事実を整える

Nathan(ねーさん) 法的観点を含む社会問題についても、事実に基づいて整理します。

月刊WILL 2019年7月号:水間政憲の寄稿文への疑問

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月刊WILL2019年7月号の水間政憲氏の寄稿文について。

ツッコみ所満載なので指摘していきます。

月刊WILL2019年7月号の水間政憲の寄稿文

水間氏の寄稿文は74頁以降の

「悠仁様へのテロ未遂で急浮上!男系男子皇位継承者の存在を隠したのは誰だ!」

というものです。

今上天皇より濃い「天皇の血」? 

MONTHLY WILL 2019年 7月号 76頁

戦後GHQによって皇籍を剥奪された旧皇族十一宮家のうち、七宮家十家族に「男系男子」がおり、旧宮家の東久邇家に、今上天皇より濃い「天皇の血」を受け継いだ方が三人もいらっしゃる
ー中略ー
今上陛下、皇嗣殿下の従兄弟にあたる三名の祖母は明治天皇の聰子内親王のため、より濃い「天皇の血」を受け継いでいるといえるでしょう。

水間氏の言う「三人」とは東久邇家の信彦・眞彦・秀彦氏らです。

これは不敬であると同時に実質的に女系容認論です。

皇室の歴史破壊の不敬極まりない「血が濃い」という評価

水間氏が「血が濃い」と表現する意味を書くのは憚られますが大要以下のようです。

「旧皇族たる東久邇宮家の信彦・眞彦・秀彦らは、明治天皇の皇女である聰子内親王や、昭和天皇の第一皇女である成子内親王の子孫である。それに対して今上天皇は民間出身の女性と天皇との間に生まれた子であるから、血は比較的薄い」

皇室は奈良時代から天皇が民間(公家や華族だが皇族とは一線を画している)から后をもらい受けていた歴史があります。

皇位継承順位についても、民間の后を娶ったからといって左右されることは無かったはずです。基本的に直系優先・長系優先・近親優先でした。

そうした歴史すべてを破壊する言動です。

もちろん、皇族の中で「民間出身はやはり作法がなってない」のような、いじめのような妬みのようなものがまったく無かったかというとそうではないでしょう。

しかし、そのような状況と皇位継承順位は連動していませんでした。

皇女を通して「天皇の血が濃い」と表現することは実質的な女系論

明治天皇や昭和天皇の皇女を通して「天皇の血が濃い」と表現することは、要するに「女系論」を意味します。男性皇族が男系男子であるにもかかわらず、その女性配偶者が皇族か元民間人かを比べているのですから。

もちろん「皇女」による繋がりは、まったく無意味であるということはありません。

歴史上、皇女を迎え入れることで先代天皇との「距離」が離れるのを避けていたと思われる事例はありました。継体天皇が仁賢天皇の皇女である手白香皇女(たしらかのひめみこ)を后に迎え入れ、光格天皇が後桃園天皇の皇女である欣子内親王(よしこないしんのう)を娶ったように。

それをもって「女系にも意味がある」と表現する男系論者も居ますが、それは女系という連綿とした繋がりを意識するものではなく、接点としての皇女の存在が重要であったということを指すだけで十分であり、不用意な用語法だと思います。

東久邇宮家になぜこだわるのか

「天皇の血」にこだわるからなのか、水間氏は旧皇族の中でも東久邇宮家にだけ焦点を当てています。

これでは皇位継承権者・皇籍復帰をする者の候補が狭くなるだけです。

しかも、水間氏は「皇別摂家」も皇位継承権者であるような書きぶりなのです。

論旨が一貫しない皇別摂家の登場

MONTHLY WILL 2019年 7月号 76頁

また現在、旧皇族より皇位継承順位の高い皇別摂家の子孫が五十一名もいらっしゃることもわかっています。「皇別摂家」とは、五摂家のうち江戸時代に皇族が養子に入って相続した後の三家(近衛家・一条家・鷹司家)およびその男系子孫のことで、摂家を相続した皇族は三方です。

しかし、皇別摂家は皇族ではなく、民間人です。旧皇族ですらありません。

「君臣の別」と皇別摂家

皇室には「臣君の別」というルールが存在します。皇族と臣下は明確に分けましょうということです。皇別摂家をそのまま皇位継承権者に含めることはルール違反です。

皇別摂家と皇位継承順位

皇別摂家は皇族ではないのですから、歴史的にも、戦前の法体系上も、皇位継承権を有してはいません。したがって、なぜ皇別摂家の方が旧皇族の方がたよりも皇位継承順位が高いと言えるのか、不思議で仕方がありません。

もっとも、皇別摂家の者が皇籍復帰(これを皇籍復帰と言ってよいかはわからないが)する場合というのは相対的に決まる可能性はあります。皇位継承のために他に男系男子がいない場合、皇別摂家の者に目が向けられるかもしれません。

しかし、旧皇族の男系男子の方がたが存在している以上は、その者らの皇籍復帰が優先的に検討されるべきであって、皇位継承順位が皇別摂家の方が高いということには成り得ません。

