事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

CSIS報告書原文から見る中国の日本における影響

CSISのレポート、中国の日本における影響力

CSISの報告書で、「中国の日本における影響」と題するものがUPされました。

中身について簡単に紹介します。

CSISのレポート「チャイナの日本における影響力」原文

China’s Influence in Japan: Everywhere Yet Nowhere in Particular | Center for Strategic and International Studies

他の研究では、日本における中国の影響は限定的であると指摘されていますが、この新しいレポートでは、なぜそうなのかを説明しようとしています。

CSISのレポート「チャイナの日本における影響力」では、先行研究が日本におけるチャイナの影響は限定的であるとしているため、その理由を明らかにしようとしています。

これは以外なのですが、レポートの最後の方にまとまっているのでそれを簡単に紹介します。

CSIS「日本における中国の影響力は限定的」

CSISのレポート、中国の日本における影響力

CSISもまた、「日本における中国の影響力は限定的」だとしています。日本国内の環境として以下の点が外国勢力、特に中共に対して抗力を有しているとしています。

  • 日本の中国との武力紛争の長い歴史・それにより内在する隣国に対する疑惑の存在
  • 比較的世界から経済的および文化的に孤立してきた歴史
  • 政治から分離して無関心な民衆の気質があり、均質で事実上の単一政党が与党であるという政治環境
  • 厳しく管理されたメディア環境、情報へのアクセス制限、および当局へのアクセスに関してメディアに特典を付与する政府

最後の指摘は【記者クラブ】のことと思われます。

基本的に大手メディアのみに開かれた記者会見会場での質問権(メディアが運営)であり、フリーランス記者が入れるのは特定の曜日だけです。

日本の努力

  • 政権内の大幅に強化された国家安全保障機構を含む、政府の行政部門における権力の統合(日本における外国の影響に対して、政治的指導層が警戒する傾向があると仮定した場合)
  • 外務省および経産省を含む政府全体に配備された、国独自のグローバル広報キャンペーンの開始(「毒を以て毒を制す」)
  • センシティブな業界と不動産の外国人所有を制限(検討中)するなどの、外国の影響を最小限に抑える規制の制定や、厳格な政治資金規正法、および外国からの寄付による腐敗した影響を防止する厳しく規制された政治運動環境。

「毒を以て毒を制す」は、著者がそう評しているだけです。

この辺りの指摘は正直、「本当にそうか?」としか思いません。

もしかしたら、アメリカに比べたらそうなのかもしれませんが。

CSISの報告書原文における中国の影響の言及は

感想ですが、CSISの報告書原文を見てもたとえば「千人タレントプログラム」や「フォックスハント」といった、アメリカで問題となっている中国の浸透工作について述べている所がありませんでした。

そもそもその辺りに言及し得る事件が存在しないという意味であれば納得ですが、逆に言えばアメリカの方がより心配になってきます。

二階幹事長、今井秘書官、秋元司、鳩山由紀夫、小沢一郎など

アメリカが遂に日本政界の媚中派を名指し批判――二階氏や今井氏など(遠藤誉) - 個人 - Yahoo!ニュース

 二階1:二階(Nikai)は自分の故郷にある動物園のためにパンダを5頭も中国から買ったことがある。2019年4月には、安倍首相の特使として習近平と会談し、アメリカにはアメリカの意見(考え方)があるにもかかわらず(=それを無視して)(regardless of the United States’ opinion)、日本は「一帯一路」に協力すると提唱した。

中略

今井1:首相補佐官で経済産業省官僚だった今井尚哉(Takaya Imai)は、ビジネス的立場から、中国や中国のインフラプロジェクトに対する姿勢をよりソフトに(友好的に)するよう、安倍首相を説得してきた。

中略

秋元2:2019年12月、秋元は中国の大手オンラインスポーツギャンブルサービス「500.com」から総額370万円(約3万3000ドル)の賄賂を受け取った疑いで逮捕された。同サイトは、中国政府が出資する半導体メーカー、清華紫光集団を大株主としている。清華ホールディングスは清華紫光集団の株式を51%保有しており、習近平や胡錦濤の母校である清華大学の完全子会社であるだけでなく、胡錦涛の息子の胡海峰が、かつてこの企業の中国共産党委員会書記を担当していたことがある。

二階派は中国に取り込まれているということが書かれているということが端的に紹介されています。

他にも「鳩山由紀夫は小沢一郎の影響によって、日米同盟から独立した動きを強めた」「天皇陛下への習近平の謁見の場を設けた」ことなどが指摘され、他にも多数の議員らが名指しで中国共産党との関係について指摘されています。

