事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

外務省の外交青書2019「軍や官憲による強制連行は見当たらない」「性奴隷は事実に反する」

外交青書2019

外務省 外交青書2019

外務省の外交青書2019でついに「軍や官憲による強制連行は見当たらない」「性奴隷は事実に反する」という記述が加わりました。

その意味内容を整理していきます。

外務省の外交青書2019

外務省の外交青書で慰安婦は性奴隷を否定

外交青書2019

外交青書 | 外務省

第2章 地球儀を俯瞰する外交 の【第1節 アジア・大洋州】29ページです。

ここでは「軍や官憲による強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」と明確に指摘しています。

「軍や官憲による強制連行は見当たらない」と河野談話との関係

河野談話では「官憲等が直接これに加担したこともあったことが明らかになった」と発言されていますが、これはかなり根拠が危ういものであることが分かっています。

【歴史戦 第1部 河野談話の罪(3)後半】外交官さえ「談話がすべて」 弱すぎる海外発信、「誤解」野放し (3/3ページ) - 産経ニュース

平成9年3月、自民党の保守系有志議員「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」(教科書議連)が行った会合でのこと。「強制性」の証拠の有無を問われた当時の内閣外政審議室審議官、東良信は、韓国政府が行ったという元慰安婦の証言以外には「バタビアの事件が1つあった」だけだと説明した。

外交青書の【参考資料 慰安婦問題】において、衆議院議員高市早苗君提出「慰安婦」問題の教科書掲載に関する再質問に対する答弁書が掲載されており、この立場と変わるところはないとしています。

いわゆる従軍慰安婦問題に関する政府調査においては、発見された公文書等には、軍や官憲による慰安婦の強制連行を直接的に示すような記述は見られなかった。他方、調査に当たっては、各種の証言集における記述、大韓民国における元慰安婦に対する証言聴取の結果等も参考としており、これらを総合的に判断した結果、政府調査結果の内容となったものである。政府調査結果は、政府として全力を挙げて誠実に調査した結果を全体的に取りまとめたものであり、政府としては、これまでのところ、政府調査結果の内容を変更すべき事由はないものと考えている。

結局、河野談話を否定するものではないと言えますが、公文書は存在しないということを明記したことによって、少なくとも日本の官憲等が「組織的に」強制連行を行ったものではないという理解が得られるハズです。

なお、外務省としては以下の認識です。

第1節 アジア・大洋州】27ページ

「軍や官憲による強制連行」、「数十万人の慰安婦」、「性奴隷」といった主張については、史実とは認識していないこと)について説明する取組を続けていく。

「官憲等」には当時の朝鮮半島出身者が含まれる

日韓併合時には韓民族の者も日本人として公務員になっていましたから、ここで言う「官憲等」には当時日本人だった韓民族の警察官なども含まれることになります。

いずれにしても女性の意に反する連れ去りが女性の親やあっせん業者(女衒)によってなされていたことは明らかであり、その女性は当時、日本人であったことから、日本政府が被害救済を考えることは当然だと言えるでしょう。

当時は朝鮮半島の人は日本人として平等に扱われた

この前提も海外に発信していくべきでしょう。いわゆる大和民族であっても、朝鮮半島に住んでいる者は大日本帝国憲法とは異なる朝鮮半島の憲法下に置かれていましたから。

「性奴隷」は事実に反する・日韓合意でも使用されていない

外交青書2019では、「性奴隷」は事実に反すると明確に指摘しています。

●「性奴隷」
「性奴隷」という表現は、事実に反するので使用すべきでない。この点は、2015年12月の日韓合意の際に韓国側とも確認しており、同合意においても一切使われていない。

女性の意に反して連れてこられたとしても、その後、軍の管理下に置かれた際の扱いはきちんとしていたということですね。

「強制連行=性奴隷」、などと短絡的にイメージする者も多いので、これは良い仕事をしていると思います。

発狂する韓国メディア

日정부 "위안부는 성노예 아냐..韓정부도 확인" 주장 논란 | 다음 뉴스

聯合ニュースは、性奴隷に関する説明を今年の外交青書に突然追加された理由と「2015年12月、日韓の合意時に韓国側も確認した」と主張した根拠が何なのかを日本の外務省に問い合わせたが、外務省は11日現在、まだ返信しなかった。

いや、「根拠は日韓合意」なんだが、何を言ってるんだろう?