壬生伯爵への養子へ出た秀彦氏(壬生基博氏)が「男系男子」に算入

水間氏の系図を見ると、東久邇秀彦氏とそのご子息が男系男子の勘定に入っています。

かっこ書きで(壬生基博)とあるように秀彦氏は壬生伯爵家に養子に出ています。

つまり、いわば皇別摂家のような立場にあるということです。

壬生基博氏にも男子の御子息がいらっしゃいますが、衛藤首相補佐官、百地教授、青山議員らは、壬生基博氏の系統は男系男子の人数に入れていません

それはもはや「旧皇族ですらなくなった」と評価されているからでしょう。

水間氏は殊更に皇別摂家を取り上げて、何か重要な指摘をしているかのように振る舞っていますが、それは識者らが最初から検討の対象外とすべきと考えていたからであって、現在の状況においてクローズアップすべき対象ではありません。

血の濃さと皇別摂家を持ち出すことは論旨が一貫していない

水間氏は一方では「天皇の血が濃い」ことが東久邇宮家の正統性の根拠であると言っている一方、皇別摂家を持ち出して「旧皇族よりも皇位継承順位が高い」と言っています。これは矛盾しています。

しかも、78頁ではホテルマン時代に旧皇族の方がたにサービスした経験から「その品格や振る舞いは我々一般人とは全く異なります」と、皇族としての振る舞いが重要であるという基準に立っています。これも皇別摂家という民間人を前面に出すことと整合性はありません。

また、皇族だからマナーが良くて国民に受け入れられる、という論法は、マナーが良ければだれでも良いということになりかねず、それは皇統の正統性とは無関係です。

水間氏の論旨は、このように一貫していません。

水間「悠仁殿下の又従兄弟の5名の男系男子」は古い情報

76、77頁では悠仁親王殿下の又従兄弟の5人の男系男子がいると書いています。

それは信彦・眞彦・秀彦氏らの息子たちですが、少なくともそのうちの3名は45歳、39歳、38歳です(壬生基博氏の息子の情報が不明確)。

現時点では、さらにその下の世代の子が4名居るということが判明しています。

現在の時点で又従兄弟の世代の方を持ち出す意義はありませんし、そもそも悠仁親王殿下と世系が同じであるか否かはまったく重要なことではありません。

安倍総理は旧皇族の皇籍復帰に否定的?

月刊WILL 2019年7月号 79頁

第二次安倍政権発足前、安倍首相は女性宮家創設に反対し、旧宮家の皇籍復掃を主張していました。しかし現段階で、安倍首相は旧皇族の皇籍復帰に否定的な考えを示しています

国会議事録を見る限り、安倍総理が旧皇族の皇籍復帰を主張していたことはわかりませんが、内々ではそう思っていたのでしょう。

他方、現段階で安倍総理が旧皇族の皇籍復帰に否定的というのは本当でしょうか?

安倍総理「GHQの決定を覆すということはまったく考えていない」

安倍総理が国会で旧皇族の皇籍復帰に触れたことは平成31年3月20日の大塚耕平議員の質疑においてです。

第198回国会 参議院財政金融委員会 第5号 平成31年3月20日 

○大塚耕平君 いや、私がお伺いしたいのは、総理は戦後政治の総決算ということを何度もおっしゃって、もう六年も総理を務めておられる。大変長期間お務めになっておられることに敬意を表したいと思います。
 ー中略ー
 同様に、このGHQの指示に基づいて十一宮家と二十六人の皇族の方が皇籍離脱をしたという、これをこのままにしておいて本当に戦後政治の総決算ができるというふうにお考えですかという質問をさせていただいております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 皇籍を離脱された方々はもう既に、これは七十年前の出来事で、七十年以上前の出来事でございますから、今は言わば民間人としての生活を営んでおられるというふうに承知をしているわけでございます。それを私自身がまたそのGHQの決定を覆すということは全く考えてはいないわけでございます。 

安倍総理が旧皇族の皇籍復帰を全否定したとは断定できない

歴史的な事実としてはGHQの決定が直接皇籍離脱の効果を発生させたわけではないですし、平成17年の首相官邸の文書である【昭和22年10月の皇籍離脱について】 とも異なる見解であるということになります。

  • GHQが皇籍離脱を直接的に指令したという文書等は残っていない
  • しかし、事実上、GHQの指令が皇籍離脱を引き起こしたと言える
  • 安倍総理が覆さないとした「GHQの決定」は、単に元の皇室財産についての指令なのか、それとも皇籍離脱という結果も含めたものなのかは不明
  • いずれにしても、旧皇族の個人レベルでの皇籍復帰まで否定しているかは定かではない

国会質疑の安倍総理の発言をまとめると、このようになります。

産経新聞:安倍総理は「11宮家全部の復帰」を考えていないだけ

【新元号】安定的な皇位継承の確保を検討 男系継承を慎重に模索(1/2ページ) - 産経ニュース

(旧11宮家の皇籍離脱は)70年以上前の出来事で、皇籍を離脱された方々は民間人として生活を営んでいる。私自身が(連合国軍総司令部=GHQの)決定を覆していくことは全く考えていない

