事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

竹中平蔵「尾身発言は酷い、明らかに越権」

竹中平蔵「尾身発言は酷い、越権」

切り取り被害者が切り取り加害者に。

竹中平蔵「尾身発言は酷い、明らかに越権」そこまで言って委員会NP6月6日

竹中平蔵氏がそこまで言って委員会NP6月6日放送において、「この間の座長の発言なんか酷いじゃないですか。だって分科会がオリンピックの事を決めるわけではないのに明らかに越権でね」 と発言しました。

そこまで言って委員会NP|民放公式テレビポータル「TVer(ティーバー)」 - 無料で動画見放題 ※6月13日までアーカイブ。

これはメディアの切り取り報道によってつくられた認識をベースに発言しており、注意が必要です。

まずは「座長(尾身会長)の発言」がどういうものだったのかを確認しましょう。

切り取られていた尾身会長発言「普通は開催しない」

まだ議事録は出ていないし、発言の文脈を知るには1~2分の動画では不適切なので、書き起こしました。要約すると…

  1. 開催するという前提ならば、感染対策のために三位一体の努力が必要
  2. 三位一体とは
    ①国や自治体に対する一般市民の協力
    ②IT等テクノロジーの最大限の活用
    ③オリンピック組織委員会による規模縮小等の感染対策強化
     ※規模縮小とは、選手以外の関係者の人数制限のこと
  3. パンデミックの中でオリンピックを開催するのは普通は無いのだから、それが開催する者の責任
  4. オリンピック開催の目的を明確化することが、三位一体人々の協力を得られるかどうかという非常に重要な観点で、それがあって初めて一般市民は、それならこの特別な状況を乗り越えようと、協力しようという機運になるのではないか

尾身会長は、オリンピックを開催するならばという仮定のもとでの感染対策を述べている中で「普通は開催しない状況」だから「感染対策をしっかりやること」という趣旨で発言しています。

さらに、尾身会長は「オリンピックを開くかどうかということを我々が判断するということは、私はそういう立場にもないし、そういう権限もない」と明言もしています。

したがって、「越権」ということは発生していません。

竹中平蔵の尾身会長発言の認識はメディアの切り取りによって生まれたもの

このように、竹中平蔵氏が尾身会長発言を「越権」と認識していたことは、メディアの切り取りによって生まれたものであると言えます。

メディアの切り取りによって攻撃されることが多い竹中平蔵氏が、自身もメディアの切り取りの認識に乗っかってしまっているのは、何とも言えないものがあります。

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切り取られた尾身会長「普通は開催しない」発言書き起こしと隠された「ジャーナリストリスク」

尾身会長発言普通は開催しない、目的がはっきりしない

尾身会長が「(オリンピックは)普通は開催しない」と発言したとする報道。

切り取りが酷いので書き起こしました。

切り取られた尾身会長発言「普通は開催しない」発言書き起こし

報道された答弁は、衆議院厚生労働委員会 2021年6月2日 (水)における宮本徹(日本共産党)議員による質疑の中での尾身会長の発言。質問は省略します。

尾身 私はこれは国或いは組織委員会の関係者がオリンピックをやる、という決断をしたのか分かりませんけど。した、あるいはするのであれば、私は、いわばやや比喩的に言えばですね、三位一体の努力が必要だと思います。一つ目はこれは政府あるいは自治体のリーダーシップによる一般市民の協力で、人流に伴う接触機会をなるべく減らすということが私はこれは一般市民あるいは自治体・国の努力が必要だと思います。それからもう1つは、ここに来て人々がなかなか緊急事態宣言の協力を得にくくなっているという現実がありますから、相変わらず人々の努力だけに頼るという時期は過ぎたと思いますので、ITのテクノロジーだとかサイエンスだというものを最大限活用するというのがもう1つの三位。それから最後は、これはオリンピック組織委員会の人たちが是非やって頂きたいことですけども、オリパラもしやるのであれば規模をなるべく最小化して、管理体制をできるだけ強くすると。これだけ国の自治体の努力とサイエンスとテクノロジーの最大の活用と、それからオリンピックをオーガナイズする人の責任としては、これはなるべく今の状況でやるというのは普通はないわけですよねこのパンデミックで。そういう状況の中でやるということであれば、オーガナイザーの責任として、規模をできるだけ、開催の規模ですよね、これをできるだけ小さくして管理の体制をできるだけ強化するというのがオリンピックを主催する人の義務だと。そういう意味で三位一体の努力が必要だと思います。