(文書が作成されなかった)日韓合意において、そのような文言は使われていなかったと言っているのです。合意時の合同記者会見の映像は残っていますから、容易に検証可能なハズです。

いわゆる「きいてる」ってやつですね。

これまでこうした発信をしてこなかったことが悔やまれますが、ようやく正常化に向けて動き出したということではないでしょうか。

以上

竹田恒泰講演会は誰が反対していたのか

富山県朝日町で11月13日に開催予定だった竹田恒泰講演会が中止されました。

朝日町は妨害予告が寄せられたとして中止したと発表しましたが、ネット上でどういう人たちが反対していたのか垣間見れたので整理します。

竹田恒泰講演会に反対していた人たち

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「肉球新党」やら「アベ政治を許さない」やら香ばしいアカウントが多い気がします。

「ガソリンまく」はデマ?

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北日本新聞の12日朝刊でも「ガソリン予告があった」と報道されていることから「ガソリンはデマ」と言える根拠は無いと言えます。

ところで、どうして上記アカウントは、「ガソリン予告が無い」と言い張ることができるのでしょうか?

これを言い切れるのは、「自分たち以外に妨害の電話をした者は居ない」という確信があった場合だと思うのですが、一体なんなんでしょうか?

ちなみに私が教育委員会に電話しても「担当者不在で回答不可」と言われました。まさかこれをもって「ガソリン予告ではない」としたんでしょうか?

トリエンナーレは検閲、竹田恒泰講演会は妨害OKのダブスタ

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あいちトリエンナーレの表現の不自由展は、公的機関である愛知県が実質的な主催だったため、展示中止の法的規律は基本的に契約関係であり、憲法上の表現の自由は無関係でした(大村知事が勘違いして騒いでいただけ)。河村市長はトリエンナーレ実行委員会の会長代理でもあるため、内部からの反対です。

今回の竹田恒泰講演会も、主催は朝日町の教育委員会であり、竹田恒泰氏との関係は講演契約の関係です。ですから、「憲法上の表現の自由の弾圧」ではありません。主催団体内部での判断です。

これと似たものは【百田尚樹一橋大講演会中止事件】です。こちらも外部からの中止の干渉がありましたが、形式的には学園祭実行委員会内部の判断で中止が決定されています。ただ、「ガソリンをまく」などの妨害予告があったわけではありませんでした。

しかし、トリエンナーレの件は「検閲だ」と騒いでいた山崎雅弘のような連中は、竹田恒泰講演会についても「検閲だ」と言わないと筋が通りません。中止判断をしたのは行政機関たる教育委員会ですから。

「竹田恒泰はヘイト」で出される例は韓国批判が多い

検索していた気づいたのですが、「竹田恒泰はヘイト常習犯だ」などと言っている人が「根拠」として持ち出しているのは「韓国」という国家に対する批判をしているものが多いです。

これはどういう符合なのでしょうか?

以上

足立議員のもう一つの質疑「韓国の海洋放出放射線量を世界に発信すべき」

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11月8日の経済産業委員会において足立康史議員が質疑を行い、森ゆうこ議員の通告時間が22時以降だったという答弁を引き出しましたが、その前の質疑において「韓国の海洋放出放射線量を世界に発信すべき」という趣旨の要求をしていたのでそちらも紹介します。

足立康史議員の経済産業員会での質疑

衆議院インターネット審議中継

衆議院 経済産業委員会  2019年11月8日 (金) 