 安倍晋三首相は、3月20日の参院財政金融委員会でこう述べた。これが首相が旧宮家の皇族復帰に否定的な見解を示したと報じられたが、首相は周囲に本意をこう漏らす。

 「それは違う。私が言ったのは『旧宮家全部の復帰はない』ということだ

 また、首相が女性宮家創設に傾いたのではないかとの見方に関しても「意味がない」と否定している。

産経新聞のこの記事が事実であれば、安倍総理は旧皇族の皇籍復帰をまったく諦めたわけではないということになります。

水間氏はこの報道の存在を知っていたのでしょうか?この報道について評価した上で論じてほしいところです。

「女性宮家創設=国体破壊」とは言い切れない

MONTHLY WILL 2019年 7月号 79頁

何としても女性宮家創設=国体破壊の謀略を阻止しなければなりません。

女性宮家創設は女系天皇に繋がりかねないため、みんな反対しています。

逆に言えば、女性宮家を創設しても大丈夫な場合があります。

皇族女子が旧皇族の男系男子と婚姻した場合のみ、女性宮家を創設するという場合。

(もちろん旧皇族の方は皇籍復帰する)

そうすれば、お生まれになる子は正真正銘の男系男子ですから、「女系」に繋がることにはならないのです。

にもかかわらず、旧皇族の男系男子について語っておきながら、女性宮家が創設されれば直ちに国体破壊になると断言するのは、厳密さを欠いているように見えます。

女性宮家」とは皇族女子が婚姻中であっても当主となる場合ですが、女性宮家の定義について、水間氏は民間男性と婚姻した場合のみを想定しているのかもしれません。

ただ、仮に民間男性との婚姻で女性宮家を認めるとしても、それだけでは女系継承がなされることはありませんから(悠仁親王殿下のお子様次第ということになる)、ただちに国体破壊と結びつけるのはやはり厳密に言えば間違いです。

注意喚起のための主張だとしても、ちょっと乱暴に過ぎるのではないでしょうか。

まとめ

  1. 「天皇の血」論は不敬かつ実質的な女系論
  2. 皇別摂家は民間人であり、皇位継承権はない
  3. 悠仁殿下の又従兄弟を出す必要がないし、情報が古い
  4. 安倍総理が旧皇族の復帰に否定的という情報の分析がなされていない
  5. 女性宮家創設=国体破壊というのは厳密さを欠く

水間氏が自身のブログで書き連ねる分においては、そこまで気にしませんが、WILLに掲載されたとあっては看過できない事態です。

勘違いが広まらないようにしてほしいものです。

以上

防衛省と外務省:旭日旗にかんする説明文書

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防衛省と外務省が旭日旗についての説明文書を公開しました。

防衛省による旭日旗の説明ページ

防衛省・自衛隊:自衛隊の旗と海上自衛隊の満艦飾について|防衛省・自衛隊の『ここが知りたい!』
元URL(404):https://www.mod.go.jp/j/publication/net/shiritai/flag/index.html

https://www.mod.go.jp/j/publication/shiritai/flag/index.html

旭日旗の役割・種類、満艦飾をする場合について自衛隊の観点から説明しています。

外務省による旭日旗の説明文書

旭日旗 | 外務省

  1. 日本文化としての旭日旗
  2. 自衛隊の公式な旗としての海上自衛隊の自衛艦旗と陸上自衛隊の自衛隊旗(連隊旗)
  3. 世界で広く使用されている旭日のデザイン

これらの情報をコンパクトにまとめています。

旭日旗を使用している外国国家、地域、軍隊

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北マケドニア共和国国旗、アリゾナ州旗、ベネズエラ・ララ州旗、ベラルーシ空軍旗

これは初めて知りました。

サッカーチームのアトレティコマドリードも似たようなデザインのものがありますね。

英語版もあるが公式ツイッターでは配信せず

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これらは24日にUPされたものですが、防衛省・外務省ともに公式ツイッターアカウントやFacebookアカウントでは発信していません。

これでは意識的に検索をかけた者しか見ることがありません。

外務省の掲載ページを見れば分かりますが、単にPDFを置いているだけで、なぜこのような説明文書を掲載するに至ったのか?という背景の説明がまったくありません。

韓国のサッカー界隈が2011年に突然、難癖をつけてきたということを明確に発信しないのはなぜなんでしょうか?