*************** 

尾身 私は今回一番大事なのは地域での感染拡大を防ぐことだということは前から申し上げている通りで、そういう意味ではオリンピック委員会・政府・自治体が矛盾したメッセージは避ける。一体感のあるメッセージを出してくことは非常に重要なことだと思います。そういう中でやるやらないにしてもですね、どういうリスクがあるのかということをしっかり見極めた上で説明する必要があると思いますけど、私は人流の増大、接触の機会ということを前から申し上げておりますけれども、もう少しこれを分析しますと人流の増大には3つの要素があるんだということを十分理解した上で対策を打つなり決める必要があると。1つはですね、1つ目の人流増大に至る要素というものは、1つは観客のことで、観客が全国から集まる観客の移動に伴うもの、要素というのが一つだと思います。それから2つ目の要素というのは、パブリックビューイングだとか応援イベントやスポーツなどの応援に伴うものということがあると思います。それから3つ目は1つ目はいろんなところから会場に来る観客が来るというものですけれども3番目はそれとは逆に比較的都市部に住む人たちがこの期間実は連休もあるお盆もあるわけですよね。それ以外にも今度は帰省やら邦の…地方のおじいさんだったりおばあさん、そういうことと今度は帰省の方のそういうことですよね、こういう3つのリスクが実は地域においてあるんで、これはスタジアムの中のバブルの中の話とはまったく別の話で、こういうことがあるんだということを、実はこっちの方がはるかに感染リスクが高い、これをどう制御するかということをしっかりと考えることが、私は国として特に国内の方は地方自治体の責任ですよね。そういうことでしっかりと吟味する必要があると思います。

***************

尾身 これはリスクを仮にやるんであれば最小化するのが関係者の務めであると思うんですけど、私はどうやって感染リスクを最小化するということはもちろん当然、オーガナイザーの方々の責任だと思いますけど、そもそもオリンピック今回こういう状況の中でいったいなんのためにやるのか。目的ですよね。そういうことがちょっと明らかになってないので、このことを私はしっかりとはっきりと明言することが、実は人々の協力を得られるかどうかという非常に重要な観点だと思うので、オリンピックを仮にやるのであれば、いかに感染のリスクを評価してそれを最小化するということはもとより、いったい何のためにこのオリンピックを開催するのかという明確なストーリーというか話、いかに感染をリスクを最小化するということとパッケージに話すと、しないと、国民としては一方でおそらくここは国或いは自治体は、大臣仰るようになるべくテレビで観戦して外にはなるべく出ないでというような趣旨のことをお願いすることになりそうですよね。そういう中でやはり、なぜやるのか、ということ或いはオリンピック委員会の人がどれだけ汗をかくのかと、先ほどの三位一体のオリンピック関係者のですよね。そういうことが明確になって初めて一般市民はそれならこの特別な状況を乗り越えようと、協力しようという気になるんだろうと思いますけど、そうしたハッキリした国というかオリンピック委員会ですよね、なぜやりたいのか、というような…国ですかね、すみません、これは誰が決めるかということは分かりませけど、そういう関係者がそういったしっかりとビジョンと理由ですよね、これを述べることが私は極めて重要だと思います。それが無いとなかなか一般の人はこれに協力しようと思わないで地方で飲み会があったり、地方に帰れば同級生と飲もうと、せっかく。こういうことになる可能性は否定できないと思います。

尾身茂教授は開催の是非を論じていないし中止勧告を仄めかしてもいない

要するに、オリンピックを開催するのかしないのか分からないが、開催する前提で、パンデミック中での開催は普通は行わないものなのだから、関係者が感染対策をしっかりするのが責任だ、という趣旨のことを言っているだけで、開催の是非については述べていません。 

