内だけでなく、英語メディアで蠢いている韓国系のライターたちが英語で発信するでしょう。

 

まとめ:憲法上の表現の自由の話ではない

本件は表現の自由がダイレクトに問題になるケースではないというのは検証委員会委員の曽我部教授(憲法学)も指摘している通りです。基本的には契約関係の話です。

本件を憲法学の次元で論じれば「政府言論=ガバメントスピーチ」であり、表現の自由の領域ではなく、何を展示するかは政府の裁量が広く働きます。したがって拡大解釈された検閲概念でもってしても不該当、という結論に筋があるということは何度も指摘してきました。

にもかかわらず、相変わらず「憲法上の表現の自由」の問題であるとして騒ぎ立てている者が憲法学者や弁護士にも居ますが、彼らはイデオロギーに基づいて発信しており、「素朴な意味での表現の自由」という逃げ口上でもって一般人を煽動しているケースがあります。

或いは、法曹資格者が「憲法上の表現の自由」と「素朴な意味での表現の自由」を分けて論じているのに、記事化された状態では混同されている(一般人が一見して違いが分からない体裁になっている)という事なのかもしれません。

注視していれば、どの専門家がイデオロギーに基づいて誘導しているのかが分かるでしょう。

我々はむしろ、芸術に仮託した政治プロパガンダという【ガバメントスピーチの乗っ取り】に対して警戒していかなければならないでしょう。

以上

愛知県トリエンナーレ検証委員会:なんと!YouTubeの「電凸」音声を削除

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トリエンナーレ検証委員会のYouTubeチャンネルで「お客様の声」として音声を公開していましたが、なんと!ページが削除されていました。

正当性のない行為だと気づいたようです。

愛知県のトリエンナーレ検証委員会 YouTubeの「電凸」音声を削除

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あいちトリエンナーレ2019に寄せられたご意見等 - 愛知県魚拓

元々はこのような画面で、愛知県の公式HPからYouTubeへのリンクがありました。

これが現在は削除され、YouTube上の「電凸」動画も全て削除されています。

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単なる抗議電話を「電凸=犯罪」という前提で行動していた上山信一

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トリエンナーレ検証委員会の副座長である上山信一氏は、単なる抗議電話は問題ないとした上で、「電凸=威力業務妨害・脅迫」であり、検証委員会の場で「電凸体験コーナーをホームページで載せたらどうか」などと言っていました。

そのため、YouTubeにあげられた動画は全て電凸=犯罪であるというレッテルを貼っていたということになります。

しかし、上山氏の「威力業務妨害」関連のツイートは現在は大量に削除されています。

まとめ:検証委員会の検証が必要

あまりにも分かり切っていたことですが、あいちトリエンナーレ検証委員会はその人選が不透明であり、検証対象であるべき大村知事がオブザーバーとして会議に出席しているなど、「お手盛り委員会」に過ぎないためにまともな検証は期待できないという見方があり、まさにその通りになっていると言えるでしょう。

愛知県の公権力を使ってこのような不適切な行為をしたことについての責任はいったい誰が取るのでしょうか?

以上

トリエンナーレ検証委、上山信一「抗議電話は威力業務妨害」⇒4年前「スポンサーへの電話抗議をしましょう」⇒削除

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トリエンナーレ検証委員会の副座長の上山信一氏が、市民の抗議電話を「威力業務妨害」と言っていましたが、過去には抗議電話を煽っていた事実が判明しました。

そして、そのツイートは現在は削除されています。

トリエンナーレ検証委、上山信一「抗議電話は威力業務妨害」

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上山信一氏は「電凸」というものについて、「同じことを繰り返す」「侮蔑表現が多い」などという評価を加えた上で「犯罪」と言っています。

魚拓はこちら

魚拓はこちら。

上山氏はまともな抗議電話と電凸は区別しているようです。なので、電凸イコール犯罪という認識の下で発言していました。

しかし、これは「電凸」の一般的な用法とは異なる言葉の使い方です。

元々はインターネットスラングで、「抗議電話の音声をネット上にUPして相手の対応を晒す行為」くらいの意味です。そこに犯罪性があるという意味合いはありません。

定まった定義は存在していないのですが、勝手に言葉の意味を改変して良いものではないでしょう。

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このように、「電凸は犯罪」と言い続けてきた上山氏が、愛知県が公開した音声についても同様に「電凸」であると言っています

脅迫罪であるとも言っています。

https://twitter.com/ShinichiUeyama/status/1177615059897352192魚拓

愛知県の音声の一部はまったく犯罪ではない

上記記事でも指摘しましたが、音声5,6はそれだけでは確実に何等の犯罪も構成しません。単なる抗議電話ないし県民としての意見表明です。 他に長時間電話を切らなかったなどの事情が無い限りは。