足立康史議員の質疑を本論に入った途中から書き起こします。

「韓国が海洋放出している放射線量を世界に発信すべき」

足立康史議員 この処理水の問題、いま、大臣も風評と仰った、まさに本当はすぐに排出したらいいんだけど、なぜか知らないけどトリチウム水タスクフォースとか、ALPS(アルプス)小委とか、要は東電を経産省が止めちゃっているんですよね。それはいいんですけど、細かいことはいいんですが。まぁ、よくないんですが。そもそもですね、風評を拡大しているのは日本政府じゃないかと思っているんですよ。いや、梶山大臣は就任したばかりで、梶山大臣が何かということではないんだけど。例えば、福島のタンクにたまっているトリチウム水、それよりも大量のトリチウム水を韓国は海洋放出してきていますよ。何倍だっけ?3倍説とか6倍説とか8倍説とかいろいろあって、私がチェックすると8倍。年間ですよ?あ、年間6倍。だから、福島のタンクの水を全部出したって韓国の6分の1ですよ。何でその韓国に文句を言われなければならないんですか?大臣には着任早々申し訳ないですけれども、これ経産省だけじゃないかもしれない、規制庁あるいは外務省、どこでもいいんです、環境省。環境大臣だってせっかく発信力を期待されて大臣になったんだから、世界に発信してくれたらいいのにね?(議場笑)まぁいいや。いないもんね。大臣、これ韓国にちゃんとそれ、君たちの方がたくさん流してきたんだよと言っていないんですか?

梶山経済産業大臣 これまで韓国の原発における放出量を明示した上での反論はしておりません。一方で、今年9月に開催されましたIAEA総会では、韓国を含む世界各国に対して日本政府より福島第一原発のアルプス処理水に含まれるトリチウムは韓国をはじめ、世界各国の原発から放出されるトリチウムと科学的に変わりがなく問題が無いという指摘をしているところであります。ただ、科学的な検証は検証として、やはり、こういうものが動く移動する、また、保管されるという事に対して、それぞれの思いが風評に繋がってると思いますので、その払拭というものが非常に重要な課題だと思っております。

足立 いや、あのね、韓国がワーワーいうと、国際社会で言うと。また韓国が国際社会で言うとそれを日本のマスコミが垂れ流す。それが風評を産んでいるんですよ。最大の風評はそれですよ。ところが今大臣が正直に仰って頂いたように日本政府はこれまで数字を示して君たちの方が6倍よ、3倍よ、8倍よ、ということを言ってないんですよみなさん。ちょっと自民党のみなさんなんとかしてくださいよこれ。議院内閣制なんだから。ねぇ?何で言わないのこれ?大臣、さっき仰った国際会議は確か竹本IT担当大臣が行かれたんですよね?期待してませんから竹本さんには。だから経産大臣是非ね、どっかで機会を見つけて数字の議論、国内の国民に対しては風評、特に福島の方、漁民のみなさん、そりゃ風評のことをちゃんと議論せなあかんですよ。しかし世界に対しては科学的事実を正面から。だって君たち自分たちが出してきたのに福島だけを云々するの?東京オリンピックパラリンピックを失敗させたいのか?と反論したらいいじゃないですか。大臣ちょっとお願いできませんか?

梶山経済産業大臣 科学的な調査の結果の内容については国際社会に向けても話をして参りたいと思っています。先ほどの韓国の話、IAEAは向こうがが取り上げたんですね。それに対して韓国を含む形で反論ではありませんけれども韓国の例を挙げさせていただいたところであります。

足立 ごめんなさい竹本さんの話は別の国際会議の話でしたね。IAEAはまた別だと。ちょっと事務方、これ、あ、須藤先輩申し訳ございません、これ数字を出して言えないんですか?松永さんが押さえ込んでいるんですか?(議場笑)ちょっと、ちゃんと言ってください。ちゃんとこれ国際社会に言っていく。約束してください。

経済産業省 須藤 大臣官房福島復興推進グループ長 足立先生ご指摘の通り科学的事実に基づいてきちんと国際社会に向けて情報を提供していくことが重要だと思います。今後必要に応じてですね、韓国の原子力発電所のを放出論にも触れながら、韓国を始めとする国際社会に対して透明性を持って丁寧に発信をしていきたいと思っております。

足立 だから大事なことです。今まで数字で韓国をはじめ、例えば韓国ですよ、韓国に数字で反論してきてないんです。するということでいいですね?

須藤 必要に応じまして、各国からの原子力発電所からの放出量にも触れながらきちんと透明性を持って説明していきたいと思っております。

足立 韓国に対してちゃんと言ってくださいね。何日以内に韓国に対して言いますか?