以上

旧皇族の男系男子はどの宮家に何人いるのか:衛藤晟一首相補佐官、百地章、青山繁晴の人数の整合性

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旧皇族の男系男子の人数等について、近時、青山繁晴参議院議員衛藤晟一首相補佐官百地章教授らが公の場で言及しました。

ただ、口に出された人数にはズレがあるので、その理解を整理していきます。

百地章教授「全部で8名の未婚の男系男子」

百地章教授が5月7日収録、10日配信のチャンネル桜の番組において、平成24年時点の家系図を用いながら、最新の情報を口頭で説明していました。
(動画の20分あたり)

そこでは具体的な宮家名を挙げて全部で8名の未婚の男系男子の方がたがいらっしゃると説明しています。

衛藤晟一首相補佐官5つの宮家に「約9方」

5月21日のBSフジプライムニュースにおいて、衛藤晟一(えとうせいいち)首相補佐官が旧宮家の4家に若い男系男子がおり、いずれにしても男系男子は「約9方」存在すると言っていました。

これは百地章教授と異なりますが、久邇家の御一方が御高齢であり御子息がお生まれになっていないため、百地教授は1家1名を差し引いているためです。衛藤氏もだからこそ「約9方」という言い回しをしているのです。

「9方」であれば5家になります。

青山繁晴参議院議員「少なくとも7人」

【旧皇族・旧宮家】「15歳以下の男子が5人、20代前半の男子が2人」青山繁晴議員の質疑

令和元年(2019年)5月22日の参議院決算委員会

すなわち、現在の旧宮家の中に皇位継承者となっていただけるような男子は現実にどれほどいらっしゃるかを知らないと議論がこれ以上できないです。したがってこの決算委員会の質問の機会を頂くのはかなり前から、余裕をもって頂きましたので政府機関の協力も得て調べました。

旧宮家の方がたは、もう一度申しますが、現在一般の暮らしをされていますから、たとえばプライバシーの尊重にも十分な配慮を致さねばなりません。

あくまでその範囲で申せば悠仁親王殿下とあまり年代がお変わりない、すなわち15歳以下の男子の方がた5人がいらっしゃると承知しております。さらに20代前半の男子の方がたがお二方いらっしゃって、少なくとも7人の方がたについては、もしも皇統譜にお戻り頂ければ皇位継承者となり得るということが考えられると思います。

青山議員は4月1日のDHC虎ノ門ニュースに続いて5月22日の参議院決算委員会において「少なくとも」7名と説明しています。

百地教授の説明では10歳未満の方がいらっしゃるということで、青山議員の場合、特に年齢が低い方は除外して考えた数字だったものと思われます。

「現在の旧宮家の中に皇位継承者となっていただけるような男子は現実にどれほどいらっしゃるかを知らないと議論がこれ以上できないです」とあるように、青山議員は「今すぐ議論を煮詰めるべき」という判断で質疑に臨んでいたようです。

ですから、青山議員が仮に上記の理由で人数を7名としたのであれば、そのような説明になったのは合理的であると言えます。

皇族方の年齢も、百地教授の説明と矛盾しません。

まとめ:旧皇族・旧宮家の男系男子の人数に矛盾は無い

ネット上では数字だけが出回っており、「だれだれが言った人数と合わない」という混乱が一部で起こっているようです。

しかし、発言を丁寧に追えば上記のように理解できます。

そうであれば、彼らの発言相互は矛盾せず、整合性があると気づくでしょう。

以上

青山繁晴議員が虎ノ門ニュースで旧皇族の男系男子の情報を言わなかったのは妥当なのか

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青山繁晴議員が虎ノ門ニュースで旧皇族の男系男子の情報(宮家名)を言わなかったのは妥当なのか?についての結論です。

  1. 国家機関の協力で得た情報を自身の後援会でのみ伝えるのはよいのか
  2. どの宮家かはプライバシーに関わるのでクローズドの場でも伝えるのは良いのか

この問題について考えていきます。

青山繁晴議員が虎ノ門ニュースで旧皇族の男系男子の情報を言わなかったのは妥当なのか

KAZUYA氏「青山繁晴議員は国政調査権で得た情報で講演会集客した発言は問題」について

こちらでも取り上げましたが、(国政調査権を行使したかどうかという法的な観点は抜きにして)国会議員の立場があることで国家機関の協力を得て入手した情報を、公開番組で敢えて言及せずに自身の有料・クローズドの講演会でのみ伝えるのは、価値判断としてどうなのか?という指摘があります。

ここでの「情報」とは

  1. 旧宮家の男系男子の人数
  2. どの宮家に居る方がたなのか
  3. 年齢等の付随する情報

というふうに分けられます。

青山議員は4月1日のDHC虎ノ門ニュースでは旧宮家の男系男子の人数を「悠仁殿下と同年配(未成年)が少なくとも5人」、さらに放送終了間際に「20代前半の方がたが2名」と言いました。

他方、「どの宮家に居るのかは独立講演会で話す」とも言っていました。

青山議員の質疑における発言

【旧皇族・旧宮家】「15歳以下の男子が5人、20代前半の男子が2人」青山繁晴議員の質疑

令和元年(2019年)5月22日の参議院決算委員会

すなわち、現在の旧宮家の中に皇位継承者となっていただけるような男子は現実にどれほどいらっしゃるかを知らないと議論がこれ以上できないです。したがってこの決算委員会の質問の機会を頂くのはかなり前から、余裕をもって頂きましたので政府機関の協力も得て調べました。