以上

共同通信「介護施設向け」を削除して布マスク8000万枚配布報道

「介護施設向け」の布マスク8000万枚配布報道に関して、共同通信が「介護施設向け」を初報タイトルから削除して印象操作していたことが明らかになりました。

共同通信「介護施設向け」を削除して印象操作

魚拓

当初タイトルは「布マスク約8千万枚を介護施設などに配布へ」です。

魚拓

それが7月27日の午後11時8分にツイートされた詳細版の記事のタイトルでは

「布マスク約8千万枚を配布へ」と、なぜか「介護施設向け」を削除して報道されています。対象の中身は、介護施設や障害者施設、児童施設、幼稚園、保育所などです。

これはリプライ欄でも印象操作だという指摘がいくつもあります。

記事の中を見るとサブタイトルに「介護施設対象、厚労省」とありますが、これはTwitterのサムネイルでは現れませんし、何よりツイートの文言にも記載がありませんから、意図的な言葉の記述の可能性が疑われます。

共同通信の記事は「全戸配布用」の布マスク画像だが…

共同通信布マスク報道の印象操作

http://archive.is/Lf3u0#selection-105.0-105.10

共同通信の記事は「全戸配布用」の布マスク画像が添付されています。

ところで、介護施設等用の布マスクが到着したとする報告では、異なる形状が見つかります。

この写真からは、全戸配布用の、いわゆる「アベノマスク」とは異なる形状、パッケージだということが明らかです。

今回のはこれとは異なるのでしょうか?

実は、全戸配布用のものとは別事業だということは共同通信の当該記事にも書いてあります。

今回は第3弾に当たる。「アベノマスク」とやゆされた全世帯向けとは別の事業だが、素材や形状は同じだ。

ただ、「素材や形状は同じ」という部分が気になります。これは朝日新聞の記事でも同じ表現でした

厚労省に確認してみると…「素材と形状は同じ」

そこで、厚労省に確認したところ、「マスクの素材と形状は全戸配布用のものと同じ、

ただ、配布の際同封される文書の記載内容は若干変わっている」、ということでした。

なぜ3月頃とは異なるものが配布されることになっているのかは分かりませんでした。

とはいえ、医療施設は対象外なので、「布マスクは効果が無い」みたいな話ではないです。介護施設や保育施設での配布が無駄であると言ってるのって、感染拡大予防効果で言ってるのでしょうか?

「もう供給が回復してるから」なんて言ってる人は、介護施設等での調達コストとかは無視してるんでしょうか?児童対象ならその日の内にマスクが使い物にならなくなったから替えのために必要になるとか、マスクを家庭から持ってきていたとしても必要になるという面は考えているのでしょうか?

共同通信の記事のタイムスタンプが変更?

7月27日の午後11時8分に記事をシェアしたツイートがありますが、記事の時間は7月28日の0時0分となっています。

なぜこんなことが起こってるのでしょうか?

普段は"updated"の文言が入っているのに、奇妙です。

実際、初報版http://archive.is/MiIvHの記事はその文言が入って時間も2つ表示されています。

共同通信の印象操作は常態化している

大分前の話ですが、「イバンカ基金」 などという印象操作がありましたが、これも共同通信の記事が発端で報道が広まりました。

共同通信の印象操作は常態化しており、今回もその一環としか考えられないでしょう。

以上

橋下徹,百田尚樹に「餌などもらってるわけないやろ、ボケッ!自分は小説をツイッターで告知して欲しいとかセコイことやっておいて」

橋下徹、百田尚樹にボケ!

橋下徹氏が百田尚樹に対してTwitterで応戦しています。

橋下徹,百田尚樹に「餌などもらってるわけないやろ、ボケッ!」

発端となったのは百田尚樹氏のこのツイート

これに対して橋下徹氏が「餌などもらってるわけないやろ、ボケッ!」と反論しています。

二階幹事長のような中国とのパイプのある憎まれ役が必要という発言に関して

百田尚樹氏が問題視しているのは、2020年7月26日のフジテレビ「日曜報道PRIME」における櫻井よしこ氏との対談において、橋下氏が「二階幹事長のような中国とのパイプのある憎まれ役が必要」という発言に関してです。

このツイートは字数制限もあって上記文言しか引用していませんが、上記ツイートの動画にもあるように続きがあります。

橋下 全部が全部、ああいうふうになってはいけないですよ。やはりアメリカと西側とタッグを組むってことを軸としながらでも、やはり中国との関係をああいうふうにパイプを太くする二階さんのような政治家が、たぶんね、いま次の世代にいないんじゃないかな。今の国政状況だったら中国と仲良くすると凄い批判受けるからたぶん言えないんですよ。