そういう事実が示されていない現状では、これを「電凸=犯罪」と言って晒す行為は公的機関の人間として非常に不適切でしょう。

4年前「スポンサーへの電話抗議をしましょう」⇒削除

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元ツイ⇒https://twitter.com/ShinichiUeyama/status/589723030256951296

魚拓はこちら ツイログ

2015年4月19日には、上山信一氏は

「毎日放送「ちちんぷいぷい」の偏向報道に抗議されたい方は以下からメールや電話で抗議しましょう。次回の番組も偏向が目に余る場合は大々的なスポンサーボイコット(不買)運動やスポンサーへの直接電話抗議作戦も考えるべきです。」

などとツイートしていました。

ツイログからキャプチャーしたこの記事冒頭の画像から分かるように、このツイートは現在のアイコンになってからも存在していたことが分かります。

つまり、最近になってから都合が悪いと思って隠蔽するために削除された可能性が高いです。

どうも「威力業務妨害」が含まれるツイートがのきなみ削除されているようです。

通常の抗議電話なら消す必要はないのでは?

再掲

魚拓はこちら。

このように、「まともな抗議電話は問題がない」と上山氏は言っています。

であれば、なぜ4年前のスポンサーへの抗議電話を呼び掛けるツイートを削除したのでしょうか?

自分の発言に一貫性が無いということを自覚していたのでしょうか?

まとめ:言葉の意味を改変し発言に責任を持たない委員

このように、上山信一氏は世の中で流通している言葉の意味を自己流に勝手に解釈して使用しており、なおかつ、ツイートを大量削除するという行為をしています。

発言に責任を持っていない者であることが明らかになりました。

こんな人間がトリエンナーレ検証委員会の副座長をやっており、「電凸体験コーナー」などとふざけたことを愛知県の公権力を用いて行うことを主導しているのですから、本当に恐ろしい限りです。

以上

市民「ライダイハン・大村知事の写真を燃やした展示」大村知事「誹謗中傷はご遠慮いただいております」

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大村知事が「ライダイハンを展示したい」という市民のツイートに対して「誹謗中傷はご遠慮いただいています」と返信しました。

市民「ライダイハンを展示したい」大村知事「誹謗中傷はご遠慮いただいております」

魚拓はこちら

 

魚拓はこちら

本当にこんなことを言っています。

大村知事は「ライダイハンの展示は(誰に対するものか不明だが)誹謗中傷である」

と考えているということがこのツイートだけを見れば読み取れてしまいます。

韓国の利益の代弁者であるという推定が働きますね。

大村秀章「自分の写真が燃えるのは誹謗中傷・天皇はOK」

 魚拓はこちら

一つのツイートに2つのリプライが付けられている事が分かります。

この一連の流れを見ると、どうも「誹謗中傷はご遠慮」のツイートは大村知事の写真を燃やす作品の展示についてのツイートに対してリプライしたかったように見えます。

「一般論として解説をしっかりと付ければありだと思います」のツイートの方が時間が先に来てるということからも、そういう可能性が高いと言えるでしょう。

しかし、「やはり誹謗中傷だと考えを改めた」という可能性も残ります。

先に「一般論としてはあり」と言っていたからと言って、なぜ「後から考えを変えて誹謗中傷と言った」という可能性を完全に排除できるのか?

何人ものアカウントが大村知事に対して、このツイートについて見解を求めるリプライをしているのに、まったく無反応だという事実もあります。

「誹謗中傷はご遠慮」のツイートから遡った場合には「一般論として~」のツイートは見えませんから、大村知事の発信方法では仮に考えを改めたのではないにしても、自ら誤解を招く発信をしているということです。

しかも、「自分の写真が燃やされるのは誹謗中傷」というのは、昭和天皇の肖像を含む版画が燃やされることを容認している態度と整合性があるとは到底言えません。

「天皇の写真が燃やされるのはOKで、自分の写真はダメ」という考えの持ち主だということです。

一般的な人ではなく大村秀章知事という特徴の人の発信

大村知事は、マズいと思ったらツイートを削除する人ですし、愛知県HPでも第一回検証委員会の告知ページが削除されましたし、「電凸音声」とされたものを公開したページも削除されました。この姿勢は一貫していると思います。

そういう人がライダイハンツイートに対する「誹謗中傷」のリプを2日以上経ってから訂正しないという事実があるせいで、本当にそういう考えであるという可能性がどうしても残ってしまいます。