また、「目的が明らかではない」という点については、それを明言することで、尾身教授の言う「三位一体の努力」が実行されやすくなるだろう、ということに関連して発言しています。

単に政府やオリンピック委員会を批判しているのではなく、開催に向けた「三位一体の努力」のためのものだということが分かります。

尾身茂教授は開催の是非については論じていません。

また、「中止勧告を仄めかし」てもいないことはこれで分かると思います。

この点は翌日の質疑において明確化されました。

参議院厚生労働委員会6月3日の質疑と答弁の書き起こし

参議院厚生労働委員会6月3日

打越さく良(立憲民主・社民) 分科会で 感染についてのリスク評価を行うことが妥当と考えられます。尾身会長の考えはいかがでしょうか。

尾身 委員の仰るアドバイザリーボード或いは分科会でですね、オリンピックを開くかどうかということを我々が判断するということは、私はそういう立場にもないし、そういう権限もないので、それについては判断をする権限がないということですけれども、しかしですね、仮に今どうもそういう状況になっているようですけれども、仮に政府がオリンピック委員会にですね、IOC決定をするということを判断された場合にはですね、私共はこの1年以上ずっと国内の感染対策について政府にアドバイスをするという立場で来ていますから、このオリンピックを開催すれば、それに伴って国内の感染或いは医療の状況に必ず何らかの影響を起こしますから、我々、こうして役割を担ってきた専門家としては、仮に国が或いは組織委員会がオリンピックを開催するということを決定した場合にはですね、これの感染のリスク或いは医療ひっ迫への影響について評価をするのは我々のプロフェッショナルとしての責任だと思っています。したがって、分科会という場でやるのが相応しいのか、或いは組織委員会のところに我々の考えを示すのか或いはその他の場所があるのかどうか、いろいろ選択肢があると思いますけど、それといつ我々の考えを正式に表明するかという選択肢がいろいろあると思いますけど、私共はなるべく早いうちに、どうなるにせよ我々の考えを正式にしかるべき所と場所にですね、表明するのが我々の責任だと思っているので、そうしようと思っています。 

打越さく良 今のところは政府あるいは厚生労働省の方からそうしたオリパラに関連した感染リスク評価、開催の可否について諮問は受けていないという事ですね。

尾身 これも前も何度か申し上げましたように審議官、事務局の方から非公式に私の方に接触がありまして、私の個人的な意見を申し上げましたけれども、専門家の意見をまとめて正式にあなたたちの意見を述べてくれという正式な要請はございません。

打越さく良 会長は昨日の厚生労働委員会で、普通は開催は無い、やるならという前提で、やるなら開催の規模をできるだけ小さくして感染リスクを評価するのが義務だとおっしゃいました。なかなか権限がないということではありましたけれども、開催の可否について改めて教えていただけないでしょうか。

尾身 先ほども申し上げましたように、オリパラを開催すべきかどうかについては我々は権限がないし、何かあったときに責任を問うことができませんよね。我々は政府に対していろんなアドバイスするので、IOCにアドバイスするという立場にはない。したがって、なかなかここが私共が毎日考えてますけど、我々の考えをまとめて専門家の考えをまとめて述べるのが責任だと思っていますが、いわゆる分科会というのは政府ですよね。政府に言ってもIOCに届かないと意味が無いということで、どこに我々の考えを述べたら我々の考えが届くのか、いま検討中ですから、そういうことで是非については、やるというのであればどういうリスクがあるのかを申し上げるのが、我々の仕事だと思っております。

打越さく良 IOCに届かないと意味が無いということで、昨日も開催の是非について政府だけでコントロールできないため、もしも開催した場合の感染拡大のリスクについて日本政府だけでなくIOC大会組織委員会に伝える可能性に言及されたと私は捉えたんですけれども、その点についてももう一度お願いいたします。