旧宮家の方がたは、もう一度申しますが、現在一般の暮らしをされていますから、たとえばプライバシーの尊重にも十分な配慮を致さねばなりません。

あくまでその範囲で申せば悠仁親王殿下とあまり年代がお変わりない、すなわち15歳以下の男子の方がた5人がいらっしゃると承知しております。さらに20代前半の男子の方がたがお二方いらっしゃって、少なくとも7人の方がたについては、もしも皇統譜にお戻り頂ければ皇位継承者となり得るということが考えられると思います。

政府機関の協力も得て調べました」という表現からは国政調査権の行使であるかは判別しませんが、先日の私の記事で書いたように国政調査権の行使という法的事実と仮に相違があったとしても問題はないと考えているので、この点は無視します。

旧宮家の男系男子には15歳以下が5名、20代前半が2名の少なくとも7人が居らっしゃる」旨の発言について考えます。

旧宮家の男系男子には15歳以下が5名、20代前半が2名の少なくとも7人

明言していませんでしたが、これは「未婚の男子」を指して言っていると思われます。

質疑では男系男子の人数しか言っていませんが、当然、どの宮家に未婚の男子が何名居るのか、彼らの年齢はいくつなのか、ということも把握し、それを独立講演会で話したはずです。

これは、少なくとも4月1日以前の従前のネットで公にされている情報源には無い情報であり、人数や年齢構成も従前の情報とは異なります。

年齢が違うのは単に元から存在して居ることが判明していた方がたが年を重ねたから、ということではなく、新たに把握された人が居るということです。

情報の更新があった

私の認識は、もともと以下のようなものでした。

KAZUYA氏「青山繁晴議員は国政調査権で得た情報で講演会集客した発言は問題」について

これは未確定ですが、仮に国政調査権で得た情報であるとして、それを公ではなくクローズドの有料講演会でのみ話す・集客に用いる、ということが直ちに問題であるとは思いません。

たとえば機密性の高い情報であれば即アウトですが、国会議員をやっていなければ知ることのなかった情報・国家機関の権力行使によって初めて知った情報というのは、何も国政調査権を行使して得た情報に限られません。

講演会ではなく、書籍にまとめて出版・販売した場合はどうでしょうか?

どの宮家に男系男子がどれだけいるのか?という情報を虎ノ門ニュースで話さなかったことの妥当性は、実際に独立講演会で聞いてみて初めて判断できるものだと思います。

平成17年時点で保阪正康氏が作成した系図から大幅に変化があったということであれば妥当性は高いと思いますし、変更がまったくないなら、既にネットでも見れる情報を虎ノ門ニュースでは言わなかったというのは解せない、ということになるでしょう。

商売に利用したから、と受け止めて非難する人も居ますが、それはそれとして私はそうは思っていません。発言の内容によって、行動の妥当性があるかが決まると考えていました。

上記の私が自分で設定した考慮要素に照らしてみると、青山議員の5月22日の質疑における発言には、従前の情報から更新された内容が含まれています。

よって、青山議員がDHC虎ノ門ユースで旧宮家の男系男子の情報を言わなかったということは妥当性があると思います。

次に、「クローズドの場であってもどの宮家に居るのか」ということは旧皇族のプライバシーにかかわるものであり、言うべきではなかったのでは?という観点が別個にあるかもしれません。

どの宮家に男系男子が居るかは議論の前提という信念

【旧皇族・旧宮家】「15歳以下の男子が5人、20代前半の男子が2人」青山繁晴議員の質疑

令和元年(2019年)5月22日の参議院決算委員会

すなわち、現在の旧宮家の中に皇位継承者となっていただけるような男子は現実にどれほどいらっしゃるかを知らないと議論がこれ以上できないです。したがってこの決算委員会の質問の機会を頂くのはかなり前から、余裕をもって頂きましたので政府機関の協力も得て調べました。

青山議員の考えは「皇位の安定的継承にかんする問題については、もはや具体的な議論をする段階であり、議論を加速させるためには特定の宮家名を挙げなければ話がかみ合わない、よって、プライバシーに配慮しつつも旧皇族のどの宮家に何歳の男系男子が何人居るのかということを把握するべきだ」というものでしょう。

国会質疑において、青山議員は旧宮家名は言ってません。それは一議員からの情報ではなく、今後、国会として議論するべきだと考えたのでしょう。

他方で自分のクローズドの講演会であれば許容範囲であると考えている節があります。

プライバシーの観点からも問題ない

プライバシー侵害として民事不法行為となる場合については「宴のあと事件」(東京地方裁判所 昭和36年(ワ)第1882号)において基準が示されており、公開された内容が以下の内容を伴うことを必要としています。

  1. 私生活上の事実または私生活上の事実らしく受け取られるおそれのある事柄
  2. 一般人の感受性を基準にして当該私人の立場に立った場合に公開を欲しない事柄
  3. 一般の人々に未だ知られていないことがらであること

誰の家に何歳の子供が何人居るのか、という情報は、それだけでは私生活上の事実ではありませんし、一般人からして公開を欲しない事柄であるかというと、そうではないでしょう。

したがって、プライバシー侵害としての違法の問題は発生しません。

素朴な価値判断の上でも、誰の家に何歳の子供が何人居るのか、という情報を語ることが直ちに悪いことだとは思いません。それすら語ることが許されないなら、およそ他人について語ることが許されなくなるでしょう。それはおかしいです。