ブロックするから訂正もできない大村知事

大村知事はこのアカウントをブロックしたようです。

そのため、仮に間違ってリプライをしたとして、そのことに気付くことができないのでしょう。それによる第三者からの評価は大村知事が甘受すべきことです。

大村知事は過去には自分のツイート(コスプレ画像を紹介したもの)のスクショを添付したツイートを「誹謗中傷」と言っていたように、支離滅裂な態度を取り続けてきた自業自得でしかありません。

まとめ:「切り取り・切り貼り」というアクロバティック擁護

なお、大村知事がライダイハン展示のツイートに対して「誹謗中傷~」というリプライをしたことを指摘したことについて「切り取り・切り貼り」という謎の擁護をする者が居ますが、無理やり過ぎて話になりません。

「ライダイハンのツイート」に対して「誹謗中傷~」とリプライをしたのは厳然たる事実であり、仮にミスであれば公職者であれば発信によって誤解を生じさせること自体が不適切な行為です。

そして、大村知事は天皇の肖像が燃えるのはOKなのに、自分の写真が燃えるのは誹謗中傷だという見解の持ち主であるということが今回明らかになったのであり、それは動かしようのない事実です。

以上

※追記:かなり経ってから大村知事のツイートで「誹謗中傷はお断り」に関してはライダイハンに対するものではない旨が説明されました。ならばなぜツイートは削除しないのか疑問ですが。

大村知事、反対意見を伝える電話を「威力業務妨害の電凸攻撃」もはや正常な判断ができていない

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愛知県のHPで、トリエンナーレ事務局(愛知県職員が対応)に対して作品展示への反対意見を述べる電話の音声を公開したことに関して、大村知事は「電凸攻撃、威力業務妨害」と言い放ちました。

大村知事、反対意見を伝える電話を「威力業務妨害の電凸攻撃」

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具体的な音声は以下の記事や愛知県のHPから聞いてみればよいですが、音声1~7のうち、音声5,6は罵声などもなく単に作品展示についての反対意見を述べただけに過ぎません。

それ以外の音声では罵倒語を使ったものもあって違法の可能性は出てきますが、それでも罵倒語を用いたことが直ちに威力業務妨害になるとは限りません。

県民の財産を利用して作品展示がなされているわけであり、基本的には県民の意見を伝えるのは当然にして許されることです。

愛知県のHPやYouTubeページには何らの説明もなく、不必要に長時間の電話で相手を拘束したといった事実の記載が無いので、2~4分の電話内容でしか我々は判断できません。

威力業務妨害なら警察への被害届は出したのか?

大村知事が言うように、音声1~7がすべて威力業務妨害に当たると考えているならば、警察に対して被害届を出しているはずです。

しかし、そんなことをしているのでしょうか?

音声5,6のような明らかに違法ではない電話についても被害届をだしていたとすれば、それこそまともな判断能力が無いということを暴露していることになります。

太下義之「電凸は検閲・ソフトテロ」という超理論

検証委員会委員の太下義之氏は「電凸は検閲・ソフトテロ」と超理論を呻いています。

もう「検閲」の「拡大解釈」や「概念操作」どころの話では無くて「言葉の創造」のレベルになってますね。

こんな無意味なポエムを聞かされる検証委員会って存在意義はあるのでしょうか?

この検証委員会の委員の選定過程はどうなってるのでしょうか?

ネットで実名を特定、「炎上」「電凸」 米国でも日本と同じことが起きていた : J-CASTニュース

動画の2時間45分くらいで太下氏「電凸は先進国は日本だけだと思う」

ごく簡単な事実を調べずに検証委の場でテキトーな事を述べる人が委員をやってるということですね。

上山信一「半分冗談だけど電凸体験コーナーを設けよう」

検証委員会副座長の上山信一氏は「電凸」を単なる「抗議電話」「意見」というものではなく、「不当なもの」という意味合いで用いています。そのため、音声5,6も不当なものであると評価しているのでしょう。

そして、「電凸体験コーナー」などとおちゃらけたことを言っています。

3回目の検証委員会の終盤でも「半分冗談なようですが…」と言いながら「電凸をHPで公開したらどうか」と言っていました。

これ、津田大介の「天皇が燃えるんだよあひゃひゃ」と何が違うのでしょう?