尾身 いま委員仰るように、このオリンピックの開催という問題は大きく2つの側面があって、しかもこの2つの側面が非常に密接に関係しているということだと思います。1つはバブルの中、或いはスタジアムの中の感染対策ということで、オリンピックはIOCという組織或いは組織委員会がプレーブックというものを今回第三番目ができるということですけれども、しっかりやろうとしている。やろうとしていることは間違いなくて、いろんなワクチンを打ったり検査したりということで、私はそちらはですね、ある程度は制御することは可能だと思います。しかし、実際にこのオリンピックというこれはもう普通のイベントとは違う規模ですよね。社会的な注目度も違う。このことをすることによって、当然人の流れというものが生まれてきます。人の流れというのは大きく分けて3つの要素というものがあって、なんか人流というようなのは何なのかと疑問に思われる方がいるかもしれませんけど、基本的には大きく3つの要素が、側面があると思います。1つは当然、全国からスタジアムへ観客が移動するという側面ですよね。それから2つ目はパブリックビューだとかいろんなイベント、会場の外なんかでスポーツイベントがあれば、そこでは観客と応援という側面がありますよね。そういう側面がある。それから3つ目は、今度は都市部にお盆も入ってきますよね、それから連休がありますよね期間中。なんとか感染を避けたいと言うと、都会の人が地方に行くということがあって、今度は都会から地方、お盆に帰省だとか、そういうところに行って、久しぶりにおじいさんに会う友人に会うというような、こういう大きな3つの要素がありますね。したがって、オリンピックのバブルの中だけを議論してもほとんど意味が無い。むしろ感染の機会は地域、オリンピックの開催というものに伴う人々の動き、今私3つ申し上げましたけれども、それが起きる可能性が極めて高い。したがって、これを成功させるためには、オリンピック委員会の方もこれは最大限の努力をしてもらう。それが私は開催する人の責任だと思います。それには規模をなるべく小さくして、それから人数ですね、人数も含めた規模をなるべく少なくすると同時に、いわゆる管理ですよね。選手の方のリスクは極めて低いと思います。しかし、いわゆる大会関係者という人たちがいますよね。ジャーナリスト、スポンサー、政府の関係者、要人なんかがいる。この人たちの管理はそう簡単ではないと思います。そうしたことと、国内のですね、さっきの移動について何とか国民の、一般市民の理解を得てもわらないといけませんよね。この2つが一緒の方向を向いてやらないと、いくらバブルの中だけをコントロールしても、なかなか一般の人が納得して、しっかりといわゆる静かにたとえばテレビ大臣仰ったようなテレビを家で見てくださいというメッセージが伝わらないと。そういうことで私はオリンピック委員会の方も国内の状況を十分理解してもらわないと、スタジアムの中だけのことを考えても私はしっかりとした感染対策はできないと思うので。そういう意味で、私三位一体と言ってますけれども、オリンピックの関係者と政府と。それから政府の方にはこれから非常に重要な時期になりますから、今まで通りの感染対策ではだめで、ワクチンが今やっていますから、ワクチンに加えて検査だとかその他のいろんなテクノロジーを使った今まで以上に強い対策をしていくという、それぞれが連携して役割を果たさないとなかなかこの難しい。これは本来はこういうパンデミックのそういうところにやるということは普通ではない。それをやろうとしているわけで。やろうとするんだったらかなり厳しい責任をそれぞれの分野やオリンピック委員会も政府もやらないと一般市民が付いていかないじゃないかと。是非そういう、やるんならですね、強い覚悟が必要だと思います。

打越さく良 今、プレーブックのことも言及なさいましたけれども、プレーブックについても見落としているところがあるという指摘もあります。たとえば、選手などについては記載があるけれども、種目によってリスクは全然違うけれどもそういったことについての記載がないということとか、或いは選手だけでは無くて、選手村に出入りする、清掃を担当する方だとか、そういう人たちについては無い、記者、マスコミの方たちについても注意がないというようなことがあったかと思うんですけれども、この点はどうお考えでしょうか。