須藤 いろんな場で調整をしたりですとか、適切な場があろうかと思いますので、そういう場で放出量含めて丁寧に発信していくという形で。

足立 ちょっと年内という約束をしてください。

梶山経済産業大臣 日本の処理水の数値だけでなく各国との比較が当然必要になりますので、必要に応じてそういう比較も含めて広報をして参りたいと思います。

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韓国の海洋への放射線放出量については記事にもなっています。

韓国の月城原発のトリチウム海洋放出量が6倍

福島第一のトリチウム水にイチャモンをつける韓国は、その6倍以上のトリチウムを日本海に放出(改訂) – アゴラ

月城原子力発電所からのトリチウム年間放出は、トリチウム回収設備の導入や一部原子炉の停止などで2010年以降半減しているが、2009年までは400テラベクレルを超えていた。4基体制に入った1999年10月以降だけで見ても、これまでに累積で6,000テラベクレルを超えるトリチウムを放出してきた。

福島第一原発に貯留されている現在のトリチウム総量は1000テラベクレルなので、月城原子力発電所の累積放出量はその約6倍にあたる(注)。しかもその放出先は日本海である。

韓国の原発のトリチウム海洋放出量が6倍というのは、月城原発の放出量だということです。全部の原発を合わせればどうなるんでしょうか?

もっとも、この数字が大きくて危険だということはないので、そのあたりは誤解しないようにしなければなりません。

閑話休題

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国民には知らせない:福島の公聴会で世界地図は出すが日本地図は出さない

足立 今大臣がおっしゃった比較考量するというのが大事なんです。福島のだけ特別だって、いや、それは処理水の出自、出自は特別ですよ?だって事故が起こったんだから。シビアアクシデントが起こったんだから特別です。でも、その特殊性を飲み込むために頑張っているんでしょ?科学的な事実に基づいて。ところが日本政府自身が事故ということに足を取られて、世界に対して或いは国内でちゃんとした議論ができないとすれば私は本末転倒だと思っています。その比較をするときにですね、福島の処理水の問題と、いま韓国と言いますけれども、まず国内で比較してくださいよ。福島で説明会を開きました。公聴会。公聴会では世界地図は出されました。日本地図は出してないんですよ?みなさんご存じ?世界地図は出した。日本地図は出さない。だから日本地図は知らしめるべからずと、自民党政権は長らく国民には知らせない方がいいんだと、いうことでやってきているわけです。だから福島の公聴会には世界地図は出した。世界地図どこでどれだけ輩出しているか出した。ところが日本のどこでどれだけトリチウム水が出ているかということは、そりゃ数字はネットを漁っていけばあるんですよどっかに。奥深くにあるんです。一般国民は見れません。僕だって探しても見つけられない。ところが地図にしてわかりやすく予算委員会で私共の馬場幹事長から私共が作ったものを出しましたよ。政府がやるべき仕事だねそれは。

処理水をタンクにためるリスクと海洋放出するリスク

足立 だからいろいろ質問したいことがあるんですが、僕は風評を広げたいんじゃないんですよ。それよりも福島の1000兆ベクレルよりも多い1300兆ベクレルを毎年流す予定になっているんですよ六角村では。また青森のみなさんに怒られそうですけれども。でも政府がやっているんだから、それを青森の漁協もOKしてるんだから。自民党しっかりしてくださいよ。だからそれからもう一つは、タンクに貯めておくことにもリスクがあるでしょ?タンクにためておくリスクと海洋放出するリスク、どっちが大きいんですか大臣。

梶山経済産業大臣 先ほど申しましたアルプス処理委員会でも両方の意見が出ています。たとえばこれが唯一無二の選択肢ではありません。今いろんな選択肢を検討しているところでありますけれども海洋放出の際のリスクを一概に比較できませんけれども、小委員会では風評被害が発生する一方でタンクの腐食や操作ミスによる漏洩リスクを抱え続けているという意見も出ているということでございます。

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以降、森ゆうこ議員の質問通告遅延に関する質疑に移りました。

韓国の空間放射線量は日本の3倍

韓国の空間放射線量が日本の3倍であるということは外務省もHPで掲載するようになりました。また、在韓日本大使館は2018年の時点でそのようなデータを公開しています。

海洋放出の放射線量についても同様にすれば良いですし、国際社会の場で数字を提示すれば良いと思います。

まとめ:「丁寧な無視」とかいう事なかれ主義

足立議員が指摘しているのは日本政府の韓国に対する無為無策でした。

丁寧な無視」という方針を言う自民党議員が居ますが、それは大きな視点での話であって、細かいレベルでは機会を捉えて韓国側の主張を国際社会で木っ端みじんにする発信をしていくべきでしょう。