なお、この動画の前のシーンでは、「政治ですからずる賢くやらないといけない」とも言っていますし、アメリカのトランプ大統領が今後どうなるかわからない、日本の国力も考えるべきだ、という現実的な話もしています。

百田尚樹氏「自分の小説を橋下さんのTwitterで告知して」と乞食していたと暴露される

「自分の小説がマスメディアに取り上げられないから橋下さんのツイッターで告知して欲しいとかセコイことやっておいて、世間向けには威勢よく吠える。それで俺が餌をもらっただと?ふざけんじゃねえよ」

なんと、百田尚樹氏が宣伝乞食をしていたと暴露されました。

ところで、橋下徹氏の戦略とは何なのでしょうか?

橋下徹の香港国家安全法に関する対中戦略

橋下徹氏の対中戦略に関しては、橋下徹「これが一番効果的な中国批判の組み立て方」が詳しい。

先述の動画も香港に関しての話題でしたから、香港対象の国家安全法に関しての考え方を見るのが筋でしょう。

  1. 中英共同声明3条1号では、香港は中国憲法31条に基づき「中国の特別行政区になる」ことが定められている
  2. 香港基本法18条には、中国全体の法律は香港には原則適用されないが、基本法付属文書3に列挙した中国全体の法律は、香港の立法会を通さず(公布形式)に香港に適用することができるとも書いてある
  3. 香港基本法158条は「香港基本法の解釈権は中国全人代常務委員会にある」と定めてある
  4. 今回の香港版国家安全法は中国全体の法律として、香港基本法18条に基づき同法付属文書3に加えられ、香港に適用する形
  5. よって、中国全人代が、香港版国家安全法の導入を決定したことを批判するには、かなりの理屈を考えなければならない

この前提で以下のメッセ―ジを送るべきだとしています。

1、アヘン戦争によって香港がイギリスに奪われた経緯については、中国に同情する

2、一度奪われた領土を、軍事力の行使なく奪い返した中国の並々ならぬ努力、戦略、知略、胆力には敬意を表する

3、香港が中国の主権に服することは最大限尊重する

4、中国が香港版国家安全法の導入にあたり、国内ルールに基づいていることも尊重する

 

ただし以下の項目からはフェアの思考に基づく中国への有効な批判メッセージだとし、

5、国民が非暴力・非武力で政府に抗議をするのであれば、政府はそれを軍事力や武力・暴力で鎮圧するのは止めろ

6、あくまでも犯罪的な国民の行為についてのみ、警察的な措置を執り、司法手続きで対応せよ

7、警察的な措置、司法手続きについては、世界各国の標準をしっかりと参照せよ

こうしたロジックで批判せよ、と言っているわけです。

ま、私としては、沖縄を香港の相似形とするような記述のところは、沖縄にチャイナのや北朝鮮の工作員が入り込んで基地反対運動派を支援してるとしか思えない傍証があるので、賛同しかねますがね。

参考:連帯ユニオン関西地区生コン支部:北朝鮮と極左過激派と武健一と辻元清美

橋下徹「理論武装できてるか?」

橋下徹氏としては、「理論武装できてるか?」「戦う準備できてるか?」と言っているわけです。

それとて二階氏に対して肯定的な態度をとるのは果たしてどうか、という議論はあってしかるべきですが、国会議員など国家戦略に関わる者や公職者ではなく、現在は民間人の立場の者が言ってる話ですから、「政治の理解」としてどう評価するかですね。

以上

野田洋次郎が優生思想?「大谷翔平・藤井聡太・芦田愛菜みたいなお化け遺伝子の配偶者は国家プロジェクトで選定すべき」

野田洋次郎が優性思想?大谷翔平・藤井聡太・芦田愛菜みたいなお化け遺伝子は国家プロジェクトで選定すべき

RADWIMPSの野田洋次郎が優生思想ではないか?と言われています。

「大谷翔平・藤井聡太・芦田愛菜みたいなお化け遺伝子の配偶者は国家プロジェクトで選定すべき」

魚拓

野田洋次郎氏が「大谷翔平・藤井聡太・芦田愛菜みたいなお化け遺伝子の配偶者は国家プロジェクトで選定すべき」とツイートしていました。

「前に話」をしていたかは調べてもそのようなツイートは見つけられませんでした。

野田洋次郎が優生思想?

野田洋次郎氏のツイートに対して「それは優生思想だからダメだ」というリプライが多く付けられていましたが、本人としては冗談であるとのことですが、反応が見たかったのでしょうか?