尾身 プレーブックについてはもちろん規則で完璧なものは世の中でないわけで、それは改善するという事でおそらくそちらの方では今改善の努力がされているというふうに私は理解していますし、よりよいものが出来ることを期待しています。で、プレーブックについての課題はそこではなくてですね、そこは十分オリンピック委員会は認識していると思います。むしろそこではなくてプレーブックに書かれていることが本当に遵守されるかどうかということ。それは私が以前から申し上げているように、選手は守るインセンティブは非常に強いですよね。しかし、その他の大会関係者と言うのは、よく言われているジャーナリストだとかスポンサーの方、そういうものを行動をプレーブックに書かれているように文字通り遵守してくれるかどうかというものについては、選手よりも、より懸念があるというのは我々専門家のほとんど一致した意見ですから、そのことも十分わかっていただくことが、これは政府というよりオリンピック委員会の方ですよね。こういうことで、たくさんの人数が出てくればエラーが出てくる可能性がありますから、「規模を縮小していただく」というのはそういうことで。それと同時に遵守されるための方法をもう少し厳格にしてもらう。まあこの両方の側面がプレーブックに関しては必要だと思います。

隠された「ジャーナリストによるルール違反と感染拡大」問題

6月4日の質疑中に何度か出てきましたが、選手以外の大会関係者によるルール違反の可能性とそれによる感染拡大リスクについても話されています。

特に「ジャーナリスト」や「スポンサー」によるルール違反と感染拡大の懸念については、特に問題視されているようで、選手に関するものよりも、ここの対策をどうするかということの方が重要であるとまで言っています。

 

尾身会長の「普通は開催しない」発言だけが紙面を踊っていることで、この要素が無視されている現状です。

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熊谷徹「なぜ台湾にファイザーではなくアストラゼネカのワクチンなのか副作用が怖いのか」⇒突っ込み殺到

熊谷徹とアストラゼネカ製ワクチンの台湾供給

ハイキング中のドイツ人に文句言ってくれ。

熊谷徹「台湾にファイザーではなくアストラゼネカは副作用が怖いのか」

ドイツで取材・執筆しているフリジャーナリストの熊谷徹氏が「台湾にファイザーではなくアストラゼネカは副作用が怖いのか」とツイート。

そうだとすれば」と書いて留保を付けていることから、この人は分かってるんじゃないでしょうか。「そうではない」ということが。

台湾で現時点で承認されているワクチンはアストラゼネカ製のみ

台湾で現時点で承認されている新型コロナワクチンはアストラゼネカ製のみです。

モデルナ製は審査中です。

モデルナ製ワクチン第1陣が台湾に到着 15万回分 | 社会 | 中央社フォーカス台湾

したがって、すぐに使えるアストラゼネカ製のワクチンを日本が供給するのは自然なことです。また、他のワクチンと比べて温度管理が簡単なため保管輸送コストがかからないという利点もあります。

台湾はチャイナからファイザービオンテック製ワクチンの契約妨害を受けていた

米国ファイザー社と独ビオンテック社の共同開発で作られたワクチン(よくファイザー社製と言われるのはこれ)ですが、台湾では承認されていません。

審査もされていません。

それは、台湾がドイツのビオンテック社から入手しようとしたところ、チャイナから妨害を受けて契約成立に至っていないからです。

ワクチンの台湾提供、安倍前首相ら動く 中国妨害警戒 日米台が水面下で調整(2/2ページ) - 産経ニュース

要するに台湾がファイザービオンテック製のワクチンを入手できないのはドイツ側に問題があるので、ドイツで取材していると称する熊谷徹氏はドイツを批判するべきです。

と、ハイキング中のドイツ人JKがマックで話したら拍手喝采でした。

熊谷徹スターターパック

熊谷徹スターターパック。おちゃめな人です。

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東京新聞労組、知念医師に職域接種否定を非難されトーンポリシングの典型例を実行

トーンポリシング

トーンポリシングの生きた教科書。

東京新聞労組トーンポリシングの典型例を実行

魚拓

東京新聞労組のTwitterアカウントがトーンポリシングの典型例を実行している様子。

ツイートの経緯を以下、まとめます。

東京新聞労組が職域接種を否定し、知念医師に非難される流れ

魚拓

東京新聞労組が職域接種を否定する連続ツイート。

  • 職域接種は既存の医療関係者や高齢者接種とバッティングしない
  • 事前に65歳未満の接種が一定程度進んでいれば予約殺到などが緩和される
  • それにより今後の高齢者の予約枠も確保される可能性すらある