足立議員が言っているのは国家機関のレベルでは当たり前の話であって、改めて言う必要が無いと思う人も居るかもしれません。

しかし、足立議員が指摘しているように「メディアが韓国側の主張だけを報じている」ことが問題なのであって、国際社会の場で韓国のトリチウム放出量を指摘していくことでメディアにもそうした情報が流れるようにするべきでしょう。

また、日本国内における議論も、中途半端に情報を提示しないことが不信感を招いている場合もあると思います。足立議員が指摘した公聴会で日本地図に触れないという点はその例だと思います。

以上

菅官房長官「政府内に女性宮家を容認する案」を否定:繰り返される「容認報道」

菅官房長官、政府内に女性宮家を容認する案を否定

令和元年11月11日菅官房長官記者会見午前

11月11日午前の記者会見で、菅官房長官が「政府内に女性宮家を容認する案」が出ていることを否定しました。

菅官房長官「政府内に女性宮家を容認する案」を否定

共同通信記者 政府内に女性宮家を容認する案が浮上という一部報道があります。これの事実関係と、皇族現象対策として女系天皇の容認につながる女性宮家容認あるいは旧皇族の皇籍復帰について見解をお聞かせください

菅官房長官 まず報道されているような内容は承知してません

安定的な皇位の継承を維持することは国家の基本にかかわる極めて重要な問題だと認識を持っています。また、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等については、皇族方のご年齢からしても先延ばしすることができない重要な問題であると認識し、この課題への対応等については様々な意見があるります。国民のコンセンサスを得るために十分な分析、慎重な手続きが必要だと思います。

こういう報道は何度も行われてきました。

安倍総理や菅官房長官と女性宮家創設・旧皇族復帰の報道

安倍総理が国会で旧皇族の皇籍離脱に関連して「GHQの決定を覆すということは全く考えてはいない」と発言したことが、「安倍総理が旧皇族復帰を否定した」と報道されたことがありましたが、実際には「11宮家すべての復帰」は考えていないという意味でした。

また、菅官房長官が「女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等については、皇族方のご年齢からしても先延ばしすることができない重要な問題であると認識」「国民のコンセンサスを得るために十分な分析・手続きが必要」と述べているのは、おそらく10回以上繰り返し述べていることです。

そして、こう述べている根拠は皇室典範特例法の附帯決議において女性宮家「等」を検討する、という文言があることから来る政府の方針であり、菅官房長官の個人的見解とは別個のものです。

女系天皇・女性宮家創設派による報道攻勢

女系天皇や女性宮家を創設させたい人たちからは、たびたびおかしな主張や事実ではない報道がなされています。

誤った報道がニュースの受け手の頭の中に刷り込まれることを期待しているのでしょうか?こういう報道というのは、いかがわしい目的があることをを疑います。

参考:女系天皇推進のニューズウィーク日本版の長岡義博編集長、算数ができなかった…

参考:女性宮家創設は天皇陛下・上皇陛下の御意思・御意向なのか

以上

憲法審査会での階猛議員「国民投票の危険性」「予備的国民投票」

憲法審査会・階「国民投票は危険」

11月7日に憲法審査会の実質討議、2年ぶりの自由討議が行われました。

そこでの階猛(しな たけし)議員が「国民投票の危険性」「予備的国民投票」について発言しましたので内容を整理します。

階猛議員「国民投票は危険な場合も」

衆議院インターネット審議中継

階猛議員の発言をまとめると以下です。

  • ドイツでは憲法改正の国民投票制度が無いという報告があった
  • 理由は、ナチスが国民投票で政権を掌握したという苦い経験があるから
  • 国民投票というのはやり方によっては国家を危うい方向に向かわせる
  • 国民投票運動が国民の考えを間違った方向に誘導しないように適正な手続き案を作った、その中でCM規制は不可避ではないかと思った
  • ウクライナでは憲法改正前に改正内容と改正案に至る手続の事前審査を憲法裁判所ができるという報告があった
  • 日本の裁判所には事前審査は無いが、憲法改正案というものが国民が関心のあるもの、必要性が高いと思われるもの、法律を改正すれば済むものではなく真に憲法改正しなければならないものかどうかを国会で議論すべきではないか
  • そのために【予備的国民投票制度】を作るべきでは
  • 国民投票法附則12条には予備的国民投票を検討するべきという規定もある。
  • 憲法改正とは別に一般国民投票は附帯決議で検討すべきとされた
  • 国会議員等は憲法尊重擁護義務があるので国民がイニシアティブと取って憲法改正をするべき

国民投票の危険性」というものをいうためにナチスを持ち出していますね。

以下、私見を述べていきます。

国民投票の危険性とはメディアのフェイクニュースでは?