実際、具体的な宮家名をオープンの場で言及している方は百地章教授など既にいらっしゃいます。

まとめ

旧皇族の情報はこれまで「隠されていた」と言ってよいほどでした。

特に酷いのが『「旧皇族」は皇籍離脱当時に皇族だった者を指し、その子孫は含まれないから若い旧皇族は存在しない』というものです。実際にこのような主張をする者は多数居ました。

これからは旧皇族の情報が表に出てくるでしょうが、反面としてプライバシーの保護の問題があります。

週刊誌が鼻を利かせて張り付く、という状況が長年続く可能性もありますから、この話が表に出た以上は、慎重ながらも迅速に議論を煮詰めなければいけないのではないでしょうか。

以上

水間政憲のブログでの青山繁晴パクリ認定が完全に的外れだった件

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5月22日に青山繁晴議員が旧皇族の男系男子について質疑を行ったことにより、従前、水間政憲氏が青山議員を自身の「パクリ」と主張していたことが完全に誤りであることが確定しました。

水間政憲のブログでの青山繁晴パクリ認定

経緯は以下で論じていますが改めて簡潔に書きます。

水間政憲が青山繁晴をパクリ非難:旧皇族の東久邇宮家の男系男子という事実について

DHC虎ノ門ニュースでの青山繁晴議員の発言

4月1日のDHC虎ノ門ニュースにおいて青山繁晴議員が以下発言しました。

  1. 悠仁親王殿下と同年配の男子の方が旧宮家に少なくとも5名居る
  2. 青山繁晴氏が独自に調査した
  3. 宮家の名前は虎ノ門ニュースでは言えないが、独立講演会では言うつもりである

この発言に対して水間政憲氏が「パクリ」であり「ビジネス保守」と言いました。

水間氏のブログでの指摘

水間氏の主張は以下でした。

  1. 平成31年3月20日に大塚耕平議員が東久邇家に旧皇族が居る事を質疑で話した
  2. それは水間氏が大塚耕平議員にレクチャーをしたから
  3. 旧皇族である東久邇宮家の男系男子については2017年3月17日に発行された水間氏の著作において書かれており、青山氏の言う5名と一致している
  4. この書籍発行前に東久邇宮家に男系男子がいらっしゃることについて詳しく言及した者はいないので初出は自分である
  5. よって、青山氏はパクった挙句、大塚耕平議員の国会質疑で公知のものとなったハズであるのに、それを自分の講演会で金儲けのために利用している

この主張は当時から無理がありました。

事実に著作権なし、独自取材の可能性が十分にある

系図は事実なので、それ自体に著作権はありません。

青山氏は2009年の時点で関西テレビスーパーニュースアンカーにおいて年齢も含めた旧皇族の男系男子の存在を発言していました。

また、平成17年以前の時点で複数の論者が旧皇族の系図を作成していましたし、竹田恒泰、西尾幹二らもどの宮家に何人の男系男子がいるのかということは把握していました。

「水間政憲が東久邇宮家の男系男子を発見したから青山繁晴はパクリ」?⇒保阪正康氏らが既に取材してました
水間政憲「天皇家と東久邇家を横並びにした家系図が存在していなかった」⇒平成10年に所功が書いてました

さらに、青山氏の5月22日の質疑によって、水間氏の主張が完全に誤りであるということが確定しました。

青山繁晴パクリ認定は完全に的外れだった

【旧皇族・旧宮家】「15歳以下の男子が5人、20代前半の男子が2人」青山繁晴議員の質疑

上記記事で青山氏の質疑の関連部分を書き起こしており、そこから抜粋します。

旧皇族・旧宮家の男系男子は15歳以下が5人、20代前半が2人

令和元年(2019年)5月22日の参議院決算委員会

すなわち、現在の旧宮家の中に皇位継承者となっていただけるような男子は現実にどれほどいらっしゃるかを知らないと議論がこれ以上できないです。したがってこの決算委員会の質問の機会を頂くのはかなり前から、余裕をもって頂きましたので政府機関の協力も得て調べました。

旧宮家の方がたは、もう一度申しますが、現在一般の暮らしをされていますから、たとえばプライバシーの尊重にも十分な配慮を致さねばなりません。

あくまでその範囲で申せば悠仁親王殿下とあまり年代がお変わりない、すなわち15歳以下の男子の方がた5人がいらっしゃると承知しております。さらに20代前半の男子の方がたがお二方いらっしゃって、少なくとも7人の方がたについては、もしも皇統譜にお戻り頂ければ皇位継承者となり得るということが考えられると思います。

「少なくとも7名」の男系男子が存在していることが政府機関の協力を得て調べた結果、把握できたということを明確に言っています。

水間氏はどう言っていたのか、どう著作に書いていたのか?