こういう性質のものなので、職域接種に反対するべき理由など微塵もありません

政府方針はあくまで「優先接種」なのであって、その対象がすべて接種を完了しなければ他の属性の者の接種を開始してはいけない、などという方針など存在したことはありませんし、また、そうであってはいけないでしょう。常識以前の論理必然的帰結。

ですから、当然にして医師である知念実希人 氏は以下指摘します。

トーンポリシングの典型例を実行する東京新聞労組

トーンポリシングとは、発言の内容ではなく、その口調や論調を非難することによって、発言の妥当性が無いことを周囲に示す目的で行われる論点のすり替えの一種です。

東京新聞労組のツイートは、知念医師の「政権批判の為にワクチン接種の邪魔」「それによってコロナ禍が延びて死者や経済的困窮者が増える」という本質的な内容に対してまったく無視し、「乱暴で不穏当な言葉を使っている事」に話題を変化させようとしているのが分かります。

これはトーンポリシングの典型例と言ってよいでしょう。

「落ち着いて」という言葉も、当然にして動揺するべき話題についてそれを示している者に対して行われた場合(議論の当事者同士で)、トーンポリシングだと言われています。

参考:What Is Tone Policing and What Are Some Examples of It? - PureWow

「イデオロギーで腐った情報で人を殺し」たHPVワクチン報道

「イデオロギーで腐った情報で人を殺し」た例に、HPVワクチン報道があります。

朝日新聞のものですが、明確な事実誤認があったわけではありません。

しかし、「副反応」の発生頻度や因果関係など、誤った認識が社会に拡散され、ワクチン接種の積極勧奨を取りやめるなどの政策変更まで起き、その結果、子宮頸がんによる死亡者が増加してしまった、という厳然たる事実があります。

政府によるワクチン接種政策を否定したいがための報道パンデミックでした。

HPVワクチン接種政策と報道の関係は論文化もされており、それを知ったうえで上記ツイートをしているのであれば実にマスメディアらしいと思いました。

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朝日新聞SF支局長尾形聡彦「職域接種は日本のモラルの劣化」ツイートの異常性

朝日新聞の尾形聡彦、職域接種は日本のモラルの劣化

公衆衛生の敵

朝日新聞SF支局長尾形聡彦「職域接種は日本のモラルの劣化」

魚拓

朝日新聞サンフランシスコ支局長の尾形聡彦が高齢者接種率が17%未満の中での職域接種について「日本からは「強い者が、自分さえ良ければいいという風潮」を感じ、モラルの劣化を感じます」とツイート。

さらに「米国では感染時の死亡率が高い高齢者の接種優先が明確で、その認識が社会で共有されていました」とも呟いていました。

よほど日本人が嫌いらしいですね。いくつかの間違った認識をベースにしています。

高齢者接種優先は日本も変わらず、同時並行で職域接種するだけ

「高齢者接種優先」なのは日本も変わらず、同時並行で職域接種(1000人以上の事業所)するだけです。

1000人以上なのは産業医が居るからという理由が主であり、合理的です。

職域接種なので必然的に65歳未満の者の接種が多くなるでしょうが、これによって現在行われている医療関係者と高齢者の接種が遅れる・犠牲になる、ということはなく、接種のスピードが上がるだけです。