ところで、「優生思想」って何でしょうか?野田氏の言ってることは本当に優生思想なのでしょうか?

優生思想とは

優生思想とは「何らかの秀でた特質を有する者の遺伝子を保護し、逆に劣った特質を有する者の遺伝子を排除して、優秀な人類を後世に遺そうという思想」などと言われたりします。

学問的な定義があるわけでもなく、そんなような考え方が昔からあったものについて、1883年にフランシス・ゴルトンが定義した「優生学」という造語に由来した言葉です。*1

仮に「生殖プロセスへの介入によって生まれてくる子孫の質を人為的に制御しようとする思想」と言うならば、優秀遺伝子保護・劣等遺伝子排除のいずれか一つの要素でもあれば優生思想と表現することになるでしょうが、両者はかなり質の異なるものでしょうから一緒くたにして良いものなのか。

野田洋次郎氏のツイートに表れているのは、上記の内前者の方だけで、「劣った遺伝子を排除する」という意味であるとは読み取れません。

リプライをしている者の中には「お化け遺伝子保護」⇒優生思想⇒「劣った遺伝子排除だ」と理解する人もいるのですが、これは、

  1. 野田はAと言っている
  2. 野田の言っていることはA+Bに違いない
  3. よって、野田はBと言っている

という思考過程なので、2の時点で推論が含まれているため、野田氏の言っていることを優生思想だと評価していいのか、或いは優生思想だとしても悪いことであると言っていいのかは慎重になった方がいいでしょう。

優生思想はなぜダメと言われているのか

歴史を紐解けば古代ギリシャのプラトンが「最も優れた男性は、意図して最も優れた女を妻に娶ったに違いない」と言っていました。

また、ナチスドイツが優生学に基づいてアルコール依存症患者、性犯罪者、精神障害者、そして子孫に遺伝する治療不能の疾病に苦しむ患者に対する強制断種を可能とする法律を立法しています。また、それに留まらず、劣悪だからといって生きている者を本人の同意なく安楽死させるようなことをやっていました。

実は、世界の他の国も強制断種についてはやっていました。

日本でも優生保護法に基づくらい予防法でハンセン病患者の強制断種が行われています。その後、らい予防法は廃止されましたが、1960年にはハンセン病の治療法が確立しており、患者の隔離収容が必要ないのに強制不妊手術を受けた被害者が提起した訴訟で、違憲判決が出て国が敗訴、謝罪をしています。

そういうわけで、優生思想がダメだという意識が形成されたのは、ここ数十年の話なのです。ただ、たとえば競走馬を見ると分かるように、「良い遺伝子を継承させる」ようなものについては、優生思想だとしてバッシングを受けることはほぼありません。

国家プロジェクトで配偶者を選定している例

ところで、結果的に遺伝子が「特殊」であることに関連して、その方々の配偶者を国家プロジェクトで選定している例は、実は既に存在しています。

天皇皇族」と言うんですが。

もちろん、皇族・皇室というのは遺伝子が優秀だから存在しているのではなく、父方の系統を辿れば必ず初代の神武天皇に連なる者で皇位継承をしてきた血族であり、2680年の歴史を有するという事実自体の正統性に由来しているものです。

一定の皇位継承ルールのもと、2680年も続いてきた系統というのは、それだけで「お化け」(比喩的表現)と言ってよいでしょう。

天皇・皇族はなにも優生思想に基づいているわけではないというのは、大正天皇が病弱で学校にすら通えなかったという事からも明らかでしょう。

(あ~あ、なんだかここの記述がストローマン論法で批判されそうだなぁ)

野田洋次郎の言っていることは許されない優生思想なのか

ということで、野田洋次郎氏の言っていることが優生思想なのか、優生思想としても、それは許されないものなのか、優生思想じゃなくても良い・悪いことなのか、という点については議論の余地がある、という話でした。

ま、この発言が注目されたのは医師がALS患者を安楽死させた事件に関連して、当該医師が「高齢者への医療は社会資源の無駄、寝たきり高齢者はどこかに棄てるべき」などと主張していたため、優生思想の持ち主だった、みたいな報じ方がされたからですが、ここにきて「優生思想」という言葉の中身を少し整理した方がいいんじゃないでしょうかね?

逮捕された医師は元厚労省官僚 「高齢者は社会の負担」優生思想 京都ALS安楽死事件 | 京都新聞

以上

*1:優生学から見た子ども、教育(学)から見た子ども :藤川信夫(編著)『教育学における優生思想の展開』(勉誠出版2008年)の総括として 藤川, 信夫