この日の憲法審査会では「ネット上のフェイクニュースにどう対応するか」という発言をする議員が多数いました。

しかし、大手メディアのフェイクニュースや公共の電波を使った誘導的な番組がすでに存在しており、そちらの悪影響の方が遥かに問題だと思いませんかね?

ネット上のフェイクニュースは常日頃からネット上で検証されて間違いが指摘されていますが、テレビのフェイクニュースや誘導・報道しない自由についてはテレビが指摘することはほぼありませんよね?

「CM規制」と言っても、国民投票が行われることを周知する目的で行われるものまで制限するべきではないと思います。

予備的国民投票とは?

予備的国民投票」とは、どうやら憲法改正の項目を国民に示し、それについて国会で議論すべきかどうかを投票する制度のことを指すようです。現行の制度では存在しません。

これは第180回国会 憲法審査会 第4号平成二十四年四月五日で法制局参事の橘氏が指摘するように公明党の赤松正雄議員が提唱した制度のようです。

法制局参事の橘

赤松先生は次のように言っておられました。
 国会で詳細な憲法改正原案を作成していきなり国民投票に付するというのでは、いささか国民の間に戸惑いもあるだろうし、また、その憲法改正のテーマの選び方や内容に国民の意思が十分に反映しない場合もあるかもしれない、こうされた上で、むしろ、あらかじめ国民の意思を推しはかるという意味で、まずは予備的にアンケート調査的な国民投票を行い、しかる後に、国会は、その全体的な国民の意思を踏まえた憲法改正原案の立案に着手する、それで詳細な条文をつくる、その後に、憲法第九十六条で要求されている正式の国民投票を行うといった慎重な手続が有効な場合もあるのではないのかということを述べられていたと記憶してございます。

国民投票法附則12条

憲法審査会・予備的国民投票制度

第166回国会で成立した【法律第五十一号(平一九・五・一八)】、いわゆる国民投票法の改正において、附則12条に以下の文言が書かれました。

日本国憲法の改正手続に関する法律

第十二条 国は、この規定の施行後速やか に、憲法改正を要する問題及び憲法改正の対象となり得る問題についての国民投票制度に関し、その意義及び必要性の有無について、日本国憲法の採用する間接民主制との整合性 の確保その他の観点から検討を加え、必要な措置を講ずるものとする。

これが予備的国民投票についての議論をするべき根拠とされているものです。

その後、何度か憲法審査会において予備的国民投票制度に触れた発言がありましたが、賛否が問われたことがなく、現在までに至ります。

予備的国民投票は単なる遅延行為では

過去には橋下徹氏も予備的国民投票が必要だと言っていましたが、私は反対です。

単なる遅延行為じゃないですか。

ただでさえ日本国憲法は総議員の3分の2以上の賛成が無いと憲法改正の発議ができず、その後に国民投票が必要であるという「硬性憲法」なのに、さらに国民のエネルギーと予算を使わせるというのは何なんでしょうか?

予備的国民投票をしても国民の多くは理解しない

予備的国民投票をしても「国民の意思」が反映されるとは言えないでしょう。

なぜなら、「予備的国民投票をする!」と決めるのも国会議員だからです。

そして、「どういう内容を憲法改正するのか」を決めるのも国会議員です。

結局、国民投票を二重に行うだけにすぎず、「国民のイニシアティブ」などという空虚なお題目のために予算と国民の時間が浪費させられるだけです。

そして、細かい細かい憲法の仕組みを多くの国民は理解できません。

そのために(多くの国会議員も能力に疑問のある者が居るが)専門家や比較的憲法に詳しい国会議員らで構成される国会の議論に、我々国民は委ねているのです。

国民からの信託に基づいて国民に代わって国会議員が時間とお金と労力を使って立法をする役割を担っているのに、国民の側にいちいち負担を強いることになり「間接民主制」に逆行しているんじゃないでしょうか?