また、予めこの事業所に所属する者が接種を受けていれば、今後行われる65歳未満の者の集団接種や個別接種の予約が分散し、日程が取りやすくなるという効果もあります。

したがって、職域接種に反対する理由など微塵も無いので「尾形聡彦は日本人が嫌い」以外に考えられません。

さらに、アメリカに関する認識も間違っています。

アメリカの新型コロナワクチンの年代別接種と優先順

朝日新聞尾形聡彦職域接種は日本のモラルの劣化

Covid-19 Vaccinations: County and State Tracker - The New York Times

上掲画像は6月5日時点の米国サンフランシスコ市の年代別接種比率です。

高齢者の接種が完了する前にそれ以外の年代の接種が行われており、現在ではほぼ同じような比率だということが分かります。

アメリカも高齢社会ですが、それでもそれ以下の年代の人数の方が多いので、比率ではなく「数」で見れば、高齢者以外への接種数の方が多いということになります。

高齢者以外の年代への接種がこのトラッキングサイトに掲載されたのは3月28日分からなので、当時から同時並行的に接種が進んでいたことになります。

The Advisory Committee on Immunization Practices’ Updated Interim Recommendation for Allocation of COVID-19 Vaccine — United States, December 2020 | MMWR

また、優先順位はCDCが医療従事者・長期療養施設の入所者を最優先にし、そういった属性の無い75歳以上の高齢者と消防隊員・警察官・教職員・介護職員・郵便局員・公共交通機関の従事者・農家・食料雑貨店(スーパー等)の従事者が次の優先度に指定され、65 ~ 74 歳・16~ 64 歳のハイリスク者 及びこれまでに含まれていなかったエッセンシャル ワーカーへの接種と優先度が設定されていましたが、細かい接種の運用は州によっては若干の違いがありました。

新型コロナ: 米ワクチン接種優先順、州で違い 医療・介護で2400万人: 日本経済新聞

ワクチン接種の優先順位づけは、打撃を受けた経済の回復とも絡む。各州知事のもとには業界団体から「自分たちにワクチンを回してほしい」との要望が相次いでいる。西部コロラド州はかき入れ時を迎えたスキー場、南部アーカンソー州は食肉工場と各産業で働く従業員を「不可欠な労働者」として優先的に接種する計画だ。

サンフランシスコ支局長の尾形聡彦は、いったい何を見てきたのでしょうか?

尾形聡彦のツイートは「朝日新聞的なモノ」による情報パンデミック

日本は「朝日新聞的なモノ」による情報パンデミック状態だったと言えます。

尾形聡彦のツイートは、その一環でしょう。実に朝日らしいです。

新型コロナワクチンに限らず、HPVワクチンも朝日新聞の記事を発端に報道ステーションが煽動的に報じたことで「副反応」に関する誤った認識が広まった結果、接種の積極的勧奨がストップされ、子宮頸がんによる死亡者が増えてしまいました。

 

報道によって人が死んだわけです。

朝日新聞的なものは滅ぼさないといけません。 

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ワクチン接種で99.9%が抗体陽性の千葉大学病院論文:テレ朝「飲酒はワクチン効果出にくい」と印象操作

千葉大学ワクチン論文と飲酒の関係

ワクチン接種で絶大な効果が出るとした論文なのに、マスゴミが「ワクチン効果出にくい」と印象操作していました。

千葉大学病院論文:ワクチン接種で99.9%が抗体陽性

お知らせ|千葉大学医学部附属病院

2021年6月3日 千葉大学医学部附属病院 新型コロナワクチン接種者1,774名のほぼ全員で抗体価上昇

新型コロナワクチン(ファイザー社製)を接種した当院職員の抗体価を調べたところ、1,774名のうち1,773名、ほぼ全員に抗体価の上昇がみられ、ワクチンが有効であることを確認しました。

【研究成果のポイント】
・ ワクチン接種前の段階で、抗体が陽性だったのは、21名(1.1%)。
・2回目接種後、抗体が陽性となったのは1,774名中1,773名(99.9%)。
・抗体価は、接種前の中央値が<0.4 U/mL(多くが全く抗体がない状態)に対し、接種後の中央値は2,060 U/mLと大幅に上昇。

千葉大学病院論文で、ファイザー社の新型コロナワクチン接種で99.9%が抗体陽性となった結果を報告しています。

この論文はプレプリントサーバーのmedRxivに投稿されました。

Antibody responses to BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine in 2,015 healthcare workers in a single tertiary referral hospital in Japan | medRxiv

飲酒頻度高や高齢等の因子は抗体価が上がりにくい

新型コロナワクチンは飲酒をしていると効果が低い?