水間氏のブログ「東久邇宮家に悠仁親王のまた従兄弟が5名」

水間氏は東久邇宮家の信彦氏の息子一人、壬生伯爵に養子に出て行った秀彦氏の息子二人、眞彦氏の息子二人、を挙げて(名前の記載はなし)、「悠仁親王殿下のまた従兄弟」、「悠仁親王殿下の同年配」と言及していました。

しかし、少なくともそのうちの3名は現時点で45、39、38歳です。

どう考えても青山氏と同じ人物を指していません。

また、青山氏は従前から「少なくとも」5名と言っていたので、前の発言と齟齬があるわけではありません。

このように、水間氏の主張は完全に破綻していることが確定的に明らかになりました。

まとめ

青山氏は最新の情報を元に発言していたということが分かりました。

そのため過去の各所での発言と人数が異なっていても何もおかしな話ではありません。

水間氏の主張に悪乗りしていた人たちも、いいかげん気づくべきです。

以上 

【旧皇族・旧宮家】「15歳以下の男子が5人、20代前半の男子が2人」青山繁晴議員の質疑

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青山繁晴参議院議員が皇位継承問題について質疑した該当部分を書き起こしました。

【旧皇族・旧宮家】「15歳以下の男子が5人、20代前半の男子が2人」

令和元年(2019年)5月22日の参議院決算委員会において青山繁晴議員が質疑を行いました。

最初に、福島第一原発事故の危機レベルがチェルノブイリと同じレベル7に設定されているのが不当であるということや、放射性物質の最終処理について質疑されています。

そして、その次に安定的な皇位継承のための方策にかんする質疑が行われました。

参議院インターネット審議中継の動画では19分10秒からです。

青山繁晴議員の質疑

以下、書き起こしです。

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青山繁晴君 令和の新時代を国民みんなで明るく寿いでいるというとても良い時代が私たちの前にあります。同時に、実は皇位継承の安定の問題が目の前に迫り来てるという現実があります。

御譲位を実現しました特例法の附帯決議におきまして、皆様ご承知の通り、その安定への努力がうたわれておりまして、「女性宮家の創設等」という表現がありますが、「等」、など、という言葉は、一般社会よりも法においてはとても大切な一言であると理解しています。したがって、女性宮家の創設に安定のための対策が限られたわけではないということは言えると思います。

その上で、これまでの立場を超えて、つまり、これからいよいよ具体的に方策を政府におかれても或いは国会においても考えなければ、議論せねばなりませんから、これまでの立場を超えて、公正公平に考えなければならないのが、日本がかつて占領下に主権を失っていた時代に、GHQが強権によって、宮家のうち、つまり皇位継承のために作られた宮家のうち、実に11までを皇籍から外し、そのときいらした26人の男子の方がたから皇位継承となる資格を事実上奪ったという冷厳なる事実があります。

ちなみにこの26人というのは私の個人見解ではなくて、国会審議で答弁があったところでございます。

今の段階は、この国会の場でいたづらに私の個人的見解を申し上げる段階ではないと思います。それは慎みつつ申し上げれば、この、いわゆる臣籍降下、難しい言葉ですけれども、臣籍、つまり、ふつうの戸籍に下りて頂く、皇統譜から降りていただくということがなければ、当時の26人という男子の方がたを考えても、現在の皇位安定の課題は生じていなかったのではないかというのは、これも立場を超えて考えられるところであります。

しかも、GHQの措置というのはただ、占領下にあったというだけで行われています。敢えて言えば法的根拠がないと、これはちょっと私の個人的見解ですけれども思っていますから、したがって、よく宮家の方が宮家を離れられてから70数年過ぎているということがよく言われるんですけれども、巷間よく言われますが、これは話が逆で、占領が終わって実に67年たってるわけですから、占領下で行われたことについて私たちが独立国家として検討を加えるのは当たり前のことであろうと、個人的見解とはとても思えません。

したがって、宮家を強制的にお戻り頂くとかそんな話ではもちろん無くて、お戻り頂ける方がたにはお戻り頂ければということを少なくとも解決の選択肢の一つとして研究するのは、右も左もなく、冷静に考えればむしろ当然のことではないかと思います。

しかし一方で、先ほどの人口に膾炙してる70数年も過ぎたという話の中には、26人いらっしゃった男子の方は今はどうなんですか、というのは当然、国民であれば感心のある方であれば考えられるところではあります。

すなわち、現在の旧宮家の中に皇位継承者となっていただけるような男子は現実にどれほどいらっしゃるかを知らないと議論がこれ以上できないです。したがってこの決算委員会の質問の機会を頂くのはかなり前から、余裕をもって頂きましたので政府機関の協力も得て調べました。

旧宮家の方がたは、もう一度申しますが、現在一般の暮らしをされていますから、たとえばプライバシーの尊重にも十分な配慮を致さねばなりません。

あくまでその範囲で申せば悠仁親王殿下とあまり年代がお変わりない、すなわち15歳以下の男子の方がた5人がいらっしゃると承知しております。さらに20代前半の男子の方がたがお二方いらっしゃって、少なくとも7人の方がたについては、もしも皇統譜にお戻り頂ければ皇位継承者となり得るということが考えられると思います。