おんなじレベルのものを公的な場で発言して実行したという意味でもっと悪質です。

まとめ:もはや正常な判断ができていない検証委員会

検証委員会の委員の多数がまともな判断力を有していないということが分かりました。

「検閲」「表現の自由」についても曽我部教授が「基本的に契約関係であり憲法上の表現の自由がストレートに問題になるわけではない」「自分の気に入らないものに対して検閲というレッテル張りをする局面もみられた」と指摘しているのに、一向に「検閲」という語の使用をあらためることをしません。

曽我部教授一人でなんとかなる話ではないですね。

こんな組織がまともに芸術祭運営について検討できるとは到底思えないので、やはり補助金の不交付決定は正しいでしょう。

以上

朝日新聞官邸クラブが正体を現す「日本人に対するヘイトスピーチは日本の法律では違法ではない」

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朝日新聞官邸クラブのツイッターアカウントが正体を現しています。

事実誤認に基づく発信なのでしっかりと事実を理解しましょう。

朝日新聞官邸クラブ「日本人に対するヘイトスピーチは日本の法律では違法ではない」

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まず「日本人に対するヘイトスピーチは日本の法律では違法ではない」の部分。

これは事実誤認です

ヘイト規制法は「本邦外出身者」への不当な差別的言動を禁止

本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律

通称「ヘイト規制法・ヘイト禁止法」と呼ばれる法律ですが、「不当な差別的言動」の中にはいわゆる「ヘイトスピーチ」に相当する事象も含まれて居ます。

そして、ここでは「本邦外出身者」を保護対象として定義しています。

(定義)
第二条 この法律において「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」とは、専ら本邦の域外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以下この条において「本邦外出身者」という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であることを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的言動をいう。

このように「日本国籍を有しているのではないこと」というような要件はありません。

  1. 「本邦の域外の出身者又はその子孫」に対して
  2. 「本邦の域外の出身であることを理由」として

ですから、例えば「にしゃんた」氏や「大坂なおみ」選手に対して(いずれも現時点で日本国籍者)、その出自を理由とした排斥言動を行えば、ヘイト規制法上の違法行為になります。

なお、定義規定のうち「専ら」という部分は「差別意識を助長・誘発の目的」にかかっており、「出身」にはかかっていません。

ヘイト規制法・ヘイト禁止法は在日韓国・朝鮮人が念頭

第190回国会 参議院 法務委員会 第8号 平成28年4月19日

○西田昌司君 まず、いわゆるこのヘイトスピーチですけれども、現在も問題となっているヘイトスピーチ自身は、いわゆる人種差別一般のように人種や人の肌とかいうのではなくて、特定の民族、まさに在日韓国・朝鮮人の方がターゲットになっているわけですよね。ですから、そういう立法事実を踏まえて、この法律に対して対象者が不必要に拡大しないように、立法事実としてそういう方々が中心となってヘイトスピーチを受けているということで、本邦外出身者ということを対象として限定しているわけでございます。

法案発議者の1人である西田昌司議員の説明では在日韓国・朝鮮人を主な対象としているということが答弁されました。

もちろん、そのような者でなければ本法の対象ではないということではありません。

あくまで「本邦外出身者」や「適法に居住している」という限定要件を加えた理由=立法事実として説明されているに過ぎません。

たとえば元在日韓国・朝鮮人で現在日本国籍を取得している方が、その出自を理由に排斥言動を受ければ当然に本法の対象になります。ならなければおかしいです。

ただ、罰則が無いというだけです。

基本的に国・地方公共団体に対して努力義務を課しているだけの理念法なので。

日本人であることを理由とした排斥≒純日本人は対象外のおそれ

ところが、残念なことに以下のような例は、本法では捕捉されない可能性が高いです。

『元在日韓国・朝鮮人が「チョッ〇リは韓国人街から出ていけ」と言われた』

「出自という属性を理由に排斥を受ける」という状況は同じなのに、「日本人であること」を理由とした排斥は本法では保護対象とはならないのか?

いわゆる「純日本人」が保護の対象外ではないか?

これがヘイト規制法の成立時からおかしいと言われてきたことです。

実際に訴訟になったことが無いのでわかりませんが、規定の文言上は外れていると理解せざるを得ないでしょう。

ただ、「附帯決議」には「本邦外出身者に対する不当な差別的言動以外のものであれば許されるというのは誤った理解である」という文言もあるので、それが純日本人に作用するのかは分かりません⇒本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律案:参議院

大阪市のヘイト規制条例は純日本人も対象と明言

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大阪市:「大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例」の運用について (…>人権>ヘイトスピーチ)

勘違いされていますが、大阪市のヘイトスピーチ規制条例は、ヘイト規制法とは異なり、日本人へのヘイトスピーチも対象となると明言しています。

しかも、ヘイト規制法とは異なり、「人種若しくは民族に係る特定の属性を有する個人又は当該個人により構成される集団」が保護対象であるという文言になっており、ヘイト規制法上の「本邦外出身者」とは異なる規定ぶりですから、純日本人も対象になるということは明らかでしょう。

まとめ

朝日新聞関係者がこのような理解なのは、「日本人」が気に食わないから法律の文言をきちんと読み込んでないからでしょうか?実に朝日新聞らしいと思い、そのくぉりてぃは日本一だと思います。

以上