今後は予備的国民投票制度の創設が喧伝される

今後は憲法改正を阻止する勢力が「予備的国民投票制度の創設」を謳い、時間稼ぎに使われることが予想されます。

階猛議員は「国民投票の危険性」と言いますが、その危険性は「予備的国民投票」についても当てはまるのであって、予備的国民投票においてメディア等によるフェイクが横行しては意味がありません。

単なる遅延行為に過ぎない制度を作る憲法改正の妨害行為に対して、政府与党が政治的妥協だとして応じることが無いように監視していかなければならないですね。

以上

森ゆうこ議員が原英史氏の住所をネットに漏洩:なぜダメなのか

森ゆうこ議員、住所をネットに漏洩

森ゆうこ議員が11月7日の参議院農林水産委員会の質疑・質疑の資料において個人情報を漏洩しました。

なぜこれがプライバシー侵害としてアウトなのかについて説明します。

森ゆうこ議員が原英史氏の個人住所をネットに漏洩

森ゆうこ議員の個人情報漏洩

森ゆうこ議員Facebook

森 ゆうこ - 農林水産委員会 森ゆうこ質問 令和元年11月7日... | Facebook

魚拓:http://archive.is/TAXIB

この資料の最後にあるページで原英史氏の個人住所が記載されている部分があり、原氏や足立康史議員による指摘によって、後日黒塗り対応がされました。

これは国民民主党を応援するアカウントなどによっても拡散されました。

魚拓はこちら

なお、いずれも現在はリンク先は黒塗り対応後のものに変わっているか、404エラーになっています。

登記簿上の住所なのにダメなのか?

森ゆうこ議員、個人の住所をネットに漏洩

森ゆうこ議員Facebookより

これは黒塗り対応後のものですが、森ゆうこ議員がネットに公開し、また参議院農林水産委員会でも資料として配布されたものです。

ここで、これは登記簿の情報であることに気づいた人も居ると思います。

そして、登記簿上の情報というのは、取引の安全等を図るために公開されているものであって、誰でも法務局に行けば(お金を払えば)閲覧可能です。

インターネットでも登記情報は閲覧できます。

ですから、人によっては「何が悪いのかわからない」と言う人も居ると思われます。

しかし、公開されたものだからといって、むやみやたらにネット上に掲載する行為はプライバシー侵害として不法行為を構成するのです。

判決文記載の住所のネット掲載がプライバシー侵害になった裁判例

【東京地裁 平成22(ワ)47931号 平成23年8月29日判決】

事案の概要 原告X1は全日本海員組合の組合長であり、被告が原告と被告との訴訟の判決文をインターネット上のブログに掲載した際に原告の住所が公開された(3ヶ月後に削除)ことをプライバシー侵害として訴えた。被告は、原告の住所は登記簿や電話帳にも記載されていることからプライバシーの利益として保護されないと主張した。しかし、裁判所は以下判断してプライバシー侵害の不法行為を認め被告に6万円余の支払いを命じた。

登記簿や電話帳への自宅住所の記載は、いずれも一定の目的の下に限定された媒体ないし方法で公開されるもので、同目的に照らし限定的に利用され、同目的と関係ない目的のために利用される危険は少ないものと考えられ、公開する者もそのように期待して公開に係る自宅住所情報の伝搬を上記範囲に制限しているというべきであるから、原告X1が自宅住所情報につきプライバシーの利益として保護されることまで放棄していると評価することはできない

プライバシー侵害として違法になることを回避するためには、公開する利益が公開されない法的利益を優越しないといけないのですが、この事案では原告X1の住所をネット上に公開する必要性がなく、公開する利益が優越するとは認められないと判断されたということです。

そして、インターネット上で閲覧可能な登記簿上の住所についても近年動きがありました。

法務省の会社法部会の附帯決議でネットでの登記簿上の住所閲覧が禁止に

法務省:法制審議会会社法制(企業統治等関係)部会第19回会議(平成31年1月16日)開催

また、以下の内容の附帯決議がされた。

省略

2 省略

 (2) 電気通信回線による登記情報の提供に関する法律に基づく登記情報の提供においては,株式会社の代表者の住所に関する情報を提供しないものとする。

「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する要綱案(案)」 では、電気通信回線(インターネット)での登記簿上の住所閲覧制限については法改正での対応はありませんので要綱案には記載されませんでしたが、運用の変更として行われることが決定されました。