本論文は、「飲酒頻度が高い者や高齢等の因子を有する場合には抗体価が相対的に上がりにくい」ということも報告しています。

もっとも、これは「ワクチンの感染発症重症化死亡予防の効果が出ない」ことを意味しません。論文でもそのようなことは書かれていません。次の図が重要です。

抗体価の上昇は確定的、抗体価の多寡は相対的な話

新型コロナワクチン、飲酒だと効果が低いという語法

論文の上掲図では、接種によって抗体価が飛躍的に増加していることがわかります。

要するに、飲酒等の因子はワクチン接種した人の中で効果がどれだけ大きいかの話に関係しているとみられているに過ぎず、飲酒が多い人でも飛躍的に抗体価が上昇していることは変わりないわけです。

新型コロナワクチン接種者1,774名のほぼ全員で抗体価上昇|国立大学法人千葉大学のプレスリリース PRTIMES(魚拓

今後、全国で対象年齢を広げてワクチン接種を加速化していく上で、接種に対する理解を高め、接種を後押しするデータとしてご活用いただくことを期待します

このように、PRTIMESでは、「接種を推進するデータとして利用できる」という評価になっています。

案の定、むしろマイナスの印象を与えるマスメディアがいました。

テレ朝の印象操作「飲酒はワクチン効果出にくい」タイトル

これはテレ朝の印象操作と言ってよいでしょう。

「飲酒はワクチン効果出にくい」というタイトルにしています。

中島教授の説明中にこの文言が使われていたかは定かではありませんが、論文の内容と「ワクチン効果出にくい」という文言とでは、読者が想起する内容に乖離があります。

テレ朝News 酒よく飲む人は「ワクチン効果出にくい」調査結果[2021/06/03 18:17]

ワクチンに関して3日に発表された新たな調査結果です。酒をよく飲む人にはワクチンの効果が出にくいことが分かりました。千葉大学病院はワクチンで抗体が増えにくい人と増えやすい人それぞれの特徴を発表しました。

 千葉大学病院によりますと、ファイザー社の新型コロナワクチンを接種した病院職員約1800人の99.9%からウイルスの感染を防ぐ中和抗体が十分な量、確認されました。

 ただ、その量には人によってばらつきがあり、高齢者や酒を飲む頻度が高い人は中和抗体が増えにくい一方、女性や花粉症などの抗アレルギー薬を服用している人は、中和抗体が増えやすい傾向があることが分かったということです。

 千葉大学病院・中島裕史教授:「若返ることもできないし(ワクチンの効果を高めるため)変えられるところは飲酒ぐらいかなと正直思います」

 研究した中島教授は「条件で差はあっても、ワクチンには強い効果があるので、少しでも早く、多くの人がワクチンを接種してほしい」と話しています

最後の一文やテロップでは「条件で差はあっても、ワクチンには強い効果があるので、少しでも早く、多くの人がワクチンを接種してほしい」という言葉を紹介しているため、テレ朝はこのような読者の印象との乖離を計算しているように見えます。

テレ朝の印象操作、ワクチン飲酒は効果が低い

「飲酒習慣だと接種しても意味ないならやらない」と思う人も:やはりメディアは公衆衛生の敵か

 

テレ朝のタイトルを見て、「飲酒習慣だと接種しても意味ないならやらない」と思う人も出てしまいました。

実際、ラジオやテレビの流し聞きでも同様の印象を持つ人は多いと思われます。

  • 抗体価の上昇数値が、接種者の中で相対的に低い
  • 新型コロナの感染・発症・重症化・死亡の予防効果があまり発揮されない

「効果が低い」ではなく「効果出にくい」では、後者の印象を持つ人が出て来ても不思議ではない文言でしょう。

事実として間違いではない(或いは間違いとは言い切れない)が読者に与える印象が異なる文言を使用して印象操作する」というのは「朝日」が最も得意とする手段です。

ま、これを機に飲酒を控える・絶つという人は、それでワクチンの効果を【より】高めることになる可能性があり、それで平時も健康になるならそれで良いと思うのですが。

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