これは先ほど令和の時代を寿ぐ明るい日々を私たちは実は過ごしていると申しましたけど、皇位継承が安定するということに繋がる、実は国民の明るい希望の話でもあると思うんですね。つきましては、まず政府としてはどのような確認をなさっているのかをお尋ねいたします。

◎宮内庁長官官房審議官(小山 永樹) お答え申し上げます。昭和22年に皇籍離脱をされた方々の御子孫の方がたにつきましては具体的には承知していないところであります。

◎青山繁晴君 政府参考人からこういう答弁があっても、微妙な情勢ですから、それは理解しなくはないんですけれども、しかしですね、先ほど申しました通り、このままですと議論の前提がないんですね。旧宮家の方がたの、たとえば未成年の方がたの御意思とか、それからたとえばご両親の方がたの御意思とか、丁寧にプライバシーなどを守りつつ、広く人権全般を守りつつ考えなければいけないのは、必ずそうしなければいけないことではありますけれども、しかし、皇位継承者になりうるような男子の方がたがいらっしゃるのかどうか何にもわからないまま旧宮家の方とご相談、仮に政府が今後非公式になさるとしても逆に失礼なことだと思います。

したがって、委員長、お願いがございまして、先ほど申しました十分なプライバシーの尊重などの徹底的な配慮をいたした上で、政府からこれに関連した資料をこの国会に、この委員会に出すことをお願いいたしたく存じます。

◎議長 この件につきましては後刻、理事会において協議をいたします。

◎青山繁晴君 是非期待いたしたいと思います。協議いただくことに感謝いたします。その上でですね、仮定の話になって恐縮なんですけれども、当然、私たち国会にいるもので考えなければいけないのは、もし仮に旧宮家から皇統譜に、皇籍に復帰頂く場合があるとしたら、どのような法的手続きが必要なのかということは、これも敢えていえば事前に国会として熟知していなければ、議論ができないと思います。

まず、どのような改正、特に皇室典範、最初に皇室典範の改正についてはどういうことを考えねばならないのか。お尋ねいたします。

◎野上官房副長官 委員ご指摘の旧宮家の皇籍復帰等を含めた様々な議論があることは承知をいたしておりますが、安定的な皇位の継承を維持することは国家の基本にかかわる極めて重要な問題でございまして、男系継承が古来例外なく維持されてきたことの重みなどを踏まえながら慎重かつ丁寧に検討を行う必要があります。

また、女性皇族の婚姻等による皇族数の減少等につきましては、皇族方の御年齢からしても先延ばしすることができない重要な課題であると認識をしております。この課題への対応等については様々な考え方、意見があり、国民のコンセンサスを得るためには、これまた十分な分析検討と慎重な手続が必要でございます。

政府としましては、まずは天皇陛下の御即位に伴う一連の式典が国民の皆様の祝福の中でつつがなく行われるよう全力を尽くし、その上で衆参両院の委員会で可決された附帯決議の趣旨を尊重して踏まえまして対応してまいりたいと考えております。

◎青山繁晴君 今日はなかなか困難なお答えが多いんですけれど、それは今、副長官がおっしゃったように、別に与党だからそう申すのではなくて、実は令和の時代が始まっていますし、本当に幸いにもつつがなく進行しているわけですけれども、11月、少なくとも11月までの一連の行事が終わらないと御代替わりが本当に幸せに達成できたとはいいきれない状況ですから、危機管理の観点からしましても、今の段階ではそのようなお答えになるのはありえるとは思います。

ただし、先ほどの最終処分をどうするかと、大臣が残っていらっしゃるので、わざと言うわけではなくて、やっぱりこれは微妙且つ難しい問題ほど早く検討しなければいけないのは当然のことでありまして、そうすると、この国会の任務としても先ほどの最も難しい放射性廃棄物の最終処分の問題にしても、皇位継承の問題にしても、根っこは同じでありまして、資料が早めに国会に提出して頂いて、与野党の垣根なく、良き議論ができると思いますので、それを改めてお願い致したいと思います。

ちょっと早いですが、私はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。

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書き起こし終わり。

青山議員の質疑と政府答弁についての感想

宮内庁からの政府参考人が、旧皇族の方がた(昭和22年に臣籍降下=皇籍離脱した皇族の方がた)の子孫については承知していない、という答弁をしたのは、これまで通りです。

私は、まったく知らないということは無いと思います。

これは、皇位の安定的な継承等について議論がなされてから公式に回答するということが方針としてあるのだと思います。

青山議員の質疑に対する答弁にも会った通り、今年の秋に天皇の御代替わりに関連した行事が行われるまでは議論をしない、という方針ですから、旧皇族の皇籍復帰の可能性を前提とした答弁は避けているものと思われます。

まとめ

  1. 皇室典範特例法の附帯決議における「女性宮家の創設等」という表現は、なにも女性宮家の創設に限らない
  2. 旧皇族には15歳以下の男子が5人、20代前半の男子が2人いらっしゃる
  3. 旧皇族の皇位継承権者候補についての資料を国会提出することについて後日協議することとなった
  4. 政府としては時機的な問題と仮定的な話であるため回答が控えられている状況であると推察される 

以上