これは法人の代表者の個人の住所がネット上で閲覧できてしまうことでみだりに利用される事案が発生したことから制限の必要性があり、実際上も法人の住所だけがあれば良い場合がほとんどであることから、ネット上での閲覧のみ規制がかけられた経緯があります。

法務局に直接足を運べば代表者の個人住所も見ることができます。そういう人が悪用するケースはほとんど無いと判断されたからです。

破産者マップ事件との類似

誰でも閲覧できる公開されているものだからインターネット上で拡散しても違法ではない

森ゆうこ議員らと同じようなこうした考えを持つ者によって、今年に入って「破産者マップ」なるものが作成された事件がありました。

これもやはり違法なものとして閉鎖されました。

破産法の官報公告の趣旨(条解破産法・弘文堂2010年による)は、破産手続の関係者に対する裁判の告知や書面の送付を速やかにかつ経済的に実施するためのものであって、事後的にネット上で拡散されることは予定されていないこと、相当過去の情報であっても破産者の「視覚的な住所地」が分かってしまう作りであるため、現在の情報であると誤認するようなつくりになっていて弊害が大きいことが指摘されたためです。

もう一つの情報漏洩:政策工房の住所も漏洩

参議院農林水産委員会での質疑において、「政策工房」の住所であるとして森ゆうこ議員が口走った情報がありました。

これについても相当問題のある発言だということが原英史氏から指摘されています。

森ゆうこ議員、国会での名誉毀損に加え、国会でのプライバシー侵害 – アゴラ

森議員は、もうひとつ、私が代表取締役を務める政策工房の会社住所も、資料に掲載し、質疑の中でわざわざ読み上げもした。個人情報ではないので緊急に削除まで求めていないが、これも、一般には公開していない住所だ。

公開していないことには理由がある。過去に不審者が事務所建物に入り込むなどの事案があった。今年夏にも、不審者が建物内の写真をSNSで公開し、脅しともとれるメッセージを残した。従業員も含め万一のことがあってはいけないので、所轄警察署に相談して対策を講じ、ようやく心配が軽減できそうになってきた矢先だった。

森議員のおかげで再び問題が生じかねないことを、また所轄警察署に相談にいかなければならない。

しかも、森議員がなぜ会社住所を明らかにしたのかも、さっぱりわからない。

私が代表取締役を務める政策工房と、私が理事を務めてきた外国人雇用協議会が「同じ住所」だと指摘しているが、それに何の意味があるのか不明だ。どちらか片方の法人が非公開で、私に関係あると示したかったならばわからないでもない。しかし、私が双方の法人で役職を務めていることは、私のプロフィールでずっと公開してきたことだ。公開されたくない住所情報を、無意味に公開されたとしか考えられない。

これはネット上の資料での記載は確認できませんでしたが、質疑では「政策工房の住所」として読み上げていたことは確かです。

「住所が同じだから」ということそれだけでは何ら意味がありません。

森ゆうこ議員からは政策工房の住所として読み上げたことについての合理的な説明がありません。単なる「晒し行為」以外の何物でもないと思います。

まとめ

免責特権があるからといってやりたい放題の森ゆうこ議員。

自身の質問通告遅延で台風19号が迫る中、官僚に長時間労働を強いた問題を糊塗するために論点ずらしをし、ツイート時刻の捏造までしたあげく、その質問では毎日新聞のフェイク記事(毎日新聞自体が原英史氏が金銭を受け取ったことを意味していないと裁判で主張)を引用して民間人に対して「公務員なら供賄罪である」と名誉棄損行為をし、その行為に対して憲法16条に基づく請願権を行使する署名を恫喝している森ゆうこ議員。

それを放置している国民民主党の玉木代表。懲罰にかけない与党。

永田メール事件以上の人権侵害が行われているのに報じないメディア。

一部のネットメディアしかこの問題を取り上げていない状況は異常と言わざるを得ません。

以上